【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

132.攻める大浴場(2)

「は、はい……。母に教えられて子供の頃ころから……」

と、顔を赤くして滑すべらせるホンファが答えた。

――くむっ（下）。

ホンファのお母さんのリンシンさんの、白いドレスのスリットから見えた、艶なまめかしい脚あしを思い出してしまう。

「ホンファのおウチは、農家のうかをやりながら薬師くすしもしてるの」

と、メイファンが、にこやかに言った。

――むにゅん（下）。

「へぇ、そうなんだ」

「は、はい……」

――くむっ（上）。

「く、薬師くすしさんは、そういうおウチが多いの？」

「はい。薬師だけやってる人はいませんでした」

――くむっ（下）。

あっ……！

ホンファのが手の甲こうまで……、きた。

い、今までみんな、手首てくびまでだったのに……。

思わずホンファの顔を見ると、頬ほほを赤くしながら真剣しんけんな表情。

そんな、新しい仕事覚おぼえるバイトみたいな表情されても……、なんか、すごく……、照てれ臭くさい……。

――くむっ（上）。

ホンファは16歳になりたて。

大丈夫？ こんな誕生日で？

とか、この国では年齢を満まんで数えるんだとか、関係ないこと一生懸命いっしょうけんめい考えるんだけど、気恥きはずかしさが込こみ上あげてくる。

――くむっ（下）。

あ、また……。

ちゃんと手首までって教えといてよ……、というのも、なんか違うし。

――むにゅん（下）。

あっ！ メイファンまで！ 

と、顔を見ると「ひひっ」と、笑った。

見てましたね？ 俺が照てれてるの。

メイファンさんも、ちょっと頬ほほが赤くなってるじゃないですか？

――くむっ（上）。

甲とはいえ、手って、やっぱ、ちょっと違うですよ。

――むにゅん（上）。

指を動かすと、アレだし……。

――くむっ（下）。

触さわりにいってるみたいだし……。

――むにゅん（下）。

いや、メイファンさん、手を外側そとがわから完全に包んでますし……。

――くむっ（上）。

なにか話でもしてないと……。

「く、薬師くすしさんって、何人くらいいるの……？」

「……」

――くくむっ（下）。

ホンファは少し寂さみしそうに笑った。俺の手の甲をしっかり洗いながら。

「私とお母さんだけになっちゃいました……」

「え？ ２人だけ？」

「はい……。みんな、亡なくなっちゃいました……。お父さんさんも……」

「そうか。それは、悪いことを聞いてしまった……」

「いいえ、そんなおウチばかりですし」

――むにゅむにゅん（下）。

「ウチもお祖父じいちゃんがやられちゃったしね……」

って、メイファンさん。真面目まじめな話しながら手の平まで攻せめようとしないっ。

俺は両方の拳こぶしを握にぎった。初めからこうしとけば良かった。

メイファンが「ひひっ！」と、笑った。

「ホンファとリンシンさん。毎日、剣士団の宿舎しゅくしゃと、マレビト様がつくってくれた私たちのおウチと、ずっと走り回ってるもんね！」

「はい！ 忙いそがしくしてたら、色々忘れられるし、こんなに感謝されるの初めてだし楽しいです」

――くくくむっ（下）。

こ、拳を入念に洗う必要はないんですよ……。

でも……、薬師くすしさんが２人しかいないことには、気がついてなかった。

実戦に訓練に怪我けがが絶たえない中で、２人だけっていうのは、かなり大変なんじゃないかと思う。

――むむむにゅむにゅん（下）。

（優しく諭さとす口調くちょうで）メイファンさん。後輩ホンファのマネしなくてもいいんですよ？

「でも、肝心かんじんのお薬が残り少なくて……」