異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

第268話 進軍開始

ディオルバルクとクラウザー隊が索敵しながらゴブリンの巣見付け次第、イールス達が焼き払いながら進み、１０日で予定通り進み、アリーオ達の軍も進軍をして、予定通りの場所に陣地を築き始めている

イールス達が軍議に参加するためにアリーオの陣地に向かい、丁寧な挨拶を終わらせて席に着く
「イールス… 凄い早さでゴブリンを倒して進むとは… イールスどうしたらそんなに強い兵団を作れる…」
アリーオがイールスを見て言うと、レイクルスベルト子爵とフライクルベルト子爵が苦笑いしながらイールスを見ている
「クラウザーさんとディオルバルク様のお陰です」
イールスが笑顔で言う
「報告書はこちらで直しておくが… イールスどこまで兵士を鍛えてきたのか！！ 何人闘気を纏っている？」
アリーオがイールスを見て言う
「闘気を纏えてやっと半人前です」
イールスが笑顔で言う
「イールス… 半人前ではないぞ！！ 達人だ！！ それも部隊全員が闘気を纏うなんて何考えている！！ イールス解っているのか！！ クーセス正確な報告をして欲しい！！」
アリーオが大声で叫ぶ
「下賤な身の未熟者の半人前でも纏えるのですから、騎士様なら全員纏えます」
イールスが笑顔で言うと、レイクルスベルト子爵とフライクルベルト子爵の顔が引き攣っている
「イールス… クリストファー、何とか言い聞かせてくれ」
アリーオがクリストファーを見ている
「不可能です。 ベルオス団長も諦めています。 ゴブリンを早く殲滅しましょう」
クリストファーがアリーオを見て言う
「イールスに感化され過ぎだ！！ 誰かイールスに自重と言う言葉を教えてくれーーー 達人の軍団を作るなんて何て誰が信じる！！ 」
「イールス様ですから仕方無いです。 イールス様が本気で鍛えていますから… 人知を越えた人です。 諦めて下さい」
クリストファーがアリーオを見て言う
「クリストファー様、人知を越えた？ 何を言っているのですか？」
イールスが驚いた様にクリストファーを見て抗議している。 レイクルスベルト子爵とフライクルベルト子爵が苦笑いしている
（クリストファーはまだ常識が有るのか？ イールス将軍を理解させて早く話を終わらせたいのだろう… この早さでここまで前戦を押し上げる力… もしイールス将軍が反乱を起こしたら… 止められる人がいるのか？ そもそも… 密偵にイールス軍を調査させたのに全員捕らえられてしまったし… 暗殺を仕掛けても失敗するだろう… 何故イールス将軍の周りには、これ程の人材が集まっているのか？ イールス将軍に裁量を持たせたら大変な事になりそうな気しか思い浮かばない…）

軍議が終わり、イールスが野営地に戻ると、ルセトの案内で天幕に入る
「イールス様、報告に参りました。 クライゼント伯爵家をはじめ、多くの家が籠城を決めてゴブリンの進行に有効な手立てを講じられていません… 」
ホーネットが密偵達が集めてきた内容をまとめて説明している

籠城？ そんな事しても援軍が無ければ終わりだと思うけど… 早く向かわないと地域全体が占領されるな… 民も避難出来ているのか？

「イールス様、クライゼント伯爵家を必ず救って下さい。 クライゼント伯爵家ならばユリアリース王女殿下の擁立に味方をしてくれます」
「助けたいけど、村々は？ ゴブリンが占領して進んでいるなら、助けないと…」
「イールス様、別動隊に任せて最短でクライゼント伯爵家を救って下さい！ それに通り道の町や村を救えば多くの民が救われます。 伯爵家が立ち上がれば、この地域の軍が１つに纏まります… 時間勝負です。 悪い領主は見捨てても良いですが… 」
ホーネットが詳しく説明しているとイールスが考えながら聞いている
（イールス様が聡明ならば、きっと多くの兵士をまとめあげて大軍になるだろう… 公爵家に対しての最大の牽制になる筈… 解放者として、英雄として後世に名を残して貰うぞ… 我らが賢王…聖王… 救国の英雄王として擁立したい… その為には多くの人に称えられる英雄に仕立てないと…）

日が暮れる前にバロン達が集まり、今後の方針を話し合う事にする
「イールス様、どのように進軍しますか？」
バロンが地図を広げている
「ディオルバルクさんの部隊は、こっちからゴブリンの状況を探りながら進んでください、バロン達は馬車と共に周辺の村などに兵士を派遣して、状況やゴブリンの探索をしながら最短距離で伯爵領に向かいます。 ラントリウス様の部隊はディオルバルクさんの後ろを進みながら村に兵士を派遣してゴブリンを探索しながら進んで下さい… クラウザーさんの部隊は自分と共に最速で伯爵領に向かいます」
イールスが笑顔で説明している。ベルオスが聞きながら考えている
（イールス何気にクリストファーを連れて走らないのか？ クラウザーの実力も解るが… イールスが先に進むなら、イールスの自重もする気は無いだろう… クラウザー、何処までイールスに対応出来るか… クレオとリシア次第か…）

「広範囲を探索しながら進むのですか？ イールス様の護衛も少なくなり、時間が掛かりますが、宜しいのですか？」
バロンが考えながら言う
「村の保護をしながら進みましょう… 食料不足になって後で面倒な事になる前に…」
イールスが考えながら言う
「食料不足？ なりますか？」
クリストファーが考えながら地図を見ている
「王都もそうですが、村が壊滅して食料の補給が困難になる可能性が有ります。 侯爵領からの支援だけでは難しいと思います」
「イールス様、そこまで考えて… それで食料補給の計画を頼んでいたのですか？…」
クリストファーがイールスの顔を見ている
「この地域の住民が計画も無く避難していたら食料がすぐにつきます」
イールスが考えながら説明をしている
「イールス、良く考えているな… クリストファー小隊に別けて、各村に向かえは良いだろ？ 本隊はリゼッタが残っているのだから」
ベルオスが微笑みながら言う
「明日準備が終わり次第出発します」
イールスが笑顔で言う