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高校生編と再婚約の条件
言えない気持ち…亜耶
しおりを挟む陸上競議会の後、遥さんに会えてない。
今までだって、会える時間なんて本の少ししかなかった筈なのに何か寂しい……。
「亜耶。何か、元気ないね。」
梨花ちゃんがおもむろに声を掛けてきた。
「そんなこと……無いよ。」
そうは口にしても、本当の事は言えないから、誤魔化すしかない。
そんな私を梨花ちゃんが、心配そうに覗き込んできた。
「本当に大丈夫?」
「うん。大丈夫。」
私は、笑顔を向けた。
その笑顔で、安心したのか。
「亜耶。テスト勉強進んでる?」
て、話を変えきた。
あぁ、もうすぐ中間テストか……。
「うん、順調だよ。」
私がそう答えると。
「お願い。勉強教えてください。」
梨花ちゃんが、手を顔の前で合わせて頭を下げ、上目遣いで私を見てくる。
可愛い……、これ、男の子の前でやったら、絶対赤面だよね。私でも照れちゃうもん。
「いいよ。そんなに必至に頼まなくても、教えてあげるよ。」
私は、クスリと笑みを浮かべて答えた。
「本当。嬉しい!」
って、大袈裟に喜んでくれる梨花ちゃん。
「亜耶ちゃん、俺もいいか?」
そう言ってきたのは、龍哉くん。
「エッ、龍哉くんは、大丈夫そうに見えるけど?」
私の言葉に梨花ちゃんが、クスクス笑いながら。
「龍哉、バイトに明け暮れて、勉強がおろそかになってるんだよ。」
って説明してくれた。
そうだったんだ。
でも、要領のいい龍哉くんなら、授業聞いてたら平気そうだけどな。
「いいよ。」
「じゃあさ、図書室の横に在る自習室を借りてやろう。俺、予約してくるな。」
直ぐ様飛んでいった龍哉くん。
呆気に取られる私に 。
「ねぇ、どうせなら、クラスの子を誘ってやらない?」
梨花ちゃんが、言う。
「うん、そうだね。」
私のその言葉を聞いて直ぐ。
「じゃあ、先に戻って聞いてくるね。」
梨花ちゃんも教室にすっ飛んでいった。
似た者カップルだね。
なんて思いながら、教室に向かった。
「亜耶、あの後聞いたら、四人参加だって。いい?」
梨花ちゃんが、確認するように聞いてきた。
「うん。大丈夫。中学の時もよくグループで勉強会してたからね。」
「そうなんだ。じゃあ、お願いね。」
「うん、よろしくね。」
そう答えた。
まだ、時間大丈夫だよね。
今の内に悠磨くんに伝えておこう。
私は教室を出て、悠磨くんの教室に向かった。
悠磨くんのクラスB組に着くと中を伺った。
キョロキョロ。
あ、いた。同じ委員の子と湯川くんも一緒だ。
楽しそうに話してるところを邪魔しちゃ悪いなと思いつつ。
「悠磨くん。」
教室の入り口から声をかけた。
悠磨くんは、直ぐに気付いてくれて、私の方に来る。その後ろで、数人の女の子が睨んでくる。
アハハ……、ごめんね。
「どうした、亜耶?」
悠磨くんが、先に口を開いた。
「うん。今日、クラスの子達と一緒に勉強することになって、一緒に帰ることできないの。」
そう言うと。
「そうなの? それぐらいなら、待ってるけど。」
悠磨くんが、心配そうな顔をして言う。
「いいよ。何時になるかわからないから、先に帰ってて。」
「わかった。」
私の言葉に渋々納得してくれた。
「ごめんね、それじゃあ」
私は、それだけ言って自分の教室に戻った。
話してる間中、ずっと睨まれた。
なれてるから、別に気にしないけど……。
そろそろ、自分の気持ちを悠磨くんに伝えないといけないよね。
自分が頼れる相手が、悠磨くんじゃないって……。だけど、それを伝えた後の悠磨くんの顔が、想像できてしまうから、なかなか口に出来ないんだよね。
うーん、どうしよう……。
遥さんは、待っててくれるっていってたけど……。
早く伝えないとね。
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