異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇

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第94話 建国記念パーティー 後編

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イールスが執事の案内でパーティー会場に戻り、歩いていく
「イールス様、妹と仲良くしてくれてありがたい」
クーセスが笑顔で声を掛ける
「クーセス様、本日もお元気そうな姿を拝見できて光栄に思います。何時もフレシカ様には助けて貰ってます。大切な友達です」
イールスが丁寧に挨拶をしている
「この1年でフレシカも変わったぞ! パーティーにも何回も参加して、アリシナ様やクレーシア様と凄く仲良くして貰っている…エリーゼマリーナ様とも仲良くして貰えているのは、イールス様が側に居るからだろう」
「半人前が近くに居る所為で、御迷惑をお掛けしました。 本当に申し訳ないと思ってます」
イールスが深々と頭を下げる
「あの件か…和解したとは聞いたが…夏の間は結構妬まれたようだが、逆に良い経験だろう…あれだけ妬まれるのは、滅多に無いからな」
クーセスが笑っていると、隣の女性も笑っている
「イールス、クレーシアとアリシナと一緒じゃ無いのか?」
グレイスがイールスを見付けて歩いてくる
「グレイス様、本日もお元気そうで本当に嬉しく思います。少し席を外していました」
イールスが丁寧に挨拶をする
「珍しく男と談笑とは」
グレイスがクーセスを見ている
「御紹介します。フレシカ様の御兄様のクーセス様です。こちらは、クレーシア様の御兄様のグレイス様です」
イールスが双方を紹介する
「フレシカ様の御兄様でしたか! 妹とアリシナが世話になっている」
グレイスが笑顔でクーセスを見ている
「こちらこそ、クレーシア様には感謝しています」
クーセスが頭を下げながら言う
「お互い手強い相手に恋をしている妹達を見守るしか出来ないがな」
グレイスが笑みを浮かべて言う
「フレシカは、諦めていますが、毎日楽しそうにしています」
「ん? 諦めているのか? パーティーでは何時もイールスに付いているが…家柄を知っているのか? 国家機密に指定されたと聞いて驚いているが…」
「え! 国家機密?」
クーセスが驚いている
「何でも王家からの褒美が国家機密指定と聞いたが…国家機密指定されたイールスは更に噂が多いが」
グレイスが笑いながら話していると、クーセスが真剣に聞いている
(口を滑らせられないか…危ない危ない、メサリア様を激怒させられない)

グレイスとクーセスと別れると、令嬢に挨拶をしながら、エリーゼマリーナ達の方に歩いていく
「イールス様、またそんなに令嬢を連れてくるなんて」
アリシナがイールスが戻ってきたのを見て驚いている
「寂しそうに飲み物を飲んでいましたので、挨拶をしてました」
イールスが笑顔で言う
「イールス様ですね、仲良くしましょうね」
エリーゼマリーナが笑顔で挨拶を始めると、令嬢達が驚きながら挨拶をしている

アリシナ達と集まった令嬢達に挨拶をしながら話をしている
「イールス!! 凄い集まりだな」
ブライトルが笑顔でやって来る
「ブライトル様、こちらまで足を運んで貰い感謝します」
「挨拶も終わり、独り身だから暇だったからな」
ブライトルが笑っていると、アリシナとクレーシアが慌てて挨拶をしている
「ブライトル様までこちらにいらっしゃると、注目されますね」
エリーゼマリーナが微笑みながら言う
「エリーゼマリーナ様もイールス争奪戦に参加かな?」
「御兄様公認です」
エリーゼマリーナが微笑みながら言う
「アリーオ殿か? 権力を傘に争奪戦しないようにな…何処かの家がやったみたいだからな」
ブライトルが笑いながら言う
「その節は、大変申し訳ありません」
ビーレルバウム男爵令嬢が深々と頭を下げて言う
「ん? どう言う事だ?」
ブライトルが驚きながらビーレルバウム男爵令嬢達を見ている
「ブライトル様、和解しました。もう友達です」
アリシナが慌てて説明をする
「シンシリア経由で和解か…どうしてルーゼント伯爵家を通して?」
ブライトルが考えている
「アースレルバウム子爵家のレミイリーナ様を通して、リーシアノリア様に頼まれて、シンシリア様から連絡を頂きました」
イールスがリーシアノリアとレイミリーナを紹介しながら説明する
「イールスも顔が広いな…あのシンシリアと知り合いとは…争奪戦になる筈だ」
ブライトルが笑っている

アルデゼンスは、イールスの周囲の令嬢達を気にして睨んでいる
「何故、あんな下賤な者に人が集まる…許せませんわ」
アルデゼンスが悔しそうに睨んでいる
「どうしますか? 何か嫌がらせを?」
令嬢が慌てて聞く
「お祖父様から止められてますわ!! 両侯爵家があそこに集まってますの!! こうなったら…」
アルデゼンスがイールスを睨みながら笑みを浮かべている。アルデゼンスの笑みをみた令嬢達が不安そうにしている

アルデゼンスが歩き始めて、令嬢達が慌てて付いていき、イールスの近くの令嬢達が慌てて道を開けている。イールスの近くに来ると、ブライトルがイールスと談笑しているのを見て立ち止まる
(わざわざ出向いたのに、気が付きませんの!! やっぱり許せませんわ! ふふふ)
「イールス、ブライトルに捕まりましたか?」
セーレンが微笑みながらやって来る
「リーシアノリアも横に居るだけですの?」
シンシリアが笑顔でやって来ると、アルデゼンスの顔が引き攣る
「セーレン様、シンシリア様、何か御用でしょうか?」
イールスが慌ててセーレンとシンシリアを見て頭を下げる
「ふふふ、あちらに挨拶にわざわざ出向いてくれた令嬢を待たせてますわ」
シンシリアが笑顔でアルデゼンスを見ている

「おーー アルデゼンス、大きくなったな」
ブライトルが満面の笑顔でアルデゼンスを見ている
「ブライトル様もお元気そうで」
アルデゼンスが優雅に挨拶をする
「イールスに用か? イールスも人気者だな」
ブライトルが笑顔で言うと、セーレンが笑いを堪えている
(ブライトル流石にここでイールスに用と言ったら、アルデゼンスも挨拶をするしかなくてよ)

「イールスもお元気そうで」
アルデゼンスがイールスを睨みながら挨拶をする
(何故私が挨拶を!! ブライトル様!!)
「本日もお美しい姿嬉しく思います。お見知り置きして頂き嬉しく思います」
イールスが丁寧に挨拶をする
「え! お見知り置き…」
アルデゼンスが手を握り締めてイールスを睨んでいる
(名前を!! 悔しいーーー)
「どうかしましたか? お加減でも悪いのですか」
イールスが笑顔でアルデゼンスの震える手を見ている

「顔も見たくも無い、ビーレルバウム令嬢達が居るからですわ」
アルデゼンスがイールスの後ろのビーレルバウム男爵令嬢を見て慌てて言う
「アルデゼンス様、お久し振りにお顔を拝見しました。 御気分がすぐれないようで、少し休まれますか?」
ビーレルバウム男爵令嬢が微笑みながら言う
「なんですの!! 下賤なイールスなどの後ろに控えて! 常識知らずの令嬢ごときが!」
「シンシリア様のお陰で和解出来ました。もう、アルデゼンス様の後ろに控える事は無いと思います」
ビーレルバウム男爵令嬢が微笑みながらアルデゼンスを見ている
(アルデゼンス様の悔しがる顔も嬉しくなりますわ…イールス様感謝します)
「何か問題でも有りますか? 親の力では相手にされなくてよ! 挨拶も出来ないなんて…」
シンシリアが笑みを浮かべてアルデゼンスを見ている
「人に責任を押し付けるなど、人望が無くなりますわ、少しは気を付けなさい」
セーレンが微笑みながら言う
「シンシリア様、セーレン様…本日もご機嫌良く、嬉しく思います」
アルデゼンスが悔しそうに挨拶を始めると、令嬢達が真っ青になっている
(アルデゼンス様の怒りが…どうしましょう…ビーレルバウム男爵令嬢が完全にアルデゼンス様を見限った…アルデゼンス様が切り捨てたのだから…このままだと、次は…どうしたら)

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