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高校生編と再婚約の条件
安定の日々は何処に…悠磨
しおりを挟むテストも無事(?)に終わった。
順位? 学年五位(因みに一位が亜耶で、二位が河合龍哉って奴)だった。
新入生代表をしてた、細川だっけアイツ意外と低かったなぁ、余談だけど……。
やっと落ち着いたと思ったら、レクリエーションだと……。
例年通りだと、学年毎のレクの筈なんだけど、なんだか今年は勝手が違うらしい……。
何故らしいかって、校内の噂でどうも全校総交ぜのレクだとか……。(全くもって面倒くさい。)
何でそうなったのかは、生徒会への意見が殺到したからってことらしいが……(多分だがオレの憶測だと亜耶に少しでも近付こうとする男子生徒の意見が多くて、そう動かず得なかったんだろうが……)。
今日は、その集まり。
「悠磨くん、行こう。」
泉が、オレの腕を引っ張る。
「わかった。だから引っ張るな。」
オレの腕を楽しそうに引っ張る泉から無理に引っこ抜き、教室を出る。
ハァー、全校レクって、どうやって班決めするんだよ。
好きな奴同志組むわけ無いだろうし……。
集合場所の教室に入ると既に生徒会役員、クラス委員も半数以上揃ってる。
何で、こんなに早く集まってるんだ?
それだけ、楽しみにしてるってことか?
オレ達は、宛がわれてる席に着く。
「レク楽しみだね」
泉が嬉しそうに言う。
「そっか? オレは面倒くさいが……。」
眉間にシワを寄せて言う。
イベント事ほど厄介な物はないと思ってるんだ。
「そんな事言って、本当は楽しみなんでしょ?」
オレの腕をつついてくる泉。
ハァー、厄介事が増えただけなんだが……。
最近泉のボディータッチ、やけに多いなぁ……。
何て思ってたら。
「ほら、亜耶ちゃん。俺等が最後だよ。」
って声が聞こえてきた。
この声は、河合の声か。その声で、一斉に(特に男子)入り口に集中する。
そこに亜耶が、現れる。
「えっ、本当だ。遅くなってすみません。」
亜耶が、入り口でそう言ってペコリ頭を下げる。その姿に釘付けになる男子(オレと河合はそうでもないが……)。そして、仄かに顔を赤らめてる。
亜耶は、そんな事に気を止めることなく、自分の席に着きオレと目が合うとニッコリ笑って、手を振ってきた。
うっ……、抱き締めてこいつらの視界から消したいって、いかんいかん亜耶は、あの人のだから……。
オレは、そう自分に言い聞かせる。
「全員揃ったところで、始めるか。」
生徒会長の言葉で、今回のレクの説明が始まった。
今回のレクは全学年参加の学年入り乱れのレクリエーション。用は、学年の垣根無しのレクだそうだ。
各チェックポイントの所に問題やお題があり、それをクリアしないと次に進めないとの事。
で、班の割り振りだが、一班六人でレク前日に登校時間に校門でクジを引き班を決めるという事になった。
ハァー。
亜耶に群がる男達をどうするかなぁ……。
オレが、亜耶と同じ班になる確率なんて極僅か。
どうすればいいんだ?
亜耶は、しっかりしてそうで何処か抜けてるところあるから、心配だ。
あの人なら、守れるんだろうが……。
考えろ、考えるんだ。
「悠磨くん、眉間に紫波が寄って怖い顔になってるよ。」
話が終わり、教室に戻る途中で、隣を歩いている泉が声をかけてきた。
「何でもない。」
オレは、そう答えて、足早に教室に向かう。
「ちょっ、悠磨くん。待ってよー。」
泉が、慌てて追い駆けてくる。
一人で考えてるより、事情を知ってる透に相談する方が早い。
透なら、何かいい案があるかも? って、思った。
教室に戻ると。
「透、ちょっといいか?」
そう声をかけた。
透が、オレを見ると何かを悟ったみたいに。
「あぁ……。」
手短に返事を返してきて、直ぐに教室を出た。
人気の無い教室に入って、レクの事と亜耶の事を話した。
「何? やっぱり、全学年レクになったんだ。」
浮かれ気味の透。
「班の事は、仕方ないんじゃないか? まぁ、知ってる奴に声をかけてはおくよ。鞠山さんに手を出す奴が居たら、止めるように言っておくし……。まぁ、バックが黙っちゃい無いって。」
透が、腕を前で組み、少し考えてから、そう告げてきた。
って言うか、バックって何?
どっかの強面の人が亜耶には着いているのか?
透の裏情報ってどうなってるんだ?
「まぁ、当日何が起きても慌てるんじゃないぞ。今は、お前が鞠山さんの彼氏。本当の婚約者から一任されてるんだから、堂々としとけ。」
透が、眉間にシワを寄せて言う。
そうだな。今から当日の心配してても仕方がない。
「ほら、委員長。次の授業が始まるから、戻るぞ」
おどけるように言う透にオレは、救われてるのかもしれない。
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