冒険者パーティー黒猫の気まぐれ

sazae9

文字の大きさ
202 / 238
23.フロックリンのオーク騒動

【黒猫】ばれる

しおりを挟む
冒険者ギルドで情報を集めた後は宿に戻ろうと外に出た。
するとそこにはブーグが待ち構えていた。

ブーグの後ろには鎧を着た、兵士?や冒険者らしき人物が並んでいた。
ブーグが出て行ってから三十分も立っていないのに、準備がいい。
実はブーグはやり手か?

そんなことはさておき、ブーグが不敵に笑い近づいてくる。

「おい、観念しな。そこのエルフは俺の仲間ではなく、ドーク・フロックリン様のものになるのだ。あの時おとなしくしていたらこんなことにはならなかったのにな。ドーク様に誠心誠意仕えるんだな。」

ドーク・フロックリン? この領都の貴族?

「ドーク様はこの都の顔だ! 逆らうとどうなるかわかってるだろ?」

全く分からない・・・。
この人の常識がみんなに当てはまると・・・。

「私たちはラシーア帝国の生まれではありませんし、この国の事をよく知りません。この前来たばかりですから。ですが、庶民を勝手に召し仕えると?」

「そうだ。ドーク様が言うことが絶対だ。逆らうと不敬罪で打ち首だ。」

・・・ここまで貴族の権威が強いのか。

「どうする? 死ぬか? ついてくるか?」

「ついて行くわけがないですよ。私は私が信じる仲間と一緒に過ごしますから。」

ソフィアがそう返事をすると、ブークとブークの後ろにいた人たちが一斉に殺気を放ち攻撃の姿勢になった。

それを感じた僕達も対応するために殺気を飛ばした。
おそらくそれだけでも逆らったととらえると思うが止まらない・・・。

・・・・
・・・・

僕たちの殺気で誰も動けない。
まだ本気の殺気ではないが、Sランクはないと動けないだろう。

・・・・
・・・・

「どうしますか? 僕たちは敵対する人には手加減しません。何も悪いことをしていないのにこの状態だから。悪いことをしていたら罰は覚悟しますが、僕たちが悪かったことは?」

・・・・
・・・・

「返事は? 返事がなければ僕たちに罪がないととらえますが?」

・・・・
・・・・

「殺気を抑えてくれ・・・。」
後ろからそんな声がした。
ずっと感じていた気配がようやく動いた。

バイス、冒険者ギルドでブークを止めた冒険者だ。

「止めてもいいですけど、この後も理不尽なことがあると僕は怒りますよ?」

「わかっている・・・。俺の力にかけてそれは止める・・・。」

「俺の力? あなたにそんな力があるのですか?」

「一応な・・・。俺はオークが出たと聞いて一度戻ってきた・・・。この領都出身のSランク・・・、冒険者だ・・。それなりに力はある・・・。」

Sランクね~。
それなりに強いとは思ったけど、Sランクか。
世界に百人程度だから、ここであっても不思議ではないが・・・。

「その圧倒的な圧力は・・・、この世界に・・、俺も動けないほどの圧力を与える・・・、そんな人物は・・・。」

「そんな大したものではありませんよ? 僕たちは商人ですから。」

その時プレッシャーを感じていた人すべてが心の中で叫んだ。
そんな商人がいるか!  と。

「今は商人という事にしておこう・・・。それで、君たちは・・・、この、領都の危機を・・・、一緒に防いでくれるのかな?」

ここでその話題・・・。
ブーク? こいつがここにいなければ協力しtもよかったが。

「それほどの実力・・・。どうにでも・・・、なるだろ・・・。」

話しが進まないので一度殺気を抑える。
ただ、ブーク達には今より強い殺気をピンポイントで与えて。

「これで話しやすいだろ? バイスさん? どうしたいのこれ? 内緒で協力するつもりだったけど、こんな事があると、放置したくなるけど。」

・・・・
・・・・

「殺気を解いてくれてありがとう。ようやく普通に話せる。俺はバイス。バイスと呼んでくれ! 一応Sランクだが、お前たちにはかなわないな。君たちはあのあれだろ? 
この国の事情は関係なく、俺は君たちに敵対したいとは思えない。あれはこの国が愚かだったから・・・。」

もう一度殺気を飛ばし、すぐに抑える。

「その話題はしないでくださいね~。僕たちの事がわかりそうな話は、僕達に敵対したととります。」

「すまない!」

「それでどう落とし前をつけてくれるのでしょうね? いくらSランク冒険者でも、貴族が言った事に正面から逆らえませんよね?」

・・・・
・・・・

「こいつ、ドークの兄貴に話を持っていく・・・。こいつの一番上の兄貴だ。このドークが騒ぎを起こすせいで兄貴はいつもしりぬぐいをしているんだ。ここでフロックリンの危機を拡大することになったドークを許さないだろう・・・。」

「この貴族はソフィアを狙ったんだよ? 仲間を狙われて、僕たちが黙っているとでも?」

・・・・

「そこは俺の顔に免じてと言えないが、どうにか許してもらえないだろうか? 必ず・・・、絶対に悪いようにはしない・・・。」

「その結果僕達を取り込もうとするのはなしだよ?」

「わかっている・・・。さすがにそこまで俺も、この馬鹿貴族の兄貴も愚かではない・・・。」

・・・・

「どうするサクラ? 全く声を出していないけど、思う所があるんでしょ?」

「・・・ソフィアを連れて行く? 私たちに危害を加える? なんとなくというか、私たちのパーティーの事を知っているんでしょ? それなら手加減しないよ?! なに?! そんなに私たちパーティーをばらばらにしたいの? 馬鹿なの! 私たちは死ぬまで一緒なんだよ! 途中で引き離す?! そんなことが許されると思ってるの? 私とラウールを引き離すの!? 死にたいの!? っていうか死ぬ・・・? 私たちの自由を侵すの? ラウール? やる???」

サクラが怒っている・・・。

「許してください・・・。あなたとラウール、従魔だけでも無理です・・。そこにもう二人あなたたちが信頼している人が加わっている・・・。俺は・・、私は敵対しません。この馬鹿ドークの兄貴にも言い聞かせます・・・。俺の幼馴染・・・。」

サクラの言葉を聞いたバイスの話し方がやばくなっている。
ついでに殺気を浴びせている人たちの顔色がそろそろやばいかな?

「そう言っているけどラウールは許す? ソフィアはどうする?」

「私はもう関わってこなければそれでいいですよ。」

「僕もこれ以上関わってこなければいいですよ。僕たちはソフィアの商人キャラバンの一員ですから。」

また心の中でみんなが突っ込んだ。
この殺気のどこが商人だと・・・。

「俺が言い聞かせる・・・、だから頼む・・・。」
最後はバイスの土下座になっていた。
Sランク冒険者を土下座させる商人・・・。

さっさと殺気を解いてこの場を離れることにした。
バイスには正体がばれていると思い、最後にもう一度殺気を飛ばしてからこの場を素早く立ち去った。
しおりを挟む
感想 100

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...