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15.いっそこれを朝食にしたいものです。
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目を覚ますと、もう朝日が昇っていた。うつろながらシーツをまさぐると、既にギャムシアはいなくなっていた。いつまでここに居たのかは分からないが、彼の温もりらしき気配はとくに感じられない。
盛大に伸びをし、窓から差し込む朝日を全身で浴びる。時計を見ると、朝の七時だった。のそりとベッドから抜け出す。
……ギャムシアが、本当に分からない。ラチカを叩くような真似をするくせに、こちらの意志は尊重してくれる。今回の大使就任など外堀から埋められている気はしないでもないが。
とりあえず準備を終え、玄関を出る。すでにシャイネが待っていた。
「おはようございます、お嬢様」
昨日、ギャムシアの一件があったせいかどうも気まずい。ひとまずいつもと変わらないように「おはよう」と返すと、シャイネは持っていた紙に視線を向けた。
「今日の予定は、既にギャムシア様より頂いております。こちらです」
相性は確かに悪いのだろうが、仕事に関しては別問題なのだろう。ギャムシアも公務などに関しては確かに真面目に取り組んでいる印象だし、シャイネもまた性根は至って真面目だ。案外仕事仲間としてはうまくいくのかもしれない。本当に何となくだが、そう感じた。
紙を受け取ると、そこには朝九時から夜八時までの予定がびっしり埋められていた。休憩時間まで刻まれているが、タイミングなどはうまく組んでくれているらしい。
「今日はひとまず街下の視察か。案外緩いんだね、これ一日通して休憩みたいなものじゃない?」
「こちらの内容に関しては、恐らくコーマス様の意向もあるでしょうね。建国祭でこちらの視察もご自身の目でされたかったのが本音だそうですから」
「え、そんな話してたの」
「ええ、こちらに来る前に」
じっとシャイネを見る。彼は少しその視線が気になったのか、こちらを見てきた。
「何です」
「いや、兄さんの事嫌いなんだと思ってたから。少し意外だなって、そんなに兄さんと話すの」
ああ、とシャイネは呟く。
「……嫌いというか、いい思い出が無いだけですね。実際コーマス様の事は尊敬してますし」
「そういえばそれ、他の使用人みんな同じ事言う」
シャイネは薄く笑いながら、「昔の話です」と付け加えた。
兄による使用人への折檻が無駄にあった、というのは知っている。今でこそ変わったが、兄は使用人を完全に道具と見做していた時期があった。詳しくは知らない……というより、兄が故意に見せないよう、裏で隠れてやっていたに近い。
……それは、使用人だけではないのだが。
「ギャムシア様は今、朝の鍛錬中です」
「あ、やっぱり」
「……やっぱり?」
じとり、と彼の目が湿りを帯びる。ぎょっとしたものの、どうやら遅かったらしい。
「へえ、なるほど。そうやって互いのルーティンを明かし合う程度には、親密になられていると」
「いやそれは仕事の都合上仕方なくない?」
どこでスイッチが入るか分からないな、と思いつつ溜息を吐く。そんなラチカの仕草にはっとしたのか、シャイネは取り繕ったように咳払いをした。
「まあ、確かにそうですね。ええ、実際見定めるべきと進言したのは俺ですし。ただ、どうしても、その」
「何」
「……あまり、快くはないですね。俺個人の気持ちとしては」
先日彼に告げられた想いを思い返す。そう考えると、彼の言っている事自体は仕方無いのかもしれない。
シャイネの両手がラチカの肩それぞれに触れる。そこまで身長差が無いためか、目線が近い。黄金色の目が互いに、ぶつかった。
「我慢しますとも、ええ」
そのまま、背中へ彼の手が滑ってくる。そのまま抱きしめられた。ここまでなら例え見られたとしても親愛の証で済ませられるが、彼の顔の位置までもどんどん下がってきている。そして、ラチカの膨らみの埋もれた。
「シャ、シャイネっ」
ふにふにと彼の顔で膨らみが圧される。その感触に少しぞくぞくとしながら、シャイネの頭をぺしぺしと叩いた。しかし彼は全然やめる気配が無い。それどころか、背に回した掌にすら力を込めている。逃がしてもらえる気はしなかった。
「申し訳ありません、つい。しかしお嬢様、何故またこんな体形がしっかり分かるようなドレスを選んだのですか……いけない、これはいけない……」
「本当あんたそういうのばっかり……」
もしあの時タガが外れてこうなった、という事であれば。いやそもそも、彼はラチカの胸部を想像して自慰をしていたと言っていた。別に昔は全然大きくなかったし、今も別にそれを売りに出来る程大きい訳でもない。
しかし、ドレス越しに彼の吐息が熱くなっているのを感じる。これは、駄目だ。完全に盛っている。離してくれる気配もない。
「シャイネっ……駄目だって、ここじゃ見られるっ……」
その言葉が些か予想外だったのか、シャイネは顔を埋めた状態でラチカを見上げる。そのまま、目だけで微笑んだ。
「ええ、そうですね。それは確かに。でも、俺が味わいたいんです」
「話本当聞く気無いね!?」
駄目だ、さすがに。こんなところをもし、それも万が一ギャムシアに見られでもしたら。
……仕方ない。
「中、入ろ」
シャイネの体を引き剥がし、彼の手首を掴んで歩き出す。そのまま玄関扉を開き、中へと引きずり込む。
何をしているのだろう、拒んで然るべきだというのに。何故かそれが出来ずにいるのは、ラチカの下腹部が……何か、期待を求めているからなのか。昨日ギャムシアに、すでにあんな風に抱かれているのに。
玄関扉を閉める。すると、本当にすぐさまという感じだった。
「はぁ、お嬢様……」
再び彼の顔が膨らみに触れる。しかも今度は、両手まで使ってきた。さっきまでは一応遠慮していたのだろうか。
服の上から、というのがとてももどかしい。彼の両手は膨らみを外側から忙しなくさすり、中央にぎゅっと寄せてくる。それをクッションにするかのように、顔を弾ませている。しかし、彼の唇はずっと先端を探しているかのように動いていた。その姿に、下腹部がぎゅぅっと絞まる感覚。
……このままではもどかしいのは、自分も同じだ。
敢えて、体制を変える。シャイネの手はその突然の動きについていけず、ラチカの背中にあるジッパーにぶつかった。それを、好機と見たのか。
「お嬢様……申し訳、ありません」
そう言いつつ、彼の手はジッパーを下ろし始めた。一瞬で腰まで下げきると肩に手をかけ、ドレスを引き掴み、一気に腰まで下げさせた。ぶるっ、と音を立てそうな程盛大に揺らして露わになった乳房を、シャイネは凝視する。まだ朝日がしっかりと届いている室内は明るく、その事に急激な気恥ずかしさ。身をよじろうとするが、シャイネの腕がしっかりラチカの二の腕を掴んで逃がさない。それどころか、細かく揺れた膨らみは存分のシャイネを煽ったようだった。
「あっ……」
先端に、舌を宛がわれる。先程から散々揉まれたり擦られたりしているせいでやや膨らみかけている先端を、シャイネはじっくり丁寧にねぶっていく。硬いのに柔らかい感触が、じっとりとラチカの膨らみを濡らしていく。
シャイネの唇が先端を包み、ちゅっと吸い上げられる。それだけでも、腰が揺れそうになるくらいの刺激だった。
「はぁあ……美味しい、美味しいですお嬢様……」
そう呟き続けながら、シャイネはひたすらねぶり続ける。飽きないものなのか、と思いながらされるがままになっている自分が、どこか……淫乱のような甘い嬌声を上げているのがどこか違和感でしかなかった。
昔からずっと、自分を守ってくれていたシャイネが。こんな、事に。
「傷は、付けませんから……少しだけ、ほんの少しだけ……」
彼は一瞬だけラチカの目に視線を這わせた。それは許しを請うているのかどうかは分からない。
同時の……刺激。
「あっ……!」
ほんの少し、ほんの少しだけの。シャイネの歯が、しっかり立ち上がったラチカの先端をこすった。痛みはないが、それに近しいような快感が背中を走る。
シャイネの唇がひたすら、ラチカの胸を攻める。白い柔肉を舌で持ち上げては揺らし、手の平で両端から揺らす。そして時たま、先端を吸い上げては甘噛み……彼の唾液がまるで媚薬にでもなっているかのように、ひたすらラチカの中の官能を煽り続ける。
「や、シャイネ、それっ」
「痛くないですか? 大丈夫ですか?」
「痛く、ない、けどぉっ」
「なら、良かったです」
何度も彼の口元は、ラチカの突起を虐め続ける。執拗に、しかしラチカのためというよりは自身の興奮を抑えきれないだけという印象だった。それでも、ラチカの下半身はうずき続ける。
「お嬢様、可愛いですよ……こんなに、俺に吸われたがって……可愛い……」
その言葉に完全に羞恥を煽られ、泣きそうになる。ああ、これでは完全に淫乱ではないか。
恐らく、今頃下着の中は大変な事になっているに違いない。しかし今日もやはり、シャイネは興味が無いかのようにそちらに触れようとすらしない。それでも目視出来る程に、シャイネのそれは……しっかりと、勃起していた。
もう、いっその事。
「シャイネ……」
シャイネの顔が、こちらを向く。彼の顔は上気した赤みがさしており、息も荒い。口周りに自身の唾液を付けながら、眼鏡の奥の黄金色の目が……ラチカではなく、その背にある時計を見た。
「……ああ、そうですね。そろそろ、時間ですね」
「へ」
シャイネはラチカから体を引き離し、眼鏡を外す。ラチカの肌に何度も触れたせいか、うっすらと曇っていた。
「シャワーを浴びられた方がよろしいでしょう。大丈夫です、ぎりぎりではありますが間に合います」
「……え、あ、はい」
眼鏡を拭くシャイネに何と声をかければいいか分からず、ひとまず。ひとまず、歩き出す。
浴室に到着し、ひとまずドレスを脱ぐ。そしてひとまず、中に入る。そして、シャワーを開く。ひとまず。
しかし、だ。
「……え、ええー……?」
本当に、解せない。
何なのだ一体。何だかシャイネとこういった展開になると、毎回とんでもない不完全燃焼になっている気がする。そもそも彼には、ラチカを抱く気はないというのか。本当にラチカの胸元を食むだけで、満足しきっているのか。
……彼は確かに、一線を越えたがらない傾向にある。しかしそれでは、うずき切ったここをどうすればいいのか。
「お嬢様、時間が」
「うるっっさい!!!!!」
外からの声に怒号を浴びせながら、半泣きでシャイネの唾液を洗い流す事に専念した。
盛大に伸びをし、窓から差し込む朝日を全身で浴びる。時計を見ると、朝の七時だった。のそりとベッドから抜け出す。
……ギャムシアが、本当に分からない。ラチカを叩くような真似をするくせに、こちらの意志は尊重してくれる。今回の大使就任など外堀から埋められている気はしないでもないが。
とりあえず準備を終え、玄関を出る。すでにシャイネが待っていた。
「おはようございます、お嬢様」
昨日、ギャムシアの一件があったせいかどうも気まずい。ひとまずいつもと変わらないように「おはよう」と返すと、シャイネは持っていた紙に視線を向けた。
「今日の予定は、既にギャムシア様より頂いております。こちらです」
相性は確かに悪いのだろうが、仕事に関しては別問題なのだろう。ギャムシアも公務などに関しては確かに真面目に取り組んでいる印象だし、シャイネもまた性根は至って真面目だ。案外仕事仲間としてはうまくいくのかもしれない。本当に何となくだが、そう感じた。
紙を受け取ると、そこには朝九時から夜八時までの予定がびっしり埋められていた。休憩時間まで刻まれているが、タイミングなどはうまく組んでくれているらしい。
「今日はひとまず街下の視察か。案外緩いんだね、これ一日通して休憩みたいなものじゃない?」
「こちらの内容に関しては、恐らくコーマス様の意向もあるでしょうね。建国祭でこちらの視察もご自身の目でされたかったのが本音だそうですから」
「え、そんな話してたの」
「ええ、こちらに来る前に」
じっとシャイネを見る。彼は少しその視線が気になったのか、こちらを見てきた。
「何です」
「いや、兄さんの事嫌いなんだと思ってたから。少し意外だなって、そんなに兄さんと話すの」
ああ、とシャイネは呟く。
「……嫌いというか、いい思い出が無いだけですね。実際コーマス様の事は尊敬してますし」
「そういえばそれ、他の使用人みんな同じ事言う」
シャイネは薄く笑いながら、「昔の話です」と付け加えた。
兄による使用人への折檻が無駄にあった、というのは知っている。今でこそ変わったが、兄は使用人を完全に道具と見做していた時期があった。詳しくは知らない……というより、兄が故意に見せないよう、裏で隠れてやっていたに近い。
……それは、使用人だけではないのだが。
「ギャムシア様は今、朝の鍛錬中です」
「あ、やっぱり」
「……やっぱり?」
じとり、と彼の目が湿りを帯びる。ぎょっとしたものの、どうやら遅かったらしい。
「へえ、なるほど。そうやって互いのルーティンを明かし合う程度には、親密になられていると」
「いやそれは仕事の都合上仕方なくない?」
どこでスイッチが入るか分からないな、と思いつつ溜息を吐く。そんなラチカの仕草にはっとしたのか、シャイネは取り繕ったように咳払いをした。
「まあ、確かにそうですね。ええ、実際見定めるべきと進言したのは俺ですし。ただ、どうしても、その」
「何」
「……あまり、快くはないですね。俺個人の気持ちとしては」
先日彼に告げられた想いを思い返す。そう考えると、彼の言っている事自体は仕方無いのかもしれない。
シャイネの両手がラチカの肩それぞれに触れる。そこまで身長差が無いためか、目線が近い。黄金色の目が互いに、ぶつかった。
「我慢しますとも、ええ」
そのまま、背中へ彼の手が滑ってくる。そのまま抱きしめられた。ここまでなら例え見られたとしても親愛の証で済ませられるが、彼の顔の位置までもどんどん下がってきている。そして、ラチカの膨らみの埋もれた。
「シャ、シャイネっ」
ふにふにと彼の顔で膨らみが圧される。その感触に少しぞくぞくとしながら、シャイネの頭をぺしぺしと叩いた。しかし彼は全然やめる気配が無い。それどころか、背に回した掌にすら力を込めている。逃がしてもらえる気はしなかった。
「申し訳ありません、つい。しかしお嬢様、何故またこんな体形がしっかり分かるようなドレスを選んだのですか……いけない、これはいけない……」
「本当あんたそういうのばっかり……」
もしあの時タガが外れてこうなった、という事であれば。いやそもそも、彼はラチカの胸部を想像して自慰をしていたと言っていた。別に昔は全然大きくなかったし、今も別にそれを売りに出来る程大きい訳でもない。
しかし、ドレス越しに彼の吐息が熱くなっているのを感じる。これは、駄目だ。完全に盛っている。離してくれる気配もない。
「シャイネっ……駄目だって、ここじゃ見られるっ……」
その言葉が些か予想外だったのか、シャイネは顔を埋めた状態でラチカを見上げる。そのまま、目だけで微笑んだ。
「ええ、そうですね。それは確かに。でも、俺が味わいたいんです」
「話本当聞く気無いね!?」
駄目だ、さすがに。こんなところをもし、それも万が一ギャムシアに見られでもしたら。
……仕方ない。
「中、入ろ」
シャイネの体を引き剥がし、彼の手首を掴んで歩き出す。そのまま玄関扉を開き、中へと引きずり込む。
何をしているのだろう、拒んで然るべきだというのに。何故かそれが出来ずにいるのは、ラチカの下腹部が……何か、期待を求めているからなのか。昨日ギャムシアに、すでにあんな風に抱かれているのに。
玄関扉を閉める。すると、本当にすぐさまという感じだった。
「はぁ、お嬢様……」
再び彼の顔が膨らみに触れる。しかも今度は、両手まで使ってきた。さっきまでは一応遠慮していたのだろうか。
服の上から、というのがとてももどかしい。彼の両手は膨らみを外側から忙しなくさすり、中央にぎゅっと寄せてくる。それをクッションにするかのように、顔を弾ませている。しかし、彼の唇はずっと先端を探しているかのように動いていた。その姿に、下腹部がぎゅぅっと絞まる感覚。
……このままではもどかしいのは、自分も同じだ。
敢えて、体制を変える。シャイネの手はその突然の動きについていけず、ラチカの背中にあるジッパーにぶつかった。それを、好機と見たのか。
「お嬢様……申し訳、ありません」
そう言いつつ、彼の手はジッパーを下ろし始めた。一瞬で腰まで下げきると肩に手をかけ、ドレスを引き掴み、一気に腰まで下げさせた。ぶるっ、と音を立てそうな程盛大に揺らして露わになった乳房を、シャイネは凝視する。まだ朝日がしっかりと届いている室内は明るく、その事に急激な気恥ずかしさ。身をよじろうとするが、シャイネの腕がしっかりラチカの二の腕を掴んで逃がさない。それどころか、細かく揺れた膨らみは存分のシャイネを煽ったようだった。
「あっ……」
先端に、舌を宛がわれる。先程から散々揉まれたり擦られたりしているせいでやや膨らみかけている先端を、シャイネはじっくり丁寧にねぶっていく。硬いのに柔らかい感触が、じっとりとラチカの膨らみを濡らしていく。
シャイネの唇が先端を包み、ちゅっと吸い上げられる。それだけでも、腰が揺れそうになるくらいの刺激だった。
「はぁあ……美味しい、美味しいですお嬢様……」
そう呟き続けながら、シャイネはひたすらねぶり続ける。飽きないものなのか、と思いながらされるがままになっている自分が、どこか……淫乱のような甘い嬌声を上げているのがどこか違和感でしかなかった。
昔からずっと、自分を守ってくれていたシャイネが。こんな、事に。
「傷は、付けませんから……少しだけ、ほんの少しだけ……」
彼は一瞬だけラチカの目に視線を這わせた。それは許しを請うているのかどうかは分からない。
同時の……刺激。
「あっ……!」
ほんの少し、ほんの少しだけの。シャイネの歯が、しっかり立ち上がったラチカの先端をこすった。痛みはないが、それに近しいような快感が背中を走る。
シャイネの唇がひたすら、ラチカの胸を攻める。白い柔肉を舌で持ち上げては揺らし、手の平で両端から揺らす。そして時たま、先端を吸い上げては甘噛み……彼の唾液がまるで媚薬にでもなっているかのように、ひたすらラチカの中の官能を煽り続ける。
「や、シャイネ、それっ」
「痛くないですか? 大丈夫ですか?」
「痛く、ない、けどぉっ」
「なら、良かったです」
何度も彼の口元は、ラチカの突起を虐め続ける。執拗に、しかしラチカのためというよりは自身の興奮を抑えきれないだけという印象だった。それでも、ラチカの下半身はうずき続ける。
「お嬢様、可愛いですよ……こんなに、俺に吸われたがって……可愛い……」
その言葉に完全に羞恥を煽られ、泣きそうになる。ああ、これでは完全に淫乱ではないか。
恐らく、今頃下着の中は大変な事になっているに違いない。しかし今日もやはり、シャイネは興味が無いかのようにそちらに触れようとすらしない。それでも目視出来る程に、シャイネのそれは……しっかりと、勃起していた。
もう、いっその事。
「シャイネ……」
シャイネの顔が、こちらを向く。彼の顔は上気した赤みがさしており、息も荒い。口周りに自身の唾液を付けながら、眼鏡の奥の黄金色の目が……ラチカではなく、その背にある時計を見た。
「……ああ、そうですね。そろそろ、時間ですね」
「へ」
シャイネはラチカから体を引き離し、眼鏡を外す。ラチカの肌に何度も触れたせいか、うっすらと曇っていた。
「シャワーを浴びられた方がよろしいでしょう。大丈夫です、ぎりぎりではありますが間に合います」
「……え、あ、はい」
眼鏡を拭くシャイネに何と声をかければいいか分からず、ひとまず。ひとまず、歩き出す。
浴室に到着し、ひとまずドレスを脱ぐ。そしてひとまず、中に入る。そして、シャワーを開く。ひとまず。
しかし、だ。
「……え、ええー……?」
本当に、解せない。
何なのだ一体。何だかシャイネとこういった展開になると、毎回とんでもない不完全燃焼になっている気がする。そもそも彼には、ラチカを抱く気はないというのか。本当にラチカの胸元を食むだけで、満足しきっているのか。
……彼は確かに、一線を越えたがらない傾向にある。しかしそれでは、うずき切ったここをどうすればいいのか。
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