8 / 131
4月 鈴蘭
第6話
しおりを挟む
そんなこんなで出来ました。生姜焼き。レンチンで食べれるご飯をチンして、食器に移し替える。お盆に料理を乗せて運ぼうとすると横からヒョイと手が伸び、諒先輩がさっさと持っていってしまった。片手で盆を持ちながらテーブルに並べてくれている様はさながらウェイターのようで、思わず手伝わずに見惚れてしまった。
イケメンがするウェイター、めちゃくちゃ絵になるなぁ
「どうした、早く食おうぜ」
「あ、そですね。運んでくれてありがとうございます」
「作らせてんだからこんくらいやんねぇとな」
備え付けの小さいテーブルに2人で向かい合うようにして料理を囲む。食欲をそそる香りに思わず喉を鳴らし、両手を合わせた。
「待て依夜、俺は重大な事に気付いてしまった。大事件だ」
「俺のよし!今から食べるぞ!の気持ちを返してください」
ところで諒先輩から待ったがかかる。嘘だろなんつータイミングだよ。
「んなもんお前がもっかい捻りだしゃいいだろ」
「ひど!こういうのははじめが肝心なのに~!で、なんですか?重大な事って」
「箸がねぇ」
「確かに重大でウケる」
確かに飯を食うぞってタイミングで箸がないことに気がつくのは大事件だ。というか今気付くのって遅すぎね?尚更ウケんね
山積みの段ボールの中から来客用に買っておいた箸を探し当て先輩に渡す。これでようやくいただきますが言える~
2人で手を合わせてから食べ始める。高い肉な事もあって柔らかくて美味しい。脂も乗ってるしご飯が進みまくってしまうな~
「うっっっっめぇ……これだよこれ、俺が食いたかったの…」
「わざわざう、を溜めるほど美味いですか?お気に召したようで何よりですわ~
でも食堂のメニューにないんです?生姜焼き。普通ありそうっすけど」
「食堂は高級レストランみてぇなメニューばっかでさ、家庭料理が出るのって日替わり定食位なんだよ。食いたい時に食えねぇし、かと言って通常メニューにするとSNS映え狙ってんのかって感じの飯になるだろうし…」
SNS映えする生姜焼きを想像して思わず笑ってしまう。それどんなだよ?あれかな、千切りキャベツの山みたいな?キャベツメインになっちゃってんじゃん
「それ抜きにしてもうめぇな…あー白米が足りねぇかも」
「買ってきます?コンビニってどこにあるんすか?」
「食堂ん中にある」
「え?それ売店じゃないんすか」
「そうとも言う。品揃えが良すぎるからみんなコンビニって呼んでんだよ。ま、いいよ。白米がなくても美味いもんは美味いからな」
なんだその殺伐としたスレにインド象が!みたいな呼び方。売店と書いてコンビニと読むのか~…完全に理解したわ。
先輩は食べるのが早いようでみるみるうちに白米も生姜焼きも綺麗さっぱりなくなった。食べっぷりも良いし作った甲斐があるななんて考えながら箸を進める。先程まで俺が眺めていたのに、いつのまにか立場は逆転し、諒先輩が俺の事を見つめてくる。あまりにも凝視してくるのでついつい声をかけてしまう。
「何すか?」
「いや、なんでも」
「あ、もしかして一口欲しいんですか?あげますよ?」
「んー、貰うわ」
まだ手をつけていない生姜焼きを箸で掴み諒先輩の目の前に差し出す。諒先輩はそれをじっと見つめると、一口で全部食べられてしまった。
全部食われるとは思っておらず固まっていると目の前のイケメンはくつくつと笑い始めた。悔しい気持ちもありつつそれ程まで俺の料理を気に入ってくれたのが嬉しくて思わず笑顔になる。
「ご馳走様でした」
「ご馳走さん」
「はい、お粗末様でした」
「あ~マジで美味かった~…また食いにきていいか?」
「良いすよ~なんなら夜も食べてきます?」
「食う」
「返事はや~何食べたいです?」
「オムライス食いてえ」
「はーい」
俺もやっと食べ終わり2人で手を合わせた。諒先輩は俺の料理をとても気に入ってくれたみたいで、次の料理をせがんできた。とりあえず俺も1人は寂しいので夜ご飯に誘い、また段ボール箱を片付け始める。
「終わったー!」
「あー、疲れた…」
「マジでありがとうございます!おかげさまで片付きました~」
「頼れっつったのは俺だからな。またなんかあれば言えよ」
ニカっといい笑顔を見せてくれる先輩に、こちらも笑顔を返しながら、カードキーと財布を手に持ち立ち上がる。
「んじゃ夕飯の支度するので寛いでてくださいね」
「おー、いってら」
先輩へ行ってきますの意味を込めて手を振り、俺は扉を開けて部屋を出た。
丁度来た下へ向かうエレベーターに乗り込む。エレベーターには先客がいたようで、すぐに意識して顔を引き締め、役を作る。
バレないように彼らをチラリと見て、存在を消すようにエレベーターの端によった。
先客は2人。2人とも俺と同じ位の身長で片方はふわふわな髪質の可愛い系美少年、もう片方はサラサラな髪質のクール系美少年だった。
俺の事をチラチラ見てはあからさまにくすくす笑っている。2人とも制服姿ではない為、荷解き中に先輩から教わった『ネクタイの色で学年を見分ける』を実践する事は叶わなかったが、身長からして同学年だろう。
や、でももしかしたら2年なのかも…?わかんね~~な。童顔なせいで年齢が全く把握できず、俺は諦めてスマホを操作する。
無事に一階まで辿り着き、食堂へと向かう。開け放たれた扉をくぐり抜けて中に入る。人は今朝冴木さんに教えられた時よりも多いがそれでもまだポツポツといる程度だ。
ぐるっと見渡せばすぐにコンビニと呼ばれる売店を見つけることが出来た。
駅の中にあるコンビニのような外見のそこへ入る。中には菓子専門店のスイーツや取り寄せたであろう紅茶の茶葉などが並んでいる。いやこれコンビニでもねぇよ。マジで殺伐としたスレにインド象が!現象起きてんだけど、めちゃくちゃウケる
思わずにやけそうになる口元を引き締めて食材が並んだコーナーへと向かう。
イケメンがするウェイター、めちゃくちゃ絵になるなぁ
「どうした、早く食おうぜ」
「あ、そですね。運んでくれてありがとうございます」
「作らせてんだからこんくらいやんねぇとな」
備え付けの小さいテーブルに2人で向かい合うようにして料理を囲む。食欲をそそる香りに思わず喉を鳴らし、両手を合わせた。
「待て依夜、俺は重大な事に気付いてしまった。大事件だ」
「俺のよし!今から食べるぞ!の気持ちを返してください」
ところで諒先輩から待ったがかかる。嘘だろなんつータイミングだよ。
「んなもんお前がもっかい捻りだしゃいいだろ」
「ひど!こういうのははじめが肝心なのに~!で、なんですか?重大な事って」
「箸がねぇ」
「確かに重大でウケる」
確かに飯を食うぞってタイミングで箸がないことに気がつくのは大事件だ。というか今気付くのって遅すぎね?尚更ウケんね
山積みの段ボールの中から来客用に買っておいた箸を探し当て先輩に渡す。これでようやくいただきますが言える~
2人で手を合わせてから食べ始める。高い肉な事もあって柔らかくて美味しい。脂も乗ってるしご飯が進みまくってしまうな~
「うっっっっめぇ……これだよこれ、俺が食いたかったの…」
「わざわざう、を溜めるほど美味いですか?お気に召したようで何よりですわ~
でも食堂のメニューにないんです?生姜焼き。普通ありそうっすけど」
「食堂は高級レストランみてぇなメニューばっかでさ、家庭料理が出るのって日替わり定食位なんだよ。食いたい時に食えねぇし、かと言って通常メニューにするとSNS映え狙ってんのかって感じの飯になるだろうし…」
SNS映えする生姜焼きを想像して思わず笑ってしまう。それどんなだよ?あれかな、千切りキャベツの山みたいな?キャベツメインになっちゃってんじゃん
「それ抜きにしてもうめぇな…あー白米が足りねぇかも」
「買ってきます?コンビニってどこにあるんすか?」
「食堂ん中にある」
「え?それ売店じゃないんすか」
「そうとも言う。品揃えが良すぎるからみんなコンビニって呼んでんだよ。ま、いいよ。白米がなくても美味いもんは美味いからな」
なんだその殺伐としたスレにインド象が!みたいな呼び方。売店と書いてコンビニと読むのか~…完全に理解したわ。
先輩は食べるのが早いようでみるみるうちに白米も生姜焼きも綺麗さっぱりなくなった。食べっぷりも良いし作った甲斐があるななんて考えながら箸を進める。先程まで俺が眺めていたのに、いつのまにか立場は逆転し、諒先輩が俺の事を見つめてくる。あまりにも凝視してくるのでついつい声をかけてしまう。
「何すか?」
「いや、なんでも」
「あ、もしかして一口欲しいんですか?あげますよ?」
「んー、貰うわ」
まだ手をつけていない生姜焼きを箸で掴み諒先輩の目の前に差し出す。諒先輩はそれをじっと見つめると、一口で全部食べられてしまった。
全部食われるとは思っておらず固まっていると目の前のイケメンはくつくつと笑い始めた。悔しい気持ちもありつつそれ程まで俺の料理を気に入ってくれたのが嬉しくて思わず笑顔になる。
「ご馳走様でした」
「ご馳走さん」
「はい、お粗末様でした」
「あ~マジで美味かった~…また食いにきていいか?」
「良いすよ~なんなら夜も食べてきます?」
「食う」
「返事はや~何食べたいです?」
「オムライス食いてえ」
「はーい」
俺もやっと食べ終わり2人で手を合わせた。諒先輩は俺の料理をとても気に入ってくれたみたいで、次の料理をせがんできた。とりあえず俺も1人は寂しいので夜ご飯に誘い、また段ボール箱を片付け始める。
「終わったー!」
「あー、疲れた…」
「マジでありがとうございます!おかげさまで片付きました~」
「頼れっつったのは俺だからな。またなんかあれば言えよ」
ニカっといい笑顔を見せてくれる先輩に、こちらも笑顔を返しながら、カードキーと財布を手に持ち立ち上がる。
「んじゃ夕飯の支度するので寛いでてくださいね」
「おー、いってら」
先輩へ行ってきますの意味を込めて手を振り、俺は扉を開けて部屋を出た。
丁度来た下へ向かうエレベーターに乗り込む。エレベーターには先客がいたようで、すぐに意識して顔を引き締め、役を作る。
バレないように彼らをチラリと見て、存在を消すようにエレベーターの端によった。
先客は2人。2人とも俺と同じ位の身長で片方はふわふわな髪質の可愛い系美少年、もう片方はサラサラな髪質のクール系美少年だった。
俺の事をチラチラ見てはあからさまにくすくす笑っている。2人とも制服姿ではない為、荷解き中に先輩から教わった『ネクタイの色で学年を見分ける』を実践する事は叶わなかったが、身長からして同学年だろう。
や、でももしかしたら2年なのかも…?わかんね~~な。童顔なせいで年齢が全く把握できず、俺は諦めてスマホを操作する。
無事に一階まで辿り着き、食堂へと向かう。開け放たれた扉をくぐり抜けて中に入る。人は今朝冴木さんに教えられた時よりも多いがそれでもまだポツポツといる程度だ。
ぐるっと見渡せばすぐにコンビニと呼ばれる売店を見つけることが出来た。
駅の中にあるコンビニのような外見のそこへ入る。中には菓子専門店のスイーツや取り寄せたであろう紅茶の茶葉などが並んでいる。いやこれコンビニでもねぇよ。マジで殺伐としたスレにインド象が!現象起きてんだけど、めちゃくちゃウケる
思わずにやけそうになる口元を引き締めて食材が並んだコーナーへと向かう。
21
あなたにおすすめの小説
あの夏の日を忘れない ~風紀委員長×過去あり総長~
猫村やなぎ
BL
椎名由は、似てるという言葉が嫌いだった。
髪を金にして、ピアスを付けて。精一杯の虚勢を張る。
そんな彼は双子の兄の通う桜楠学園に編入する。
「なぁ由、お前の怖いものはなんなんだ?」
全寮制の学園で頑張り屋の主人公が救われるまでの話。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】僕らの関係─好きな人がいるのに、学園の問題児に目をつけられて─
亜依流.@.@
BL
【あらすじ】
全寮制の男子校私立掟聖学園には、学力向上を目的とした特殊なペア制度が存在した。
─────────────────
2年の入谷優介は、生徒会長であり学園のカリスマ、3年・中篠翔へ密かに思いを寄せていた。
翔とペアになる事を夢見る優介は、ある事件をきっかけに、同じく3年の超絶問題児、本郷司とペアを組む事になってしまう。傲慢な司に振り回される優介に手を差し伸べたのは、初恋の相手である翔だった。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる