実は安倍晴明は五つ子で互いの功績をひとりの者として扱い後世にはひとりの人物として語られた/時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品で

牛馬走

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チャプタ―69

ダメな安倍晴明69

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 天竺、唐土、そしてついてには日の本へと玉藻前は居を移してきた。
「もし、そこの御仁」
 と、そこへ第三者の声が聞こえた。
「匂いからして、日の本の妖狐か」
 玉藻前は退屈そうに声を発する。
「さよう」
 と言って妖狐が十匹ほど姿を現した。
「我らは陰陽寮が動くのを防ぐため、内裏に手を出すことは禁忌としてきた。だが、そなたはその禁を破ったのだ」
「鄙の妖の掟など知ったことか」
 妖狐の言葉は玉藻前はせせら笑う。
「それとも、妾を殺すか?」
「いかにも」
 その返答に、玉藻前の理性は消し飛んだ。象を思わせる巨大な体躯の正体を露わにするや、妖狐たちを一気に踏み潰す。
「おのれ」
 妖狐の頭が悔しげな声をあげ、鎌鼬を放った。
 が、玉藻前の強靭な体毛に阻まれ攻撃は届かない。動揺した妖狐たちを待っていたのは一方的な殺戮だった。
 やがて動くものは玉藻前一匹になる。前脚を舐めて、
「まずい」
 と玉藻前は非情な一言を放った。
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