冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

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16.従魔が欲しい

クロウの能力把握

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ギルマスのズハサンに魔物の卵は魔力の量と、注いだ期間で産まれる魔物の強さも決まるかもしれないと言う予測を伝えた。ギルマスはありがたがっていて、何かあった場合は協力してくれそうだ。

そんなことよりも、クロウの能力をどうやって確認しようかラウールは考えていた。

「サクラ?いつも悪いけど何かいいアイデアはない?クロウの能力はどうやって確認したらいいんだろう?」

顎に手を当てながらサクラも考えている。
「ん~~~~~、やっぱり解析さん?」

「解析さんは???だけしか表示してくれないんだよ。きっと僕には見ることのできない何かがあると思う。」

「何かね・・・、クロウって普通ではないよね?」

「我、普通ではない?」

「クロウは強いよ。もしかしたらサクラと同じくらいか、僕にも追いつくくらいかも。」

「我ラウールと同じ?」

「どうなんだろう?クロウは自分の能力っていうか、力ってわかる?」

キョロキョロと目と首を動かしている。考えてる?
「我、よくわからない。だけど、魔法?はできる。早く動ける。爪、くちばしから力を伸ばすことが出来る!」

「ゴブリンを切り裂いたみたいに?」

「我、爪に魔力?を伸ばして長くできる。その魔力?で切り裂ける!」

「なんで魔力?なの。僕とサクラの魔力は感じられたよね?」

「我、ラウールとサクラから感じた魔力だけでない何かを感じる。だけど我、これからは魔力にする。」

魔力ではない何か?
何だろ?
もしかして、やっぱり神?
神力?

「魔力にするって、魔力だけ使うの?」

「我、そのまま使う。呼び方は魔力にする。」

「あ~、呼び方ね。うん、そうしてくれた方が聞き取りやすいよ僕も。」

そうやって会話だけが過ぎていく。
どうしよう。
あの時の魔力は当たればSランクの魔物を倒せそうだったよな?
一番チート?
じゃあ、ダンジョンボスでも討伐できるかな~。

「サクラ、ダンジョン行ってみる?」

「何その簡単にやってみる?みたいに。でもいいわよ。危なければ私たちが守ることもできるでしょ。」

「我ダンジョン行く!」

「じゃあ、ご飯を食べたらちょっと行ってこようか?」

「そうね、Sランクの魔物を相手しに行くのには、ちょっと軽いノリだけどね。」

そうして食事を食べたラウール達はダンジョンに向かった。

~~~~~~~~

ここは第三都市のダンジョン48階。
さっそくダンジョンに来たラウール達は、クロウの戦闘力を図ってみることにした。

Aランクの魔物、オークエリートが現れたから、クロウの任せてみた。

「我頑張る!」

そう言うとラウールが追うのも大変なスピードでオークエリートに接近した。

ジャッ!

音がしたと思うとすでにオークエリートは斜めに切り裂かれていた。

素材がもったいない・・・。
ラウールは小さなことを気にした。
そんな心配をしながらもラウールは聞いてみた。
「クロウ、これくらいは余裕か?もっと強かったり、数がいても大丈夫?それに、なるべく傷は小さめで倒せる?」

首を傾げたクロウだった。
「我できる! だけど魔法ではまだ無理!」

「そうか~。じゃあ、ボスまで進むから、ボスまでは、きれいに倒す練習をしようか。」

「わかった。我頑張る!」

そう言った返事を聞き、ラウールとサクラも手本を見せながら先に進んだ。
クロウは徐々にコツをつかんできたようで、最小限の傷で魔物を倒していた。Aランクの魔物を・・・。
そして、ボス部屋まで到着したラウール達は、作戦会議を開いた。

「クロウ? クロウが中心で攻めてもらってもいい?僕たちは、クロウに攻撃が当たらないように、左右に別れて警戒するから。」

「わかった。我真ん中。」

「そうね、クロウが真ん中。私が左、ラウールが右。クロウはできるだけ早く攻撃をして。魔物の状態は悪くてもいいから。」

「そうだね。今回は魔物の状態はどうでもいいから、倒すことを優先でね。」

「わかった。我分かったよ。ラウールとサクラも頑張れ。我を守ってて。」

作戦とも言えない作戦会議が終わり、ボス部屋に入った。
今回のボスは、複数いた。
初めてのパターンでラウールも一瞬戸惑ってしまった。

「我の声が響く空間よ 我の声を聞け 我は我 我の魔力は我の物 お前たち空間も我の物 我の物よ 我の敵を討ち滅ぼせ 火の輪」
そうクロウが詠唱を瞬時に完成させると、目の前の複数の魔物の周りに火の壁が円状に出現した。
その火の輪は一瞬で巨大になり、ボスが脱出する隙間もなく、円錐状に燃え上がった。
そして、その燃え上がった炎も一周で消え去った。
目の前には複数の魔物が焼け、倒れて動かない。

「ラウール、サクラ、倒したよ我。我の魔法強い?」

・・・・
・・・・

強いかって・・・。

「クロウ・・・、強いよ・・・・。そしてその詠唱は何?」

「我の起こしたい現象を起こすため。我がその時に決める詠唱。自然に出て来る。同じ詠唱、たぶん無理。」

・・・・

「適当? なんとなくのノリ? びっくりしすぎたけど、僕もサクラも同じようなもんか!」

「そうよラウール?この世界の詠唱なんて覚えてる?」

「使わな過ぎて言えない・・・。」

「ラウール?サクラ?この世界?」

ラウールとサクラは産まれたての従魔のクロウに、まだ伝えていなかったことを思い出した。
そこからクロウに前世の事を説明し始めた。
クロウの頭脳ではもう理解できるようで、この世界の知識はなぜか少しあるクロウだが、前世の事は嬉しそうに聞いていた。
そして説明が終わり、放置されていた魔物はダンジョンに吸収されていた。

「あ~、素材を採取できないとはいえ、もったいないことした。」

「も~う、ラウールはいつも貧乏性ね! 今回は宝箱だけで我慢しなさい。」

「は~い。」

「我も我慢する~。何を~。」

何を言っているかわからないクロウの言葉に笑いながらも、目の前の宝箱を開けてみた。
何と・・・、中身は・・・、【魔物の卵】だった。

オーマイゴット!!
どこの神かはわからないがラウールはその言葉が、頭に響いた。
そして、今回は普通に背負い籠を出して、魔物の卵を背負い、一応隠してダンジョンを出たのであった。

討伐された存在感のない魔物は、ミノタウルスの変異種と、オークキング2匹だった。
Sランクが複数いても平気なパーティー・・・、ではなく、クロウだった。
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