冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
103 / 238
13.ニジュールでの冒険者活動

依頼達成報告

しおりを挟む
ラウールとサクラは冒険者ギルドで依頼達成の報告をしていた。

「シトカさん、迷宮を攻略して、ボスのミノタウルスの魔石も持ってきました。」

一瞬間をおきシトカさんは驚き、

「速いですね・・・、通常なら数日はかかると思うのだけど・・・。魔石の提出をお願い。」

そう言われ、目の前にミノタウルスの変異種の魔石を取り出し、カウンターに置いた。

「!! ラウールさん!? これはもっと上位の魔石ではないの? この質は・・・、Sランク?」

「そうなんですよ、変異種が出て、僕たちの前に入ったパーティーが怪我をして出てきていましたよ。多分もう少ししてからここに来ると思うので、確認してください。あと、サクラ、冒険者プレートを見せてあげて。」

「わかったわラウール。はい。」

そういってシトカさんにサクラは冒険者プレートを渡した。

シトカさんは冒険者プレートを謎ボックスに入れると、目を見開いている。

「確かに・・・、ミノタウルスの変異種・・・。」

「そう、ミノタウルスの変異種だったよ。ちなみに黒ね。全力を出さないと危なかったよ。」

「危ないですむもの・・・。」

「僕たちの魔法は軽くはじかれたから、全力で魔法を使いました。今までで一番の強敵でしたよ。おかげさまで、僕たちの強さはまだまだだと思い知らされました。もっと強くならないと、危険な依頼は受けられませんね。」

シトカはラウールを見つめていた。
何を言っているんだこの子はと。Sランク相当の魔物に全力で行くのは当然ではないか。それも、怪我をするところでした? 無傷? どこの高ランク冒険者ですか・・・。普通のAランク冒険者であれば、何十人必要な魔物かわかっていないのですか・・・。

「ラウールさん、そんな問題でないのよ。Sランクを2人で討伐した? Sランク冒険者でも2人で討伐は無理なのよ・・・。Sランク以上の魔物は、今までの法則と違って、魔物1、人間3で討伐できるものでなくなるのよ・・・。」

しまった!これくらいできると思って、目立ってしまったか?そうラウールは考えたが、もう取り返しはつかない。

「でも、サクラが最後は首を切ったんですよ・・・。ミノタウルスも調子が悪かったとか?」

「・・・調子って・・・。魔物が調子が悪くても、ダンジョンですよ。ダンジョンのボスは調子の波はありません!! それも首を切った? 黒のミノタウルスはちょっとやそこらで切れませんから~!」

そこもか~。また失敗したと思ったが、ここはできてしまったで通すしかないと思ったラウール。
「きっとサクラの大鎌が良かったんですよ。切れ味抜群な武器だからこそですよ。」

「大鎌? 今日報告に合った、ダンジョンで大鎌をもって魔物を狩っているものがいたと言う・・・。」

はっ!とサクラが反応した。サクラはここでその話を大きくしたくない。
そこでサクラが口を開いた。

「そんなことより、これで依頼は完了でいいの?」

「そんなことって・・・。これは、依頼主に確認が必要よ。ミノタウルスの魔石が欲しいと言う依頼だから、変異種でもよいのか聞かないといけません。」

「そうなの? じゃあ今日中には結果はわからないのね?」

「ごめんなさいね。明日以降になると思うの。それか、もう一度ミノタウルスの魔石を手に入れて来るかね。」

それを聞いたラウールはさすがにめんどくさいと思った。

「シトカさん。依頼主に確認をお願いします。もう一度行くかはそれを聞いてからにします。できればランクに合わない金額でも、依頼が達成になったらそれでいいので。サクラもそれでいい?」

「いいわよラウール。じゃあシトカさんよろしく。」

2人はうまくごまかせたと思った。強さも大鎌の姿も。

「わかりました聞いておきます。ただ、戻ってくる冒険者に話も聞いておきますので・・・。気になるから。」

受付とあるまじき発言。しかしそこはあきらめた2人だった。

~~~~~~~~~~~

冒険者ギルドから宿屋わかばに戻ったラウール達は祝勝会ではなく、反省会を開いた。
2人とも交渉事が下手なことが原因だった。
どうしてもそのまま話してしまうラウール。
誤魔化そうとしてもうまく次の言葉が出ない2人。
ロマンを追ってしまったサクラ。
どうしたら気ままに、それなりに旅ができるのかと。
快適な旅は望むところだが、目立つことはしたくない。
しかし今後もロマンを追う事もあるだろう2人。

「サクラ?大鎌はやめる?」

「嫌よ! これだけは譲れない。」

「だったら黒い装備を止める?ローブでなく鎧とか?」

「それも嫌よ、動きにくい。だって、【黒猫】から黒をとったら、ただの猫よ。」

「黒い髪だけでいいじゃないか。」

「頭だけ黒い猫を黒猫って呼ぶ? 嫌よ、せっかくラウールと初めて決めた名前なのに。」

「・・・そうだね、思い入れがあるものね。じゃあ、ここまでを僕たちの常識ラインにしよう。これ以上は目立つことはしない。黒ローブと大鎌まで。ニャンの者は人のいない時に。」

「そうね! けど、ニャンの者はやらないわよ!」

サクラは拒否した。
ラウールは勢いで押せると思ったのに。
自分は恥ずかしいけど、人がやっているのは見ていたいと。

そして考えた。
いつか不意打ちでニャンの者を出させようと。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...