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6月 夾竹桃
第46話
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落書きだらけの机の上にリュックを置いて、いつものようにリュックから勉強道具を出してから椅子に腰掛ける。
背中を丸めて体を縮こませるのは正直疲れる。慣れないから当たり前だが、一年もこのまま過ごすのはやっぱ無理。せめて性格だけでも素のままにすれば良かった~!!どっかの機会で素をさらけ出したい…でも先輩とのやりとりたのしーんだよなぁ…
「おはよ、依夜」
「ぁ、おはよ、翔くん」
「あー、えと、あのさ…昨日の放課後、大丈夫だった?」
いつものように翔くんに挨拶を返せば、何処となく心配そうな顔をした翔くんが昨日の放課後の事を話題に出す。
へぇ、知ってたのかな。それとも噂か?下っ端の勝手な犯行に気が付けるほど彼の情報網は広いらしい。
「昨日の、放課後って…?大丈夫って、何が…?」
訳がわからないという顔をしながらそう言えば、彼は数度瞬きをしたのち眉を下げながら快活に笑った。
「ごめんごめん!何もないなら良いんだ!気にしないで!」
「?う、うん…」
知っていたのに何もしてくれないなんて酷いなぁ!全く!まぁきっと罪悪感はありつつも趣味に傾いてしまったのだろう。どちらかといえばクラスメイト以上友人未満な俺たちだからな。
彼としては制裁を受けボロボロになった俺をスーパーダーリン攻め様が助けてくれてそこから始まる恋を期待でもしていたのだろう。残念ながら俺は撃退したけど
軽い鐘の音を合図に、翔くんも他のみんなと一緒に席に戻っていった。少し待てばホスト教室がやってくる。いつもと変わらない今日に欠伸を噛み殺した。
「おい」
「っは、はい…」
「……テメェ、昨日の放課後どこ行ってた」
午前の授業が全て終わり、勉強道具を片付けて食堂にでも行こうかと席を立つ前に、千秋に話しかけられる。
驚きつつ怯えた風を装えば、眉を顰めた千秋が小声で昨日の事を聞いてきた。
も~!みんなして俺のプライデート知りたがんじゃーん!もしかして俺、モテモテ~っ!?
なんて冗談はさておき、相互監視と言いつつ千秋を置いてどこかに行ってしまった事に彼は腹を立てているようだ。ここは本当のこと言っておこう。俺が逆制裁をしたのがバレた所で千秋が告発なんてしないだろうし、むしろ面倒事に巻き込まれないよう無視してそうだもん。
それなら誠実さをちゃんと見せないと、人を信用できない彼からの信用を無くしちゃう。
「ぇと、よ、呼び出しを受けて…体育館倉庫に…」
「……」
小声で俯きながらそう言うも、返事は返ってこず思わず伺うようにそっと顔を上げる。目の前にいる千秋の眉間の皺はさらに深く刻み込まれていて、ちょっと待って?なんでそんな怒ってんの?
「来い」
「ぅわっ、」
手首を握られ引きずられるように教室から出る。周りも勿論そんな俺達に注目をしていて、恋愛脳な彼らにまた噂を流されるだろう。ただでさえ新入生歓迎会で千秋との関係を噂されてるのにさらに噂が流れたら今度こそ隊長格が俺を制裁しようと動くかもしれない!あー、どうしよう!楽しそうで口角が上がってしまう!
「ど、どこ行くの?」
「風紀に決まってンだろ」
「えっ、え?な、なんで…?」
「制裁受けたンだろうが、この馬鹿」
???
あっ、これもしかして、強姦されたって誤解されてる?
「…強姦されてないよ?」
「は?」
「わぷっ」
俺自身に被害がないことを告げると突然立ち止まった千秋。おいコラ、いきなり止まるな。ぶつかったじゃん。
立ち止まった千秋は俺の方を向いてしっかりとこちらを見据えてくる。訝しげな表情は疑い、というよりは困惑に近いだろう。
「………されてねェのかよ」
「うん、呼び出されたけど、されてない」
「チッ…クソが、紛らわしいこと言ってンじゃねェよ」
てかむしろ被害者は彼らなんだよね。言わないけど。
「心配してくれたんだ?」
周りに人がいないのを確認してから覗き込むように彼を見れば一気に眉間に皺が寄り睨みつけられる。お~こわいこわい!
「んふふ、嬉しかったので千秋くんのお昼ご飯を奢ってあげましょう!ほら、行こ?」
「その前に風紀だ。馬鹿」
「えっ?なんで?」
「なんでじゃねェだろ。テメェの大好きな先輩に報告しとかなくていいのかよ。いよいよ呼び出しまでされてンだから守ってもらえばいいだろうが」
あれ、今度はなんか拗ねてる?千秋ってば、親しくなったせいなのかわからんけど感情豊かになってきたな~
「別に報告する意味ないし、行かなくていいでしょ。それに、自分の身は自分で守れるし、それがダメなら一番身近な千秋に守って貰えばいいもん」
それに逆制裁がバレたら今度は俺がヤバいし。なので風紀には行けないのだ!言わないけど。
「ほら!早くご飯食べに行こ~。昼休みなくなっちゃうぜ?」
納得いかないって顔の千秋を、今度は俺が引っ張って行く。
それが他人に見られていた事にも気が付かずに
背中を丸めて体を縮こませるのは正直疲れる。慣れないから当たり前だが、一年もこのまま過ごすのはやっぱ無理。せめて性格だけでも素のままにすれば良かった~!!どっかの機会で素をさらけ出したい…でも先輩とのやりとりたのしーんだよなぁ…
「おはよ、依夜」
「ぁ、おはよ、翔くん」
「あー、えと、あのさ…昨日の放課後、大丈夫だった?」
いつものように翔くんに挨拶を返せば、何処となく心配そうな顔をした翔くんが昨日の放課後の事を話題に出す。
へぇ、知ってたのかな。それとも噂か?下っ端の勝手な犯行に気が付けるほど彼の情報網は広いらしい。
「昨日の、放課後って…?大丈夫って、何が…?」
訳がわからないという顔をしながらそう言えば、彼は数度瞬きをしたのち眉を下げながら快活に笑った。
「ごめんごめん!何もないなら良いんだ!気にしないで!」
「?う、うん…」
知っていたのに何もしてくれないなんて酷いなぁ!全く!まぁきっと罪悪感はありつつも趣味に傾いてしまったのだろう。どちらかといえばクラスメイト以上友人未満な俺たちだからな。
彼としては制裁を受けボロボロになった俺をスーパーダーリン攻め様が助けてくれてそこから始まる恋を期待でもしていたのだろう。残念ながら俺は撃退したけど
軽い鐘の音を合図に、翔くんも他のみんなと一緒に席に戻っていった。少し待てばホスト教室がやってくる。いつもと変わらない今日に欠伸を噛み殺した。
「おい」
「っは、はい…」
「……テメェ、昨日の放課後どこ行ってた」
午前の授業が全て終わり、勉強道具を片付けて食堂にでも行こうかと席を立つ前に、千秋に話しかけられる。
驚きつつ怯えた風を装えば、眉を顰めた千秋が小声で昨日の事を聞いてきた。
も~!みんなして俺のプライデート知りたがんじゃーん!もしかして俺、モテモテ~っ!?
なんて冗談はさておき、相互監視と言いつつ千秋を置いてどこかに行ってしまった事に彼は腹を立てているようだ。ここは本当のこと言っておこう。俺が逆制裁をしたのがバレた所で千秋が告発なんてしないだろうし、むしろ面倒事に巻き込まれないよう無視してそうだもん。
それなら誠実さをちゃんと見せないと、人を信用できない彼からの信用を無くしちゃう。
「ぇと、よ、呼び出しを受けて…体育館倉庫に…」
「……」
小声で俯きながらそう言うも、返事は返ってこず思わず伺うようにそっと顔を上げる。目の前にいる千秋の眉間の皺はさらに深く刻み込まれていて、ちょっと待って?なんでそんな怒ってんの?
「来い」
「ぅわっ、」
手首を握られ引きずられるように教室から出る。周りも勿論そんな俺達に注目をしていて、恋愛脳な彼らにまた噂を流されるだろう。ただでさえ新入生歓迎会で千秋との関係を噂されてるのにさらに噂が流れたら今度こそ隊長格が俺を制裁しようと動くかもしれない!あー、どうしよう!楽しそうで口角が上がってしまう!
「ど、どこ行くの?」
「風紀に決まってンだろ」
「えっ、え?な、なんで…?」
「制裁受けたンだろうが、この馬鹿」
???
あっ、これもしかして、強姦されたって誤解されてる?
「…強姦されてないよ?」
「は?」
「わぷっ」
俺自身に被害がないことを告げると突然立ち止まった千秋。おいコラ、いきなり止まるな。ぶつかったじゃん。
立ち止まった千秋は俺の方を向いてしっかりとこちらを見据えてくる。訝しげな表情は疑い、というよりは困惑に近いだろう。
「………されてねェのかよ」
「うん、呼び出されたけど、されてない」
「チッ…クソが、紛らわしいこと言ってンじゃねェよ」
てかむしろ被害者は彼らなんだよね。言わないけど。
「心配してくれたんだ?」
周りに人がいないのを確認してから覗き込むように彼を見れば一気に眉間に皺が寄り睨みつけられる。お~こわいこわい!
「んふふ、嬉しかったので千秋くんのお昼ご飯を奢ってあげましょう!ほら、行こ?」
「その前に風紀だ。馬鹿」
「えっ?なんで?」
「なんでじゃねェだろ。テメェの大好きな先輩に報告しとかなくていいのかよ。いよいよ呼び出しまでされてンだから守ってもらえばいいだろうが」
あれ、今度はなんか拗ねてる?千秋ってば、親しくなったせいなのかわからんけど感情豊かになってきたな~
「別に報告する意味ないし、行かなくていいでしょ。それに、自分の身は自分で守れるし、それがダメなら一番身近な千秋に守って貰えばいいもん」
それに逆制裁がバレたら今度は俺がヤバいし。なので風紀には行けないのだ!言わないけど。
「ほら!早くご飯食べに行こ~。昼休みなくなっちゃうぜ?」
納得いかないって顔の千秋を、今度は俺が引っ張って行く。
それが他人に見られていた事にも気が付かずに
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