冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
143 / 238
17.求むロマン武器

再会!!

しおりを挟む
「ようラウールおかえり!」

「スコットさん! ただいま!」

サーシンに着くと、すぐに門番のスコットが気づいて声をかけてくれた。
嬉しいけど、今はそれどころではない。
サーシンに近づくにつれて、ドキドキしてきた。
久しぶりに会える、父様、母様。
どうしよう、おやじ! おふくろ! って読んだらびっくりするかな?

スコットから街に入る許可を得て、実家に徐々に近づいている。
サクラとクロウも紹介しないと。
どんどんラウールの気持ちは高ぶっている。

家が見えてきた。
久しぶりの実家・・・。
何も変わっていない。

ラウールは一歩一歩前に進んで行った。
そして玄関に手をかけると、鍵がかかっていた。

「そうだよね~。今の時間は仕事に行ってるよね~。」

「ラウール、今はいないの両親は?」

「うん。今は仕事の時間だと思う。ちょっと急ぎすぎたかな?」

そう言っていると後ろから声が聞こえてきた。

「ラウール!! おかえり!」

母様?

「お帰り!」

父様?

「父様?母様?仕事は?」

「スコットさんが使いを出してくれたの! 門を通った知り合いに声をかけてね! そうしたら、治療院の人も早く帰れって! 大きくなったわねラウール。」

「俺も同じかな。話を聞いた孤児院の院長が、早く迎えてあげてって言ってね。」

ありがたい。院長のコリンさんかな?

ミックとララはラウールを抱きしめた。
ラウールが苦しくなるほどだった。

「会いたかった。でも旅に出したのは私たち・・・。それでも元気に戻ってきてくれた・・・。ありがとうラウール。」

「僕も・・・。」

ラウールは泣いてしまった。
心が中年の16歳が泣いて誰が得をするのかという事は置いておいて。
嬉しかった。待っていてくれる人がいる。
僕の戻る場所はここだけだ。

そうして感動の再会を果たした家族は家に戻ろうとした。

「ちょっとまって! ラウール、私を置いて行かないでよ!」

「あっ!」

「あっってなによ! 忘れてたの!?」

「忘れるわけがないじゃないか! ちょっと両親に会った感動で、思ったまま行動しちゃっただけだよ。」

「それが忘れたって言うんじゃない!!」

サクラは笑っていた。
ラウールがわざとスルーしていた事にも気づいたから。
この度でラウールの性格はだいぶ知った。
恥ずかしいときは素直になれないのだ。

そして、隣にいたサクラに気づかないわけがないラウール。
ラウールの両親も気づかないわけがない。
ちょっと茶目っ気をだした両親だった。

「ラウール、紹介してくれ。その彼女の名前は?一丁前に恋人を作ったから帰ってきたのか?」

「ちょっと! 父様! 違いますよ。僕たちは友達ですよ。仲間、パーティー、一緒に旅をしてるんです!」

「そんなに焦るなよラウール。ちょっと聞いただけだよ。それで、その肩に乗っている鳥は何だ?」

「クロウは父様と母様に驚いて飛んじゃったけど、従魔だよ。」

「従魔ってラウール、どうやって手に入れたの?」

「母様、僕は旅をしていたのです。Sランク冒険者になっています。そして、ダンジョンに潜っています。従魔は、ダンジョンのボスの宝箱から手に入れましたよ。それで僕とサクラの2人の従魔になったんです。」

「ん~、後でもっと詳しく教えてね。サクラさんもいらっしゃい。歓迎するわよ。一緒にお家にいてもらってもいいかしら?」

「いいのですか?私は部外者だから、宿にでも行きますよ?」

「そんなことできるか! サクラさん、ようこそ我が家に。この街にいる時は我が家だと思って過ごして。ラウールの仲間は、家族と一緒だよ。」

「ありがとうございます。なんとなく一緒にいるのも悪い気もしますけど、では一緒にいさせてもらいます。」

一通り話をして、ラウールの実家に入った。
サクラも緊張はしているが、ちゃんとついてきている。
一部屋をサクラに使ってもらうくらいはある家だ。
ラウールも自分の荷物を自分の部屋に置き、みんなが一緒に過ごす部屋に移動した。

全員そろったところでリックが歓迎のあいさつをして、ラウールの旅を聞きたがった。
しかしララが、もっとゆっくり聞きましょうと言って、食べ物や飲み物を準備し始めた。
その準備を待っている間にリックは色々と聞きたそうにしていたが、我慢していたのか無言になってしまった。

全員がそろい、食事も開始した。
ララの手料理は久しぶりで、ラウールは泣きそうになってしまった。

長い旅の話をした。
ロドリゲスとローリーのことも話した。
初めは一度戻ってこようと思った事。
しかし、カシマスと言う冒険者のおかげで何とか旅を続けることが出来たこと。
カシマスが悪者の役割りを受け持ってくれたおかげで、今の自分があること。
自分の両親はリックとララしかいないという事を話した。

リックとララは泣いていた。
そして、その部屋にいる全員が泣いていた。
クロウだけは涙は出ていなかったが・・・。

リックとララは安堵した。
ラウールの心のつかえが一つとれて。

その日は夜遅くまで話声が絶えなかった。
サクラも自分のことをうまく話せていて、輪の中に入れた。
ラウールもこの凝縮された旅の思い出を語った。

この世界で初めてお酒も飲んだ。
15歳からはお酒飲んでもいいのだ。
酔いもあり、全員が楽しく会話をし、疲れ、同じ部屋で寝てしまっていた。


一息ついた旅。
安心する場所。
ここがあるから僕は旅に出ることが出来る。
これからは、転移で戻ってくることもできる。
選択肢も増えて、これからまた旅立つことに思いをはせたラウールだった。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...