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24.ラシーア帝国の貴族
荷物運び情報ギルドの依頼
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あまりに興味深すぎて僕たちは荷物運び情報ギルドに通っていた。
他の時間は都の周りの魔物を討伐してどんな感じか見たり、デーブンと必要なことをやり取りしたり、魔の森で【春の気配】と一緒に魔物を倒していた。
そうやって時間を過ごし荷物運び情報ギルドの職員に顔を覚えられたころ、僕たちに声がかかった。
もちろん初めから僕たちにあこがれの目を向けて来る職員はいたが、その人以外からだ。
僕たちが熱心に依頼票を見ていると思ったのか、斡旋してきた依頼があった。
『オーノー商店の商品を整理するお手伝い』
そんな依頼だった。
なんでもオーノー商会が経験の少なそうなギルド員にいつも出している簡単な依頼だそうだ。
オーノー商会の倉庫にある商品をオーノー商会の店舗に持っていく依頼だ。
僕たちはこの貴族の権力が強い国でどうやって平民から貴族にのし上がったか気になり、この依頼を受けることにした。
~~~~~
紹介された依頼場所に到着すると、巨大な倉庫・・・、ではなく、こじんまりとした一軒家だった。
どうやって倉庫にしているか気になったが、案内され中に入って納得した。
魔道具化された倉庫になっていた。
中身はきちんと整理されおり、僕たちの仕事は外に出ているいくつかの荷物を指定されたところに戻す作業だった。
こんな簡単な依頼をなぜ僕たちに紹介したのか分からないまま、指定された箱をオーノー商会まで運んだ。
道中も街並みを眺めていると、しっかりと区分けされた機能的な建物が並んでいる。
人々も余裕があるのか、生き生きと働いていた。
そして教えられた場所まで行く前に、大きな建物が目に入ってきた。
そこに近づいて行くと、大きな看板があり、オーノー商会と書いていた。
文字の下には雑貨が置いてあるような絵も描いている。
そのオーノー商会に入ると、さらに案内板があり、どこの階に何が置いてあるかわかりやすくなっていた。
全十階と他では見たこともない高さで、おそらくほとんどの物がそろうのではないかという商会だった。
僕たちは言われた通り入ってすぐにある総合受付に声をかけた。
「あら、初めての依頼を受けた方ですね。ありがとうございます。それでは荷物を持ち、十階の事務所に声をかけてください。」
そう言われ、十階まで階段で進んだ。
建物の奥には建設中の立て札があり、エレベーターが出来たらいいなと思うほど久しぶりに長い階段を上った。
十階まで眺めながら上がっていくと、想像通り何でも揃うのではないかというほどの商品があった。
しかし客を取り合わない配慮か、質がこれ以上の商品は専門店へ依頼してくださいと立て札があった。
大体が中級品と思われる物だった。
食料品も大量にはなく、珍しい物を少しずつ売っているようだった。
そのようにしているんだと興味深く歩いていると、十階まで到着した。
十階の事務所と言われたが、ノックして入った部屋はこじんまりとした所だった。
中には返事をしてくれた若い女の人がいた。
「先ほど下の階から連絡を受けました。そちらの荷物を受け取りますね。私はこのオーノー商会の副店長のフラワーと申します。」
そう言って握手を求めてきたので、みんな握手を返した。
「それでは依頼は完了です。ただ、このまま帰っていただくのも申し訳ないので、お茶でもしていきませんか?」
簡単な依頼でお茶の誘いまで?
「不思議そうな顔をしていますね? そうですよね、こんな配達であれば自分たちの商会でもできるだろと思いますよね?」
「そう思います。先ほど下で名乗りましたが、ラウールと申します。」
僕は自己紹介をして他のみんなも紹介した。
「なぜこんなことをしていると思いますか? これは依頼を受けてくれた皆さんに質問しています。」
うーん、ここは思っていることを言ったほうが良いのか、適当に誤魔化したらいいのか・・・?
「謎なら私、名探偵サクラに任せて!」
サクラが・・・。
「俺たちの力を見たんだろ? ここでは分析力か?」
ヤマト・・・。先にこたえるのか。
「もう、ヤマトは待って。ん~、ヤマトと同じになるけど倉庫を見せて商会の力を知らせる。その知った事実を他の人に伝えることで店の宣伝とする。え~あとは、遠くから見えた建物。これもシンボルとして立っていると思うけど、財力や技術力、職人を雇える人脈を表しているのね。それでお店に入ってからは・・・。」
「ちょっと待ってサクラ。それ以上はもういいんじゃない?」
「嫌よラウール。せっかく私の推理がさえわたっているのに!」
だめか・・・。
「それで受付で用事が済むのにここまでこらせたってことは、ずばり商品のラインアップを見せて力を示すこと。商品も中級品を置くことで他店の邪魔をしていないことを口コミで広める事ね。」
「我もそう思う!」
本当にわかっているのかクロウ・・・?
「そうでしょクロウ! そうやって色々と考えさせた後は、これはスカウトでしょ? 考える事の出来る人物をお見せで雇うための試験でしょ!」
自分で考える事の出来るって言っちゃったよ・・・。
・・・・
・・・・
「正解です。私たちは荷物運び情報ギルドに依頼しているのは、この街で見かけなかった人物にこの依頼を受けてもらえるようにすることです。それで、この試験に答えることが出来た人をオーノー商会に誘っています。それで、雇いたいと言った場合の答えはどうでしょう?」
「ごめんなさい!」
「駄目ですか? ところどころ私が分からない言葉を言っていましたが、口コミまでたどり着けた人はいませんよ。この商会の名誉店長のダイヤ伯爵が口コミは大事だといつも言っているので、私たちは大切にしている言葉ですが。」
やばい、やはり伯爵は前世の記憶もちで、地球人か?
「いえいえ、たまたまこのダイヤ領に来る前に知った言葉ですよ。荷物運び情報ギルドには知り合いがいますので。」
「それは優秀な知り合いですね。我が商会の情報をしっかりとつかんでいますね。」
藪蛇だった。
「それもたまたまですよ。それでですが、僕たちは旅をしているので、一か所に留まることはないですよ。」
「それは残念です。しかししつこく勧誘するのは嫌われますから、あきらめますね。それでも何かございましたら、オーノー商会をご利用ください。」
意外にあっさりとあきらめてくれたフラワーだが、今後また会話する機会がありそうと思った。
商会を出て外でサクラに名探偵を控えてほしいことを伝えたが、今自分の中ではやっているようで、嫌と即答された。
名探偵で動揺し、結局はダイヤ伯爵のことは大して聞くことが出来なかった
予定通り行かないから名探偵をやめてと言っても、直ぐには止めないだろうけど、早めに止めたいと思ったラウールだった。
他の時間は都の周りの魔物を討伐してどんな感じか見たり、デーブンと必要なことをやり取りしたり、魔の森で【春の気配】と一緒に魔物を倒していた。
そうやって時間を過ごし荷物運び情報ギルドの職員に顔を覚えられたころ、僕たちに声がかかった。
もちろん初めから僕たちにあこがれの目を向けて来る職員はいたが、その人以外からだ。
僕たちが熱心に依頼票を見ていると思ったのか、斡旋してきた依頼があった。
『オーノー商店の商品を整理するお手伝い』
そんな依頼だった。
なんでもオーノー商会が経験の少なそうなギルド員にいつも出している簡単な依頼だそうだ。
オーノー商会の倉庫にある商品をオーノー商会の店舗に持っていく依頼だ。
僕たちはこの貴族の権力が強い国でどうやって平民から貴族にのし上がったか気になり、この依頼を受けることにした。
~~~~~
紹介された依頼場所に到着すると、巨大な倉庫・・・、ではなく、こじんまりとした一軒家だった。
どうやって倉庫にしているか気になったが、案内され中に入って納得した。
魔道具化された倉庫になっていた。
中身はきちんと整理されおり、僕たちの仕事は外に出ているいくつかの荷物を指定されたところに戻す作業だった。
こんな簡単な依頼をなぜ僕たちに紹介したのか分からないまま、指定された箱をオーノー商会まで運んだ。
道中も街並みを眺めていると、しっかりと区分けされた機能的な建物が並んでいる。
人々も余裕があるのか、生き生きと働いていた。
そして教えられた場所まで行く前に、大きな建物が目に入ってきた。
そこに近づいて行くと、大きな看板があり、オーノー商会と書いていた。
文字の下には雑貨が置いてあるような絵も描いている。
そのオーノー商会に入ると、さらに案内板があり、どこの階に何が置いてあるかわかりやすくなっていた。
全十階と他では見たこともない高さで、おそらくほとんどの物がそろうのではないかという商会だった。
僕たちは言われた通り入ってすぐにある総合受付に声をかけた。
「あら、初めての依頼を受けた方ですね。ありがとうございます。それでは荷物を持ち、十階の事務所に声をかけてください。」
そう言われ、十階まで階段で進んだ。
建物の奥には建設中の立て札があり、エレベーターが出来たらいいなと思うほど久しぶりに長い階段を上った。
十階まで眺めながら上がっていくと、想像通り何でも揃うのではないかというほどの商品があった。
しかし客を取り合わない配慮か、質がこれ以上の商品は専門店へ依頼してくださいと立て札があった。
大体が中級品と思われる物だった。
食料品も大量にはなく、珍しい物を少しずつ売っているようだった。
そのようにしているんだと興味深く歩いていると、十階まで到着した。
十階の事務所と言われたが、ノックして入った部屋はこじんまりとした所だった。
中には返事をしてくれた若い女の人がいた。
「先ほど下の階から連絡を受けました。そちらの荷物を受け取りますね。私はこのオーノー商会の副店長のフラワーと申します。」
そう言って握手を求めてきたので、みんな握手を返した。
「それでは依頼は完了です。ただ、このまま帰っていただくのも申し訳ないので、お茶でもしていきませんか?」
簡単な依頼でお茶の誘いまで?
「不思議そうな顔をしていますね? そうですよね、こんな配達であれば自分たちの商会でもできるだろと思いますよね?」
「そう思います。先ほど下で名乗りましたが、ラウールと申します。」
僕は自己紹介をして他のみんなも紹介した。
「なぜこんなことをしていると思いますか? これは依頼を受けてくれた皆さんに質問しています。」
うーん、ここは思っていることを言ったほうが良いのか、適当に誤魔化したらいいのか・・・?
「謎なら私、名探偵サクラに任せて!」
サクラが・・・。
「俺たちの力を見たんだろ? ここでは分析力か?」
ヤマト・・・。先にこたえるのか。
「もう、ヤマトは待って。ん~、ヤマトと同じになるけど倉庫を見せて商会の力を知らせる。その知った事実を他の人に伝えることで店の宣伝とする。え~あとは、遠くから見えた建物。これもシンボルとして立っていると思うけど、財力や技術力、職人を雇える人脈を表しているのね。それでお店に入ってからは・・・。」
「ちょっと待ってサクラ。それ以上はもういいんじゃない?」
「嫌よラウール。せっかく私の推理がさえわたっているのに!」
だめか・・・。
「それで受付で用事が済むのにここまでこらせたってことは、ずばり商品のラインアップを見せて力を示すこと。商品も中級品を置くことで他店の邪魔をしていないことを口コミで広める事ね。」
「我もそう思う!」
本当にわかっているのかクロウ・・・?
「そうでしょクロウ! そうやって色々と考えさせた後は、これはスカウトでしょ? 考える事の出来る人物をお見せで雇うための試験でしょ!」
自分で考える事の出来るって言っちゃったよ・・・。
・・・・
・・・・
「正解です。私たちは荷物運び情報ギルドに依頼しているのは、この街で見かけなかった人物にこの依頼を受けてもらえるようにすることです。それで、この試験に答えることが出来た人をオーノー商会に誘っています。それで、雇いたいと言った場合の答えはどうでしょう?」
「ごめんなさい!」
「駄目ですか? ところどころ私が分からない言葉を言っていましたが、口コミまでたどり着けた人はいませんよ。この商会の名誉店長のダイヤ伯爵が口コミは大事だといつも言っているので、私たちは大切にしている言葉ですが。」
やばい、やはり伯爵は前世の記憶もちで、地球人か?
「いえいえ、たまたまこのダイヤ領に来る前に知った言葉ですよ。荷物運び情報ギルドには知り合いがいますので。」
「それは優秀な知り合いですね。我が商会の情報をしっかりとつかんでいますね。」
藪蛇だった。
「それもたまたまですよ。それでですが、僕たちは旅をしているので、一か所に留まることはないですよ。」
「それは残念です。しかししつこく勧誘するのは嫌われますから、あきらめますね。それでも何かございましたら、オーノー商会をご利用ください。」
意外にあっさりとあきらめてくれたフラワーだが、今後また会話する機会がありそうと思った。
商会を出て外でサクラに名探偵を控えてほしいことを伝えたが、今自分の中ではやっているようで、嫌と即答された。
名探偵で動揺し、結局はダイヤ伯爵のことは大して聞くことが出来なかった
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