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十七話
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冬休み前の試験も差し迫っているこの時期、とある厄介な話が聞こえてきてクエスフィール達は頭を悩ませていた。
その話とは男爵令嬢であるアリサが高位貴族の棟まで来て手当たり次第養子にしろと迫っているという話である。
どうやら家が男爵では高位貴族に嫁げないと気付いたらしく、侯爵家以上の生徒を狙って自分を養子にしろと言っているらしい。それが苦情となり生徒会へ上がって来ているのだ。
「あいつアホだろ」
「迷惑甚だしいね」
男爵位では高位貴族に嫁げないのに気付いて身を引いてくれれば良かったのだがそこはヒドインアリサ、「私を養子にしたらおトクよ」とドヤっていたらしいが、男遊びが激しいという噂が広がっている中で、身持ちの固さを重要視する高位貴族が養子にするなんてあり得ないし、家の決定権を持たない子息子女に話を持ちかけても困らせるだけである。
そもそも婚姻婚約の為の養子縁組は禁止されているのだ。アリサの行為は違法行為をさせようとみなされ、普通なら牢屋行き案件。それが学院の中で決定権を持たない者に話しているので、みんな通報せず生徒会にどうすればいいかお伺いを立てている状態だ。
「騎士団に突き出してぇ」
「学院内でしかも生徒に話しているだけですのよ。冗談だったと言われてしまえば厳重注意で終わると思いますわ」
「現状難しいですよね」
「かと言って放っておけないな」
「生徒会から指導するのが良いのだろうけど、僕達が行ったら火に油を注ぎそうだよね」
「ここは先生方にお任せした方がよろしいのでは?」
「それが一番いいかもね」
生徒から上がってきている問題なので生徒会で対処して然るべきなのだが、クエスフィールとミハエルが行けば「やはり私と結婚したいのね」などと都合の良い勘違いを展開させるのが目に見えているので、学院長へ話し対応してもらう事にした。
結果アリサは素行不良な生徒が入れられる反省室に連行される。そこで婚姻を理由に養子縁組は出来ないと聞かされ「知らないわよ!」と喚き散らした為、婚約婚姻の法律からどうして制定されたのかを1週間みっちりと女性講師から教わり、更に追加で貴族が婚姻まで貞操を守る理由をこれまた1週間切々と説明され、げっそりとして反省室から出て来たらしい。
その時には既に試験も終わっており、追試という形で試験を受けたが反省室に居た為試験前の勉強を出来ず。それが無くても授業をサボってばかりだったので、学院史上最低点を叩き出した結果、見事留年or退学が決定したのだった。
その話とは男爵令嬢であるアリサが高位貴族の棟まで来て手当たり次第養子にしろと迫っているという話である。
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「あいつアホだろ」
「迷惑甚だしいね」
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その時には既に試験も終わっており、追試という形で試験を受けたが反省室に居た為試験前の勉強を出来ず。それが無くても授業をサボってばかりだったので、学院史上最低点を叩き出した結果、見事留年or退学が決定したのだった。
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