救う毒

むみあじ

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4月 鈴蘭

第10話

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重い瞼を薄く開き、霞む視界の中でスマホを手探りに探す。画面をつけ時間を確認すると、朝の6時と表示される。
今日はいよいよ入学式。ピッカピカの1年生である俺は早めに準備を始める。



まさかの入寮初日で自分は1人で寝ることが出来ないばぶだと気付いた俺は、あの後睡眠導入剤を持たされていたことを思い出して次の日からはそれを飲んで眠っている。

これを持たせてくれたニィさんと八剣に感謝。というか2人は俺が1人じゃ寝れないってわかってたのぉ…?すごい。俺より俺のこと知ってる。さすが俺の保護者サマ。


強めの睡眠導入剤だったので起きれるか不安も少しあったけど、まぁなんとかなった。早急に自分以外の体温が無いと眠れないのをどうにかしなければ。手っ取り早く根本的な原因を治すのがいいのだろうけれど、正直お手上げなのだ。原因がありすぎて今すぐ対処なんて出来っこない。なので今は原因療法ではなく対症療法を進めるのだ!お医者様気分だね~

どうしようかな。湯たんぽをタオルでくるんで抱っこして眠るとか?なんなら彼氏でも作る?いやいや、目立たないようにしてるんだからダメ。やっぱ湯たんぽしかないかな~。心臓の鼓動だとかも感じたいけど、目を瞑ればきっと誤魔化せる…はず!なんならイヤホンつけて心音をリピートしておけばいいかな。なんかちょっとサイコっぽい怖い光景だけどサ。



なんて考えながら半熟の目玉焼きと塩と胡椒がきいたベーコンが上に乗せられたサクサクのパンを頬張る。うっま!これぞまさに完璧な朝食!


一旦対策の件は頭の隅に置いといて、壁にかけられた時計に目をやり時間を確認する。
これを食べて歯を磨いてから部屋を出れば余裕を持って登校できるだろう。きっと人でごった返すから早めに登校して本でも読むのが1番だ。その時対策は考えよう。




最後の一口をぺろりと平らげて、歯を磨き、黒いリュックを背負って部屋を出る。履きにくいローファーに足を突っ込む。


「カード良し、スマホ良し、財布良し、準備OK!いってきま~す」


部屋の電気も全て消し、ワイヤレスのイヤホンを耳につけて校舎へと向かった。


人がまばらな正面玄関。不躾な視線が自分へと集まっているのを無視しながら張り出されたクラス分けの表を見る。
クラスは特進選抜クラスのSクラス、特進クラスのAクラス、スポーツ推薦クラスのBクラス、一般クラスのCクラス、Dクラスの系5クラス。


特進選抜のSは今までの成績、家柄を考慮されたエリートクラス。俺は成績優秀者特待生(成績特待生とでも言おうか)なので強制的にここだ。ただ家柄が伴っていない為落ちこぼれ扱いされるだろう。もしくは雑用係のような存在になるかも?

特進のAはSに満たない生徒。家柄があっても成績が良く無いとSには入れないため、そう言った生徒が在籍する。成績が良くても家柄が伴っていない生徒もここ。俺のような庶民がSで家柄も成績もそこそこな生徒がAというのは反感を買いそうだな~

スポーツ推薦のBはその名の通り。成績はそこそこだが部活動に力を入れている生徒はここへ入る。勉強の内容は一般クラスと同程度で、この学園の附属大学に問題なく受かるくらいの学力を養う。

一般のCは親の多額の寄付で入った家柄も成績も中の中から中の下くらいのクラス。特にDクラスは落ちこぼれクラスのようで、中小企業の3男や4男というスペアにもならないと判断された生徒が多く在籍している。


とまぁクラス分けでも身分差のようなものがある。世知辛い世の中~
ただ下克上の道もあるのだ!これがみんなよく知る特待生制度の事。エリートがさらに自分に箔をつけるために取る場合もあるけれど、俺のような庶民やC、Dの一般生徒が家柄に胡座をかいている生徒を蹴落としてSクラスにって事もある。なんなら過去にそういう生徒がいたらしい。


成績優秀者特待生制度は勉学へ励む意思のある生徒なら誰でも受ける事ができる。ただ初っ端からハードルが高く、日本語、英語以外の語学で何故特待生制度を受けたいのかを1000字~1200字以内で書き、特待生制度を受ける一年前に使っていた基本5教科のノート、履歴書を書いて提出しなければならない。

俺は作文はロシア語、一年前に使っていたノート5教科分計15冊を送った。5教科分だけど、授業で使ったなんて条件はなかったから、家で勉強したノートを送った。履歴書の方は資格の欄が主に見られるらしい。内申点も重要だとか。

これらを送るまでが第一試験。そこからさらに第二第三の試験が続いていく。ここの学園の学費は高額なためどの試験も相当面倒で相当難しい。ただそれらをクリアすれば晴れてSクラス行きが確定だ。ま、そこからも維持とか大変だけどね。



とまぁ話は逸れたが俺はSクラスで確定だ。ならどうしてクラス分けを見ないといけないかって?そりゃクラスメイトの名前を覚えておくためでーす!仲良くできるかは分からないが知っておいて損はないからね。


上から順に目を通していく。五十音順になっていておそらくこれがこのまま出席番号になるんだろう。とりあえず前後の人をよく覚えておこう。えっと~

前は織田おだかなめ。後ろは久道くどう千秋ちあき。名前からじゃなんの想像もつかないが、優しそうな人がいいな~


そう考えながら靴箱で靴を変え、教室へと足早に向かった。
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