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(16)過去との決別
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ハンバーガー屋に着くと、ちょうどお昼時なだけあって混んでる
少し並ばないといけないな
「さっちゃん何食べるか決めた?」
「うーん。
エビにするかビーフにするか迷うね。
でも今のきぶ…
!!!」
ヒュン!
さっちゃんがいきなり縮んだ
間違い
しゃがんだ
「え?何してんの?汗」
「左の席、左の席、左の席!」
喋るというより、まるで幽霊みたいな囁き声
知ってる人でもいたのかな?
言われるがまま左に目を向けると…
あー…
なるほどそういうことね
さっちゃんが二股かけられてた、あの男だ
しかも女性と一緒
直接会ったことはないけど、写真で何度も見せてもらっていたので覚えていた
「お店変えようか。」
下を向いて話しかけると、さっちゃんは縦にぶんぶん頭を振った
見つからないように出ないと…
順番待ちの列から抜けようとしたその時
あの男がスマホを手に、女性を残したまま席を立った
そして1人店の外へ
「どする?」
僕が聞くと、さっちゃんは腕を引っ張って扉の方へ
慎重に外へ出ると、あの男が奥の壁に寄り添って電話してる
かなり大きな声で話しているので、内容が丸聞こえ
「うん、もうすぐ仕事終わるから待っててよ!
そうそうタクヤ先輩といる。
俺もみーちゃんに早く会いよ~。
頑張ってるから、美味しいご飯作って待ってて~。」
え
コイツまた二股かけてるのか
内容からして、今一緒にいる女性と同時に、別の女性もいる感じ
てかさっちゃん、これ聞いてキレてる?汗
横を見ると、案の定鬼の形相
まさかぶん殴りに行ったりしないよね?!
帰ろう、と背中をポンポンすると
さっちゃんはすごい勢いで店内へ戻って行った
何するつもり?!
ウィンドウを覗くと、あの男と一緒にいた女性に話しかけてる
…
2、3分話すと、2人は店の外へ
連れの女性が僕の横に来た
よく分からないけど会釈する
向こうも会釈
そしてあの男の声に耳を傾けると…
「そうそう、みーちゃんの麻婆豆腐食べたい!
あれが1番美味しいからさー。
うん、うん。
分かった。
今日は一緒にお風呂入ろう♩」
うわっ
キモっ
そして二股確定
ここまで聞いた連れの女性は、メロンソーダを片手にアイツに近づいていった
男は背を向けているので気づいてない
まさか…
と、その時
ブワッシャー!!!
ヤツの頭にメロンソーダをぶっかけた
男はキョトン顔
女性は
「ふざけんなカス!」
と言って、立ち去った
そして僕たちの前を通り過ぎる時、さっちゃんに
「ありがとね。
時間を無駄にしないで済んだ。
あなたもこれでアイツなんか忘れて!」
…
「さっちゃん、どゆこと?」
さっちゃんは、取り憑かれていたものから解放されたかのようなスッキリした表情
「歩きながら話す。」
ドラッグストアでヘアカラーと冷凍食品を買い、僕の家へ向かった
「さっきのは。」
さっちゃんが口を開いた
「うん。
さっきのは?」
「あの女の人に、
私も過去にアレと付き合ってた。
だけど二股かけられてた。
で、今も外で他の女と電話してます。
って伝えたの。」
「あ、そういう話をしてたんだ?」
「そう。
そしたらあの女の人、
もともと他の女の影にうっすら気づいてたらしくて。
あ~…って。
じゃあ一緒に外に見に行きますってなって、あの流れ 笑。」
「なるほどねー。
直接あの男に何かやるのかと思ったら、そうじゃなくて、女性の方に教えてあげたんだ。」
「うん。
なんかね、あの女の人が過去の自分に見えちゃって。
私がアイツと過ごしてる時にも、あーやって裏では他の子と付きあってたんだな~って。
でも自分の場合は気づくのが遅すぎて、ものすごく時間を無駄にしたから。
あの女性には同じ思いをしてほしくないって思って、それで声かけたの。
なんかね、あの女性を救ったと同時に、過去の自分も救われた感じ。
今、めちゃくちゃ気分いいや。」
「あの人去るときに、ありがとうって言ってたもんね。
過去のことでずっと悩んでたさっちゃんも、これで前向けそうだから良かった。
だけどさ、顔にジュースぶっかけるのってドラマの世界だけだと思ってた 笑。
まさかって感じだったけど、超スッキリしたね!」
「そうそう。
私もあれをやるとは思わなくて、驚いた 笑。
てか超スッキリどころじゃないよ。
死ぬほどスッキリだよ!笑」
こんな会話をしながら歩いていると、あっという間に家に到着
買ってきた冷凍食品でさっさと食事を済ませる
さーて、髪染めなきゃ
…「じゃあ時間になったから、シャワーで流してくる。」
30分経ったので立ち上がる
カラーリングって久しぶりだな
確かに社会人になってからは染めてなかったし
「あ、ていうかこれ何色だっけ?
なんか言われるがままによく見ないで買ったから、把握してないんだけど。」
さっちゃんがカラー剤の箱に手を伸ばし、
「これ。」
パケ写を見せる
「なんかね、そこまで超明るくはないけど、柔らかい系の茶色。
ネットで調べた感じ、Springの顔立ちに合うのはこれっぽい。」
よく分からないけど、まあいっか
浴室に入り、シャワーで思いっきり流す
茶色い水がどんどん頭から流れていく
礼央さんはそろそろ最後のお客さんやってる頃かな?
集合まであと数時間だ
ガーっ
洗面所で髪を乾かしていると、リビングから大きな声が
「ねー!
それ乾かしたら、ちゃんと服着てからこっちに来てよー!」
「当たり前でしょ!笑
さっきの服、全部着てから行くからもう少し待っててー。」
乾かし終わって、ドライヤーを置き、顔を上げる
おぉぉ
茶髪の自分、こんにちはって感じ 笑
この姿は数年ぶり
色も変えたから、髪型もちょっと変えてみるか
ワックスを取り出し、手の平に広げる
いつも前髪は目にかかってるんだけど、たまにはオデコ出してみようかな
この間礼央さんにカットしてもらったから、スタイリングしやすい
横や後ろにちょっと流しって…っと
よし、良い感じ
髪が終わったのでスーツに着替えよう
「終わったよー。」
さっちゃんに声をかける
「はーい。いつでも出てきてー。」
扉を開けてリビングに出る
「どお?」
…
…
…
「無」が10秒続いたあと…
「っ…!!!
はぁぁぁぁ?!
ちょ、かっこいい!!!
歩夢、冗談じゃなくマジでかっこいいよ!!!
歩夢ってこんなイケメンだったの?!?!」
大袈裟だよ…
となだめるも、興奮が止まらない
「ねーもー!!!
これ見て礼央さん無反応だったら、もう人間じゃないから!!!
宇宙人!!!
はーもーイメチェン作戦大成功すぎる!!!
くううう!!!」
笑
もはや支離滅裂
「あはははっ。
ちょっとおかしくなってるよ 笑。
別に僕は僕で、そんなに騒ぐことじゃないから…。」
「あのさ、そこが歩夢の良いところではあるんだけど、遠慮しすぎ!
自己評価低すぎ!
自分の魅力分かってなさすぎ!
もう今日は、自信持ってデート楽しんできて!
なんか歩夢のこの姿見たら、感動で泣けてきた…涙。」
「ちょ、泣かないで 汗。
それにデートじゃなくて、大勢が集まるパーティーだから。」
「その認識がダメなの!
礼央さんもその姿見たら、絶対心動かされると思うよ。
まぁとにかく楽しんできて!!!」
そう言って、さっちゃんは帰って行った
さて
ちょっと早いけど、僕もそろそろ出発するか
少し並ばないといけないな
「さっちゃん何食べるか決めた?」
「うーん。
エビにするかビーフにするか迷うね。
でも今のきぶ…
!!!」
ヒュン!
さっちゃんがいきなり縮んだ
間違い
しゃがんだ
「え?何してんの?汗」
「左の席、左の席、左の席!」
喋るというより、まるで幽霊みたいな囁き声
知ってる人でもいたのかな?
言われるがまま左に目を向けると…
あー…
なるほどそういうことね
さっちゃんが二股かけられてた、あの男だ
しかも女性と一緒
直接会ったことはないけど、写真で何度も見せてもらっていたので覚えていた
「お店変えようか。」
下を向いて話しかけると、さっちゃんは縦にぶんぶん頭を振った
見つからないように出ないと…
順番待ちの列から抜けようとしたその時
あの男がスマホを手に、女性を残したまま席を立った
そして1人店の外へ
「どする?」
僕が聞くと、さっちゃんは腕を引っ張って扉の方へ
慎重に外へ出ると、あの男が奥の壁に寄り添って電話してる
かなり大きな声で話しているので、内容が丸聞こえ
「うん、もうすぐ仕事終わるから待っててよ!
そうそうタクヤ先輩といる。
俺もみーちゃんに早く会いよ~。
頑張ってるから、美味しいご飯作って待ってて~。」
え
コイツまた二股かけてるのか
内容からして、今一緒にいる女性と同時に、別の女性もいる感じ
てかさっちゃん、これ聞いてキレてる?汗
横を見ると、案の定鬼の形相
まさかぶん殴りに行ったりしないよね?!
帰ろう、と背中をポンポンすると
さっちゃんはすごい勢いで店内へ戻って行った
何するつもり?!
ウィンドウを覗くと、あの男と一緒にいた女性に話しかけてる
…
2、3分話すと、2人は店の外へ
連れの女性が僕の横に来た
よく分からないけど会釈する
向こうも会釈
そしてあの男の声に耳を傾けると…
「そうそう、みーちゃんの麻婆豆腐食べたい!
あれが1番美味しいからさー。
うん、うん。
分かった。
今日は一緒にお風呂入ろう♩」
うわっ
キモっ
そして二股確定
ここまで聞いた連れの女性は、メロンソーダを片手にアイツに近づいていった
男は背を向けているので気づいてない
まさか…
と、その時
ブワッシャー!!!
ヤツの頭にメロンソーダをぶっかけた
男はキョトン顔
女性は
「ふざけんなカス!」
と言って、立ち去った
そして僕たちの前を通り過ぎる時、さっちゃんに
「ありがとね。
時間を無駄にしないで済んだ。
あなたもこれでアイツなんか忘れて!」
…
「さっちゃん、どゆこと?」
さっちゃんは、取り憑かれていたものから解放されたかのようなスッキリした表情
「歩きながら話す。」
ドラッグストアでヘアカラーと冷凍食品を買い、僕の家へ向かった
「さっきのは。」
さっちゃんが口を開いた
「うん。
さっきのは?」
「あの女の人に、
私も過去にアレと付き合ってた。
だけど二股かけられてた。
で、今も外で他の女と電話してます。
って伝えたの。」
「あ、そういう話をしてたんだ?」
「そう。
そしたらあの女の人、
もともと他の女の影にうっすら気づいてたらしくて。
あ~…って。
じゃあ一緒に外に見に行きますってなって、あの流れ 笑。」
「なるほどねー。
直接あの男に何かやるのかと思ったら、そうじゃなくて、女性の方に教えてあげたんだ。」
「うん。
なんかね、あの女の人が過去の自分に見えちゃって。
私がアイツと過ごしてる時にも、あーやって裏では他の子と付きあってたんだな~って。
でも自分の場合は気づくのが遅すぎて、ものすごく時間を無駄にしたから。
あの女性には同じ思いをしてほしくないって思って、それで声かけたの。
なんかね、あの女性を救ったと同時に、過去の自分も救われた感じ。
今、めちゃくちゃ気分いいや。」
「あの人去るときに、ありがとうって言ってたもんね。
過去のことでずっと悩んでたさっちゃんも、これで前向けそうだから良かった。
だけどさ、顔にジュースぶっかけるのってドラマの世界だけだと思ってた 笑。
まさかって感じだったけど、超スッキリしたね!」
「そうそう。
私もあれをやるとは思わなくて、驚いた 笑。
てか超スッキリどころじゃないよ。
死ぬほどスッキリだよ!笑」
こんな会話をしながら歩いていると、あっという間に家に到着
買ってきた冷凍食品でさっさと食事を済ませる
さーて、髪染めなきゃ
…「じゃあ時間になったから、シャワーで流してくる。」
30分経ったので立ち上がる
カラーリングって久しぶりだな
確かに社会人になってからは染めてなかったし
「あ、ていうかこれ何色だっけ?
なんか言われるがままによく見ないで買ったから、把握してないんだけど。」
さっちゃんがカラー剤の箱に手を伸ばし、
「これ。」
パケ写を見せる
「なんかね、そこまで超明るくはないけど、柔らかい系の茶色。
ネットで調べた感じ、Springの顔立ちに合うのはこれっぽい。」
よく分からないけど、まあいっか
浴室に入り、シャワーで思いっきり流す
茶色い水がどんどん頭から流れていく
礼央さんはそろそろ最後のお客さんやってる頃かな?
集合まであと数時間だ
ガーっ
洗面所で髪を乾かしていると、リビングから大きな声が
「ねー!
それ乾かしたら、ちゃんと服着てからこっちに来てよー!」
「当たり前でしょ!笑
さっきの服、全部着てから行くからもう少し待っててー。」
乾かし終わって、ドライヤーを置き、顔を上げる
おぉぉ
茶髪の自分、こんにちはって感じ 笑
この姿は数年ぶり
色も変えたから、髪型もちょっと変えてみるか
ワックスを取り出し、手の平に広げる
いつも前髪は目にかかってるんだけど、たまにはオデコ出してみようかな
この間礼央さんにカットしてもらったから、スタイリングしやすい
横や後ろにちょっと流しって…っと
よし、良い感じ
髪が終わったのでスーツに着替えよう
「終わったよー。」
さっちゃんに声をかける
「はーい。いつでも出てきてー。」
扉を開けてリビングに出る
「どお?」
…
…
…
「無」が10秒続いたあと…
「っ…!!!
はぁぁぁぁ?!
ちょ、かっこいい!!!
歩夢、冗談じゃなくマジでかっこいいよ!!!
歩夢ってこんなイケメンだったの?!?!」
大袈裟だよ…
となだめるも、興奮が止まらない
「ねーもー!!!
これ見て礼央さん無反応だったら、もう人間じゃないから!!!
宇宙人!!!
はーもーイメチェン作戦大成功すぎる!!!
くううう!!!」
笑
もはや支離滅裂
「あはははっ。
ちょっとおかしくなってるよ 笑。
別に僕は僕で、そんなに騒ぐことじゃないから…。」
「あのさ、そこが歩夢の良いところではあるんだけど、遠慮しすぎ!
自己評価低すぎ!
自分の魅力分かってなさすぎ!
もう今日は、自信持ってデート楽しんできて!
なんか歩夢のこの姿見たら、感動で泣けてきた…涙。」
「ちょ、泣かないで 汗。
それにデートじゃなくて、大勢が集まるパーティーだから。」
「その認識がダメなの!
礼央さんもその姿見たら、絶対心動かされると思うよ。
まぁとにかく楽しんできて!!!」
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