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6月 夾竹桃
第45話
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複数人の乱れた声と淫らな水音が充満した部屋でスマホを構える。
「はーい、笑って笑って~。ピースピース!」
「おほぉ゛ッ、はっ、ヒィッ♡」
「も~笑ってってば。先輩ソイツ抑えてて~」
「ほらッ、言われてん、じゃんッ」
「お゛ッぁぁ~~~~~ッ♡♡」
「はぁ?誰もアヘ顔晒せなんて言ってないんだけど。笑えっつってんだろ」
汁まみれの顔を蕩けさせているソレを見下しながらわざと低い声を出せば、瞬時に怯えたように引き攣った声を漏らす。おもちゃのようになってしまったソレをくつくつと笑いながらいくつか写真を撮り彼らから離れた。
いい加減飽きてきたのか、先輩達も犯していたおもちゃから退いてスマホで写真を撮り始める。
「よ~し、これでオッケー。君らのスマホに連絡先も登録しておいたからさ、先輩達が呼んだらすぐに来るように。写真ばら撒かれたくなかったらわかるよね?」
壊れたおもちゃのように何度も首肯するソレらがみっともなくて面白い。
俺は彼らからくすねた財布を開いて万札を数枚取り出し、先輩らの手に握らす。
「約束の報酬です~」
「うわっ、イヨくんクズ~い」
「おー、金も貰えんのな。ラッキーラッキー」
「お前の性格、そっちが素か?」
「まぁそうですよ。なるべく内気なキャラでいた方がさ、こう言うのに加担した時バレにくいじゃん?」
「ブハッ、マジのクズじゃねーか!」
バシバシと背中を叩かれる。媚を売るピエロを演じながら、3人を体育館倉庫から出るように誘導して楽しそうに帰っていく後ろ姿を見送った。
いい感じに気に入られたようだ。それなりの仲になっておいて損はないだろうけど、加担したのがバレたら特待生の特典が剥奪されるだろうからこのままの距離感を保とうか。
さてさてそれじゃあこの惨状をどうにかしないとだ。とはいえ俺ができることといえば彼らの体に付着した体液を拭って服を着させたり飲み物を飲ませてあげたりする事だけ。
「…っ触らないでッ!」
服を着させようとした時だった。ぼんやりと虚な瞳が光を取り戻し、震えた体で俺の手を拒絶した。怯え切って震えた様子は可愛らしい子犬みたいで、俺の心臓がぎゅ~っと苦しくなる。
「…ごめんね」
そう囁きながら涙を流し始めた子犬くんの頬を撫でる。震えていた彼の体は最初こそ強ばっていたものの、優しく撫でれば撫でるほどゆっくりとだが、確かに震えが消えていった。
「…ぁやまるくらいならッ、どうして、あんなことッ」
大粒の涙が指に触れる。暖かなそれは透明ではあるが、成分は血と同じ。彼は悲痛な声と共にとめどなく血を流しているんだ。
彼を傷つけたのは紛れもなく俺。
その事実が、どうしようもなく俺を蝕んだ。
「だってそれは、君達が悪いんだよ?」
自分でも驚く程に低い声が出てしまった。
変貌した声音に驚いたのか、また彼の体は強張る。そっと頬を撫でながら紛らわすように笑みを浮かべた。
「言ったでしょ?被害者はどんな気持ちだったか味わえって。ねぇ、今君はとても恐怖しているよね。好きでもない人に体を暴かれて怖くて怖くてたまらなくて、汚れた身体が憎くて仕方なくて、でもさ、でも」
意識的に優しい声を出しながら瞳を細めて彼の頬を撫でる。弄ぶような手つきで撫でながらそっと耳に唇を近づけた。
「ぶっ飛んじゃうほど、気持ち良かったでしょ」
犯していた先輩達には痛みは絶対与えなようにと言い聞かせた。痛みすら快楽に変えるのはまだ早い。感覚さえぶち壊すのは、もっとじっくりと心を折ってからだ。
「君達は酷く淫乱で醜悪だ。ほら見てよ、この顔。こんなに気持ちよさそうにしちゃってさ?ホントはずっと、こんな事されたかったんじゃないの?」
スマホのカメラロールから先ほどの写真を選び目の前で見せびらかす。それを見た彼は目を見開き顔を赤く染めた。
「ッ消せよ!!」
「消した所で先輩らも写真持ってるけどね。誰がどう見ても同意の上でのそう言うプレイにしか見えない顔してるよねぇ
…ふふ、君達はさ、やりすぎちゃったんだよ。これは今までの報いなんだ」
今日一番の笑顔を浮かべて目の前の男と視線を絡ませる。
「逃げるなんて許さないから。大丈夫、地獄もきっと天国に変わるよ」
パサついた髪の毛を梳くように撫でてから立ち上がり、体育館倉庫を後にした。
瞳を閉じれば思い出す、彼の泣き顔。
彼を傷つけたのは紛れもなく俺。
その事実によって擽られた嗜虐心が、どうしようもなく俺を蝕んだ。
哀れでカワイイあの子達を苛めて虐めてイジメてぶっ壊して、その後たっぷり甘やかしたい。なんていう歪んだ願望。
地獄へ蹴落とされた可哀想でカワイイ彼らの心を巣食うんだ。
「はーい、笑って笑って~。ピースピース!」
「おほぉ゛ッ、はっ、ヒィッ♡」
「も~笑ってってば。先輩ソイツ抑えてて~」
「ほらッ、言われてん、じゃんッ」
「お゛ッぁぁ~~~~~ッ♡♡」
「はぁ?誰もアヘ顔晒せなんて言ってないんだけど。笑えっつってんだろ」
汁まみれの顔を蕩けさせているソレを見下しながらわざと低い声を出せば、瞬時に怯えたように引き攣った声を漏らす。おもちゃのようになってしまったソレをくつくつと笑いながらいくつか写真を撮り彼らから離れた。
いい加減飽きてきたのか、先輩達も犯していたおもちゃから退いてスマホで写真を撮り始める。
「よ~し、これでオッケー。君らのスマホに連絡先も登録しておいたからさ、先輩達が呼んだらすぐに来るように。写真ばら撒かれたくなかったらわかるよね?」
壊れたおもちゃのように何度も首肯するソレらがみっともなくて面白い。
俺は彼らからくすねた財布を開いて万札を数枚取り出し、先輩らの手に握らす。
「約束の報酬です~」
「うわっ、イヨくんクズ~い」
「おー、金も貰えんのな。ラッキーラッキー」
「お前の性格、そっちが素か?」
「まぁそうですよ。なるべく内気なキャラでいた方がさ、こう言うのに加担した時バレにくいじゃん?」
「ブハッ、マジのクズじゃねーか!」
バシバシと背中を叩かれる。媚を売るピエロを演じながら、3人を体育館倉庫から出るように誘導して楽しそうに帰っていく後ろ姿を見送った。
いい感じに気に入られたようだ。それなりの仲になっておいて損はないだろうけど、加担したのがバレたら特待生の特典が剥奪されるだろうからこのままの距離感を保とうか。
さてさてそれじゃあこの惨状をどうにかしないとだ。とはいえ俺ができることといえば彼らの体に付着した体液を拭って服を着させたり飲み物を飲ませてあげたりする事だけ。
「…っ触らないでッ!」
服を着させようとした時だった。ぼんやりと虚な瞳が光を取り戻し、震えた体で俺の手を拒絶した。怯え切って震えた様子は可愛らしい子犬みたいで、俺の心臓がぎゅ~っと苦しくなる。
「…ごめんね」
そう囁きながら涙を流し始めた子犬くんの頬を撫でる。震えていた彼の体は最初こそ強ばっていたものの、優しく撫でれば撫でるほどゆっくりとだが、確かに震えが消えていった。
「…ぁやまるくらいならッ、どうして、あんなことッ」
大粒の涙が指に触れる。暖かなそれは透明ではあるが、成分は血と同じ。彼は悲痛な声と共にとめどなく血を流しているんだ。
彼を傷つけたのは紛れもなく俺。
その事実が、どうしようもなく俺を蝕んだ。
「だってそれは、君達が悪いんだよ?」
自分でも驚く程に低い声が出てしまった。
変貌した声音に驚いたのか、また彼の体は強張る。そっと頬を撫でながら紛らわすように笑みを浮かべた。
「言ったでしょ?被害者はどんな気持ちだったか味わえって。ねぇ、今君はとても恐怖しているよね。好きでもない人に体を暴かれて怖くて怖くてたまらなくて、汚れた身体が憎くて仕方なくて、でもさ、でも」
意識的に優しい声を出しながら瞳を細めて彼の頬を撫でる。弄ぶような手つきで撫でながらそっと耳に唇を近づけた。
「ぶっ飛んじゃうほど、気持ち良かったでしょ」
犯していた先輩達には痛みは絶対与えなようにと言い聞かせた。痛みすら快楽に変えるのはまだ早い。感覚さえぶち壊すのは、もっとじっくりと心を折ってからだ。
「君達は酷く淫乱で醜悪だ。ほら見てよ、この顔。こんなに気持ちよさそうにしちゃってさ?ホントはずっと、こんな事されたかったんじゃないの?」
スマホのカメラロールから先ほどの写真を選び目の前で見せびらかす。それを見た彼は目を見開き顔を赤く染めた。
「ッ消せよ!!」
「消した所で先輩らも写真持ってるけどね。誰がどう見ても同意の上でのそう言うプレイにしか見えない顔してるよねぇ
…ふふ、君達はさ、やりすぎちゃったんだよ。これは今までの報いなんだ」
今日一番の笑顔を浮かべて目の前の男と視線を絡ませる。
「逃げるなんて許さないから。大丈夫、地獄もきっと天国に変わるよ」
パサついた髪の毛を梳くように撫でてから立ち上がり、体育館倉庫を後にした。
瞳を閉じれば思い出す、彼の泣き顔。
彼を傷つけたのは紛れもなく俺。
その事実によって擽られた嗜虐心が、どうしようもなく俺を蝕んだ。
哀れでカワイイあの子達を苛めて虐めてイジメてぶっ壊して、その後たっぷり甘やかしたい。なんていう歪んだ願望。
地獄へ蹴落とされた可哀想でカワイイ彼らの心を巣食うんだ。
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