異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第46話 魔剣製作

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翌朝イールスは、魔法研究院に向かい、メデルの部屋に向かう
「イールス、今日も魔法薬作成ですか?」
メデルが笑顔で聞く
「メデル様、本日は、昨日の迷宮で得たアイテムの買い取りをお願い申し上げます」
イールスが丁寧に挨拶をして部屋に入り、メデルの勧めでソファーに座る

「どんなアイテムですか?」
メデルが笑顔で言うと、イールスが袋から出して、並べている
「これは・・・牙と爪? 大きいですね」
メデルが手に取りじっくり見ている
「そのモンスターの所為で剣が折れてしまいました。 剣を買いに行きたいと思ってます」  
イールスが笑顔で言っていると、職員を呼んで鑑定をしている

「メデル様、全部で金貨2枚と大銀貨3枚で買い取ります」
職員が笑顔で言う
「はーーーーー!! 何故! 金貨?」
メデルが叫び職員を見ている
「ホワイトタイガーの爪と牙です。ドラゴンに匹敵するレアな素材になります」
職員が笑顔で言う
「ホホホホホワイトタイガー!! そんな筈は・・・」
メデルがイールスを見ると、イールスが詳細説明をして、メデルが頭を抱えている
(この子、とんでもない実力と思ってましたが、これで半人前と言うのは、やめてーーーー!! セロス!! 一体この子は何者なのよ!! 親友の弟だけじゃ後が大変になるわ!!)

「イールス、剣を探しているなら、付与魔法の研究している所を案内します」
メデルが疲れたように言うと、メデルの案内で研究室に向かう

「丁度剣に構造強化の付与魔法をしているわ」
メデルが数人の研究員が剣に魔力を伝わらせて魔石に魔法陣を書き込んでいるのを見ている

あれが魔剣作り・・・魔力が流れている・・・魔力の流れが・・・光が強くなっている? あ!! 壊れた

剣が砕け散り、研究員達ががっくりしている
「失敗したようね・・・毎日失敗はしているけど、年に1本成功したら、それでも国として投資成功になりますから・・・」
メデルが笑顔で言うと、付与魔法の魔導書をイールスに手渡して、説明をしてくれる

「イールス試しにやってみますか? 剣も2本で金貨4枚ですわ」
メデルが笑顔で言う
「安いのですが、宜しいのでしょうか?」
イールスが驚いている
「どうせ、毎日失敗するのだから、鍛冶師がいくらでも作ってます」
メデルが鍛冶師を紹介してくれると、鍛冶師が剣を持ってきてくれる

「最初は魔力の循環をさせて、魔力が流れるか確認ですね」
イールスが笑顔で言うと、剣に魔力を込めて、魔力を流している

あれ? ここが通りにくい・・・ゆっくり流して、流れが良くなるように・・・手で触れて直接流した方が早いかな?

イールスが試行錯誤しているとメデルが微笑みながら見ている

イールスが剣の魔石に魔法陣を書き込み始めると、メデルは、職員に呼ばれて、部屋を出ていき、イールスは書き込み終わると、魔法陣をじっくり見ている

「イールス書き込み終わったのね」
メデルが戻ってきて、剣を見ている
「魔力を通して、剣が砕けないように願いなさいね」
メデルが微笑みながら言うと、イールスが魔力を流していると、剣に魔力が流れ始めて、剣が魔力の淡い光を放っている

「メデル様、これは魔剣に出来たのですか?」
イールスが魔剣を見て言う
「うそ・・・・一年に1本が最初にくるなんて・・・完璧に出来ている? え? でも素人で出来るなんて・・・」
メデルが混乱したように挙動不審になっている
「この剣はどうしたら?」
「ちょっと待ってなさい!!」
メデルが慌てて、職員を呼び出して、剣を鑑定させる

「魔力量・・・この剣は剣士に使うのは無理です。 魔力が吸い取られ過ぎます」
職員が魔剣をおいて説明している
「は? いえ、付与魔法成功なのですか? 間違いないのですか!!」
メデルが慌てて聞いている
「多くの魔剣を見てきましたが、これほどの魔力の魔剣は、王家所有の国宝の剣しか見たこと無いです。 しかし、残念ながら、強力すぎて、剣士が剣を使いこなせない可能性が大きと思います」
職員が丁寧に説明をしている
「イールス、この剣は無くさないようにしなさい・・・金貨300枚の剣なんて無くしたら大変ですよ」
メデルが疲れたように言う
「そんな大層な剣要りません!! 半人前の自分に相応しくないです」
イールスが慌てて言う
「半人前のイールスが作った剣だから、イールスが使わないといけないですよ・・・問題になるので、この剣の事は秘密にします」
メデルが疲れたように言うと、職員に約束させている

イールスが試し振りをしているとメデルと警備の兵士が青ざめている
「あんな剣をあんなに振り回すなんて・・・」
警備の兵士が青ざめている
「魔力を持つ、剣士だからでしょうけど、イールスの為に作られた剣です・・・上達したらどんな魔剣を生み出すか・・・」
メデルが青ざめている

イールスが帰っていくと、メデルはセロスの部屋に向かう
「セロス!! イールスの実家はどこですか!! すぐに魔法研究院に入れます!! どんな家でも文句言わせません!!」
メデルがセロスを見つけて、襟口をつかみ怒鳴る
「メデルどうした? イールスが新しい何か作ったか?」
セロスが剣幕に押されながら聞く
「天才過ぎる!! 何が半人前ですか!! 剣の付与魔法を簡単にやって、物凄い魔剣を作りました! 天才なんて生ぬるい! 神業の魔剣職員になれます!!」
メデルが怒鳴り続けている
「楽しみだ!王立学院を卒業するのが」
セロスが笑っている
「そんなに待っていられません!! イールスに勉強など必要有りません!! どんどん化物に近付いています! 昨日ホワイトタイガーを倒して、半人前と言っている、世間知らずに何か言わないと気が済みません」
「アーセリオドールも怒鳴られたら、解るか?」
セロスが笑いながら言う
「アーセリオドール? 何故レズムード家が出てくるのですか!!」
「アーセリオドールの弟だ」
「は? はーーーーーーー!! 伯爵家の! あの魔力で能無し伯爵家の人間!! ふざけているのですか!!」
メデルが怒鳴り続けている
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