異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第117話 逆襲のイールス 前編

ブライドルの馬車に乗り込み、アールストリア公爵家の屋敷に向かいながら、イールスがどう問い質すが説明する。ブライドルが騎士に指示をしている

アールストリア公爵家の屋敷到着する
「セルメリア侯爵家が何か用でしょうか？」
執事が疲れたように聞く
「先にレズムード伯爵が到着しているはずだ！案内するように」
ブライドルが出て言うと、執事達が驚いている。イールスが顔を知った者が居ないか確認してから、メサリアの後ろを付いて馬車を降りる
「え！ ブライドル様…メサリア様」
執事が驚いて叫ぶ
「早く案内しなさいですわ！ このまま乗り込みますわ」
メサリアが執事を睨んでいる
「え！ 案内させます」
執事が慌てて言うと、侍女が慌てて案内してくれる

部屋の前に来ると、ヘルクドールと公爵の怒鳴り声が聞こえてくる。メサリアが問答無用で部屋に入ると、ヘルクドールとアーセリドールとセーレンと公爵がメサリアを見て驚いている
「メサリア来たのか？」
ヘルクドールが驚きながらメサリアを見てから、ブライドルを見て苦笑いする
「公爵様、お久し振りですわ！！ さっさとアルゼデンスの執事を呼び出しなさい！！ 呼ばなくても既に来るように伝えましたわ！！」
メサリアが睨みながら言う
「メサリア様まで何の用だ！！ アルゼデンスは知らないと言っている」
公爵がメサリアを睨み返しながら怒鳴る
「公爵様の前で嘘を見破りますの！！ 覚悟しておいてくださいですわ」
メサリアが笑みを浮かべて言うと、ヘルクドールとアーセリドールが顔を見合わせている
（メサリアが復活した！！ 何が有った！！ あの目相当キレているぞ！！）

執事がやって来る
「御用でしょうか？ メサリア様」
執事が微笑みながら頭を下げている
「良くもイールスを崖に落としましたね、許されないと思いなさい！！」
メサリアが怒鳴る
「何をその様な事はございません」
執事が驚きながら言う
「イールスの上着と学生証どこにしまってますの？ 言いなさい」
「預かり知りません」
「嘘を付いても遅いですわ！！」
メサリアが執事に怒鳴りながら言っていると、執事は丁寧に否定し続けている

「メサリア様、十分証言は取れました。公爵様も聞いたと思います」
イールスが微笑みながら言うと、フードを取っている
「は！ 何故生きている！！」
執事が驚き叫ぶと、ヘルクドールとアーセリオドールが驚いてイールスを見ている
「何故生きている？ 公爵様、挨拶が遅れました。アルゼデンス様とこの執事に殺されそうになりました。イールスと申します。以後お見知りおきして貰えれば嬉しく思います」
イールスが笑顔で丁寧に挨拶をしていると、執事が青ざめて震えている。騎士がブライドルの元に戻ってくる
「は？ 殺されそうに…イールス？」
公爵が混乱したように呟く
「公爵様も聞いたと思いますが、何故生きていると言われましたね」
イールスが微笑みながら言うと、執事が慌てている
「確かに…聞こえたが…執事申し開きは！」
公爵が執事を睨んでいる
「公爵様、これは…騒ぎが大きくなっておりますのでつい…」
執事が青ざめながら公爵を見ている
「ブライドル様、証人と証拠を」
イールスが笑顔で言うと、騎士が兵士を転がして、聞き取った内容を公爵に渡して、執事を睨んでいる

「執事さん、上着と学生証早く出した方が身のためですよ」
イールスが微笑みながら執事を見ている
「執事！！ 何て事をしたのだ！！ 何故こんな事を！！」
公爵が怒鳴り怒りに震えている
「これは………」
執事が血の気の引いた顔で立ち尽くす
「執事さん、ここまで大事になって、どうしますか？ 発表したら公爵家とはいえ、ただで済まないですね…騎士さん馬車は押さえましたか？」
イールスが振り返り騎士を見る
「言われた通り、馬車の下側と上側に血痕が着いていました。血痕から数日は経っていると思われますが、 掃除してなかったので見付けられました」
騎士が説明していると、公爵が物凄い形相で執事を睨んでいる
「馬車…あの時…」
執事が呟いて、うつ向いている
「執事さん、ここで考えて答えるように…今の状況で正直に全て話すか？ 隠して徹底的に調べられる方が良いか？ ここに集まっている人を見て考えるように！ 公爵家の為にどうするか？ すぐに解りますね」
イールスが笑顔で言うと、執事が崩れ落ちている

しばらくして、執事が話し始める
「アルゼデンス様の命令で…イールスを殺す計画を立て、馬車に乗せて崖近くで、アルゼデンス様がイールスを刺して崖に追いやりました…」
執事が力無く話してから、イールスの上着と学生証などの有りかも伝えると、侍女の案内で騎士が回収に向かう

「ヘルクドール伯爵…申し訳無いが…少し時間が欲しい…この件は必ず処分するから…公表には少し待って欲しい」
公爵が頭を下げながら言う
「イールス、どうしますの？」
メサリアがイールスを見て言う
「アルゼデンス様に反省しているか聞いてみましょう…言い逃れが出来ないのに、言い逃れしたり、公爵家の力で隠すような事を言ったら公表する様にしましょう」
イールスが笑顔で言う
「この状況で隠さないだろう…殺害失敗は明白なのだから」
公爵が呟くと、アルゼデンスを呼んで来るように侍女に伝える