83 / 294
第7章 どうやら四阿は八虐の謀大逆のようです。
びっくりどっきり廃ビル
しおりを挟む
一方、こちらは俺と山上。
「ここはどこなんだぁぁぁぁぁぁ!?」
俺の叫びが山の中に木霊する。
風が木々の間を通り抜けてざわめいて、鳥の羽音がどこからか聞こえてくる。
それくらい山の奥深くで俺たちは道に迷っていた。
「全く、事前に場所くらい調べてておくものだろ」
そう言いながら呆れている山上だったが、
「お前だって今、調べ直してるだろ」
俺は必死さを隠しながらスマホで現在地を探している山上を呆れ顔で見る。
俺達は山の中で遭難したのか?
ソウナンです。
……などというギャグは言うものではない。
言うと後悔するものだ。
さて、冗談はさておき俺達は山の中で廃ビルを見つけられずにいた。
「よし、こっちに行ってみよう」
じっとして迷っても仕方がないと思い、俺は山上を引っ張って道を進もうとすると…。
「おい、ちょっと待て。今、アプリ開いてるから。これ以上迷ったら」
山上の訴えを聞きもせず俺は再び歩き始めたのだ。
先ほどから俺達が迷っているここは理市にある山。
理市は自然と喉かな風景に囲まれた都市である。
山々に囲まれ沢山の村も海もあり、未開の地も数多くある。
そんなRPGで言う“未開の森”的な場所に魔王軍幹部のアジトがあるのだ。
「──ほんとにたどり着いた」
山上は目の前に建てられた廃ビルを見て言った。
正直に言おう。俺も驚いている最中である。
本来はこの展開だと明らかに迷い続けるものだったはずだ。
しかし、普通に道を進んでいるとたどり着いたのである。
目の前にある大きな廃ビル。
なぜこんな山奥にビルを作ったかは疑問だが、人がいなくなって随分と長い月日が経っているようである。
「よし、乗り込むか」
俺は突入する覚悟を決める。
山上は俺の意見に同意するようで、一度頷くと誰もいない廃工場へ足を進めるのであった。
俺は数日前なら魔王軍幹部とまさか再び戦うことになろうとは思ってもみなかった。
もしかしたら、これが俺が第二の人生をこの世界でこの俺への試練なのだろう。
だとしたら、いくらなんでも酷すぎる事ではないだろうか。
予想していた異世界とは少し違う。
鍵穴の形のシミがあるだけで魔王軍に狙われる。
そもそもこの世界を望んでいない。
この三つでもう試練だと思う。
まぁ、それなりの謝罪と代償は貰った気がするが、あの女には謝ってもらっていない。
いずれ会ったら謝って貰おう。
そんな事を考えている俺は気づいた。
これって死亡フラグ?
そんな中でも俺は更に気づいたことがあった。
俺が下手な人生の回想をしている間に山上が一人で突入してしまったのだ。
歩き始めた時間は同じはずなのだが、あいつの方が歩幅が大きいのだろうか。
俺がそのままの歩幅で歩いていくと既に山上は突入を始めていた。
「あいつ……俺を置いて行きやがって」
廃ビルの中からさまざまな叫び声が聞こえる。
やはり、幹部の手下が何人か中にいたのだろう。
しかし、山上が敵に対して無双しているのだ。
俺は山上を追いかけるように一人で突入することになった。
廃ビルの中は真っ暗でうす気味悪い。
まぁ、廃ビルだから当たり前はある。
だが、怖いものは怖いのだ。
まるで肝試しをしそうな場所である。
いや、訂正する。事件現場だ。
なぜなら付喪神達の死体が無惨にも散らばっている状況だったからである。
「ちなみに付喪神って死体あるの?」という疑問はお答えできない。
俺も付喪神の事は完璧には理解していないのだ。
「やっぱり幽霊に会った事があってもこういう怖い場所は慣れないものだな。
誰かいないのか? 山上ー。
殺そうとしたことは許してやるから出てきてよ。
一人は怖…いや、お前にもしもの事があったらあいつらに会わす顔がないからな」
正直、この先が不安なのだ。
いや、こんな場所に誘き寄せられて、不安がらない方がおかしいだろう。
俺は辺りを警戒し、死体を見ないようにしながら道を歩いていく。
いつまで歩いても薄暗くてよく見えない。
足元も暗い状態で歩いていると、
「明山ー」
先から誰かが俺の名前を呼んでいる声が聞こえた。
その声に導かれて向かうと、その声の主は山上であった。
明山を呼んでいた山上だったが、彼は青ざめた顔で古びたドアを指さしていた。
「どうしたんだよ。何かあったのか?」
嫌な予感がしたので一応聞き出そうとしたが、山上は無言でしばらくの間、黙っていた。
そんな山上が三分後ようやく説明を始めたのだ。
「ここはヤバイ。開けた瞬間分かった。明らかに罠だ。だが、今までに見た中で一番異様な罠だった」
罠だとわかる部屋なんてあるのだろうか。
普通なら罠だと分からない部屋にするべきなのだ。
しかし、異様な罠とはいったいなんなのだろう。
だが、罠だとしてもここで止まるわけにはいかない。
「おい、明山」
山上が止めるのも聞かずに俺は恐る恐るドアを開いた。
そこには……そこにいたのは、あってはならないあり得ない光景だった。
その部屋には沢山の女の子がいたのだ。
真っ赤なドレスとか、
メイド服とか、
藍色のヴィジュアル系な服とか、
ロックバンドが着そうな服とか、
ボーイッシュな服とか、
和服とか、
パーティードレスとか、
騎士の鎧みたいなのとか、
紅色のチャイナドレスとか、
真っ白のドレスとか、
漆黒のドレスとか、
ふわふわしてそうな服とか、
ゴスロリとか、
しかし、ひとりひとり服の種類は違う。
だが、人間は全員同じなのである。
着ている服は様々なものだが、顔も、慎重も同じなのだ。
同一人物が三十人ほどその部屋にはいた。
「はぁァァァァァァァァ!?」
俺はその光景を見た瞬間に思わず叫ばずにはいられなかった。
それはすべてが黒帝黒であったのだ。
「ここはどこなんだぁぁぁぁぁぁ!?」
俺の叫びが山の中に木霊する。
風が木々の間を通り抜けてざわめいて、鳥の羽音がどこからか聞こえてくる。
それくらい山の奥深くで俺たちは道に迷っていた。
「全く、事前に場所くらい調べてておくものだろ」
そう言いながら呆れている山上だったが、
「お前だって今、調べ直してるだろ」
俺は必死さを隠しながらスマホで現在地を探している山上を呆れ顔で見る。
俺達は山の中で遭難したのか?
ソウナンです。
……などというギャグは言うものではない。
言うと後悔するものだ。
さて、冗談はさておき俺達は山の中で廃ビルを見つけられずにいた。
「よし、こっちに行ってみよう」
じっとして迷っても仕方がないと思い、俺は山上を引っ張って道を進もうとすると…。
「おい、ちょっと待て。今、アプリ開いてるから。これ以上迷ったら」
山上の訴えを聞きもせず俺は再び歩き始めたのだ。
先ほどから俺達が迷っているここは理市にある山。
理市は自然と喉かな風景に囲まれた都市である。
山々に囲まれ沢山の村も海もあり、未開の地も数多くある。
そんなRPGで言う“未開の森”的な場所に魔王軍幹部のアジトがあるのだ。
「──ほんとにたどり着いた」
山上は目の前に建てられた廃ビルを見て言った。
正直に言おう。俺も驚いている最中である。
本来はこの展開だと明らかに迷い続けるものだったはずだ。
しかし、普通に道を進んでいるとたどり着いたのである。
目の前にある大きな廃ビル。
なぜこんな山奥にビルを作ったかは疑問だが、人がいなくなって随分と長い月日が経っているようである。
「よし、乗り込むか」
俺は突入する覚悟を決める。
山上は俺の意見に同意するようで、一度頷くと誰もいない廃工場へ足を進めるのであった。
俺は数日前なら魔王軍幹部とまさか再び戦うことになろうとは思ってもみなかった。
もしかしたら、これが俺が第二の人生をこの世界でこの俺への試練なのだろう。
だとしたら、いくらなんでも酷すぎる事ではないだろうか。
予想していた異世界とは少し違う。
鍵穴の形のシミがあるだけで魔王軍に狙われる。
そもそもこの世界を望んでいない。
この三つでもう試練だと思う。
まぁ、それなりの謝罪と代償は貰った気がするが、あの女には謝ってもらっていない。
いずれ会ったら謝って貰おう。
そんな事を考えている俺は気づいた。
これって死亡フラグ?
そんな中でも俺は更に気づいたことがあった。
俺が下手な人生の回想をしている間に山上が一人で突入してしまったのだ。
歩き始めた時間は同じはずなのだが、あいつの方が歩幅が大きいのだろうか。
俺がそのままの歩幅で歩いていくと既に山上は突入を始めていた。
「あいつ……俺を置いて行きやがって」
廃ビルの中からさまざまな叫び声が聞こえる。
やはり、幹部の手下が何人か中にいたのだろう。
しかし、山上が敵に対して無双しているのだ。
俺は山上を追いかけるように一人で突入することになった。
廃ビルの中は真っ暗でうす気味悪い。
まぁ、廃ビルだから当たり前はある。
だが、怖いものは怖いのだ。
まるで肝試しをしそうな場所である。
いや、訂正する。事件現場だ。
なぜなら付喪神達の死体が無惨にも散らばっている状況だったからである。
「ちなみに付喪神って死体あるの?」という疑問はお答えできない。
俺も付喪神の事は完璧には理解していないのだ。
「やっぱり幽霊に会った事があってもこういう怖い場所は慣れないものだな。
誰かいないのか? 山上ー。
殺そうとしたことは許してやるから出てきてよ。
一人は怖…いや、お前にもしもの事があったらあいつらに会わす顔がないからな」
正直、この先が不安なのだ。
いや、こんな場所に誘き寄せられて、不安がらない方がおかしいだろう。
俺は辺りを警戒し、死体を見ないようにしながら道を歩いていく。
いつまで歩いても薄暗くてよく見えない。
足元も暗い状態で歩いていると、
「明山ー」
先から誰かが俺の名前を呼んでいる声が聞こえた。
その声に導かれて向かうと、その声の主は山上であった。
明山を呼んでいた山上だったが、彼は青ざめた顔で古びたドアを指さしていた。
「どうしたんだよ。何かあったのか?」
嫌な予感がしたので一応聞き出そうとしたが、山上は無言でしばらくの間、黙っていた。
そんな山上が三分後ようやく説明を始めたのだ。
「ここはヤバイ。開けた瞬間分かった。明らかに罠だ。だが、今までに見た中で一番異様な罠だった」
罠だとわかる部屋なんてあるのだろうか。
普通なら罠だと分からない部屋にするべきなのだ。
しかし、異様な罠とはいったいなんなのだろう。
だが、罠だとしてもここで止まるわけにはいかない。
「おい、明山」
山上が止めるのも聞かずに俺は恐る恐るドアを開いた。
そこには……そこにいたのは、あってはならないあり得ない光景だった。
その部屋には沢山の女の子がいたのだ。
真っ赤なドレスとか、
メイド服とか、
藍色のヴィジュアル系な服とか、
ロックバンドが着そうな服とか、
ボーイッシュな服とか、
和服とか、
パーティードレスとか、
騎士の鎧みたいなのとか、
紅色のチャイナドレスとか、
真っ白のドレスとか、
漆黒のドレスとか、
ふわふわしてそうな服とか、
ゴスロリとか、
しかし、ひとりひとり服の種類は違う。
だが、人間は全員同じなのである。
着ている服は様々なものだが、顔も、慎重も同じなのだ。
同一人物が三十人ほどその部屋にはいた。
「はぁァァァァァァァァ!?」
俺はその光景を見た瞬間に思わず叫ばずにはいられなかった。
それはすべてが黒帝黒であったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
朝敵、まかり通る
伊賀谷
歴史・時代
これが令和の忍法帖!
時は幕末。
薩摩藩が江戸に総攻撃をするべく進軍を開始した。
江戸が焦土と化すまであと十日。
江戸を救うために、徳川慶喜の名代として山岡鉄太郎が駿府へと向かう。
守るは、清水次郎長の子分たち。
迎え撃つは、薩摩藩が放った鬼の裔と呼ばれる八瀬鬼童衆。
ここに五対五の時代伝奇バトルが開幕する。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる