冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

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19.魔の森での生活

変化の術を覚えよう!

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ソフィアから修行をつけてもらう傍ら、緑龍にも術を教えてもらえることになった。

クロウと遊びにいった時にはじめは見えなかったのは、変化の術で小さくなっていたそうだ。
人族にはない術だが、長年生きてきた魔物や、神に近い者はつかえる可能性があるようだ。

だから今日もみんなで緑龍に会いに来た。
魔王の心配は僕がすることでもないし。
今日は僕が質問しながら話を進める。

「これから俺が変化の術を教えるが、できるかはわからないぞ! 俺も覚えるまでに時間がかかった! そして、自分より質量が大きい姿にはなれないからな!」

「へ~? 小さくなるのは大丈夫なの?」

「小さくなることや、今より小さい魔物の姿にはなれるな! ただ、体の中の構造も自然に変化するからな!」

「元々の魔物の内臓と同じになるの?」

「いや違う! お前たちが使えたとしたら、人間の体に合わせた内臓になる。だから解体されたらばれるぞ! 普通ではないとな!」

「普通じゃないより、死んでるから・・・。」

「だから、外見が変わる術と考えろ! 合わせて小さくなる想像だな! 魔力で圧縮された素材が形のある武器に変化する。武器が元の素材に戻る! それくらい難しい術だ!」

「ん・・・、難しいな・・・。戻れなくなることは?」

「そこはおそらく大丈夫だ! 変化できたら生物は元に復元される! 神が生物の人為的な永久変化を許さないだろう? 戻れるんだよこれが!」

「何となくわからないけど、わかったよ!」

「では俺の変化を見て、魔力の動きを確認するんだ! そして、なりたいものへの想像力だ!」

そう言われたからには緑龍の変化を感じよう。
何度も何度も目の前で変化してくれている。

元の大きさが20mはあるが、2mの蛇の姿に変化している。

魔力で自分を圧縮しているが、なかなかこれといったものをつかめない・・・。

1日目は術を見ていることだけで終わった。

~~~~~

しばらく通いつめたが、まだコツがわからない。
これまではチートで何事も早く覚えていたから、まどろっこしい。

拠点では物体の変化を練習し、緑龍のところでは延々と緑龍の変化を見る毎日だった。

緑龍は気が長いらしく、不満も言わず付き合ってくれている。この修行が成功しても失敗しても、何かお礼をしないといけないな。

魔物だけがつかえる変化の術なだけあって、人間には無理かと考え始めたときに、緑龍が言った。

「人族で使えると聞いたことはないが、魔族はできるやつがいるぞ! バンパイアなんて蝙蝠になるだろ! ラミアも人から魔の姿に戻るだろ? それと同じことをしてみるのだ!」

「確かに・・・、魔物、魔族、人族・・・。ん~、まずは少しだけ見た目を変える・・・。」

そこから更に修業が始まった。
全体を変えるのではなく、一部分だけの変化を練習する。

~~~~~

修行して数か月が経過した。
今までの僕達であれば、ここまでの期間練習した場合、大抵のことが出来ていた。
だからこそあきらめそうになったが、今止めたらもったいない。
もう少ししたらできるのではないかと、ずるずると練習を続けていた。

変化の術の為に常に想像、創造と言いながら武器、防具を作っていたからか、錬成は上手くなっていた。
僕たちが魔法で作る装備品も一級品と呼べるものが出来ている。
こちらはチートが効いていた。

しかしここでクロウが一歩前進した。
人族ではないが、仲間が変化の術を使えたことで、やる気がまた出てきた。

クロウは足を2本にして、体も一回り小さくなった。
本当にただの鴉の姿に変化している。
一回り小さくなったとはいえ、圧縮されたためか、僕の肩に感じる重さは変わっていない。

そこで僕とサクラはクロウの重さを感じ、一部分からの変化ではなく、小さくなることを目標とした。
ただ体が圧縮される感じをイメージ。
そのまま小さく、小さくと考えて魔力を纏っていくと、僕もサクラも一回り小さくなった!!

一度コツをつかむと、小さくなることはできるようになった。
ただし、虫くらいまで小さくなることは無理なようで、1m位の大きさくらいまでが限度だった。

ここまで来たからにはできるまで練習しようと、更に数か月の期間が経過していた。

~~~~~

「そろそろ変化できそうな感じになって来たけど、サクラはどう?」

「ん~、なんとなくイメージが固まってきたかな? 私は猫をイメージしているけど、ラウールは?」

「僕も猫をイメージしているよ。人型から急に獣型は難しいかもしれないけど・・・。」

「そうなのよね。毛の感じがね~。」

「耳もね。頭の上に耳・・・。ん~。」

「私たちハイエルフは、変化ではなくて魔法で周りに別の姿に見えるようにできますけど、一度ラウールとサクラにかけましょうか? 自分で触っても、感触は相手に見えている姿の感覚になりますから、参考になるのでは?」

ここに来て新たな事実・・・。
ハイエルフにはそんな便利な魔法があるなんて・・・。
変化を覚えなくても、その魔法を教えてもらえたらよかったのではないか・・・。

「ただ、この魔法は、人族であれば獣人族程度の姿にしか変化はできませんが。獣型は無理ですからね?」

それでも何かがつかめるかもしれないと、ソフィアにお願いして、猫の獣人に見えるように魔法をかけてもらった。
その状態で自分の全身を触りまくった。さすがにサクラの全身を触ることは・・・、出来ない。

そこから更に一週間たったころ、ふとできる気がした。

自分自身が猫の獣人に変化する!

「変化!」

僕はおもむろに魔力を込めて叫んだ。
すると次の瞬間には、猫の獣人の姿にゆっくりと変化した。

「できた・・・。できたよ~!」

大喜びしている横でサクラも僕の変化を探っていたのか、変化!と叫んだ。
するとサクラも猫の獣人にゆっくりと変化していった。

「私もできた! ラウール! 出来たよ!」

僕たちは嬉しくなり、手を取り合ってぐるぐると周っていた。
しばらく周り、気持ち悪くなったころに、クロウとソフィアの生暖かい視線を感じて動きを止めた。

そこからは順調だった。
なんとなく体の変化の仕方を理解した僕とサクラは、練習を繰り返した。

猫の獣人と、猫そのものに変化できるようになった。
他にもいくつか変化できるものが増えて、見た目も少し変えることが出来る。

これで目立つ時に色々と役立つ!

クロウはそこまで変化を望んでいないし、大きさも小さくなる必要もないのでそのままだ。
ソフィアも認識を阻害することや、魔法で相手からの見え方を変えることが出来る。
僕とサクラは、変化できる!

ただここまで来て思ったこともある。
変化の術を使う事なんて、ほとんどないのではないか?
元々何かをしでかしても、変化して迄誤魔化すことなんて・・・、この先もないのではないかと気づいた僕とサクラだった。
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