冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
114 / 238
14.勇者?召喚?

勇者の今後

しおりを挟む
色々と話してくれた勇者だが、いきなりこの世界に来て、心残りはないのかラウールは聞いてみた。

ダイチは大学を卒業して、これから初めての仕事に行こうとしたところだったみたいだ。特に行きたい会社でもなく、就職できるところを探して受かったところだから、そんなに仕事に心残りはない。人間関係は友達には会いたいが、新たな友達を作るのも好きだから、これから人の輪を広げていければいいと。家族は心残りもあるが、3男で下にもまだ兄弟がおり、自分がいなくなってもどうにかなるだろうと言う。
ん~、いい男だ。

ヒミカは高校を卒業し、専門学校に行こうとしていたみたいだ。学びたいことがあったけど、こっちの世界でも魔法と言う興味が引かれるものがあるから、特に困らないそうだ。人間関係もそんなに人付き合いもしていないから、いなくなったところでその他大勢でしょと。家族は兄がいて、兄にばかり構う親だったようで、逆に清々してるんでないかと言う。
冷静な女だ。

グンジョウはちょうど両親を事故で亡くし、途方に暮れていた状況だったようだ。遠くの親せきのところに引っ越したが、居場所がなかった。だから特にこっちの世界にいても問題ないと言う。
引き際のいい少年だ。

3人の事情を聞くと、特に問題がないように思えてきた。
召喚した人がこれから豹変しない限りは大丈夫かなと。
そうであれば、少し強くなるために力を貸してもいいのかもしれないとラウールは考えていた。

「色々聞いたけど、少し一緒にダンジョンでも行ってみる?」
そうラウールが行った時、ラウール達のテーブルに今までこの冒険者ギルドでは見たことのない、世紀末な格好をした4人組が近づいてきた。

「お”い!勇者ってお前らか!? こんなひ弱そうなのが勇者だと!! ぷっ、俺と勝負しろ!!」

すると3人は
「「「ようやくテンプレきたーー!!」」」と叫んでしまった。

「あ”~!何言ってやがる! お”い、かかって来いよ!!

いきなりかかって来いって・・・、どこのなんとかだよ。

すると他の冒険者から声がかかった。
「おまえらやめておけ!そっちの2人はやばいぞ!」
「あいつ【黒い悪魔】のつれに絡んでるぜ。」
「【黒猫】2人揃ってるぞ・・・、瞬殺・・・。」
「初めて見れるか【漆黒の翼】の漆黒の翼を。」
「この前ミノタウルスの変異種の黒を討伐したのはあいつらだろ?」
「俺はデーブンにくぎを刺されてるから、目も合わせないぜ!」
「普通数日かかるダンジョンも、あいつらなら1日だろ・・・、格が違う。」
「あの絡んでるやつは誰だ?」
「最近来た・・・、Dランクだかの奴だろ?」
「死んだな。」

物騒な声が聞こえてくる。
最近は気軽に声をかけてくれるけど、戦闘力は認めてくれてるしね。

ダイチがやっと口を開いた。
「ラウールとサクラって何者?」

サクラは口を開かない。
地面をじ~と見ている。

ラウールは半笑いした。
「僕はAランクのラウール。それでサクラはBランク。サクラの二つ名は【黒い悪魔】。ちょっとはしゃぎすぎて魔物の首を1狩り2狩り3狩りと一発で首を落として歩いたからついちゃった二つ名なんだ。」

ぞわっ!!

勇者3人はこわっと思った。

地面を向ていたサクラが怒りながら、
「ラウールだって【漆黒の翼】でしょ。8歳の時の威圧で、魔力が黒い翼に見えて、いくつかの冒険者ギルドの冒険者を震え上がらせた。Gランクでいて初めて二つ名がついた冒険者!人の事言えないでしょ!!」

ゾワっ!!
こっちもこわっ!と勇者3人は思った。

「そんな、サクラみたいに黒いローブに、大鎌で魔物に突撃していかないよ!!」

勇者3人は死神??と想像した。サクラが追いかけてくる姿を。

これくらいの口喧嘩は日常になってきた2人は、最後は笑っていた。
そして笑った姿を見た絡んできた冒険者は、「すいませんでした!!」と言って、走って冒険者ギルドから出て行った。


絡んだ冒険者が出て行ったあとは、冒険者ギルドの中は普段の雰囲気に戻っていた。
そして勇者3人は小声で相談した。
ダンジョンに行ってみたかったが、騎士と行くのも味気ないから、この先輩冒険者が一緒に行ってくれないかと。
冒険者なら、騎士よりもダンジョンに詳しいのではないかと。
あんなにみんなに知られているのに、恐怖を与えていないという事は、いい人たちなのではないかと思った。

代表してダイチが言い始めた。
「ラウールとサクラ? 僕たちと一緒にダンジョンに行ってくれないか? 冒険者ギルドに登録したのは今日だけど、ランクの高い冒険者や騎士とは十分に戦えてるんだ俺達。だから、一緒に行って、俺達より強ければ、鍛えてくれないか?」

ラウールとサクラも相談した。
一度一緒に行ってみることでわかることもあるかもしれないと。

「いいよ。僕達【黒猫】が一緒に行こう。もし希望のダンジョンがあれば教えて。なければ僕たちが選ぶから。それでいつ頃行く?」

「一度城に戻って報告するから、手紙で連絡するぜ。ダンジョンはちょっと考えさせてくれ。初めてのことだから、3人で決めたいんだ、記念にね。」

ラウール達は少し雑談をして、泊っている宿屋を教えた。
日程と場所が決まったら一緒に行こうという事にして。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

処理中です...