77 / 126
神様と酒盛り
03
しおりを挟む
『ここじゃよ、ここ』
「あ! あなた様は!」
モフ太が声を上げるので、そちらに視線を凝らす。すると、売り物の箱に入ったプリザーブドフラワーの上で寝転がる、小さなおじいさんがいた。
小さなおじいさんって、なんなのよ……。
「もしかして神様ですか?」
尋ねれば、「いかにも」と顎に蓄えた真っ白な髭を撫で上げた。
また私は神様に出会ってしまったらしい。
「店長、ここ、これです!」
店長を引き連れて戻ってきた同僚が、店長の背に隠れながらごみ箱を指さす。モフ太は私が抱いているので、もうごみ箱に変化はない。当然、葉っぱは動かず……。
「望月さんも見ましたよね?」
「えっ? あ、はい」
「そうなの。それで、望月さんはずっとここにいたけど、大丈夫だったの?」
「えっとー、なんかよくわからないけど、治まりましたね?」
「なんだったのかしら? 虫でもいたのかしら?」
「あ、虫かぁ。確かに、それはありえるかも……ひっ!」
「あっ!」
抱えていたモフ太が私の胸を蹴り、再びごみ箱へ。
荒れ狂うごみ箱。
恐怖に怯える同僚と店長。
慌てる私。
自由気まますぎるモフ太を再び引っ掴んだ私に、店長が叫ぶように言う。
「望月さん! 前にもなんか変なのあったわよね。あなた何か見えてない? お祓い! もう一回お祓いお願い! 今すぐ行ってきて!」
確かに、以前千々姫様と出会ったときに私が何か見えざるものと話しているのを店長に見られてお祓いをお願いされたんだった。そりゃ、見えない人にとって見れば得体が知れなくて怖いんだろうな。まったく、モフ太が余計なことするから……。
私は顔を引きつらせながら「わかりました」とモフ太と小さいおじいさんを胸に抱えたのだった。
「あ! あなた様は!」
モフ太が声を上げるので、そちらに視線を凝らす。すると、売り物の箱に入ったプリザーブドフラワーの上で寝転がる、小さなおじいさんがいた。
小さなおじいさんって、なんなのよ……。
「もしかして神様ですか?」
尋ねれば、「いかにも」と顎に蓄えた真っ白な髭を撫で上げた。
また私は神様に出会ってしまったらしい。
「店長、ここ、これです!」
店長を引き連れて戻ってきた同僚が、店長の背に隠れながらごみ箱を指さす。モフ太は私が抱いているので、もうごみ箱に変化はない。当然、葉っぱは動かず……。
「望月さんも見ましたよね?」
「えっ? あ、はい」
「そうなの。それで、望月さんはずっとここにいたけど、大丈夫だったの?」
「えっとー、なんかよくわからないけど、治まりましたね?」
「なんだったのかしら? 虫でもいたのかしら?」
「あ、虫かぁ。確かに、それはありえるかも……ひっ!」
「あっ!」
抱えていたモフ太が私の胸を蹴り、再びごみ箱へ。
荒れ狂うごみ箱。
恐怖に怯える同僚と店長。
慌てる私。
自由気まますぎるモフ太を再び引っ掴んだ私に、店長が叫ぶように言う。
「望月さん! 前にもなんか変なのあったわよね。あなた何か見えてない? お祓い! もう一回お祓いお願い! 今すぐ行ってきて!」
確かに、以前千々姫様と出会ったときに私が何か見えざるものと話しているのを店長に見られてお祓いをお願いされたんだった。そりゃ、見えない人にとって見れば得体が知れなくて怖いんだろうな。まったく、モフ太が余計なことするから……。
私は顔を引きつらせながら「わかりました」とモフ太と小さいおじいさんを胸に抱えたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
『後宮薬師は名を持たない』
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる