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21.拠点と特訓
黒猫の初めて?の勇者との会話
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サンクリットからの遣いが来て、僕たちが勇者を訓練する日が決まった。
初めは各冒険者が順番に訓練をして、僕たちの順番は最後になると言われた。
初めに【春の気配】とパーティー名を付けていたダイチ、ヒミカ、グンジョウの勇者チーム。
次にソロの冒険者ホイット。
三番目に【白銀の尾】狐の冒険者チューランがリーダーの狐の獣人チーム。
四番目に【新緑の守人】エルフの冒険者モサルル率いるエルフチーム。
最後に僕達【黒猫】が受け持つ。
訓練方法やコミュニケーションの意味もあり、初めは2日間交代で回す予定だ。
訓練方法は各チームに任せられ、勇者育成パーティーではなくチームと呼ばれるそうだ。
その辺の違いはよくわからない・・・。
まー僕たちのパーティーは八日は暇な時間が出来てしまった。
各チームの訓練方法を見てもいいそうだが、あまり興味がわかなかった。
だから僕たちはいつものように気まぐれな日常を過ごしながら、勇者の育成方法を話し合っていた。
その気まぐれな日常でも、特に語りたいことがあった。
両親の呪いをソフィアが解いてくれたのだ。
簡単に言うが・・・、うれしい・・・・。
両親もだが、僕も大泣きしてしまった。
そんな重要なことがありながらも、頭では勇者の育成方法をどうするか悩ませている。
僕達と同じ地球の日本から来た勇者。
十八歳で高校三年生だ。
すでに得意な分野もあるだろう勇者をどう強くしていくか。
~~~~~
勇者の育成方針を考えながら、僕たちが受け持つ日がやってきた。
訓練場所は各自で決めても良いという事で、僕たちの拠点に来てもらう事にした。
僕たちの拠点は鍵があるので、門の鍵はデーブンに渡してあるので、デーブンに案内を頼んだ。
そして約束の時間になり、デーブンと勇者たち、お目付け役が確定したのかサンクリットが一緒に現れた。
鍵があるとはいえ門の鍵で、家に勝手に入れるわけではない。
デーブンが呼び鈴を鳴らしたところで、僕たちが外に出た。
今回は牧場で訓練をすることにしたため、デーブンに引き連れられた勇者が牧場に移動した。
「ほぼ初めまして。僕は【黒猫】のラウールと言います。メンバーはサクラにソフィア、ヤマト。そして僕の肩に乗っているのが従魔のクロウです。これからよろしく。」
「「「よろしくお願いします!」」」
さすが日本人。挨拶がよろしい。
「他の冒険者がどう指導しているのかは聞いていませんので、僕たちなりに指導します。だから口調は普段通りにさせてもらうよ。」
「「「はい!!」」」
「じゃあやりたい事別に別れて。日によってどの訓練に入ってもいいから、武芸による戦闘をしたい人はヤマトに。攻撃魔法をしたい人はサクラに。回復や戦闘補助をしたい人はソフィアに。その他やりたいことが決まらない人や、創作系をしたい人は僕とクロウに来てほしい。じゃあ別れて!」
僕の号令で勇者は悩み始める者、真っすぐに決めていた人に行く者と性格が出ているようだ。
・・・・
・・・・
最後まで悩んでいた者も移動が終了し、僕の前には二人だけがいる。
ポルフォ家の勇者のセツナ。
申し訳ないけど名前を憶えていない勇者。
幾分緊張した面持ちで僕の前にいる勇者。
「僕はラウール。みんなと一緒で十八歳だよ。小さいころから両親について冒険者活動をしていたから、色々な経験はあるかな。君たちの先輩の【春の気配】の勇者とも一緒にダンジョンに潜ったこともあるよ。大変だろうけど、頑張りすぎないように頑張ろうね?」
まだ緊張している勇者にクロウも口を開く。
「我はクロウ。ラウールの従魔で仲間。魔王位なら大丈夫!」
何が大丈夫なんだクロウ・・・。
勇者は何とも言えない表情になっている・・・。
「ごほんっ! ん~、まー、クロウの言った事は置いておいて、何がしたいの君たちは?」
僕の言葉を聞いた勇者はなかなか口を開かない。
何か言いにくいのか・・・。
どう聞いて行けばいいんだ?
「我はSランクの魔物も倒せるから、我と戦う?」
クロウがぶっこんで来た・・・。
目の前の勇者はおびえている・・・。
「いいんだよ戦わなくても・・・。僕たちは直接戦わない人でも何かを教えることが出来るよ? もちろん戦う事も教えることが出来るけど、好きに生きたらいいよ。君たちは好きでこの世界に来たわけでないんだから・・・。」
・・・・
・・・・
「君たちはこの世界の都合で勝手に連れてこられた。怒ってもいいんだよ。これまでの期間で勇者同士でもいろんなことを話し合ったんだと思う。だけど、こんな短期間で割り切れるものではないと思うよ? 僕は同じ気持ちになることが出来ないから言うだけだけど・・・。だけど、この世界でも面白いことはあると思うから・・・。戦いだけに染まらなくていいよ。」
・・・・
・・・・
目の前の勇者がうつむいている・・・。
他の勇者も後半は聞き耳を立てていたからか、うつむいている・・・。
言わなきゃよかったかな?
・・・・・
・・・・・
僕が気まずい空気が流れている。
・・・・・
・・・・・
勇者が泣いている・・・。
僕のつたない言葉でも泣いている。
ここまでの期間勇者は気を張っていたのだろう。
勇者としての期待。
魔王を討伐してほしいと言うこの世界の思い。
重い思い・・・。
十八歳には重い期待だと思う。
日本では平和な青春を過ごしている世代。
そんな若者が急に立場の変化を求められる。
異世界転移を思い浮かべていた者もいたかもしれないが、現実とはこんなものだろう。
そんな勇者を見て僕はできるだけ力になりたいと思った。
僕の柄じゃあないけれど、おそらく日本には帰ることが出来ない。
Sランク冒険者として勇者を気にかけて行こうと心の中で決めた。
訓練をするはずがこの日はもうそんな雰囲気ではなくなり、サンクリットも思う所があったのか、一度宮殿に勇者は戻ることになった。
また明日の同じ時間に来ると言い残して・・・。
初めは各冒険者が順番に訓練をして、僕たちの順番は最後になると言われた。
初めに【春の気配】とパーティー名を付けていたダイチ、ヒミカ、グンジョウの勇者チーム。
次にソロの冒険者ホイット。
三番目に【白銀の尾】狐の冒険者チューランがリーダーの狐の獣人チーム。
四番目に【新緑の守人】エルフの冒険者モサルル率いるエルフチーム。
最後に僕達【黒猫】が受け持つ。
訓練方法やコミュニケーションの意味もあり、初めは2日間交代で回す予定だ。
訓練方法は各チームに任せられ、勇者育成パーティーではなくチームと呼ばれるそうだ。
その辺の違いはよくわからない・・・。
まー僕たちのパーティーは八日は暇な時間が出来てしまった。
各チームの訓練方法を見てもいいそうだが、あまり興味がわかなかった。
だから僕たちはいつものように気まぐれな日常を過ごしながら、勇者の育成方法を話し合っていた。
その気まぐれな日常でも、特に語りたいことがあった。
両親の呪いをソフィアが解いてくれたのだ。
簡単に言うが・・・、うれしい・・・・。
両親もだが、僕も大泣きしてしまった。
そんな重要なことがありながらも、頭では勇者の育成方法をどうするか悩ませている。
僕達と同じ地球の日本から来た勇者。
十八歳で高校三年生だ。
すでに得意な分野もあるだろう勇者をどう強くしていくか。
~~~~~
勇者の育成方針を考えながら、僕たちが受け持つ日がやってきた。
訓練場所は各自で決めても良いという事で、僕たちの拠点に来てもらう事にした。
僕たちの拠点は鍵があるので、門の鍵はデーブンに渡してあるので、デーブンに案内を頼んだ。
そして約束の時間になり、デーブンと勇者たち、お目付け役が確定したのかサンクリットが一緒に現れた。
鍵があるとはいえ門の鍵で、家に勝手に入れるわけではない。
デーブンが呼び鈴を鳴らしたところで、僕たちが外に出た。
今回は牧場で訓練をすることにしたため、デーブンに引き連れられた勇者が牧場に移動した。
「ほぼ初めまして。僕は【黒猫】のラウールと言います。メンバーはサクラにソフィア、ヤマト。そして僕の肩に乗っているのが従魔のクロウです。これからよろしく。」
「「「よろしくお願いします!」」」
さすが日本人。挨拶がよろしい。
「他の冒険者がどう指導しているのかは聞いていませんので、僕たちなりに指導します。だから口調は普段通りにさせてもらうよ。」
「「「はい!!」」」
「じゃあやりたい事別に別れて。日によってどの訓練に入ってもいいから、武芸による戦闘をしたい人はヤマトに。攻撃魔法をしたい人はサクラに。回復や戦闘補助をしたい人はソフィアに。その他やりたいことが決まらない人や、創作系をしたい人は僕とクロウに来てほしい。じゃあ別れて!」
僕の号令で勇者は悩み始める者、真っすぐに決めていた人に行く者と性格が出ているようだ。
・・・・
・・・・
最後まで悩んでいた者も移動が終了し、僕の前には二人だけがいる。
ポルフォ家の勇者のセツナ。
申し訳ないけど名前を憶えていない勇者。
幾分緊張した面持ちで僕の前にいる勇者。
「僕はラウール。みんなと一緒で十八歳だよ。小さいころから両親について冒険者活動をしていたから、色々な経験はあるかな。君たちの先輩の【春の気配】の勇者とも一緒にダンジョンに潜ったこともあるよ。大変だろうけど、頑張りすぎないように頑張ろうね?」
まだ緊張している勇者にクロウも口を開く。
「我はクロウ。ラウールの従魔で仲間。魔王位なら大丈夫!」
何が大丈夫なんだクロウ・・・。
勇者は何とも言えない表情になっている・・・。
「ごほんっ! ん~、まー、クロウの言った事は置いておいて、何がしたいの君たちは?」
僕の言葉を聞いた勇者はなかなか口を開かない。
何か言いにくいのか・・・。
どう聞いて行けばいいんだ?
「我はSランクの魔物も倒せるから、我と戦う?」
クロウがぶっこんで来た・・・。
目の前の勇者はおびえている・・・。
「いいんだよ戦わなくても・・・。僕たちは直接戦わない人でも何かを教えることが出来るよ? もちろん戦う事も教えることが出来るけど、好きに生きたらいいよ。君たちは好きでこの世界に来たわけでないんだから・・・。」
・・・・
・・・・
「君たちはこの世界の都合で勝手に連れてこられた。怒ってもいいんだよ。これまでの期間で勇者同士でもいろんなことを話し合ったんだと思う。だけど、こんな短期間で割り切れるものではないと思うよ? 僕は同じ気持ちになることが出来ないから言うだけだけど・・・。だけど、この世界でも面白いことはあると思うから・・・。戦いだけに染まらなくていいよ。」
・・・・
・・・・
目の前の勇者がうつむいている・・・。
他の勇者も後半は聞き耳を立てていたからか、うつむいている・・・。
言わなきゃよかったかな?
・・・・・
・・・・・
僕が気まずい空気が流れている。
・・・・・
・・・・・
勇者が泣いている・・・。
僕のつたない言葉でも泣いている。
ここまでの期間勇者は気を張っていたのだろう。
勇者としての期待。
魔王を討伐してほしいと言うこの世界の思い。
重い思い・・・。
十八歳には重い期待だと思う。
日本では平和な青春を過ごしている世代。
そんな若者が急に立場の変化を求められる。
異世界転移を思い浮かべていた者もいたかもしれないが、現実とはこんなものだろう。
そんな勇者を見て僕はできるだけ力になりたいと思った。
僕の柄じゃあないけれど、おそらく日本には帰ることが出来ない。
Sランク冒険者として勇者を気にかけて行こうと心の中で決めた。
訓練をするはずがこの日はもうそんな雰囲気ではなくなり、サンクリットも思う所があったのか、一度宮殿に勇者は戻ることになった。
また明日の同じ時間に来ると言い残して・・・。
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