うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車

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幸せの連鎖

奇跡

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「河合さん、足首……腫れてきてる」
「あ……痛っ」

ヒールが折れた方、右足首が赤く腫れている。
ヒョイと、おもむろに大輝くんが河合さんをお姫様抱っこした。

「朝倉さん。河合さんの靴、処分しといてもらえますか」
「分かりました」

見知らぬ女子二人がオロオロと大輝くんを見つめる。
大輝くんはニッコリ笑った。

「すみません、ケガ人の手当てをしたいので帰ります」
「あ、あの、良かったら連絡先だけでも……」
「急ぎますので。失礼します」

あの大輝くんがかわいい女の子の誘いよりもケガ人の手当てを優先?!

河合さんの様子は見えないけど、ドキドキが伝わってくるみたい。
嬉しいだろうな……私たちはネガティブキャンペーンと銘打って、コツコツと大輝くんのクズっぷりをお伝えしてきた。

もしかしたら、河合さんの思いが少しだけ大輝くんを変えたのかもしれない。

大輝くんの後ろ姿を眺めながら、そうだったらいいな、と心がほっこりする。
まさか大輝くんにこんな感情を抱く日が来るとは思わなかった。

「河合さん、足大丈夫かな。だいぶ腫れてたけど」
「きっと大丈夫です。大輝くんが手当てするって言ってたじゃないですか」
「ねえ。ビックリしちゃった。一途な思いが奇跡を起こすのかしら」
「起こしますよ、きっと」
「奇跡? 何の?」

もう、男の子は鈍感なんだから。
いぶかしげに眉を寄せる魁十に分かりやすく教えてあげる。

「クズな大輝くんが改心の兆しを見せたんだよ。もう奇跡でしょ」
「改心の兆し? くっそスムーズに女子連れて帰っただけじゃん」
「あ」

たしかに。
映画のワンシーンのような美男美女のお姫様抱っこに印象操作されてたけど、足をケガしているのを理由にやってることはいつも通り。

きっと今頃タクシー拾ってて、河合さんのひとり暮らしの部屋に行くんだろう。

「人間そう簡単には変わらないってことよ、遠山さん」
「そうですね……大輝くんに期待した私が馬鹿でした」
「朝倉さん! 遠山さん! 魁十くん! 今日はありがとうございました!」

弾ける笑顔でなっちゃんが手を振っている。
隣の新郎さんは、私よりも背が低い、丸いメガネに眉の方が太いんじゃないかと思わせる糸のような目の天パ黒髪。
唇は分厚く、ニコニコと常に笑ってるような人。
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