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第216話 シルビアとの出会い 前編
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部屋を出てから宮廷魔術師の書庫に向かい、色々な書物の書き写された物が積まれた場所に向かう
「イールス様、こちらがバウルトリア師が話されていた魔導書です。 こちらは歴史書や地理、経済学、神話、伝承、薬学等の書物になります」
司書が微笑みながら説明している
「本当に嬉しいです。 バウルトリア師に感謝申し上げます」
イールスが笑顔で頭を下げている
「馬車まで運びますか? 人を集めます」
司書が微笑みながら言う
「魔法の鞄にしまいます」
イールスが笑顔で言うと、次々と魔法の鞄に本をしまっている。司書驚いたようにイールスを見ている
(魔法の鞄に…魔法の鞄持ち込み禁止にしなくては…盗まれます…)
言い争いの声がすると、イールスとセーレンが見に向かう
「シルビア!! クビだ!! お前の所為で研究が盗用と疑われただろ!!」
男が怒鳴り、他の男達が取り囲んでいる
「研究資料を集めていただけです!!それをまとめていたのを勝手に持っていったのは誰ですか!!」
「黙れ!! どれだけ怒られたか!! 全部お前の所為だ!! 魔法研究…このままだと、次回の宮廷魔術師昇格試験落ちるだろーーー! 」
男が女性に殴りかかり、女性が倒れると、イールスが慌てて、止めようと近付いていく
「お待ち下さい、ここは王宮の書庫です。こんな所で暴力沙汰許されないと思います。どうか周囲を見て自重をお願いします」
イールスが慌てて間に入り、男達が驚いたようにイールスを見ている
「お前に関係ないだろ!! 退け!!」
「宮廷魔術師様なら人格も見られていると思います。 バウルトリア師に知られたら、どうなりますか? 考慮下さい、そして正しい判断をして頂きたく思います」
イールスが頭を下げて言うと、男達の1人がセーレンを見て慌てて、他の男達に知らせている
「セーレン師…今日の所は… シルビア覚えておけよ!!」
男が慌てて逃げるように出ていく
「大丈夫ですか?」
イールスが女性に手を差し出す
「ありがとうございます…あ…これでこの書庫に入れなくなりました…はぁ…」
シルビアが力無く呟く
「大丈夫ですか? 何が有ったのでしょうか? 」
イールスが心配そうに手を差し出したまま言う
「クビか…出征軍に入らない様にしていたのに…親がうるさくなりそう…あ! ごめんなさい、ありがとうございます」
女性が呟き、イールスの手を見て慌てて手を伸ばして、イールスに起こして貰う
イールスはシルビアと書庫の椅子に座り、シルビアの事情を聞いている
「話して少しスッキリしました」
シルビアが笑顔でイールスを見ている
「宮廷魔術師見習いの助手をしていたのですね… あの人が宮廷魔術師見習いなのですか?」
イールスが考えながら聞く
あの横暴そうな言い方、嫌な奴だったな…そう言えばセーレン様何処に行ったのかな?
「家柄が家柄ですから… まさか研究に集めていた資料をそのまま使うなんて…内容も理解しないで提出したらバレるの当たり前なのに… 帰ったら親からなんて言われるか…大好きな本を読んでいたかったな…」
シルビアが苦笑いしながら説明している
「シルビア様も優秀な研究者や魔法使いなのですか?」
イールスが考えながらシルビアを見ている
「え? 優秀な? そんな訳有りません!! 魔力も少ないですから、少ししか魔法を使えません… 家からは能無しと言われています… 本は大好きですから、司書になりたかったです…」
シルビアがイールスを見て色々話している
1人の男が入ってくると、キョロキョロしてからシルビアを見付けて怒りの形相で近付いてくる
「シルビア!! なんて事をしたのか!! 出征軍にも入らない!! 嫁にも行かない!! 仕事もミスで失う? 家の面汚し!! もう家に帰ってくるな!! 家の名も名乗る事を禁止する!! 即刻追放だ!!」
男がシルビアを見てイキナリ怒鳴り、シルビアが慌てた様に立ち上がる
「御父様!! 追放? 何故ですか!! 仕事でミスなんてしてません」
シルビアが慌てて言い訳をしている。男は大声で叱咤している。イールスは聞きながら失笑している
何を言っても無駄なタイプかな? 冷静になるのを待った方が良いかな?
男が書庫を出ていくと、シルビアが床に座り込んでいる
「シルビア様、大丈夫ですか?」
イールスが座り込んでいる、シルビアを見ている
「これで家も…何も無くなった…どうしよう…」
シルビアが座り込んだまま涙を流している
「屋敷まで送りますので、もう一度謝れば許して貰えませんか?」
「はぁ…… 無理です…前々から追い出そうとしてましたから… もう無理… これからどうしよう……」
シルビアが絶望したように床を見ている
「イールス、司書から聞きましたが…あの男爵が来たのですね」
セーレンが苦笑いしながらイールスの元に来る
「男爵様?」
「ハイレースト男爵家です。魔法の名家です…あの頑固男爵ですから、何を言っても無駄でしょう…」
セーレンがイールスを見て言うと、シルビアを見ている
「どうしたら良いのでしょうか?説得は無理なのでしょうか?」
「シルビアは、頭は良いですが、魔力に乏しく、魔法の才能が無いですからね… 文官にはなるでしょう… 歴史書も大好きでしたね…軍の記録係ぐらいなら簡単にこなすでしょう…」
セーレンが考えながらイールスを見ている
「え? それは…出征に連れていけと?」
イールスが少し驚きながらセーレンを見ている
「相手が悪いですから、ネチネチ追い込まれます。 誰かの手元なら手を出せませんね…下手に手を出したら、終わりになるでしょう」
セーレンが微笑みながらイールスを見ている
(あの馬鹿を潰したくても面倒ですから、それにもうあの馬鹿は、宮廷魔術師にも研究院にも入れないでしょう… イールスの動向をしっかり記録してくれれば助かります)
「ハイレースト男爵家…セーレン様の親戚ではないのですか?」
イールスが少し考えている
「シルビアが赤ちゃんの時から知ってますよ… 絶望して気が付いてくれませんが…」
セーレンがシルビアの背中を見ている
「もしかして… セーレン様…従者にしろと言ってませんか? これ幸いと…」
イールスが苦笑いしている
「追放されたのは、後で確認しておきます。 イールス隊なら女性もいますから、安心できます。 ふふふ、娘を追放? イールス陣営に保護されれば、手出し出来ませんわ!! あのわからず屋! 後で泣き言言わせますわ…可愛いシルビアを追放なんて…ふふふ……」
セーレンが不適な笑みを浮かべている
セーレン様の企み…これは決定なのか? 1人ぐらい増えても構わないけど… 魔法は少し使えるなら、魔法使いのまとめ役の補佐も出来るかな? リシリアと仲良くしてくれるかな? セーレン様が急に言うなら何か考えでも? それにあの男も嫌な奴だったな…関わりたくなかったな…
「イールス様、こちらがバウルトリア師が話されていた魔導書です。 こちらは歴史書や地理、経済学、神話、伝承、薬学等の書物になります」
司書が微笑みながら説明している
「本当に嬉しいです。 バウルトリア師に感謝申し上げます」
イールスが笑顔で頭を下げている
「馬車まで運びますか? 人を集めます」
司書が微笑みながら言う
「魔法の鞄にしまいます」
イールスが笑顔で言うと、次々と魔法の鞄に本をしまっている。司書驚いたようにイールスを見ている
(魔法の鞄に…魔法の鞄持ち込み禁止にしなくては…盗まれます…)
言い争いの声がすると、イールスとセーレンが見に向かう
「シルビア!! クビだ!! お前の所為で研究が盗用と疑われただろ!!」
男が怒鳴り、他の男達が取り囲んでいる
「研究資料を集めていただけです!!それをまとめていたのを勝手に持っていったのは誰ですか!!」
「黙れ!! どれだけ怒られたか!! 全部お前の所為だ!! 魔法研究…このままだと、次回の宮廷魔術師昇格試験落ちるだろーーー! 」
男が女性に殴りかかり、女性が倒れると、イールスが慌てて、止めようと近付いていく
「お待ち下さい、ここは王宮の書庫です。こんな所で暴力沙汰許されないと思います。どうか周囲を見て自重をお願いします」
イールスが慌てて間に入り、男達が驚いたようにイールスを見ている
「お前に関係ないだろ!! 退け!!」
「宮廷魔術師様なら人格も見られていると思います。 バウルトリア師に知られたら、どうなりますか? 考慮下さい、そして正しい判断をして頂きたく思います」
イールスが頭を下げて言うと、男達の1人がセーレンを見て慌てて、他の男達に知らせている
「セーレン師…今日の所は… シルビア覚えておけよ!!」
男が慌てて逃げるように出ていく
「大丈夫ですか?」
イールスが女性に手を差し出す
「ありがとうございます…あ…これでこの書庫に入れなくなりました…はぁ…」
シルビアが力無く呟く
「大丈夫ですか? 何が有ったのでしょうか? 」
イールスが心配そうに手を差し出したまま言う
「クビか…出征軍に入らない様にしていたのに…親がうるさくなりそう…あ! ごめんなさい、ありがとうございます」
女性が呟き、イールスの手を見て慌てて手を伸ばして、イールスに起こして貰う
イールスはシルビアと書庫の椅子に座り、シルビアの事情を聞いている
「話して少しスッキリしました」
シルビアが笑顔でイールスを見ている
「宮廷魔術師見習いの助手をしていたのですね… あの人が宮廷魔術師見習いなのですか?」
イールスが考えながら聞く
あの横暴そうな言い方、嫌な奴だったな…そう言えばセーレン様何処に行ったのかな?
「家柄が家柄ですから… まさか研究に集めていた資料をそのまま使うなんて…内容も理解しないで提出したらバレるの当たり前なのに… 帰ったら親からなんて言われるか…大好きな本を読んでいたかったな…」
シルビアが苦笑いしながら説明している
「シルビア様も優秀な研究者や魔法使いなのですか?」
イールスが考えながらシルビアを見ている
「え? 優秀な? そんな訳有りません!! 魔力も少ないですから、少ししか魔法を使えません… 家からは能無しと言われています… 本は大好きですから、司書になりたかったです…」
シルビアがイールスを見て色々話している
1人の男が入ってくると、キョロキョロしてからシルビアを見付けて怒りの形相で近付いてくる
「シルビア!! なんて事をしたのか!! 出征軍にも入らない!! 嫁にも行かない!! 仕事もミスで失う? 家の面汚し!! もう家に帰ってくるな!! 家の名も名乗る事を禁止する!! 即刻追放だ!!」
男がシルビアを見てイキナリ怒鳴り、シルビアが慌てた様に立ち上がる
「御父様!! 追放? 何故ですか!! 仕事でミスなんてしてません」
シルビアが慌てて言い訳をしている。男は大声で叱咤している。イールスは聞きながら失笑している
何を言っても無駄なタイプかな? 冷静になるのを待った方が良いかな?
男が書庫を出ていくと、シルビアが床に座り込んでいる
「シルビア様、大丈夫ですか?」
イールスが座り込んでいる、シルビアを見ている
「これで家も…何も無くなった…どうしよう…」
シルビアが座り込んだまま涙を流している
「屋敷まで送りますので、もう一度謝れば許して貰えませんか?」
「はぁ…… 無理です…前々から追い出そうとしてましたから… もう無理… これからどうしよう……」
シルビアが絶望したように床を見ている
「イールス、司書から聞きましたが…あの男爵が来たのですね」
セーレンが苦笑いしながらイールスの元に来る
「男爵様?」
「ハイレースト男爵家です。魔法の名家です…あの頑固男爵ですから、何を言っても無駄でしょう…」
セーレンがイールスを見て言うと、シルビアを見ている
「どうしたら良いのでしょうか?説得は無理なのでしょうか?」
「シルビアは、頭は良いですが、魔力に乏しく、魔法の才能が無いですからね… 文官にはなるでしょう… 歴史書も大好きでしたね…軍の記録係ぐらいなら簡単にこなすでしょう…」
セーレンが考えながらイールスを見ている
「え? それは…出征に連れていけと?」
イールスが少し驚きながらセーレンを見ている
「相手が悪いですから、ネチネチ追い込まれます。 誰かの手元なら手を出せませんね…下手に手を出したら、終わりになるでしょう」
セーレンが微笑みながらイールスを見ている
(あの馬鹿を潰したくても面倒ですから、それにもうあの馬鹿は、宮廷魔術師にも研究院にも入れないでしょう… イールスの動向をしっかり記録してくれれば助かります)
「ハイレースト男爵家…セーレン様の親戚ではないのですか?」
イールスが少し考えている
「シルビアが赤ちゃんの時から知ってますよ… 絶望して気が付いてくれませんが…」
セーレンがシルビアの背中を見ている
「もしかして… セーレン様…従者にしろと言ってませんか? これ幸いと…」
イールスが苦笑いしている
「追放されたのは、後で確認しておきます。 イールス隊なら女性もいますから、安心できます。 ふふふ、娘を追放? イールス陣営に保護されれば、手出し出来ませんわ!! あのわからず屋! 後で泣き言言わせますわ…可愛いシルビアを追放なんて…ふふふ……」
セーレンが不適な笑みを浮かべている
セーレン様の企み…これは決定なのか? 1人ぐらい増えても構わないけど… 魔法は少し使えるなら、魔法使いのまとめ役の補佐も出来るかな? リシリアと仲良くしてくれるかな? セーレン様が急に言うなら何か考えでも? それにあの男も嫌な奴だったな…関わりたくなかったな…
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