好きだから傍に居たい

麻沙綺

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憂い顔を除きたくて…遥

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 今日から、亜耶と一緒に登校となったわけだが、俺的には嬉しいんだが、その反面亜耶には申し訳ないと思ってる。
 何せ、あの女が何か仕掛けてくると思うと気が気じゃない。
 だから、少しでも自分が傍にいて護りたいっと思う。
 亜耶の顔色は、何か不安事がある時の顔で、俺の言葉にも曖昧な返事を返してくるだけで、ちゃんと聞いてなさそうだ。
 亜耶の不安要素は、クラスの事だろうが、安易に俺が口を出すわけにもいかないし……。
 さて、どうしたものか……。


 職員室で、朝の連絡事項を聞き終えると少し早いが教室に向かう(宮原先生は、今日まで出張だ)。


 教室に入れば、亜耶を取り巻くように他の生徒が囲っている。龍哉達が、亜耶を守るように立ちはだかってはいるが……。
「お前ら、何やってるんだ。席に着けよ。」
 そう声をかければ、嫌悪感を剥き出しにしながら俺を見て、席に着く面々。
 そんな中、亜耶が俺の方に来て。
「高橋先生。これ……。」
 と言って、メモ紙を渡しに来る。
 俺は、そのメモを見て。
「サンキュー。仕事が早いな。」
 と笑みを浮かべていた。
 亜耶が渡してきたのは、朝話した体育祭のメンバーが欠けたところの穴埋め選手だ。
 そんな俺たちのやり取りを見ていた他の生徒たちから。

「何、恋文? 俺らにも見せて。」

 なんて声が上がってきた。口許をにやけさせてるヤツもいる。
 はぁ~、これが、恋文か?
 呆れてものが言えない。
 俺、亜耶から一度もそんなもの貰ったこと無いぞ。唯一もらったのって、ノートの端に書かれた悪口しかねーよ。
 って、そんなことはどうでもいい。
 側で止まってた亜耶に。
「鞠山は席に戻れ。」
 そう告げると亜耶は軽く頷き踵を返して、自分の席に向かう。
 亜耶が席に着いたところで、教室を見渡し。
「お前ら、これが恋文に見えたんか?」
 先程のメモを掲げて言う。
 すると。
「違うんですか?」
 なんて嫌みっぽく返ってくる言葉に。
「違うな。」
 一言で返した。
「じゃあ、何だって言うんですか?」
 そう声が上がり、亜耶の傍に居た六人は嫌悪の顔をしながら、俺たちの事を見ていた。
「抜けた所の体育祭のメンバーが書かれてあるだけのメモだ。お前たちが鞠山を軽蔑してる間に、委員の仕事をしてたんだ。」
 そう言葉を放った。
 亜耶を庇うことは、幾らでも出来るがそれを亜耶は良しとしない。
「お前たちは、一体今まで鞠山の何を見てきたんだ! 上部だけで判断する何て、もっての他だ。彼女自身を見ていなかったんだろ!」
 つい言葉がきつくなる。
 こいつらが、亜耶を信頼に値しないと思ってるなら、この言葉も意味をなさない。
 だからって、俺の一存で決めるわけにもいかない。
「俺は、嫁を擁護するつもりは、これっぽっちもない。ただ後悔する学校生活を送って欲しくないだけだ。折角同じクラスになった仲間なんだから、楽しい方がいいだろ。こんなことでいざこざ起こして、後でしこりになるのも嫌だろ。それに、俺はただの補充要因に過ぎない。新しい先生が決まり次第出て行く者だと思ってくれ。」
 そう、俺自身は元々ここには居ない筈だったんだ。それを忘れて欲しくなかった。
 亜耶が辛そうな顔をして俺を見てくる。
 そんな顔をしないでくれ。
 亜耶を攻めてる訳じゃないんだ。
 そう言わないと、こいつら信じないだろう。
 笑っていて欲しいんだ。
 亜耶の憂い顔なんて見たくない。


 俺は、そう思いながら今日の諸事項を伝え教室を出ようとした時、龍哉が亜耶に何か告げているの目に入り、少しだけ照れた顔をする亜耶の顔があった。









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