冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
189 / 238
22.ラウールの迷い

勇者と【黒猫】の旅立ち

しおりを挟む
今日ニジュールの街はお祭り騒ぎになっている。
とうとう噂の勇者が旅立つと、街の人が大勢外で待っている状態だ。
教皇からと言うお触れがあり、馬車で門まで練り歩く予定になっている。

僕達【黒猫】もその騒ぎに便乗し、この街、この国を出ようとしていた。

既に拠点はデーブンに託し、家にもデーブン以外は勝手に入れない状態にしてある。
デーブンはデーブンで僕たちの出発や行き先を秘密にするため、情報操作をしてくれたそうだ。

僕たちはしばらく今のまま、ソフィアがソロで、黒猫たちとともに旅をしている事にする。
他の国でも僕たちはこの姿を楽しむことにした。

そしてできるのなら、僕の今後の目標を決めたい。
ここまでは冒険者として旅をして世界を見ることを目的にしていた。
異世界のテンプレを楽しむこと。
魔法を使う事。
お金を稼ぐことなどは達成された。

そろそろ異世界を楽しむのではなく、何か次の目標を決めても良いだろうと考えてしまっている。
まだ隠居するには早いから。

だから、僕たちは話し合った。

「ねえサクラ? サクラは次に何をしたい? 僕たちだいぶテンプレを楽しんだよね?」

「そうなのよねラウール。ここまで来ると私たちは何をしたらいいんだろう? ヤマトやソフィアは長い間何を考えて生きていたの?」

「俺は! ・・・・、なんだろう? 初めは生きていくことだろ。次は強くなること。強くなったら強敵と戦う事だろ。強敵と戦ったら・・・、面白いことを探したな。」

「私は探求していくことが楽しいですよ。古い時代の言い伝えが本当の事か確認するために各地をまわること。あとは、皆さんみたいな人と出会う事も楽しいですよ。」

・・・・・

「ん~、今日だけでは決めきれないな~。だからもう一度旅をしながら僕の目標を相談して行ってもいい?」

「「「いいわよ(おう!)。」」」

~~~~~

僕たちはデーブンに冒険者ギルドへの伝言を頼んだ。
テザン皇国を出発し、次の目的地は決まっていないと伝えて欲しいと。

そして勇者の姿が見えて、視線が勇者の乗っている馬車に向いたとき、僕たちはテザン皇国を出た。

門番も勇者の姿を見ようと、街を出ていく者には余り注目しなかった。
ま~、僕たちだけが街から出るので少しは目立つのだが。

僕たちを見張っている者も目立つのを避けて、街から直ぐには出てこなかった。

だから僕たちはいいタイミングと思い、街道をそれて走り出した。

しばらく走って移動して、周りに人の気配がないことを確認し魔の森の拠点に転移した。

~~~~~

魔の森の拠点で次の行き先を決めることにした。

「僕はまだ行っていないところで、帝国かなと思っているけどみんなはどう思う?」

「私は戦争をした場所だから、余り行きたくはないけど・・・。でもこの姿ならわからないし・・・。迷うね。」

「俺はどこでもいいぜ! 大陸を越えて、魔族の国でもいいぞ!」

「私は迷いますね・・・。いきなりテザン皇国から離れた所に行くと、何かエルフの秘技があると思われてまた呼ばれるような気がして・・・。」

「あ~、そこまでは考えていなかったな。いずれソフィアの居場所がばれたときに不自然でないようにしないとね・・・。ただでさえ僕たちはいきなり足取りが終えなくなっているしね。」

「そうだったわね。私たちはこの姿になっているから、人の姿の目撃情報がなくなるものね。いくらデーブンが情報を操作しても、国でも調べるだろうしね。」

「また姿を変える?」

「我はこのままがいい!」

「俺もしばらくはこのままがいいな!」

「私もこの姿になれたから・・・。手を使わないで食事したりするのはまだなれないけど・・・。」

「ん~、そうだね。確かにまた違う姿になると、なれるのに時間がかかるね。黒猫の姿で居続けてようやく今があるしね。デーブンと春の気配以外にも間違って話しそうになったしね、慣れる前は・・・。」

「それですよ問題は。私が上手く誤魔化したからよかったですが、今みたいに自然に猫ではいれませんでしたから。」

「もっと上手く過ごせるようにこのままで過ごそう。区切りは魔王が倒された辺りかな?」

「それもいいかもしれませんね。それでラウール? 神様にも情報を求めるますか?」

「ん~~、魔王の事は聞いてみようか?」

・・・・
・・・・

そういった話し合いがあり、僕が作った神殿擬きで祈る。聞きたいことがあると想いを込めて。

そして当然と言うよう次の瞬間には白い空間に呼ばれた。

そこには才能の神だけがおり、ラウールが気になることを聞いた。
その質問に対する答えはこうだ。

一つが魔王のことだ。魔王が潜伏している場所はわからない。上手く隠れていることから、悪神が関わっていることは確定。だから今回の魔王は強い。神には神が対応するが魔王には地上の生き物が対応しなければいけない。
目立った動きが把握できないので、魔王として強い力を持って生まれ、密かに部下を増やし活動していると思うと予想していた。

二つ目がテザン皇国のこと。光の神が介入できたのがここまでで、神託以上の接触ができる人物がまだいないそうだ。勇者の実力が上がったときにできるようになるかもしれない。神託を受ける相手も限られ、今回の勇者や僕たちに対する優遇は出来ない。自力で何とかしてほしいとのことだ。

三つ目は僕のステータスについて。これ以上の数値による表示は無理。この先はサクラも同様でスキルと称号等の魂に刻まれたものだけが見られる。おそらくは魔王以上の実力はある。あとはどの程度悪神が力を与えているかによる。

この三つの情報を得て、もとに戻ることになった。

神との会話の後に僕は考えた。
今僕だけの目標になるものはない。
みんなと魔王討伐が今は一番重要なのかなと。

その後はみんなで相談した。
魔王の出現場所がわからないので、旅を続けようと。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...