冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

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12.ロムビドの街でできた用事

5日目・・・

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『敵襲!!』

その言葉で目が覚めた。気配察知を怠っていた。寝ながらでも周りの気配を探ることが出来るのだが、この時ラウールは油断していた。長旅と、特に出番もない状況。平和を満喫してしまっていた。

テントの外からは、剣を打ち合う音が聞こえ、すでに攻撃を受けているようだ。
ラウールは急いで外に出た。するとそこには血を流した騎士や、テントが切り裂かれた状況があった。
幸いキソ様のテントは一番攻めにくいところであり、無事なようだ。

油断していたラウールは自分に腹が立っていた。護衛依頼を引き受けたのに、周りに傷つく人がいることが許せなかった。
そして詠唱など必要ないのだが、周りに聞こえるように呪文を唱えた。
「エリアハイヒール!! みんな無事!!」

光り輝いた場所からそれぞれが合図をしてくる。
キソ様のテント以外から声が聞こえた。みんな怪我はしていたかもしれないが、死んでいるものはいなかった。

「サクラ!! 起きろ!!」
そう叫ぶがサクラはなかなか出てこない。起きた気配は感じるが動かない。
何をしているんだサクラ!!
こいつらを2人で殲滅するんだ!!
そう心の中で怒鳴っていても始まらない。
思い切ってラウールは叫んだ。
「サクラ!!黒猫モード!!戦闘開始!!」

するとどうでしょう、いきなりキソ様のテントから飛び出した影が。
その影は「しゃー!!」と目の前の盗賊?を威嚇し始めた。
目の前にいた盗賊?は戸惑っている。
この前より人数は少なく15人程度だが、感じる気配は強者のものだ。
その強者が動きを止めている。

その姿は・・・、黒一色のパジャマ?
モコモコした寝巻きに、ないとキャップ?耳が付いてる?
黒猫!!

「サクラ!!1人を残し接近戦!!」
そうラウールが叫ぶと、サクラは他の人には見えないのではないかと言うスピードで動き出した。

「ラウール!こいつらかニャン!殺るニャン!」
そう言うと目の前にいた5人の服が切り裂かれた。

「まだまだニャン!! 次ニャン!!」
また叫ぶと更に5人の服が切り裂かれた。

「まだまだまだまだ!!にゅあん!! あっ!!」
サクラの動きが止まった。

そのスキを突きラウールが盗賊?に迫った。
そして一人ずつ殴りつけ、ある者は顎を砕き、ある者は鼻を折り、ある者は体をくの字に曲げ吹き飛んでいた。
そして魔法を使い始めた。詠唱は適当だが、雰囲気を出していた。

「人に害する者たちよ われの怒りを買う愚か者よ 世界が滅ぶ我の魔法を受けよ この世に生まれたことを後悔するがいい 断罪の剣!!」

そうラウールが叫ぶと、盗賊?1人1人の後ろに3ⅿほどのT字の柱が出現した。そして吸い込まれるように盗賊?は柱に打ち付けられ、手足を固定された。
・・・・
・・・・
そう、全裸で・・・。

15人中10人が全裸・・・。5人は殴られ変形している・・・。

無駄に土魔法でT字の柱を瞬時に作り、魔力の緻密なコントロールで、それぞれの真後ろに柱として建てた。その柱に向け風魔法で打ち付け、更に土魔法で固定する。そして気づくものはサクラ位だが、光魔法と闇魔法で、演出もしていたのだった。4種類の魔法を緻密に、大胆に、自由に使えるラウール・・・。チートだ。

「ラウール!そこでとどめだニャン!!殺るニャン!!」

そうサクラはラウールに叫んだ。

「そうだね。とどめも大切だけど、何でこんなことになっているか、こいつらに聞かないとね?僕はこれでも怒っているんだけど。」
そう言ってラウールは今までで初めてな位な量の魔力を放ち、威圧した。

「「「「「・・・。」」」」」
目の前の盗賊?達は震えあがっている。
顔色は逆さなので赤いがうろたえている様子である。

「ラウール! すごい殺気ニャン!! 私もやばいニャン!!」

そう言っているサクラ。
口調が戻ってないぞ。
意外にサクラも頭に血が上ってる?

「お前たちに聞きたいことはたくさんあるけど、僕でなくて、この騎士たちに話してね? ちなみにこの磔は、僕でないと外せないと思うよ。ものすごく魔力を込めているからね。」

そういって魔力を更に強く発した。

「「「「「「・・・・・。」」」」」」

もう目の前の盗賊?はものすごい光景になっていた。
全裸で恐怖、逆さま、ひどい。
想像に任せよう・・・。

~~~~~~~~~~

騎士たちは無事だった。よかった。僕が引き受けた依頼で犠牲者が出たら・・・。
僕は絶えることが出来なかったかもしれない。
そう考えているとサクラが話しかけてきた。

「ラウール?」

「サクラ!いい働きだった。さすがニャンの者!!よっ、サクラ、猫の化身!!」

サクラは天を仰いだ。
そして怖い顔で、

「ラウール・・・、話があるの、私たちパーティーにとって今後の行方を左右する、大切な話が・・。」

そうにじり寄ってきた。

「ねえラウール?私たちのパーティーは解散するの?」

「えっ解散するの?」

「そうよ。ここまでの事をされてはね。じゃあね。」

「わかった。じゃあ僕が解散届を出しておくよ。元気でねサクラ!」

サクラは目が泳ぎだした。
サクラは手が震えだした。
サクラは目に見えるほど汗を流している。

「ちょっと~、冗談に決まてるじゃない。」
サクラの声は震えている。

「ちょっと怒ってみただけよ。本気で解散なんてしないよね?」
サクラはラウールの様子をうかがっている。
ものすごく不安そうだ。

「ごめんねサクラ。ちょっとからかった。僕から本気で解散っていう事は今後もないと思うから、冗談って受け止めて。ごめんね。」

ほっと一息つきサクラはラウールの手をとった。
「ラウール、私も一緒に旅をしたいから・・・。ごめんね。そしてありがとう・・・。だけど、わかりにくいからその冗談はやめて~!」

ラウールとサクラは悲惨な光景に似合わないほど、自分たちの世界に入っていた。

・・・・・・・
・・・・・・・

「さすが【黒猫】・・・。」
キソ様が呟いていた。
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