神様の住まう街

あさの紅茶

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神様との繋がり

02

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当日朝早く、装花の準備のため花の入った大きなバケツを抱えて名月神社の石段を上がる。花と水の入ったバケツはずっしりと重い。これをあと何往復かしなくてはいけないけれど、以前の少彦様の酒造りよりも遥かにしんどい。石段が難関すぎる。

「よっ、とととっ」

「おっと。大丈夫?」

最後の石段を上ったところでよろけたけれど、ガシッとバケツを支えられた。

「透さん!」

「おはよう、葵。重そうだね、手伝おうか?」

「ありがとう。ここ石段だから台車使えなくて困ってたの」

「ああ、そうか。そうだったね。じゃあ葵には秘密の抜け道を教えるよ」

「抜け道?」

「そう。秘密だよ」

人差し指を口に当てた透さんは、くすっと笑った。

一旦石段を下りて車まで戻る。透さんに言われるがまま運転をし、神社の横の道を少しだけ上に登った。細い脇道を曲がると民家に突き当たる。

「この奥まで車を進めて」

「え、でもここって誰かのお家なんじゃ……」

「そうだよ。でも入って大丈夫だから」

民家の横、車一台通れる道を抜けると車が二台止まっていて、さらに数台止められそうな広い敷地が広がった。

「ここに適当に止めて」

言われるがまま駐車をして、車を降りた。こっちこっちと手招きされ、透さんを追いかける。まるで獣道のような木々の間を抜けると、なんと名月神社の境内に出た。

「ええっ、うそっ!」

「ね、秘密の抜け道だったでしょう? これなら台車を使うことができるね」

「わあ、ありがとう透さん! でも本当に大丈夫なの、ここに止めて?」

「うん。ここ、僕の実家だからね」

「えっ!」

透さん、神社とは別の所に住んでいるって言っていたけど、まさかそんなお隣だったなんて…! 私の驚きをよそに、透さんは台車にバケツをどんどん乗せていく。

「さっさと運んでしまおうか」

「あ、うん」

いろいろ聞きたいことがあったけれど、今はそれどころではない。今日は咲耶姫様の結婚式なのだ。頑張らなくちゃ。

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