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40.結局一番悪いのは?
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中央教会と呼ばれる、エヴァイアン最大の教会。その地下は広大である。聖水を絶えず吹き出させ続ける、大陸の中でも有数の地下聖泉。亡霊に憑かれた人間の治療室、安置室。薄暗い通路を通っていけばいくつもの部屋にぶつかるが、モシェロイは現在最奥の部屋へ向かっていた。
現在主要エクソシストは大半出払っている。エヴァイアン内は勿論、最近は近隣国への被害がじわじわと増え始めているため結構な人数を派遣してしまっている。何故かロドハルトだけは被害が無いが、恐らくは時間の問題か……もしくは、最悪の予測。
「モシェロイ神父」
「何だ」
最奥の部屋から、一人の若いエクソシストが出てきた。彼はこの中央教会でも稀有な、拷問官も兼任している。返り血で黒い制服がじっとりと湿っているのが分かる。
「現在休憩を挟んでいます。再開は14時予定です」
「ああ、分かった。そうだ進捗は」
「ひとまずラチカが先日連行してきた四人の内二人は吐きました。区分けして行っているので裏を取っている最中ですが、正確な情報ではあるかと。内容は纏めてあります」
「助かる」
エクソシストはふらふらとしながら通路を進んでいった。拷問官がこの国には極端に少ないせいで、彼への負担もそれなりだ。以前ラチカに黙ってシャイネを勧誘した事もあったが、彼はラチカの世話を理由に穏やかに断っていた。
彼が出てきた部屋に押し入る。軋んだ音だ。この奥に立ち入るのが許されるのは、彼を始めとした拷問官と自分以上の重役のみだ。実際この先は、エヴァイアンの汚点を凝縮させたような空間である。
ひどい匂いがする。血生臭さがこの部屋から消える事は無い。多数のうめき声やすすり泣く声を無視しながら、モシェロイは進んだ。自身が使っているテーブルに乱雑に置かれた冊子を手に取る。
ラチカ達がネクロマンサーを順調にここに送り込んでくれているおかげで、少しずつ成果は上がっている。獲物が運ばれてくるぶん、上手く捌くのは自分達の仕事だ。
「……ふむ」
読み進めていく。日誌のように日付ごとに区切られた文章は、日を追うごとに文字数が増えていく。
そして、辿り着いた。
「……なるほどな」
嫌な予感が、当たりつつあるかもしれない。このまま行けば、真っ先に危険が及ぶのは。
「まずいな」
しかし未だ確証に至っていない。こうなれば、急いで口を割らせ……対策を取らねばならない。手遅れになる事だけは避けなければ。
モシェロイは薄暗い部屋を見渡した。疲れ切ったネクロマンサー達の中でも、まだ元気そうな者に目星をつけてから使い慣れた鞭を手に取った。
ロドハルトに来るのももう慣れきったものだ。馬車を引くシャイネとは取り留めもない話をしながら、ラチカは小さく溜息を吐いた。
約一か月ぶりのギャムシアとの再会だ。体調は完全に回復し、あとは心の準備を整えるだけである。あれからシャイネにはとくに手を出されてはおらず、その分罪悪感は薄れつつある。ただ、下手に勘付かれる事だけはどうにか避けなければ。
「到着致しました、お嬢様」
「うん」
馬車を停め、シャイネの手を借りて馬車から降りる。すでに二人分の気配があった。ギャムシアと執事長だ。ギャムシアはいつものような外面で、近付いてくる。
「お久し振りです、妹君」
「あ、ど、どうも」
美しい顔を穏やかに微笑ませて近付いてくるギャムシアに、どきりとする。やはり自分は、彼に恋をしているのだと実感する。
執事長がシャイネにいくつか言葉を掛けると、シャイネは頭を下げて歩き出す執事長についていった。もしかすると何かあったのだろうか。
ギャムシアの手が、ラチカに触れる。急な仕草に、再び心臓が跳ねあがった。
「久し振りだな」
「う、うん」
「会いたかった」
その場で、抱きしめられる。さすがに驚き、彼の顔を見ようとするも胸板に押し付けられて何も見えない。
「ギャ、ギャム」
「……会いたかった、本当に」
いくら国主邸とは言え、ここでは誰に見付かるかも分からない。もう見付かってしまっても大丈夫だとでも言うのだろうか。
ようやく、離された。やっと見えた顔は笑顔だった。しかし、いつもの意地悪そうな笑みとも外面の笑みとも違う。……そうだ、見た事ある。これは、あの時のシャイネと同じ。
「ギャムシア」
名前を呼ぶ声が震えてしまう。それにきっと気付いているだろうに、ギャムシアは何も言わない。ただ、そっと口付けてくる。柔らかくしっとりした感触が、とろけるようにラチカを侵してくる。
これは、まずい。嫌な予感がして仕方ない。
やっと唇が離れる。手を絡められ、ギャムシアは歩き出す。方向は、ラチカの離れの向きだ。
「ラチカ」
「な、に」
返事すらも、細かく怯えている。それでもギャムシアは微笑んでいる。あの、嫌な……恐ろしい笑み。
「お前は俺のものになるんだよな?」
頷く。確かに恐怖は内在しているものの、本心ではある。ギャムシアはより笑みを深め、足を進めた。
ラチカの離れに到着し、ギャムシアは立ち止まった。戸惑いながらも、ラチカが前に立ち鍵を開く。彼は合い鍵を持っていると思っていたが、もしかすると違うのだろうか。
ラチカが先に中に入る。その瞬間だった。
「っ!!?」
脳天に、衝撃が走る。そのまま、膝をついた。じんわりと広がっていく、痛み。そっと後頭部に手をやると、ぬるりとした感触。温かい、血。ぼたぼた、と後頭部から額に向けて伝ってくる。
恐る恐る顔だけ後ろへ向けると、未だに微笑んだままのギャムシアが居た。その手には、剣の……鞘か。剣が納められた鋼鉄製の鞘に、返り血が弾き跳んでいるのが見えた。
「な、んで」
「何で、って」
鞘に付いた返り血を指で拭い、それをそのまま口に含む。その行為はあまりにも狂気じみていたのに、どこか艶めかしく。
「お前の意志と環境だけじゃ、お前を完全に俺のものにするのは無理だって気付いたんだよ」
ぐらり、と意識が揺らぎそうになる。ずきずきとした痛みがどんどん増してくる。そして、ギャムシアの笑みも。
「だから、俺が整えてやる。他の奴に侵食なんざ、絶対にさせねぇ」
ああ、もう駄目だ。意識が、とんでしまう。
体内時計が当てにならないというのはとっくに気付いていた。よって、どれだけ時間が経ったのかは分からない。一つだけ確実なのは、シャイネは未だこの状況に気付いていないということだ。
あの時ギャムシアと想いを通わせた地下室に、ラチカは居た。あの椅子にくくりつけられている状況も前回と変わらない。意識が戻って気付いたのは、頭にはきちんと治療が施されているという事と。
「お前は俺が居ないと死ぬんだよ」
そう、微笑みながらギャムシアは囁く。応えようにも、口元が動かない。姿を見たわけではないが、分かる。これは……縫い付けられている。上唇と下唇を、頑丈に。
腕には二種類の点滴が刺さっていた。恐らく、栄養失調を起こさないようにという配慮だろう。文字通り、それを管理するギャムシアを失えば……確実に、ラチカは死ぬ。それこそシャイネによる救出などイレギュラーがあれば別だろうが、ギャムシアならきっとそこまで手を回しているに違いない。少なくともあの執事長は確実に手駒なはずだ。
……このまま、終わるのだろうか。
「子ども、欲しくなかったのか」
静かに問われる。その声には確かに怒りが混じっているのが分かる。
彼がコーマス達に事情を聴いたというのは、伝えられた。堕胎薬の事も。しかし、それはあくまで……シャイネの事に対して使ったに過ぎない。ギャムシアに抱かれている時は、確かに彼の子を欲していた。いくら本能の叫びだろうと、確かにそうだった。
しかし今は口を封じられている以上、首を振るしか出来ない。それでも気に食わなかったのか、頬をはたかれる。未だ血の滲んでいる縫い跡がひりついた。
「まあいい、正直子どもは二の次で構わねえよ。俺にはお前が居ればいい」
前髪を掴まれ、そのまま首の角度を上部に傾けられる。泣きすぎてひりつく目が、ギャムシアの目に固定された。
「もうここまで来りゃ、エヴァイアンへの打算なんざどうでもよくすら思うぜ」
彼の目は、滾っている。あまりにも冷たい色だというのに。
「……国の繋がり? 知るか。俺はお前さえ手に入りゃ、もう何もかもどうでもいいところまで来ちまった」
今となってラチカがエヴァイアンの令嬢である事の利点は、『国主である自分に立場が相応しい』という状況だけになっていた。あれだけ、自分は医者であり……民を護るべき国主であるはずだったのに。そしてその役割すらも、全うしきるつもりだったのに。
ラチカのせいだ。ラチカのせいで、揺らいだ。その根本は、いとも簡単にすり替えられてしまっていた。
「お前が俺のものになるっていうなら、俺は国主を辞めてもいい。あのクソガキが纏わりつく理由が、お前がエヴァイアンの令嬢だからって事なら絶縁にまで追いやってやりてえよ」
正直初めの頃から考えてはいた。しかしあくまで、ラチカの意志を考慮したのだ。たとえそうしたとしても、最後は自分の元へ来るという自信があったから。
しかし結局は、シャイネが。ああ、そうだ。奴がラチカを奪おうとしている。そして悪いのは。
「……本当に天性の淫乱なんだな」
すぐに男を誑かす。シャイネといい自分といい。しかしそんな女に取り込まれたのは……結局、自分だった。あの時の出会いから、何もかもおかしくなり始めていったのか。
しかしそれなら、それで。
「全うさせてやるよ」
ラチカの衣服を剥ぐ。そのまま、強く抱きしめた。
現在主要エクソシストは大半出払っている。エヴァイアン内は勿論、最近は近隣国への被害がじわじわと増え始めているため結構な人数を派遣してしまっている。何故かロドハルトだけは被害が無いが、恐らくは時間の問題か……もしくは、最悪の予測。
「モシェロイ神父」
「何だ」
最奥の部屋から、一人の若いエクソシストが出てきた。彼はこの中央教会でも稀有な、拷問官も兼任している。返り血で黒い制服がじっとりと湿っているのが分かる。
「現在休憩を挟んでいます。再開は14時予定です」
「ああ、分かった。そうだ進捗は」
「ひとまずラチカが先日連行してきた四人の内二人は吐きました。区分けして行っているので裏を取っている最中ですが、正確な情報ではあるかと。内容は纏めてあります」
「助かる」
エクソシストはふらふらとしながら通路を進んでいった。拷問官がこの国には極端に少ないせいで、彼への負担もそれなりだ。以前ラチカに黙ってシャイネを勧誘した事もあったが、彼はラチカの世話を理由に穏やかに断っていた。
彼が出てきた部屋に押し入る。軋んだ音だ。この奥に立ち入るのが許されるのは、彼を始めとした拷問官と自分以上の重役のみだ。実際この先は、エヴァイアンの汚点を凝縮させたような空間である。
ひどい匂いがする。血生臭さがこの部屋から消える事は無い。多数のうめき声やすすり泣く声を無視しながら、モシェロイは進んだ。自身が使っているテーブルに乱雑に置かれた冊子を手に取る。
ラチカ達がネクロマンサーを順調にここに送り込んでくれているおかげで、少しずつ成果は上がっている。獲物が運ばれてくるぶん、上手く捌くのは自分達の仕事だ。
「……ふむ」
読み進めていく。日誌のように日付ごとに区切られた文章は、日を追うごとに文字数が増えていく。
そして、辿り着いた。
「……なるほどな」
嫌な予感が、当たりつつあるかもしれない。このまま行けば、真っ先に危険が及ぶのは。
「まずいな」
しかし未だ確証に至っていない。こうなれば、急いで口を割らせ……対策を取らねばならない。手遅れになる事だけは避けなければ。
モシェロイは薄暗い部屋を見渡した。疲れ切ったネクロマンサー達の中でも、まだ元気そうな者に目星をつけてから使い慣れた鞭を手に取った。
ロドハルトに来るのももう慣れきったものだ。馬車を引くシャイネとは取り留めもない話をしながら、ラチカは小さく溜息を吐いた。
約一か月ぶりのギャムシアとの再会だ。体調は完全に回復し、あとは心の準備を整えるだけである。あれからシャイネにはとくに手を出されてはおらず、その分罪悪感は薄れつつある。ただ、下手に勘付かれる事だけはどうにか避けなければ。
「到着致しました、お嬢様」
「うん」
馬車を停め、シャイネの手を借りて馬車から降りる。すでに二人分の気配があった。ギャムシアと執事長だ。ギャムシアはいつものような外面で、近付いてくる。
「お久し振りです、妹君」
「あ、ど、どうも」
美しい顔を穏やかに微笑ませて近付いてくるギャムシアに、どきりとする。やはり自分は、彼に恋をしているのだと実感する。
執事長がシャイネにいくつか言葉を掛けると、シャイネは頭を下げて歩き出す執事長についていった。もしかすると何かあったのだろうか。
ギャムシアの手が、ラチカに触れる。急な仕草に、再び心臓が跳ねあがった。
「久し振りだな」
「う、うん」
「会いたかった」
その場で、抱きしめられる。さすがに驚き、彼の顔を見ようとするも胸板に押し付けられて何も見えない。
「ギャ、ギャム」
「……会いたかった、本当に」
いくら国主邸とは言え、ここでは誰に見付かるかも分からない。もう見付かってしまっても大丈夫だとでも言うのだろうか。
ようやく、離された。やっと見えた顔は笑顔だった。しかし、いつもの意地悪そうな笑みとも外面の笑みとも違う。……そうだ、見た事ある。これは、あの時のシャイネと同じ。
「ギャムシア」
名前を呼ぶ声が震えてしまう。それにきっと気付いているだろうに、ギャムシアは何も言わない。ただ、そっと口付けてくる。柔らかくしっとりした感触が、とろけるようにラチカを侵してくる。
これは、まずい。嫌な予感がして仕方ない。
やっと唇が離れる。手を絡められ、ギャムシアは歩き出す。方向は、ラチカの離れの向きだ。
「ラチカ」
「な、に」
返事すらも、細かく怯えている。それでもギャムシアは微笑んでいる。あの、嫌な……恐ろしい笑み。
「お前は俺のものになるんだよな?」
頷く。確かに恐怖は内在しているものの、本心ではある。ギャムシアはより笑みを深め、足を進めた。
ラチカの離れに到着し、ギャムシアは立ち止まった。戸惑いながらも、ラチカが前に立ち鍵を開く。彼は合い鍵を持っていると思っていたが、もしかすると違うのだろうか。
ラチカが先に中に入る。その瞬間だった。
「っ!!?」
脳天に、衝撃が走る。そのまま、膝をついた。じんわりと広がっていく、痛み。そっと後頭部に手をやると、ぬるりとした感触。温かい、血。ぼたぼた、と後頭部から額に向けて伝ってくる。
恐る恐る顔だけ後ろへ向けると、未だに微笑んだままのギャムシアが居た。その手には、剣の……鞘か。剣が納められた鋼鉄製の鞘に、返り血が弾き跳んでいるのが見えた。
「な、んで」
「何で、って」
鞘に付いた返り血を指で拭い、それをそのまま口に含む。その行為はあまりにも狂気じみていたのに、どこか艶めかしく。
「お前の意志と環境だけじゃ、お前を完全に俺のものにするのは無理だって気付いたんだよ」
ぐらり、と意識が揺らぎそうになる。ずきずきとした痛みがどんどん増してくる。そして、ギャムシアの笑みも。
「だから、俺が整えてやる。他の奴に侵食なんざ、絶対にさせねぇ」
ああ、もう駄目だ。意識が、とんでしまう。
体内時計が当てにならないというのはとっくに気付いていた。よって、どれだけ時間が経ったのかは分からない。一つだけ確実なのは、シャイネは未だこの状況に気付いていないということだ。
あの時ギャムシアと想いを通わせた地下室に、ラチカは居た。あの椅子にくくりつけられている状況も前回と変わらない。意識が戻って気付いたのは、頭にはきちんと治療が施されているという事と。
「お前は俺が居ないと死ぬんだよ」
そう、微笑みながらギャムシアは囁く。応えようにも、口元が動かない。姿を見たわけではないが、分かる。これは……縫い付けられている。上唇と下唇を、頑丈に。
腕には二種類の点滴が刺さっていた。恐らく、栄養失調を起こさないようにという配慮だろう。文字通り、それを管理するギャムシアを失えば……確実に、ラチカは死ぬ。それこそシャイネによる救出などイレギュラーがあれば別だろうが、ギャムシアならきっとそこまで手を回しているに違いない。少なくともあの執事長は確実に手駒なはずだ。
……このまま、終わるのだろうか。
「子ども、欲しくなかったのか」
静かに問われる。その声には確かに怒りが混じっているのが分かる。
彼がコーマス達に事情を聴いたというのは、伝えられた。堕胎薬の事も。しかし、それはあくまで……シャイネの事に対して使ったに過ぎない。ギャムシアに抱かれている時は、確かに彼の子を欲していた。いくら本能の叫びだろうと、確かにそうだった。
しかし今は口を封じられている以上、首を振るしか出来ない。それでも気に食わなかったのか、頬をはたかれる。未だ血の滲んでいる縫い跡がひりついた。
「まあいい、正直子どもは二の次で構わねえよ。俺にはお前が居ればいい」
前髪を掴まれ、そのまま首の角度を上部に傾けられる。泣きすぎてひりつく目が、ギャムシアの目に固定された。
「もうここまで来りゃ、エヴァイアンへの打算なんざどうでもよくすら思うぜ」
彼の目は、滾っている。あまりにも冷たい色だというのに。
「……国の繋がり? 知るか。俺はお前さえ手に入りゃ、もう何もかもどうでもいいところまで来ちまった」
今となってラチカがエヴァイアンの令嬢である事の利点は、『国主である自分に立場が相応しい』という状況だけになっていた。あれだけ、自分は医者であり……民を護るべき国主であるはずだったのに。そしてその役割すらも、全うしきるつもりだったのに。
ラチカのせいだ。ラチカのせいで、揺らいだ。その根本は、いとも簡単にすり替えられてしまっていた。
「お前が俺のものになるっていうなら、俺は国主を辞めてもいい。あのクソガキが纏わりつく理由が、お前がエヴァイアンの令嬢だからって事なら絶縁にまで追いやってやりてえよ」
正直初めの頃から考えてはいた。しかしあくまで、ラチカの意志を考慮したのだ。たとえそうしたとしても、最後は自分の元へ来るという自信があったから。
しかし結局は、シャイネが。ああ、そうだ。奴がラチカを奪おうとしている。そして悪いのは。
「……本当に天性の淫乱なんだな」
すぐに男を誑かす。シャイネといい自分といい。しかしそんな女に取り込まれたのは……結局、自分だった。あの時の出会いから、何もかもおかしくなり始めていったのか。
しかしそれなら、それで。
「全うさせてやるよ」
ラチカの衣服を剥ぐ。そのまま、強く抱きしめた。
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