冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

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9.フイエウ共和国での遭遇

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宿に戻ろうとしたラウール達だったが、門に近づいたところで、ラウールにだけ感じる威圧があった。
そこでラウールは2人が危険な目に合わないように、先に宿にもどっていてほしいことを伝えた。

不思議に思ったクロースとクリスだが、ラウールが用事が出来たという言葉で宿に向かって行った。

「さて、こっちの方角だな?」
そう呟いて走った、威圧を感じた方角に人の気配はない。誰の気配も感じないという事は、昨日の黒いローブの人がいる可能性が高い。
あいつと向かい合うには、一人で向かったほうがどうにかできる可能性が高いと思っている。本気も出せるから。
そういいながら、威圧が発せられたと思われる場所へ到着した。

「お呼びですか?」
とラウールが声を出すと、目の前に黒いローブを着た人物が現れた。

「こんにちはラウール君。伯爵の3男のクロース君と、護衛のクリスさんは来なかったのかい?」

目の前の黒いローブの人物が話し出した。顔は見えないし声で男女の判断もつかない。
「こんにちは。昨日ぶりですか?今日はどんなご用件で?」

すると目の前の黒いローブの人物は両手を上にあげながら、
「昨日はすまなかった。私も焦っていたものでね。もう少しでサーシン王国を怒らせるところだったよ。ラウール君は殺してもいいだろうけど、クロース君を殺した場合は問題になっていたね。」

「人を殺してもいいっていうのは聞き捨てならないね。今日こそ最後まで戦う?今日は周りに誰もいないから、僕も本気を出せるよ?」

そう殺気を飛ばしたラウールに向かって、黒いローブの人物は、
「ごめんね。そんなつもりはないよ。ほら、この紋章と、この手紙を見て。」
そういって手をゆっくりと懐に入れて、手紙を取り出し、ラウールに向かって飛ばしてきた。
攻撃されないかと警戒しながらも、手紙を受け取ったラウールは、紋章から確認した。
そして油断しないよう、手紙を読んだ。
『ラウール君へ
この手紙を読んでいるという事は、目の前に立っている人物がいるはずだ。その人物には私、バルモート・バビリスが直接依頼している。先日は失礼した。物を取り返すことが出来たなら、犯罪者でない者には危害は加えないように話しておいた。しかし、焦っていたようだ。
今回はこの手紙をもって、君が持っている手紙と指輪、ナイフを返還してもらいたい。その後君に危害は加えることがないことを約束しよう。そして何か困ったことがあった時には、このバルモートが協力することを約束する。同封した指輪をもって証明とする。隣国の貴族ともめるのは私も御免だ。
フイエウ国首相 バルモート・バビリス 印』

・・・・・首相?・・本当に・・・。本当なら、偉い人とのつながりなんていらない・・・。

「どうだラウール君。納得してくれたかな?そしてこれが私が示す証拠です。」
そういって、指輪2個と銀のナイフ1本をこちらに向けた。盗賊が持っていたものと一緒だ。

「これが証。送る人と受け取る人が同じものを持つ。相手が証明できなければ、送られても元の持ち主に戻っていく。そして今回は届きもせず、送り返されもしなかったため調査に出たところでラウール君が持っていることが判明したから、目の前に現れたんだ。これで堂々と盗賊が指輪とナイフを見せて、手紙を届けても届くから、とんだ欠陥証明方法なんだけどね。」

それを聞いたラウールは、
「だったらお互いの証明方法を変えましょうよ~。そしてなぜ今回は盗賊の手に?」

「それは・・・。伝令役も強いのだが、魔物の集団に襲われた後にすぐ盗賊に出会ってしまって、運悪く殺されてしまったようだ。そしてマジックボックスに入れていたために、マジックボックス目的で持ち去られてしまったようだ。」

ん~ここまで言われたら信じておこうかな。もし騙されても、僕がお人よしだったっていう事で・・・。
「わかりました。このマジックボックスはお渡しします。」
そういって黒いローブの人物に投げつけた。
「手紙と指輪と、ナイフだけでいいよ。」

そういってマジックボックスは投げ返してきた。
「じゃあ迷惑料にもらっておきます。」

なんとなく力が抜けた雰囲気が伝わって来た。
「じゃあ行くね。手紙の中身を見たと思うけど、一応他言しないでね・・・。じゃあまたいつか!」
そういって目の前の人物が消えていった。

どんな原理なんだろう?スキル?魔道具?魔法?
まだまだ知らないことがあるな~と思いながら、持っていたくない指輪をもって街の戻るラウールだった。
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