異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました

陽花紫

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クリスと過ごす未来

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 全てを終えたその後、ライとクリスは教会のすぐそばに建つ小さな家で暮らしていた。

 朝陽が窓から差し込むと、ライは静かに目を覚ました。
 隣で眠るクリスの寝顔を見つめ、わずかな笑みを浮かべていた。
「おはよう、クリス」
 そっと手を伸ばし、さらりと揺れる金の髪を撫でる。それでもなお小さな寝息を立てるその姿に、ライは微笑まずにはいられなかった。

「まだ眠そうだな……」
 そう軽く囁き、ライはそっとその身に向けて腕を回す。
 クリスは寝返りを打ち、ライの姿を目にして同じように微笑んだ。
「おはよう、ライ……」
「今日は、何をしようか」
「……そうだな、もう少しだけ。こうしていたい」
 ふたりは互いに、静かに抱きしめ合った。

 その後の日常には、あの旅の時のような緊張も、張り詰めた空気ももうなくなっていた。
 ただ静かで、温かな時間が流れるだけであった。

***

 ライとクリスは、ささやかな日々を楽しんでいた。
 朝は庭で花を眺めながら、軽い散歩をする。
 クリスが珍しい花を見つけてライを呼び寄せると、微笑みながらライはその手を握った。
「この花、覚えているか?」
「……懐かしいな、小さい頃よくこの花の蜜を吸っていたっけ……」
 先にクリスがその蜜を吸い、花弁をライへと差し出した。
「ほら、今でも甘いぞ」
 その姿に、ライは自然と頬に熱が集まるのを感じていた。

 昼間は孤児院に向かい、子供たちの遊び相手となっていた。
「ライとクリスって、どうしていつも一緒にいるの?」
 そのような問いに、クリスは胸を張って応えていた。
「どうしてかって、愛しているからだよ」
 その言葉に、ライは照れたように頷いていた。

 夜になると、ライはクリスを抱き寄せ、暖炉の前で静かに過ごすのが決まりとなっていた。
 その手を繋ぎ寄り添いながら、今日あった出来事を語り明かす。
「今日は市場でも、子供たちが手を振ってくれたな」
「ああ、みんな楽しそうで……嬉しかったよ」
 その小さな喜びを共有するだけで、戦いの記憶は少しずつ遠くなっていく。

 クリスの髪を、ライは優しく撫でつける。
「これからは、もう争うようなこともないんだよな……」
「そうだな。……ライと一緒なら、どんな日でも幸せだ」

 日々は、穏やかに過ぎていく。
 花に水をやり、食卓で笑い合い、夜は寄り添って静かに眠る。
 小さな幸せを積み重ねながら、ある日ライは確信する。
「俺たちは、これからもずっと一緒にいられるんだ」
 クリスもまた、ライの頬を撫でながら心からそう思った。
「ライ、ありがとう。俺はいつも、幸せだ」
 ライは静かに、クリスの頬に向けて唇を寄せていた。
「もちろん、俺も幸せだ」

 すべてを乗り越えた二人は、今ようやく本当の幸せを手にしたのであった。
 窓の外には、眩いほどの星空が広がっていた。
 その澄んだ星の輝きに見守られながら、ふたりは笑みを交わしていた。
 戦いの果てに残ったのは、愛と平和だけであったのだ。

END
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