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15.5章 魔崩叡者霊興大戦ラスバルム(東)
中野紅葉、大楠巳汝率いる東軍
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魔王城東。
この魔王城を囲むように分けられた仕切りで、魔王城を中心に4方向に延びたあらゆる魔法を無効化する壁。“魔王壁”に分けられた東側。
この場に呼ばれた連盟同盟は300人。
その中にいる王レベルは『中野紅葉(なかのもみじ)』と『大楠巳汝(おおぐすしなれ)』の女子チームである。
────────────────────────
この300人が鏡に飛び込み、まず最初に見た光景は魔王城の目の前に整列させられている異質で異様な物体や玩具の大軍であった。
その中にある大きな玉座に座っているのは年端も行かぬ小さな少年。
遠目から見ると、年は11才くらいに見える。
金色と赤色の王冠をずれ落ちそうになりながらも頭に被り、翡翠色(ひすい)の髪と猫目で紅紫色の瞳に八重歯が目立ち、少し目の下にクマが出来ている童顔の少年。
彼は連盟同盟を待ち望んでいたかのようにキャッキャとはしゃぎながら玉座の上に立ち上がると、マイクを手にとって舞台の前座でも行うかのような口調で彼らを歓迎し始めた。
「ようこそ~。余のパレードへ!!」
嬉しそうに両手をあげて、天を見上げながらこの祝福を心から喜んでいる。
そして、その側にあったクラッカーのようなイキモノがお祝いをするかのように自分の紐を引っ張ると、パンッという大きな音と共に赤い流血が前のモノにかかる。
主の嬉しさに反応した数体の風船みたいなモノは、
「いやだ。いやだ。いやだ。いやだ」と助けを乞いながら、自分の意思とは反対に空へと飛び立つと、「ギャァァァ」という断末魔と共に割れた。
あまりにも不気味な怪異な光景を見せられる連盟同盟達。
「申し遅れました。キャハッ。
余の名は『恐(おそれ)』。八虐から封印されし十悪の 不睦(むつまじからず)の称号を手にした者。
いや~強そうなモノがあちらこちらにチラチラと見えるのは余も嬉しい限りだよ」
クラッカーと風船で彼らを出迎えた恐と名乗る少年は、自らを十悪の不睦と名乗った。
そして、連盟同盟に向かって丁寧にお辞儀を行うと再び語り始める。
「それじゃあ、設定説明からね。
これからここは余の舞台であり、遊技場であり、玩具箱。君たちはみんな余の動かす通りに動けばいいただの操り人形。配役は守ってよ?」
設定説明?遊技場?玩具箱?配役?
おそらく連盟同盟の全員が彼の言うことが理解できてはいない。
これから戦うというのに、この若き少年はまるで自分が遊戯を始める現場監督のように設定を語り始めたのだ。
「余の正義の軍団は悪の君達を打ち倒す。これが台本。簡単だよね?」
連盟同盟達を無視しながら設定の話を進める恐。
すると、さすがに我慢できなくなったのだろうか。
ようやく連盟同盟のうちの1人がその少年に大声で口を出す。
「なに言ってるんだガキ!!
俺たちは遊びに来たんじゃないぞ!!」
「「「そうだ。そうだー」」」
彼に続けて飛び交う恐への反論。
しかし、恐はマイクをおくこともなく、反論した者達を煽り返す。
「あれれ~? 君達は子供の遊びに付き合ってあげないのォ?
シシシッ、つまらない大人だねぇ~。その想像力を使って考えてみなよ~。あっ子供いないのか……。ごめんね~シシシッ」
子供がいない所か愛人もいないのだろうか。
その反論した者達は急に先程までの大声や反論を言うことをやめてしまった。
そんな彼らが少しかわいそうに思ったのだろうか。
さらに彼らを恐の煽りが襲う。
「─────かわいそうに子供心が社会に消されて無くなってるよ?
かわいそうかわいそう~。シシシッ!!
でも余はそんな君達を見棄てない。玩具は大切に使わなきゃだからね」
言い方からして彼らを慰めているように聞こえるが、その心はこもっていない上っ面の同情。
やはり、彼は連盟同盟達を格下に見ているようだった。
反論勢を黙らせた恐が今度は何をするかというと、自分の軍団達を指差しながら、大人たちに自らの軍団を自慢し始めた。
「こいつらは余の正義の軍団。モデルは百鬼夜行さ。壊れてもいい使い捨ての余の傑作たちさ。すごいだろォ?」
この世の物が崩れ古びたような不気味な道具達。
廃棄処分されかけの所々壊れた付喪神達。
明らかにこの世に恨みを持った黄泉の世界の住人のような見た目であるから百鬼夜行と言われても納得がいく。
「気色悪い………」
「さすがにこりゃ使えんば~い……」
思わず、少年のセンスを疑ってしまい小さな声で愚痴を呟く大楠と紅葉。
しかし、この数十メートルも離れているというのに、恐には2人の愚痴が聞こえたようだ。
「へぇ~そこのおねーちゃん達センスいいね。数百年ぶりにいい人見つけちゃった」
彼は2人の罵倒に何故か嬉しそうに反応してくる。
子どもとは言えども、不気味で奇怪で最低だ。
「──大人をなめてるんですか?」
耐えきれず大楠はこそっと小さな声で呟く。
だが、もちろん恐にはその声が耳に届いている。
その発言を聞いた恐はキャッキャと子供らしく喜びを体で表すと、紅葉と大楠に向かって宣戦布告を行う。
「よし、決ーめた。余の相手はお前ら2人だ。シシシッ……。余が殺してあげる」
「「売られた喧嘩は例え、子どもでも上等!!」」
恐からの宣戦布告を受け取った紅葉と大楠は、そう言いながら恐のいる方角に剣先を向けていた。
「それじゃあ、行けェー!!」
恐が合図を出した瞬間、動き出すモノの百鬼夜行達。
ガタガタギシギシと身体中が痛むような音を出しながら、古びた道具は動き出す。
その軍勢はまさに百鬼夜行。
人外である黄泉からの軍隊は、生気も出さず道具として、合戦での足軽達のように連盟同盟に向かって走り出した。
だんだんこちらへと走ってくるモノの大軍勢。
連盟同盟の戦士達は自らの武器や道具を構えて準備を整えた。
「みんな、かかれぇぇ!!!」
大楠の合図に連盟達は自らの武器を空に掲げながら、
「「「オオオオッーー!!!」」」
……とはち切れんばかりの大声を出して、モノの大群に向かって走り出す。
そう、これはまさに大合戦である。
今まさに百鬼夜行vs付喪人&冒険者の戦いの火蓋が切られたのだ。
この魔王城を囲むように分けられた仕切りで、魔王城を中心に4方向に延びたあらゆる魔法を無効化する壁。“魔王壁”に分けられた東側。
この場に呼ばれた連盟同盟は300人。
その中にいる王レベルは『中野紅葉(なかのもみじ)』と『大楠巳汝(おおぐすしなれ)』の女子チームである。
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この300人が鏡に飛び込み、まず最初に見た光景は魔王城の目の前に整列させられている異質で異様な物体や玩具の大軍であった。
その中にある大きな玉座に座っているのは年端も行かぬ小さな少年。
遠目から見ると、年は11才くらいに見える。
金色と赤色の王冠をずれ落ちそうになりながらも頭に被り、翡翠色(ひすい)の髪と猫目で紅紫色の瞳に八重歯が目立ち、少し目の下にクマが出来ている童顔の少年。
彼は連盟同盟を待ち望んでいたかのようにキャッキャとはしゃぎながら玉座の上に立ち上がると、マイクを手にとって舞台の前座でも行うかのような口調で彼らを歓迎し始めた。
「ようこそ~。余のパレードへ!!」
嬉しそうに両手をあげて、天を見上げながらこの祝福を心から喜んでいる。
そして、その側にあったクラッカーのようなイキモノがお祝いをするかのように自分の紐を引っ張ると、パンッという大きな音と共に赤い流血が前のモノにかかる。
主の嬉しさに反応した数体の風船みたいなモノは、
「いやだ。いやだ。いやだ。いやだ」と助けを乞いながら、自分の意思とは反対に空へと飛び立つと、「ギャァァァ」という断末魔と共に割れた。
あまりにも不気味な怪異な光景を見せられる連盟同盟達。
「申し遅れました。キャハッ。
余の名は『恐(おそれ)』。八虐から封印されし十悪の 不睦(むつまじからず)の称号を手にした者。
いや~強そうなモノがあちらこちらにチラチラと見えるのは余も嬉しい限りだよ」
クラッカーと風船で彼らを出迎えた恐と名乗る少年は、自らを十悪の不睦と名乗った。
そして、連盟同盟に向かって丁寧にお辞儀を行うと再び語り始める。
「それじゃあ、設定説明からね。
これからここは余の舞台であり、遊技場であり、玩具箱。君たちはみんな余の動かす通りに動けばいいただの操り人形。配役は守ってよ?」
設定説明?遊技場?玩具箱?配役?
おそらく連盟同盟の全員が彼の言うことが理解できてはいない。
これから戦うというのに、この若き少年はまるで自分が遊戯を始める現場監督のように設定を語り始めたのだ。
「余の正義の軍団は悪の君達を打ち倒す。これが台本。簡単だよね?」
連盟同盟達を無視しながら設定の話を進める恐。
すると、さすがに我慢できなくなったのだろうか。
ようやく連盟同盟のうちの1人がその少年に大声で口を出す。
「なに言ってるんだガキ!!
俺たちは遊びに来たんじゃないぞ!!」
「「「そうだ。そうだー」」」
彼に続けて飛び交う恐への反論。
しかし、恐はマイクをおくこともなく、反論した者達を煽り返す。
「あれれ~? 君達は子供の遊びに付き合ってあげないのォ?
シシシッ、つまらない大人だねぇ~。その想像力を使って考えてみなよ~。あっ子供いないのか……。ごめんね~シシシッ」
子供がいない所か愛人もいないのだろうか。
その反論した者達は急に先程までの大声や反論を言うことをやめてしまった。
そんな彼らが少しかわいそうに思ったのだろうか。
さらに彼らを恐の煽りが襲う。
「─────かわいそうに子供心が社会に消されて無くなってるよ?
かわいそうかわいそう~。シシシッ!!
でも余はそんな君達を見棄てない。玩具は大切に使わなきゃだからね」
言い方からして彼らを慰めているように聞こえるが、その心はこもっていない上っ面の同情。
やはり、彼は連盟同盟達を格下に見ているようだった。
反論勢を黙らせた恐が今度は何をするかというと、自分の軍団達を指差しながら、大人たちに自らの軍団を自慢し始めた。
「こいつらは余の正義の軍団。モデルは百鬼夜行さ。壊れてもいい使い捨ての余の傑作たちさ。すごいだろォ?」
この世の物が崩れ古びたような不気味な道具達。
廃棄処分されかけの所々壊れた付喪神達。
明らかにこの世に恨みを持った黄泉の世界の住人のような見た目であるから百鬼夜行と言われても納得がいく。
「気色悪い………」
「さすがにこりゃ使えんば~い……」
思わず、少年のセンスを疑ってしまい小さな声で愚痴を呟く大楠と紅葉。
しかし、この数十メートルも離れているというのに、恐には2人の愚痴が聞こえたようだ。
「へぇ~そこのおねーちゃん達センスいいね。数百年ぶりにいい人見つけちゃった」
彼は2人の罵倒に何故か嬉しそうに反応してくる。
子どもとは言えども、不気味で奇怪で最低だ。
「──大人をなめてるんですか?」
耐えきれず大楠はこそっと小さな声で呟く。
だが、もちろん恐にはその声が耳に届いている。
その発言を聞いた恐はキャッキャと子供らしく喜びを体で表すと、紅葉と大楠に向かって宣戦布告を行う。
「よし、決ーめた。余の相手はお前ら2人だ。シシシッ……。余が殺してあげる」
「「売られた喧嘩は例え、子どもでも上等!!」」
恐からの宣戦布告を受け取った紅葉と大楠は、そう言いながら恐のいる方角に剣先を向けていた。
「それじゃあ、行けェー!!」
恐が合図を出した瞬間、動き出すモノの百鬼夜行達。
ガタガタギシギシと身体中が痛むような音を出しながら、古びた道具は動き出す。
その軍勢はまさに百鬼夜行。
人外である黄泉からの軍隊は、生気も出さず道具として、合戦での足軽達のように連盟同盟に向かって走り出した。
だんだんこちらへと走ってくるモノの大軍勢。
連盟同盟の戦士達は自らの武器や道具を構えて準備を整えた。
「みんな、かかれぇぇ!!!」
大楠の合図に連盟達は自らの武器を空に掲げながら、
「「「オオオオッーー!!!」」」
……とはち切れんばかりの大声を出して、モノの大群に向かって走り出す。
そう、これはまさに大合戦である。
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