好きだから傍に居たい

麻沙綺

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事件? 事故? 1…ユキ

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 学食から戻る途中で、先程の視線が気になった。
 今も何処からともなく感じる殺気にあたしは、警戒していた。
 もしかしたら、亜耶ちゃんに何かあるかも……。あたしの五感がそう告げてる。
 亜耶ちゃんの側を離れてはいけないって、何かが訴えてきてる。
 その感が、当たるなんて……。



 教室に戻ると、梨花ちゃんたちの姿がなくて、どうしようかと思った。さっきの事を相談したかったのだ。
  
 今は、龍哉くんの指示で、私たち六人は携帯を所持してる(構内携帯禁止だけど、学園に許可を取ったって言ってた)。
 亜耶ちゃんに何かあったら直ぐに連絡できるようにと……。それから、亜耶ちゃんを一人にしないことを言われた。



 亜耶ちゃんが、教室を見て二人が居ないことで職員室に行くと言い出した。
 さっきの話から、着いていかない方がいいと思うのだが、学食での殺気がある視線が気になって、一人で行かせるわけにはいかなかった。

「亜耶ちゃん、一人になっちゃうから一緒に行くよ。」
 あたしは慌てて亜耶ちゃんを追い駆けた。



 階段の所まで来ると、妙な雰囲気の女生徒が亜耶ちゃんに近付いていて、もしかしてって思い走り出したが、間に合わず亜耶ちゃんはその生徒に背中を押されて、そのまま階段を落ちて行く。

「キャーー! 亜耶ちゃん!!」
 あたしは、周りの生徒を呼ぶようにありったけの声を出し叫んで、亜耶ちゃんの側に駆け寄る。
 その際に突き落とした生徒を見たが、その場に踞って。

「あっ、あたし……あたしじゃない。あの人の為……。あの人と高橋先生の…為……。」
 と呟くのが聞こえてくる。
  
 あの人?
 一体誰を指しているんだろう?
 彼女は、その場から動く様子も無く、ボーゼンと亜耶ちゃんを見ていて、周りには気付いていないようだ。
 あたしは、彼女の横を通り抜け階段を駆け降りる。
 亜耶ちゃんの側に行けば、意識が無くて慌てて携帯を取り出す。
 そして、梨花ちゃんに電話を掛ける。


『ユキ、どうしたの?』
 数コールで梨花ちゃんが出た。
「亜耶ちゃんが……。」
 動揺して言葉が上手く出てこない。
 手も微かに震える。
『亜耶がどうしたの?』
 梨花ちゃんがゆっくりと聞き返してくれる。
「階段から突き落とされた。」
 そう告げながら、突き落とした彼女の行動を見張っていた。
 彼女は、いまだに動揺しているのか、動こうともしない。
『ユキ、今何処に居るの? ……救急車呼んだ? 意識は?』
 梨花ちゃんと話してた筈なのに、途中から焦った声の高橋先生に変わっていた。
「えっと……救急車はまだです。意識は無いです。場所は、北校舎の……二階から一階への踊場西側です。」
 質問されたことをどうにか答える。
 辺りには、騒ぎを聞き付けた生徒で徐々に増え出した。
 その中に、見知った信頼できる人物を見つけ。
「湯川くん。あそこで座り込んでいる生徒を取り押さえてくれるかな。彼女が、亜耶ちゃんを突き落とした犯人だから。」
 階段の所に佇んで居る彼女を指す。
 湯川くんが青い顔で動揺しながら、彼女の傍に行き捕り押さえたところに。
「何? えっ、鞠山さん。何で……。」
 細川が来てオロオロとしだす。
 そして、視線をさ迷わせていた目が一点を見て。
「佐江。何があったんだ!」
 って声を掛けながら、彼女に近寄って行く。
 どうやら細川くんの知り合いみたいだね。
 そんな二人を見ていたら。
「ユキ!!」
 梨花ちゃんの声が人垣の向こう側から聞こえてきた。
「こら、そこどけ!!」
 高橋先生の焦りと苛立ちの声も。

 輪の中に入ってくる二人を見て、ホッとしたのは言うまでもない。











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