169 / 183
帰る場所…亜耶
しおりを挟む一端家に戻った私たち。
自分の部屋に入り、学校で必要な物は通学鞄に詰め込んで、クローゼットからスーツケースを出して、ファスナーを悪戦苦闘しながら全開に開けて、着替えなどを詰め込んでいった。
テキパキとは行かないが、必要な物lを何とか詰め込み終えた時。
コンコン。
「亜耶、準備できた?」
ノックと共に遥さんの声が聞こえてきた。
「うん、出来たよ。」
そう返事を返すと。
「中に入るぞ。」
と、ドアを開けて中に入って来た。
こういう配慮、遥さんらしいと思う。
「この二つか?」
遥さんが、スーツケースと通学鞄を指して確認するよう聞いてくる。
「うん。」
私は頷く。
「運ぶな。少し休憩してから出るからな。」
「わかった。」
私の返事を聞くと荷物を手にして部屋を出て行く。
私は、改めて部屋を見渡してキッチンに移動した。
そういや、冷蔵庫の物って何が残っていたっけ……。
確認の為にドアを開けた。
けど中身は、封の開いていない飲料のみで、他の物が何も入ってい無かった。
あれ? 入院前は色々と入ってた筈だけど……。
不思議に思っていたら。
「何やってるんだ?」
遥さんの声にドキッと驚きながら。
「冷蔵庫の中、空っぽ。」
と口にしたら。
「あぁ、それなら俺が片付けた。」
平然な態度で言う。
片付けた? って、一体どうやって?
疑問に思ってると。
「冷凍かけれる物は冷凍にして、出来ないのは保冷袋に居れてもって行く事になったんだよ。お義母さんに相談したら、持ってきて良いって言ってくれたからさ。飲み物は流石に無理だから、流しに捨てたがな。」
遥さんが説明してくれた。
そうか、なら安心かな。
「ほら、ソファーに座ってな。今、紅茶淹れてやるから。」
遥さんに促されて、リビングのソファーに移動する。
ソファーに腰を下ろして、何だかホッとしている自分が居ておかしくなった。
たった数日居なかっただけなのに、こんなに居心地善い場所だったんだと再認識した。
家に住むようになってから二週間弱経っただけなのにこの場所が自分の帰る場所なんだて改めて認識している事に自分でも驚いてしまう。
慣れなんだろうが、本当に最近は色々有り過ぎて二週間しか住んでいないとは思えなくて、違和感なく過ごしてきたんだと思える。
「亜耶、どうしたんだ?」
遥さんがグラスを手に戻って来て、私の様子を不思議そうな顔をして見ている。
「あのね。ここが、私の帰る場所なんだって、改めて感じてたの。」
そう言葉にすれば、一瞬だけ驚いた顔をし、笑みを深めた遥さん。
「あぁ、そうだ。亜耶が帰って来る場所は家だ。俺と住むな。何でそう思ったんだ?」
遥さんからグラスを受けとり、一口飲んでから。
「ソファーに座った時にね、ほっとしたの。そしたら、自分の居場所はここだって認識したの。」
私の返答に遥さんが、嬉しそうな顔をする。
「そうか。ここは、亜耶にとっても居心地が良い場所になってるんだな。まぁ、俺も何だがな。」
私の隣に座り、頭を撫でてくる遥さん。
遥さんもこの空間を居心地が良いと思ってるのなら、それを維持していけるように努力しようと改めて決意したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
ローザリンデの第二の人生
梨丸
恋愛
伯爵令嬢、ローザリンデの夫はいつも彼女より仕事を優先させ、彼女を無碍にしている。
彼には今はもういない想い人がいた。
私と結婚したことにいい思いをしていないことは知っていた。
けれど、私の命が懸かっていた時でさえも、彼の精神は変わらなかった。
あなたが愛してくれないのなら、私は勝手に幸せになります。
吹っ切れたローザリンデは自分自身の幸せのために動くことにした。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
女性が少ない世界でVTuberやります!
dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉
なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。
※初日一気に4話投稿してから恋愛大賞エントリーしたため文字数5万これから(´;ω;`)みんなも参加するときは注意してね!
※忘れてなければ毎週火曜・金曜日の夜に投稿予定。作者ブル
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる