好きだから傍に居たい

麻沙綺

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優遇…遥

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 翌朝。
 俺は、早めの時間に歩いて学校に向かった(昨日車は、学校に置いてったからな)。


 職員室に荷物を取りに向かう。

 室内には、二・三人の先生しか居なくて、ガランとしていた。俺は、その先生方に挨拶をし自分に宛がわれてる席の荷物を手にすると出入り口に足を向けた。


「高橋先生、おはようございます。後十分程で会議が始まりますが、どちらに向かわれるのでしょうか?」
 と声が掛かり、俺の行く手を塞ぐように奈津先生が仁王立ちしていた。
「おはようございます。理事長に用がありますので、そちらに伺うところですが、何か問題でも?」
 と、問い返した。その後は、病院に直行だが、な。
「そうですか。なら、そちらの鞄は必要ないかと思われるのですが。」
 と目線だけで俺が持っている鞄を示す。
 そうかもしれないが、俺にとっては必要なものだ。
「この中に理事長に渡す資料があるので、持っていかないと行けないんですよ。」
 そう、この中に昨日預かった "もの" が入っているのだから……。
「で、会議の方は、出られるんですよね?」
 奈津先生が、睨み付けるよう聞いてくる。
「そうですねぇ……。その会議には出れないですね。何せ、今日は俺急遽休みになりましたからね。理事長の配慮でね。」
 昨日、理事長が電話越しに言ってたことだが……。
「何故、ですか? 先生だけが優遇され過ぎでは? 会議は、全員参加が求められてる筈ですが?」
 まぁ、普通はそうだろうけどね。
 俺は、亜耶命だからねえ、仕事は二の次だし……。
「そうかもしれないが、唯一の嫁が入院してしまったのと伯父の頼みで、学校ここに居るんでその点から考えれば、それぐらい優遇は許されるのでは? それに、会議内容は、大体伯父から聞いてるんで、把握してるし、俺の意見は伝えてある。それでも不満があるのなら、伯父である理事長に直接言ってくれ。俺は何時でも辞める準備はしてあるから。」
 まぁ、新しい先生が早く見つかることを願うだけだが……。
 俺は、それだけ告げると彼女の横をすり抜けて、理事長室に向かった。



 コンコンコン……。
 理事長室のドアをノックして中に入る。
 伯父は、机で書類作成している最中だった。俺が近くまで寄ってやっと顔を上げ。
「おはよう、遥。どうした朝から疲れた顔してるぞ。」
 揶揄するように言う伯父。
「おはようございます。朝から、奈津先生に絡まれまして。」
 うんざりした声音でそう口にしながら、昨日二人にって渡された "もの" を返す。
「ははは……。奈津先生は、仕事熱心だからな……。って、これ渡した時のままだな。キャンセル料発生してるよな。その分は、どうしたんだ?」
 伯父が不思議そうに聞いてくる。
「気にしなくていいですよ。元々高橋コーポレーションうちの系列で予約していたので、それに此方の都合で行けなくなってしまったのでね。それでは、失礼します。」
 俺は、それだけ言って部屋を出ようとして。
「早々。真由が亜耶のお見舞いに来るそうです。何か伝える事があれば伝えておきますが?」
 そう口にしたら。
「……、たまには家にも顔を出しなさい。透くんと一緒に。」
 伯父は、驚いた顔をしたかと思うとそう口にした(眉間にシワを寄せて)。
 一人娘だからか、余程心配しているのだろう。直接本人に言えないが、人伝なら言えるって……。
 まあいいけど。
「わかりました、伝えておきます。」
 そう口にし、部屋を出る。


 真由も素直じゃないから、伝えたところで会いに行くかは疑問だが、な。


 俺は、そのまま駐車場に向かった。












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