好きだから傍に居たい

麻沙綺

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帰る場所…亜耶

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 一端家に戻った私たち。

 自分の部屋に入り、学校で必要な物は通学鞄に詰め込んで、クローゼットからスーツケースを出して、ファスナーを悪戦苦闘しながら全開に開けて、着替えなどを詰め込んでいった。

 テキパキとは行かないが、必要な物lを何とか詰め込み終えた時。
 コンコン。
「亜耶、準備できた?」
 ノックと共に遥さんの声が聞こえてきた。
「うん、出来たよ。」
 そう返事を返すと。
「中に入るぞ。」
 と、ドアを開けて中に入って来た。
 こういう配慮、遥さんらしいと思う。
「この二つか?」
 遥さんが、スーツケースと通学鞄を指して確認するよう聞いてくる。
「うん。」
 私は頷く。
「運ぶな。少し休憩してから出るからな。」
「わかった。」
 私の返事を聞くと荷物を手にして部屋を出て行く。
 私は、改めて部屋を見渡してキッチンに移動した。

 そういや、冷蔵庫の物って何が残っていたっけ……。
 確認の為にドアを開けた。
 けど中身は、封の開いていない飲料のみで、他の物が何も入ってい無かった。
 あれ? 入院前は色々と入ってた筈だけど……。
 不思議に思っていたら。
「何やってるんだ?」
 遥さんの声にドキッと驚きながら。
「冷蔵庫の中、空っぽ。」
 と口にしたら。
「あぁ、それなら俺が片付けた。」
 平然な態度で言う。
 片付けた? って、一体どうやって?
 疑問に思ってると。
「冷凍かけれる物は冷凍にして、出来ないのは保冷袋に居れてもって行く事になったんだよ。お義母さんに相談したら、持ってきて良いって言ってくれたからさ。飲み物は流石に無理だから、流しに捨てたがな。」
 遥さんが説明してくれた。
 そうか、なら安心かな。
「ほら、ソファーに座ってな。今、紅茶淹れてやるから。」
 遥さんに促されて、リビングのソファーに移動する。


 ソファーに腰を下ろして、何だかホッとしている自分が居ておかしくなった。
 たった数日居なかっただけなのに、こんなに居心地善い場所だったんだと再認識した。
 ここに住むようになってから二週間弱経っただけなのにこの場所が自分の帰る場所なんだて改めて認識している事に自分でも驚いてしまう。
 慣れなんだろうが、本当に最近は色々有り過ぎて二週間しか住んでいないとは思えなくて、違和感なく過ごしてきたんだと思える。
「亜耶、どうしたんだ?」
 遥さんがグラスを手に戻って来て、私の様子を不思議そうな顔をして見ている。
「あのね。ここが、私の帰る場所なんだって、改めて感じてたの。」
 そう言葉にすれば、一瞬だけ驚いた顔をし、笑みを深めた遥さん。
「あぁ、そうだ。亜耶が帰って来る場所はここだ。俺と住むな。何でそう思ったんだ?」
 遥さんからグラスを受けとり、一口飲んでから。
「ソファーに座った時にね、ほっとしたの。そしたら、自分の居場所はここだって認識したの。」
 私の返答に遥さんが、嬉しそうな顔をする。
「そうか。ここは、亜耶にとっても居心地が良い場所になってるんだな。まぁ、俺も何だがな。」
 私の隣に座り、頭を撫でてくる遥さん。
 遥さんもこの空間を居心地が良いと思ってるのなら、それを維持していけるように努力しようと改めて決意したのだった。







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