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21.本当に、俺は嬉しかったんです。
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「っは、お嬢様……駄目です、目を、逸らさないでください。ちゃんと、開けて……」
シャイネの指示は、どこか気恥ずかしい。それでもきちんと従って、彼の目を眼鏡越しに見る。そのまま、再び口づける。しっかりと、目を合わせたまま。いつもは無意識と言えど目をつむっていたせいか、慣れない。
「邪魔ですか、これ」
「いいよ、大丈夫」
眼鏡を外そうとするシャイネの手を制しながら、再び口づける。柔らかい感触を食みながら、舌を進めていく。普段はシャイネが必死に食らいついてくるせいで、こんなにも彼の感触を知る事は無かった。ああ、柔らかい。
同じ色の目が、かち合う。彼の目は、どこか据わっていた。
「お嬢様、好きです」
「うん」
「好き、大好き」
タガが外れたかのように、シャイネの言葉が降ってくる。何度も口づけられてはいるが、どこか余裕が垣間見えた。恐らく、どこか安堵したのだろう。ラチカに受け入れられた、と。
シャイネの手が、ラチカの髪をそっと梳く。ギャムシアはいつもここで強く掴んでくるが、シャイネはそんな事をしなかった。その事に安心するも、ちくりと胸を刺す何かを感じた。
……何故。
「ん、あ」
いつものように膨らみに触れられる。その指は、どこかいつもよりゆっくりで硬さを感じた。息も、熱い。
「……お嬢様、好き、好きです」
たぷ、たぷ、と音が鳴りそうなくらいに弾まされる。その揺れだけでも気持ちよくて、息が荒くなってくる。そのまま、指はラチカの乳輪をなぞりだした。その感覚に、体が脈打つ。
「気持ち、いいですか」
「うんっ……」
声が上擦る。それは完全に女の声だった。シャイネは耳元に唇を近づけ、囁く。
「お嬢様のいいところ、少しずつ分かってきました」
「え?」
「ここ、とか」
かりっ、と爪で突膨らみだしの起をかすめられる。痛みの直前の快感に、声が上がる。シャイネは薄く笑いながら、繰り返した。
「シャイ、ネ……だめっ、それはっ」
「可愛い、可愛いですよ……ああ、膨らんできましたね」
出てきた突起を、指でそっと摘ままれる。電撃が落ちたかのようにびくつくラチカを愛おし気に眺めながら、両手で膨らみを抑え込まれた。指は忙しなくラチカのどちらの突起も擦り続けていく。
「食べたいです……いいですか、お嬢様」
いつも、無許可でもやるくせに。それでも、気付いていた。彼はもう、独断でこの行為を行っているわけではない。だからこそ、ラチカの意志を尊重してくれている。それがより羞恥を煽っているということに、彼はきっとまだ気付いていない。
頷くと、彼の顔が沈んでいった。両手で膨らみを寄せ上げ、突起同士を擦りつけ……そこに、舌を這わせた。
「ひゃぅっ……!」
片方ずつより、倍ほどの快感。わざと舌を尖らせ、シャイネは両方同時に舐り上げていく。
「お嬢様、はしたないですよ。そんな声」
「し、仕方ないじゃんっ……気持ち、いいのっ……」
半泣きで呟くと、シャイネは嬉しそうに笑った。こんな、少年じみた顔を見るのは久し振りだ。
「ええ、仕方ないですね。俺だけのものにさせて頂ければ、大丈夫です」
前から思っていた。彼は恐らく、立場などすべてかなぐり捨ててしまえば……きっと、独占欲が強い。ギャムシアも恐らくそうだし、兄のそれは最早おぞましいものですらある。男とは、皆そうなのだろうか。
「この体を、どれだけの男が使おうとしていたか……知らないでしょう、縁談の中に『性格云々の相性を知るためにもまず味見させろ』と申し出してきた諸侯もいたんですよ。全員、コーマス様の指示で俺が追い払いました」
知らない。恐らく、コーマスも隠しきっていたのだろう。そして彼の言う『追い払った』もかなり柔らかい物言いにしているはずだった。
「お嬢様、お嬢様」
今は、シャイネが自身を貪っている。それも、こんなにも快感をもたらして。
シャイネの唇が谷間へ進んだ。彼はどうやら、これが好きらしい。両手で膨らみを寄せたり伸ばしたりしながら、ひたすら自身の顔に擦りつけている。谷間の奥に注がれた唾液がぐちゃ、ぐちゃ、と何度も音を立てた。
何故、彼はこんなにここが好きなのだろう。ギャムシアとは違って、どうも胸に執着しているように見える。そもそも、彼に性交の経験自体あるのだろうか。いや、自分の知る限りではきっと皆無のはずだ。
ラチカはそっと、シャイネの下腹部に触れた。ぴたりとしたスラックスの中で、形をかなり主張させている。瞬間、シャイネの体は強く脈打った。
「あっ……」
普段とは全然違う、女のような声。それを聞いた瞬間、ラチカの中で何かが弾けた。
シャイネの体を地に押し倒し、ベルトを外す。シャイネは息を呑んで、抵抗はとくに見せずにラチカを見つめていた。
ベルトを外し、ジッパーを下ろす。下着越しに、シャイネのしっかり膨らんだ肉棒を優しく掴んだ。シャイネは熱い吐息を漏らしながら、泣きそうな声で「お嬢様」と呼びかける。ラチカはそれを黙殺し、手をそっと上下させた。
「は、あっ……お嬢様、駄目ですっ……お嬢様……っ」
掌に、じっとりとした熱。先端に指を這わせば、どろりと透明な糸を巻いた。下着を貫通する程の量を、分泌しているのか。喉の奥が、ごろりと鳴った。
下着も下ろさせる。すでにしっかりと先走りの汁で濡れそぼった肉棒が、勢いよく飛び出す。ギャムシアよりは些か小ぶりではあるが、それでもしっかりとした男の武器だった。
舌を、這わせた。
「~~~~っ!」
いつも自分が上げているもののような、声になっていない悲鳴。シャイネは顔を真っ赤に染め、ラチカの肩を掴んだ。
「駄目で、す。お嬢様、お嬢様にそんな事っ」
「普段色々私にはしてるくせにっ……」
あの時ギャムシアが悦んでいた場所を、舌でなぞる。裏側から先端に舌を這わせば、シャイネは身をよじるようにして快感を堪えていた。どんどん溢れてくる先走りを口で受け止める。そのために、少しだけ重心を上へと伸ばす。
その時だった。
「っあ、それ、は」
「え」
ふと、胸元を見る。ラチカの唾液とシャイネの先走りでぐちゃぐちゃに濡れている肉棒が、ラチカの谷間にぴったりと挟まっていた。膨らみと膨らみに押し込まれ、肉棒は苦しそうにぴくぴく震えている。
ああ、もしかすると。
「こういうの、好き?」
シャイネは目を背けながら、真っ赤な顔で頷く。しかし、再びその目はラチカの胸にいっている。
恐る恐る、それぞれの膨らみに手を添えて支えながら上下に揺らす。その度にシャイネの肉棒が押しつぶされるように埋もれ、ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる。シャイネもまた、荒い息を何度も上下させていた。
「お、お嬢様、それ、駄目ですって! 気持ちいいっ……」
「普段の仕返しなんだからっ。いつもあんなところで止めてっ……」
そう、これは仕返しなのだ。だから、自分は悪くない。
シャイネはじっと、ラチカの胸にしごかれる自身を凝視していた。まるで泉のように、先走りが溢れてくる。もうこれは、近い。
「お嬢様、駄目、駄目です。このままだと」
「ん、いいよ」
シャイネの目が見開かれる。ラチカはそれを無視し、挟んだ状態で先端を口に含んだ。唐突な刺激に、シャイネの雄は限界を迎えた。
どく、どく、と。音が鳴る程の勢いで精液が放出される。我慢が効かなかった。何度も何度も脈打ち、睾丸の中の精液をありったけラチカの口内に出し切る。ラチカの頬が、大きく膨らんでいた。
「っ申し訳ありません、お嬢様……!」
ラチカの頭を押し、顔を地に向けさせる。「出してください」と言ってもラチカは反応しなかった。しかし、かわりに喉が動いた。同時に頬の膨らみが消滅する。
「え、飲んだんですか!?」
「にっが」
喉の奥を、びりびりとして粘りが滑り落ちていくのが分かる。温い苦味が、すべて胃へと堕ち切った。ギャムシアのもの程、苦くはない。むしろ……と、そこまで考えて思考を止めた。シャイネが、強く抱きしめてきている。
「シャイネ」
「すみませんっ……俺、最低ですっ……」
「シャイネ、大丈夫だから」
背中をそっと撫でてやる。シャイネの体は、震えていた。
「お嬢様、好きです」
「うん」
「誰にも渡したくないんです、本当に」
それを聞くたび、ずきりと胸が痛む。
エヴァイアンの掟、レヂェマシュトルの事、そして……ギャムシア。様々な要因が、深く重くのしかかってくる。今回は完全に、自分からけしかけた。自分で、自分の首を絞めているに過ぎない。もう、言い訳も何も出来なかった。
シャイネはラチカを離す。そのまま、ラチカの目をじっと見た。
「大丈夫です、お嬢様が悲しむような展開には絶対しませんから」
「シャイネ……」
「俺、今すごく幸せなんです。初めて、お嬢様から欲してくれて」
いざそういわれると、一気に羞恥心が昇ってくる。しかしシャイネはそっと微笑むと、ラチカの髪を梳いた。
「すみません、その……最後まで、出来なくて」
「あー……いいよ、仕方ないもん」
あれだけ、出されては。正直あの衝撃で、自らの事は忘れてしまっていた。それに、あんなシャイネを見られて……別に、悪い気はしない。どこか報復を果たせた気すらする。
「てか、やっぱりその、アレなの? 未経験なの?」
ラチカの問いに、彼女の服を整えてやりながらシャイネは遠慮がちに頷いた。しかしすぐに、何か思いついたかのようにラチカを見る。
「もし、初物が気に食わないなら適当にどこかでこなしてきますが」
「いやいやいや、そういうのはいいよ」
そもそもそうされたところで、何か変わるとは思えない。経験自体が幼少期の事件とギャムシアしか無いせいで、どうとも言えないが。
「というかむしろ、初めての相手が私でいいのかっていう話なんだけど」
ラチカの恐る恐るとした言葉に、シャイネは苦笑しながら「当たり前です」と返す。
「むしろ、お嬢様以外にこの体が理性を奪われる事はありませんから。次もしお嬢様が求めてくださったら、その時は」
シャイネの指が、ラチカの顎を掴む。そのまま、軽く口づけられた。
「……お嬢様が、完全に俺のものになるように。あの男など完全に忘れられるように、尽力致します」
その目は、まっすぐにラチカを見ていた。まるで射貫くかのような、強い目で。ああ、昔から一切変わっていない。ずっと彼は、そうやって自分を見ていたというのか。
……ああ、これは。ギャムシアがいなければ、きっと呑まれていた。
「そろそろ、行こっか」
服を完全に着直し、立ち上がる。シャイネはそれを見て、頷いて歩き出した。ラチカもそれに続く。
馬車の中では、未だ先程の二人が失神したまま残っていた。ラチカは馬車に乗り込み、シャイネもまた馬を歩かせる。
「ひとまず教会へ向かいます」
「うん、お願い」
夜は深まりだした。烏の声が、やけに響く夜だった。
シャイネの指示は、どこか気恥ずかしい。それでもきちんと従って、彼の目を眼鏡越しに見る。そのまま、再び口づける。しっかりと、目を合わせたまま。いつもは無意識と言えど目をつむっていたせいか、慣れない。
「邪魔ですか、これ」
「いいよ、大丈夫」
眼鏡を外そうとするシャイネの手を制しながら、再び口づける。柔らかい感触を食みながら、舌を進めていく。普段はシャイネが必死に食らいついてくるせいで、こんなにも彼の感触を知る事は無かった。ああ、柔らかい。
同じ色の目が、かち合う。彼の目は、どこか据わっていた。
「お嬢様、好きです」
「うん」
「好き、大好き」
タガが外れたかのように、シャイネの言葉が降ってくる。何度も口づけられてはいるが、どこか余裕が垣間見えた。恐らく、どこか安堵したのだろう。ラチカに受け入れられた、と。
シャイネの手が、ラチカの髪をそっと梳く。ギャムシアはいつもここで強く掴んでくるが、シャイネはそんな事をしなかった。その事に安心するも、ちくりと胸を刺す何かを感じた。
……何故。
「ん、あ」
いつものように膨らみに触れられる。その指は、どこかいつもよりゆっくりで硬さを感じた。息も、熱い。
「……お嬢様、好き、好きです」
たぷ、たぷ、と音が鳴りそうなくらいに弾まされる。その揺れだけでも気持ちよくて、息が荒くなってくる。そのまま、指はラチカの乳輪をなぞりだした。その感覚に、体が脈打つ。
「気持ち、いいですか」
「うんっ……」
声が上擦る。それは完全に女の声だった。シャイネは耳元に唇を近づけ、囁く。
「お嬢様のいいところ、少しずつ分かってきました」
「え?」
「ここ、とか」
かりっ、と爪で突膨らみだしの起をかすめられる。痛みの直前の快感に、声が上がる。シャイネは薄く笑いながら、繰り返した。
「シャイ、ネ……だめっ、それはっ」
「可愛い、可愛いですよ……ああ、膨らんできましたね」
出てきた突起を、指でそっと摘ままれる。電撃が落ちたかのようにびくつくラチカを愛おし気に眺めながら、両手で膨らみを抑え込まれた。指は忙しなくラチカのどちらの突起も擦り続けていく。
「食べたいです……いいですか、お嬢様」
いつも、無許可でもやるくせに。それでも、気付いていた。彼はもう、独断でこの行為を行っているわけではない。だからこそ、ラチカの意志を尊重してくれている。それがより羞恥を煽っているということに、彼はきっとまだ気付いていない。
頷くと、彼の顔が沈んでいった。両手で膨らみを寄せ上げ、突起同士を擦りつけ……そこに、舌を這わせた。
「ひゃぅっ……!」
片方ずつより、倍ほどの快感。わざと舌を尖らせ、シャイネは両方同時に舐り上げていく。
「お嬢様、はしたないですよ。そんな声」
「し、仕方ないじゃんっ……気持ち、いいのっ……」
半泣きで呟くと、シャイネは嬉しそうに笑った。こんな、少年じみた顔を見るのは久し振りだ。
「ええ、仕方ないですね。俺だけのものにさせて頂ければ、大丈夫です」
前から思っていた。彼は恐らく、立場などすべてかなぐり捨ててしまえば……きっと、独占欲が強い。ギャムシアも恐らくそうだし、兄のそれは最早おぞましいものですらある。男とは、皆そうなのだろうか。
「この体を、どれだけの男が使おうとしていたか……知らないでしょう、縁談の中に『性格云々の相性を知るためにもまず味見させろ』と申し出してきた諸侯もいたんですよ。全員、コーマス様の指示で俺が追い払いました」
知らない。恐らく、コーマスも隠しきっていたのだろう。そして彼の言う『追い払った』もかなり柔らかい物言いにしているはずだった。
「お嬢様、お嬢様」
今は、シャイネが自身を貪っている。それも、こんなにも快感をもたらして。
シャイネの唇が谷間へ進んだ。彼はどうやら、これが好きらしい。両手で膨らみを寄せたり伸ばしたりしながら、ひたすら自身の顔に擦りつけている。谷間の奥に注がれた唾液がぐちゃ、ぐちゃ、と何度も音を立てた。
何故、彼はこんなにここが好きなのだろう。ギャムシアとは違って、どうも胸に執着しているように見える。そもそも、彼に性交の経験自体あるのだろうか。いや、自分の知る限りではきっと皆無のはずだ。
ラチカはそっと、シャイネの下腹部に触れた。ぴたりとしたスラックスの中で、形をかなり主張させている。瞬間、シャイネの体は強く脈打った。
「あっ……」
普段とは全然違う、女のような声。それを聞いた瞬間、ラチカの中で何かが弾けた。
シャイネの体を地に押し倒し、ベルトを外す。シャイネは息を呑んで、抵抗はとくに見せずにラチカを見つめていた。
ベルトを外し、ジッパーを下ろす。下着越しに、シャイネのしっかり膨らんだ肉棒を優しく掴んだ。シャイネは熱い吐息を漏らしながら、泣きそうな声で「お嬢様」と呼びかける。ラチカはそれを黙殺し、手をそっと上下させた。
「は、あっ……お嬢様、駄目ですっ……お嬢様……っ」
掌に、じっとりとした熱。先端に指を這わせば、どろりと透明な糸を巻いた。下着を貫通する程の量を、分泌しているのか。喉の奥が、ごろりと鳴った。
下着も下ろさせる。すでにしっかりと先走りの汁で濡れそぼった肉棒が、勢いよく飛び出す。ギャムシアよりは些か小ぶりではあるが、それでもしっかりとした男の武器だった。
舌を、這わせた。
「~~~~っ!」
いつも自分が上げているもののような、声になっていない悲鳴。シャイネは顔を真っ赤に染め、ラチカの肩を掴んだ。
「駄目で、す。お嬢様、お嬢様にそんな事っ」
「普段色々私にはしてるくせにっ……」
あの時ギャムシアが悦んでいた場所を、舌でなぞる。裏側から先端に舌を這わせば、シャイネは身をよじるようにして快感を堪えていた。どんどん溢れてくる先走りを口で受け止める。そのために、少しだけ重心を上へと伸ばす。
その時だった。
「っあ、それ、は」
「え」
ふと、胸元を見る。ラチカの唾液とシャイネの先走りでぐちゃぐちゃに濡れている肉棒が、ラチカの谷間にぴったりと挟まっていた。膨らみと膨らみに押し込まれ、肉棒は苦しそうにぴくぴく震えている。
ああ、もしかすると。
「こういうの、好き?」
シャイネは目を背けながら、真っ赤な顔で頷く。しかし、再びその目はラチカの胸にいっている。
恐る恐る、それぞれの膨らみに手を添えて支えながら上下に揺らす。その度にシャイネの肉棒が押しつぶされるように埋もれ、ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる。シャイネもまた、荒い息を何度も上下させていた。
「お、お嬢様、それ、駄目ですって! 気持ちいいっ……」
「普段の仕返しなんだからっ。いつもあんなところで止めてっ……」
そう、これは仕返しなのだ。だから、自分は悪くない。
シャイネはじっと、ラチカの胸にしごかれる自身を凝視していた。まるで泉のように、先走りが溢れてくる。もうこれは、近い。
「お嬢様、駄目、駄目です。このままだと」
「ん、いいよ」
シャイネの目が見開かれる。ラチカはそれを無視し、挟んだ状態で先端を口に含んだ。唐突な刺激に、シャイネの雄は限界を迎えた。
どく、どく、と。音が鳴る程の勢いで精液が放出される。我慢が効かなかった。何度も何度も脈打ち、睾丸の中の精液をありったけラチカの口内に出し切る。ラチカの頬が、大きく膨らんでいた。
「っ申し訳ありません、お嬢様……!」
ラチカの頭を押し、顔を地に向けさせる。「出してください」と言ってもラチカは反応しなかった。しかし、かわりに喉が動いた。同時に頬の膨らみが消滅する。
「え、飲んだんですか!?」
「にっが」
喉の奥を、びりびりとして粘りが滑り落ちていくのが分かる。温い苦味が、すべて胃へと堕ち切った。ギャムシアのもの程、苦くはない。むしろ……と、そこまで考えて思考を止めた。シャイネが、強く抱きしめてきている。
「シャイネ」
「すみませんっ……俺、最低ですっ……」
「シャイネ、大丈夫だから」
背中をそっと撫でてやる。シャイネの体は、震えていた。
「お嬢様、好きです」
「うん」
「誰にも渡したくないんです、本当に」
それを聞くたび、ずきりと胸が痛む。
エヴァイアンの掟、レヂェマシュトルの事、そして……ギャムシア。様々な要因が、深く重くのしかかってくる。今回は完全に、自分からけしかけた。自分で、自分の首を絞めているに過ぎない。もう、言い訳も何も出来なかった。
シャイネはラチカを離す。そのまま、ラチカの目をじっと見た。
「大丈夫です、お嬢様が悲しむような展開には絶対しませんから」
「シャイネ……」
「俺、今すごく幸せなんです。初めて、お嬢様から欲してくれて」
いざそういわれると、一気に羞恥心が昇ってくる。しかしシャイネはそっと微笑むと、ラチカの髪を梳いた。
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あれだけ、出されては。正直あの衝撃で、自らの事は忘れてしまっていた。それに、あんなシャイネを見られて……別に、悪い気はしない。どこか報復を果たせた気すらする。
「てか、やっぱりその、アレなの? 未経験なの?」
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ラチカの恐る恐るとした言葉に、シャイネは苦笑しながら「当たり前です」と返す。
「むしろ、お嬢様以外にこの体が理性を奪われる事はありませんから。次もしお嬢様が求めてくださったら、その時は」
シャイネの指が、ラチカの顎を掴む。そのまま、軽く口づけられた。
「……お嬢様が、完全に俺のものになるように。あの男など完全に忘れられるように、尽力致します」
その目は、まっすぐにラチカを見ていた。まるで射貫くかのような、強い目で。ああ、昔から一切変わっていない。ずっと彼は、そうやって自分を見ていたというのか。
……ああ、これは。ギャムシアがいなければ、きっと呑まれていた。
「そろそろ、行こっか」
服を完全に着直し、立ち上がる。シャイネはそれを見て、頷いて歩き出した。ラチカもそれに続く。
馬車の中では、未だ先程の二人が失神したまま残っていた。ラチカは馬車に乗り込み、シャイネもまた馬を歩かせる。
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