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第9章 どうやらエルタは八虐の不義のようです。
月夜の決闘
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明山は城外へと殴り飛ばす。
あとは、もう彼がトドメを差すだけである。
外に出ると、彼の体は満月に照らされた。
廃城から出てきた彼に、付喪連盟と冒険者連盟の戦士達は戦いを挑もうとはしない。
彼らはエルタへの恐怖で動く事が出来なかったのだ。
もしも、この場に黒や生徒会のメンバーがいれば立ち向かっていったかもしれない。
いや、もしかしたら英彦の体という制御が無くなった今のエルタに挑もうとする者はいないかもしれない。
「今日はいい月だなぁ~。満月はいい、美しい。しかし、今日はお月見かぁ?
これほどの観客がいたとはな。お前らは後で相手をしてやろう。まぁ、俺の精神支配にかかったお前らに興味はないがな。そのまま邪魔をしてもらっては困る」
エルタはゆっくりと俺の方へと近づいてくる。
物音ひとつ無くなった中を一歩、また一歩。
俺の飛ばされた場所には土煙が舞ったまま。
俺の意識は失われる寸前であった。
エルタの声も歩いてくる足音も俺には聞こえていた。
だが、体を動かしたかったのだが言うことを聞いてくれないのだ。
英彦の体の中にいたと言う制御が無くなったからエルタの力が上がったのか。
五百円モードの使いすぎでオーバーヒートしたのか。
おそらく両方だろうが、既に俺の体は疲労しきっていたのだ。
だが、エルタは俺がそんな事になっているとは知らずに勘違いしているようだった。
「ん? まさか死んだのかぁ?
フハハハハハハハハ!!!
やった。やったぞ。これが悪魔の力…魔法の力。
終わった。俺の天敵に成りうる存在はもういないのだ。
これで…これで俺は頂点で支配する事が出来る。
人類よ。
生物よ。
モンスターよ。
付喪神よ。
この俺に支配される事を光栄に思うがいい。
この魔王軍幹部 八虐 である不義の大悪魔 エルタによって世界は秩序で縛られるのだ」
エルタの安心しきった笑い声が満月の深夜に響き渡った。
その時、そんな彼の世界に響き渡ったもう一つの音が……。
「一円イン」
〈一円 一円 一円〉
その音にエルタが、あと一秒早く気づいていれば良かったのだ。
体の角度を変えていれば良かったのだ。
土煙からまるで銃弾のように放たれた一円は速度を落とすこともなくエルタの体を貫いたのだ。
「なぅあにィィィいい!!!!!!!」
エルタの体にできた銃傷から血が流れ落ちている。
エルタは今まで以上のイラつきを抑えながら土煙の中を睨み付ける。
エルタに睨み付けられて少しだけ恐怖を感じたが、これから奴をどんな方法で倒しても恐怖も後悔もない。
あいつは死神さんを殺した死神さんの仇なのだ。
それに完全復活の為に犠牲になった魂達の為。
彼らの為に仇を討たなければならないのだ。
「こいよエルタ。正真正銘最後の一発だ。もう終わりにしようぜ」
俺がエルタを挑発すると、エルタはその挑発に乗ってくれた。
「俺の勝利を踏みにじりやがって……。
フッ、良いだろう。本気の一撃だ。
お前の心臓を、殴った振動で止めてやろうではないか」
お互いがそれぞれの距離を縮めていく。
そして、お互いに間合を詰める。
あとはただ静かに時を待つだけであった。
そして、遂にその火蓋が切って落とされた。
それは月に雲がかかった瞬間である。
早速俺はその時への準備に取りかかった。
「十円イン……」
〈十円 十円 十円 〉
後は時を待つだけである。
そのまま立ち続けて二分後。
遂にその時は来た。
満月に雲がかかった瞬間。
「『十円パンチ 金』
おりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「オールボワール。明山ァァァァ!!!」
お互いの拳が相手の体に当たった。
満月にかかった雲が離れて、月明かりが再び大地を照らしだす。
「ガハッ!?」
俺はその場から後退りして吐血を起こした。
口から出ている血に驚いている俺を見て、エルタは笑っていた。
「フハハハハハハハハハ!!!!」
その時、チャリンと何かが地面に落ちる音が響いた。
それも一つではない。一つ二つ三つ。
「ん? これは一円玉?
なぜ、俺の足元に落ちているんだ?
ポケットから落としたのか?」
エルタが地面に落ちた一円玉を拾ってポケットに入れ直した。
だが、再びチャリンチャリンと一円玉は落ち続けている。
チャリン…チャリン…チャリン…チャリン…チャリン…。
「──これは、これはまさか。そんなバカな。
このエルタが…このエルタ自身が……。
この俺自身の体が一円玉へと化しているのかァァァァ?」
エルタの体から大量の一円玉が現れているのだ。
自身の体を崩しながら……。
「あれを…あれを行わなければ……。
いや、もう間に合わん。あり得ない。
この大悪魔…エルタが…。俺がァァァァァ。
新世界…の王…となるべき器が…。こんな…無様に…この…エ………ル………」
チャリン…。
「大悪魔エルタ。
確かに敵討ちさせてもらった。
お前は人間を下に見すぎてたんだ……」
満月が沈み始め、いつも通りの朝が始まろうとしている。
「もう悪魔としてでなく、人として成仏しろよ。
俺はお前のおかげで仲間の大切さを知ったよ。
やっぱり、自分の仲間を殴るのはけっこう効いたぜ…………」
俺は、体に力が入らなくなり、地面に倒れこんでしまった。
そして、俺の意識がどんどん遠退いていくのを感じたまま、俺は目を閉じる。
あとは、もう彼がトドメを差すだけである。
外に出ると、彼の体は満月に照らされた。
廃城から出てきた彼に、付喪連盟と冒険者連盟の戦士達は戦いを挑もうとはしない。
彼らはエルタへの恐怖で動く事が出来なかったのだ。
もしも、この場に黒や生徒会のメンバーがいれば立ち向かっていったかもしれない。
いや、もしかしたら英彦の体という制御が無くなった今のエルタに挑もうとする者はいないかもしれない。
「今日はいい月だなぁ~。満月はいい、美しい。しかし、今日はお月見かぁ?
これほどの観客がいたとはな。お前らは後で相手をしてやろう。まぁ、俺の精神支配にかかったお前らに興味はないがな。そのまま邪魔をしてもらっては困る」
エルタはゆっくりと俺の方へと近づいてくる。
物音ひとつ無くなった中を一歩、また一歩。
俺の飛ばされた場所には土煙が舞ったまま。
俺の意識は失われる寸前であった。
エルタの声も歩いてくる足音も俺には聞こえていた。
だが、体を動かしたかったのだが言うことを聞いてくれないのだ。
英彦の体の中にいたと言う制御が無くなったからエルタの力が上がったのか。
五百円モードの使いすぎでオーバーヒートしたのか。
おそらく両方だろうが、既に俺の体は疲労しきっていたのだ。
だが、エルタは俺がそんな事になっているとは知らずに勘違いしているようだった。
「ん? まさか死んだのかぁ?
フハハハハハハハハ!!!
やった。やったぞ。これが悪魔の力…魔法の力。
終わった。俺の天敵に成りうる存在はもういないのだ。
これで…これで俺は頂点で支配する事が出来る。
人類よ。
生物よ。
モンスターよ。
付喪神よ。
この俺に支配される事を光栄に思うがいい。
この魔王軍幹部 八虐 である不義の大悪魔 エルタによって世界は秩序で縛られるのだ」
エルタの安心しきった笑い声が満月の深夜に響き渡った。
その時、そんな彼の世界に響き渡ったもう一つの音が……。
「一円イン」
〈一円 一円 一円〉
その音にエルタが、あと一秒早く気づいていれば良かったのだ。
体の角度を変えていれば良かったのだ。
土煙からまるで銃弾のように放たれた一円は速度を落とすこともなくエルタの体を貫いたのだ。
「なぅあにィィィいい!!!!!!!」
エルタの体にできた銃傷から血が流れ落ちている。
エルタは今まで以上のイラつきを抑えながら土煙の中を睨み付ける。
エルタに睨み付けられて少しだけ恐怖を感じたが、これから奴をどんな方法で倒しても恐怖も後悔もない。
あいつは死神さんを殺した死神さんの仇なのだ。
それに完全復活の為に犠牲になった魂達の為。
彼らの為に仇を討たなければならないのだ。
「こいよエルタ。正真正銘最後の一発だ。もう終わりにしようぜ」
俺がエルタを挑発すると、エルタはその挑発に乗ってくれた。
「俺の勝利を踏みにじりやがって……。
フッ、良いだろう。本気の一撃だ。
お前の心臓を、殴った振動で止めてやろうではないか」
お互いがそれぞれの距離を縮めていく。
そして、お互いに間合を詰める。
あとはただ静かに時を待つだけであった。
そして、遂にその火蓋が切って落とされた。
それは月に雲がかかった瞬間である。
早速俺はその時への準備に取りかかった。
「十円イン……」
〈十円 十円 十円 〉
後は時を待つだけである。
そのまま立ち続けて二分後。
遂にその時は来た。
満月に雲がかかった瞬間。
「『十円パンチ 金』
おりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「オールボワール。明山ァァァァ!!!」
お互いの拳が相手の体に当たった。
満月にかかった雲が離れて、月明かりが再び大地を照らしだす。
「ガハッ!?」
俺はその場から後退りして吐血を起こした。
口から出ている血に驚いている俺を見て、エルタは笑っていた。
「フハハハハハハハハハ!!!!」
その時、チャリンと何かが地面に落ちる音が響いた。
それも一つではない。一つ二つ三つ。
「ん? これは一円玉?
なぜ、俺の足元に落ちているんだ?
ポケットから落としたのか?」
エルタが地面に落ちた一円玉を拾ってポケットに入れ直した。
だが、再びチャリンチャリンと一円玉は落ち続けている。
チャリン…チャリン…チャリン…チャリン…チャリン…。
「──これは、これはまさか。そんなバカな。
このエルタが…このエルタ自身が……。
この俺自身の体が一円玉へと化しているのかァァァァ?」
エルタの体から大量の一円玉が現れているのだ。
自身の体を崩しながら……。
「あれを…あれを行わなければ……。
いや、もう間に合わん。あり得ない。
この大悪魔…エルタが…。俺がァァァァァ。
新世界…の王…となるべき器が…。こんな…無様に…この…エ………ル………」
チャリン…。
「大悪魔エルタ。
確かに敵討ちさせてもらった。
お前は人間を下に見すぎてたんだ……」
満月が沈み始め、いつも通りの朝が始まろうとしている。
「もう悪魔としてでなく、人として成仏しろよ。
俺はお前のおかげで仲間の大切さを知ったよ。
やっぱり、自分の仲間を殴るのはけっこう効いたぜ…………」
俺は、体に力が入らなくなり、地面に倒れこんでしまった。
そして、俺の意識がどんどん遠退いていくのを感じたまま、俺は目を閉じる。
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