うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

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告白バーベキュー

川のほとりへ

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「姉ちゃん、酒置いてってる」

魁十がテーブルに缶チューハイを置くと、難波さんに頭を下げてバーベキューコンロに戻って行った。

「彼ですか?」
「まあ、弟なんでそりゃ大切ではありますね」
「本当に仲の良い姉弟ですね」

難波さんの笑顔が寂しそうに見えたのは初めて……。

「あの、本当にごめんなさい」
「いえ、好きだとは言ってもらえて、嬉しいです」
「はい、好きです。付き合えないけど、好きです」
「複雑だなあ」

車が止まり、浜崎さんたちが来たと言うので自分のブースに戻る。
車から降りて来た浜崎さんと女性が更に3人追加。
買い出しに行ってた人も帰って来て、男性4人に女性5人。そろいもそろって露出が多い。ここビーチでしたっけ。

難波さんって、私服の浜崎さん含め、とてもチャラそうに見える人たちとも仲良くできるんだな。

すごい。
真面目キャラでありながら交友関係がすごく広い。
誰とでも仲良くできるところもすごいなって、もはや尊敬してます。

「また酒置いて来たな。姉ちゃん、ついて来て」

魁十に手招かれたんじゃ、どこまでもついてっちゃう。

山道を進んでいく魁十を追う。
なかなか険しいルート行くな。さすがはパパの息子。山となると血が騒ぐのかしら。

「紗夜、足元気を付けて。おいで」

木々に囲まれた山の中でも、魁十を照らす太陽はまぶしく輝く。
笑顔でこちらに手を伸ばす魁十……輝いてるのは太陽じゃなくて魁十の方だった。え、王子様?

うちの弟が美しすぎて白馬に乗った王子様が現れたのかと思った。
魁十の手を握ると、グッと引き上げてくれる。

ほんと、手も大きくなった。
高校生くらいまでは私の方が大きかったのに、いつの間にこんなに差が付いたんだろう。

「うわ! 綺麗な川~」

サラサラと細い川が流れている。
細いけど深そう。めちゃくちゃ透明度が高くて、川底の小石や名前は分からない動く生き物までよく見える。

「この川すげえ冷てえの」

魁十が川に手を突っ込み、缶チューハイを手渡す。
魁十もジュースをプシュッと開ける。

「ほんとだ! クーラーボックスのより冷たい!」
「だろ」

川のほとりに座り込んで、魁十と並ぶ。
自然の中にいるこの感覚。懐かしい……パパが亡くなってまだ間がなくて、パパがいなくなってから山登りしてなかったことにも気付いてなかった。

「また3人でも山登ろうね」
「うん。母さんの休みと姉ちゃんの休み合わせてよ」
「ママ率先して土日祝にシフト入れちゃうからなあ」
「まだ一番新人らしいからね。夜勤も多いし」
「がんばってるよね。私を妊娠してからずっと専業主婦だったのに」
「姉ちゃんもがんばってるよ。仕事続いてるじゃん」
「それは、人に恵まれたからだよ。いい人たちばっかり」

バイトでなじめなかった経験しかなかったから、採用の連絡が来ても不安だった。でも魁十が

「合わなかったら無理しなくていい。姉ちゃんに合う職場はあるよ。それがこの会社かどうかなんて、行ってみなきゃ分かんないだろ」

と背中を押してくれた。

今は、心からこの会社に入って良かったと思う。
素敵な出会いをありがとう。

「なんか顔あつ……カイ、これアルコール9%もあるよ」
「コンビニにストロングかほろよいしかなかった。姉ちゃん3%じゃ物足りないだろ」
「それはそう。ストロングなんて酔っちゃいそう」
「酔えばいいじゃん」

強アルコールだとは感じさせない果汁感。
おいしい。ハマりそう。

「やだあ、お姉ちゃん酔わせてどうすんのー?」
「襲う」

え?
明らかな冗談にマジトーンで返されて、驚いて魁十を見ると真面目な顔してる。

「俺らはさあ、山に慣れてるから登れたけど、慣れてない人には無理だよ。助けは来ない」
「え……魁十?」

うちの弟どうしちゃったんだろ。
迫り来る魁十の目に映る自分が見える。
ほんと、綺麗な目。幻みたいで、何を考えているのかまるで読めない。
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