冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
94 / 238
12.ロムビドの街でできた用事

護衛とわからないように護衛?

しおりを挟む
宿で身も心も休めたラウール達は、冒険者ギルドにいた。
受付に声をかけ、冒険者ランクはどうなったか聞いてみた。

「おめでとうございます!ラウールさんはAランク、サクラさんはCランクとして登録させていただきます。最後の決め手はやはり、ポルフォ侯爵の5女、キソ様を助けたことです。」

なんと、運がいいのか?
貴族の娘と知り合いになり、ランクアップの決め手になってしまった。
恩を返せと言われることはないと思うけど。

「キソ様のお父様は、この街の教会の大司祭として健全な街となるように活動している立派な方です。そんなお人の5女様を守った。すばらしい!」

・・・・・・

「それでは他に用事はありますか。」

「僕たちに護衛依頼を受けてほしいと言ってたから、指名依頼を出してくださいと言っておいたんだけど、ある?」

「えーと、確認してきますね。」
そういって受付さんは後ろにある部屋に入っていった。

「ラウール?やっぱり依頼は受けるの?」

「指名依頼でって言ってるしね。数日しても依頼がなければ旅立とうと思っているけど、挨拶くらいはしていかないとね。」

「そうなのよね。勝手に出発するのもね・・・。それまでどうする?この街のダンジョンにでも行く?」

「ダンジョンだといつ入るかわからない依頼を確認できないから、日帰りでできる依頼でもうけよっか?」

そう言っていると、受付さんが戻ってきた。
手には紙をもって。

「【黒猫】に護衛の指名依頼が入っています。内容を確認しますか?」

早い!
さっきのサクラとの会話は何だったんだ・・。

受付さんから手紙を受け取り、内容を確認した。
『首都ニジュールまでの護衛依頼』
期間は到着するまで。
護衛対象はキソ・ポルフォ。
騎士を10名配置する。
【黒猫】はできるだけ軽装で、守っている者とわからないようにしてほしい。しかし、戦いが必要な時は、相手を1人は残し、殲滅してほしい。
残した1人は騎士に渡すこと。
依頼主:ポルフォ家


「父でなくて家からの依頼?キソは5女って?重要な人?」
よくわからない。わからないからこそ、受付さんに聞いてみた。

「ちょっと言葉を・・・。キソ様は5女です。でもあの方は頭もよく、普段は首都ニジュールで学園に通っています。そして滅多にいない、光属性の魔法が使えます。そして回復もできます。そのキソ様は教会で上に登っていく人と考えられています。しかしそんなキソ様を狙うものもいると聞いています。教会内でも派閥争いはあるようで、ポルフォ家の当主様は立派な方なので・・・。自分の出世の邪魔になると考えている人もいるのかもしれません。」

ん~完璧に争いに巻き込ままれる・・・。
いや、護衛だけだから、その間だけの関係だ。首都ニジュールについたら僕たちはダンジョンにでも行こう。

「依頼は受けます。それで、打ち合わせはどうしますか?」

「ラウールさんたちが急いでいないのなら、今から使いを出して聞いてきますが。」

「そうですね、行き違いになるよりはお願いします。」

そういってラウール達は冒険者ギルドの本があるところに行き、気になる本がないか見ることにした。

・・・・・・

『学園について』そういう本を見つけた。薄い、学園を紹介するもののようだ。
ラウールは学園についての知識がないため、確認しておこうと思った。

大体はこんな感じだ。
学園は10歳から通え、試験を突破することで上の学年に上がる。年齢関係なく試験による実力主義のようだ。18歳まで通え、18歳で4年生を卒業する試験を突破できなかったものは退学になるようだ。そして、実力があれば中途入学もでき、飛び級もあり、10歳で入学、10歳で卒業もあり得るようだ。そして学園を優秀な成績で卒業した者は、教会で1つランクが高い役職で働き始めることが出来る特権もある。

キソ様は見た目は僕たちと同い年くらいに見えるけど、何歳なんだろう?
優秀と言われているみたいだから、何年生なんだろう?

そう考えているうちに受付さんが呼びに来た。

受付に戻ると、「こちらの部屋に。」と言われ、後ろをついて行った。

~~~~~~~~~

ドアの開けられた部屋の中に進んで行くと、ウツカがいた。

「よっ!」

軽い・・・。

「こんにちはウツカさん。ウツカさんが打ち合わせの相手?」

「そうなったよ。すぐに動けるのが、あまり需要な役割のない俺だったからな。なんて言うのは嘘で、こういうことは実は俺の担当なんだ。」

意外にまじめな役割があったウツカさん。しかしちょっと軽薄そうに感じてしまうウツカさん。

「そうなんですね。まずは【黒猫】のラウールです。こっちがサクラ。2人パーティーの冒険者です。」

「そんな真面目にしなくても知ってるよ。」

「一応貴族様からの使いですからね。少しはまじめに話しますよ。」

「いやいや、昨日のうちからそうしてくれ。いきなりあの話し方は少し焦ったぞ。キソ様は気にする人でないけど、他の人が聞いてたら大変だったぞ。」

「そうなったらすぐ逃げますよ。足は速いですから。」

「逃げるのかい!?」

そう軽口をたたきながら話し合いが始まった。
キソ様はもう4年生で、いつでも卒業できるほどの成績を収めているようだ。
しかしすぐに働くのも面白くないと、短い旅に出ることがある。
しかし最近の旅では盗賊らしき者たちに襲われることが増えていた。
今までは護衛騎士だけで対処できていたが、今回のように強い相手は初めてで、さすがに護衛の増員を考えていたそうだ。しかし5女までとなるといくら優秀で貴重な存在でも、そこまでの人数を割くことが出来なかった。
そこに現れた【黒猫】。回復もでき、あの人数を一瞬で殲滅する戦闘力もある。
隠し玉として、キソ様を守り、ピンチの時は回復の役割りをする。適任者が見つかって、すぐに声をかけてしまったという事だ。
そして移動はすぐにでもいいようで、明日にでも出発は可能という事だ。

「どうするラウール?俺たち護衛騎士はいつでもどんな行動でもできるように準備はしているが。」

ラウールは考えた。
早いほうが面倒ごとはないのではないかと。

サクラは考えた。
どうでもいいと。

「明日で「どうでもいい」」

明日に決定した。
できるだけ、護衛が増えたと思われないような格好で、合流してほしいという事だった。


しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...