ヒ・ミ・ツ～許嫁は兄の親友～（旧:遠回りして気付いた想い）［完］

高校生編と再婚約の条件

帰り道…亜耶

  入学してから一ヶ月。
  悠磨くんのお誘いもあって、陸上部のマネージャーをやり始めた私。
  悠磨くんとは、クラスが離れちゃったから、少しでも一緒に居られればと思いお誘いを受けた。

  クラスもそこそこに馴れてきて、楽しく過ごせてる。
  GWには、中学の時からの仲の良いメンバーで、遊ぶ約束もしてる。
  そのうちの一日は、悠磨くんと久し振りのデート。
  ちょっと、楽しみだったりする。


「悠磨くん。明日、何処に行く？」
  私は、隣を歩いてる悠磨くんに聞く。
  部活からの帰り道。何時ものように手を繋いで帰る。
  明日からGWの初日で、部活も休み。
「亜耶は、何処に行きたい？」
  逆に聞き返してきた。
  私を優先にするところが、悠磨くんらしい。
「う～ん。遊園地か水族館？」
  何となく疑問符な答えになっちゃった。
  悠磨くんにも一緒に考えて欲しかったから。
  どっちになっても、楽しいと思うんだ。
  私は、悠磨くんを見る。
  悠磨くんは、眉間に紫波を寄せて少し考えてから。
「水族館に行くか。」
  って答えてくれた。
「本当。楽しみ。」
  私は、知らずと笑みを浮かべていた。

  嘘じゃないよ。
  だって、図書館デートはよくするけど、それ以外は二回目（悠磨くんと二人で）だから……。

  遥さんとは、良く行ってたけど（絶縁する前までは）……。
  って言うか、遥さんに振り回されてたって言った方がいいのかな。

「じゃあ、明日の九時に亜耶の家に迎えに行くな。」
  悠磨くんが、少し考えてからそう言う。
「えーっ。悪いよ。」
  態々、迎えに来てもらわなくても、待ち合わせでも構わないんだけど……。
  何て思ってると。
「悪くなんて、ないよ。その方が、オレも安心するし……。」
  って、真顔で返されたら。
「うん。じゃあ、お願いします。」
  って答えるしかないじゃんか……。
  戸惑って答える私を見つめてくる悠磨くん。
  それを見つめ返していたら。
  どうしたんだろう？
  ちょっとだけ、顔赤くない？
「悠磨くん。どうしたの？」
  私は、そんな悠磨くんに声をかけた。
「何でもないよ。」
  って言いながら、目線を逸らす彼。


  本当にどうしたんだろう？

  私の心配が、稀有に終われば良いのだけど……。