冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
76 / 238
10.テザン皇国への旅路

テザン皇国への国境

しおりを挟む
町から村、時に森の中で野営をしながら先へと進んだ。移動馬車や徒歩、時にはサクラと走って競争して。徐々にブレットンに近づいてきたが、追手に出会うことはなかった。
時々会うオークも、僕は一思いに殲滅するつもりでいたが、サクラの戦闘経験が少ないため、色々と試しながら倒していた。
それでもサクラが傷つくこともなく、僕たち2人は強いと感じることが出来る移動時間だった。
ブレットンへ案内する看板を見つけた後は、街道からそれて、南西の国境に向けて森の中を進んだ。
森の中でもオークがいたが、特に苦戦することもなく進むことが出来た。そして気配察知で人の気配が多く感じられ、国境がもうすぐのところまで到着した。

「サクラ、前に3人いる。おそらく敵だ。誰かを探しているのか、相手も気配を探っている様子がある。」
そうサクラに小声でつぶやいた。

「そう、やはり追手はいたのね。国境はもうすぐだっていうのに・・。どうするラウール?」

「僕はサクラにとってはひどい選択かもしれないけど、人を殺す経験をしてほしいと思っている。これから先、盗賊とかに会った時にためらわないように・・・、自分が傷つくことを避けるために。相手が敵対してるんだから、遠慮はいらないと思う。」

サクラは考えている様子だ。前世ではそんなことは一般人には不必要な行為だったから。それでもこの世界では必要なことだから。

「わかったわラウール。だけど、私も経験したことがないから、出来たら1人だけにしてもらえたら・・・。」

「もちろん。ありがとう、無理を言ったけどこちらこそお願いします。僕が2人を無効化するから、サクラは、右の人に集中して。」

「わかったわラウール。じゃあ行きましょ。」

2人は気配のある方向に近づいて行った。
そして、相手が気づく前にラウールが魔法を使い、左2人を葬った。エアカッターを一発放っただけであった。

そしてサクラは目の前で唖然としている人の目の前に姿を見せた。

「こんにちは?あなたは誰?」

目の前の男は視線をサクラに移した。
「お前が繁栄だな?ようやく見つけた。俺たちと一緒に来い!」

「は~、いきなり一緒に来いなんて下手なナンパ?一緒に行くわけないでしょそんな人と。」

「いいから来るんだ。お前もいい思いが出来るんだぞ!」
男はサクラに近寄りながら言葉を発していた。そして徐々に何かをわめきながら、もう5歩程度でサクラの手が届く所まで来て立ち止まった。

「できるだけ怪我をさせないように言われている。痛い目にあいたくなければおとなしくこっちに来い!」

「そんなところで叫ばなくても聞こえてるわよ。そして答えは・・・嫌・・・よ。」

その返事を聞いた男は懐からナイフを取り出しサクラに向かってきた。
「じゃあ少し痛い目を見るんだな!」
そういいサクラに向かって走り出し、ナイフをサクラの足に向け投げつけた。
サクラはナイフを躱し、剣を抜き男に向かって構えた。そして目の前で蹴りを放とうとしている男に向け、縦に、足をめがけて振りぬいた。
「ぎゃー!!」
と振りぬいた剣で足を切断された男は、叫び声をあげてバランスも崩し倒れこんだ。
「下手なフェイント。丸見えだけど。」
そういって、倒れた男の首に剣を突き刺した。

・・・・・・
・・・・・・・

「怖かった・・・。人と争うなんて・・。ギルドで目の前で怖い顔をしている人がいても、まだ現実感がなかったみたい。こうやって初めて刃物を人から突き付けられて・・・、初めて怖さを本当に感じた気がする・・・。魔物とは違う感覚・・・。」

「うん、頑張ったよ。それが生きてるって感覚。僕は0歳からで、そして両親と徐々にステップアップしていったからよかったけど、サクラはいきなりだから、ゲームのような感覚もあったと思うよ。」

・・・・・

「うん。ゲーム見たいだったと思う。けど、怖くて、やらないといけないと思って。けど時間をかけるほど恐怖が来ると思って・・・。これが、この感覚が・・・。」

「だけどこの世界で生きていくには必要なこと。僕も初めての時はもう、落ち込みすぎた。けど、僕の周りには僕を心配してくれる人がいた。だからサクラには僕がついてるよ。君は君の敵を倒した、そして倒した敵は、このままにしていたら、もっと不幸になる人を増やす。」

・・・・・・・

「・・・もう少し時間は頂戴ね。多分大丈夫、何とかなる・・・。」

そういって、サクラの初めての対人経験が終わった。
僕は安心した。ちゃんと敵だったと。使わないといった解析を使い、魂に刻まれた言葉、暗殺者と言う言葉が正しかったと。
これからは、味方には許可を得ないで使わないが、敵には解析も使用していこうと思えた。

「よし行こう、国境へ!」
そういってラウールは死体を魔法で穴に埋めて先に進んだ。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...