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7月 グロリオサ
第51話
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「大丈夫か?」
「びっくりしたけど、大丈夫です」
エレベーターに飛び込んで一階のボタンを押す。降りようとしていたであろう諒先輩はそのままエレベーターに残り、閉じるボタンを押した。
「コンビニか?」
「はい。てか何気に先輩もついてくる気ですか?ちょー目立つ」
「流れで乗っちまったから仕方ねぇだろ。そんな嫌がんなよ」
「んも~…ただでさえ最近騒がしいのに俺と一緒にいたらさらに仕事増えますよ?ま、八つ当たりするみたいに制裁のお誘いが増えるからいいかな~とか思い始めちゃってるんですけどね~」
「あ?ちょっと待て、制裁のお誘いってなんだ」
やべ
「んぁ~っ…あっ、ほらもう着いちゃいますよ。んじゃあコンビニ行ってくるので先部屋にいてくださいね」
「…わかった。後でじっくり聞かせろ?」
エレベーターから颯爽と降りてコンビニまで歩いていく。日用品のコーナーに置いてあった下着、Lサイズを手にとってささっと財布に入れていたカードでお会計を済ませる。
エレベーターより階段の方が早いので2段飛ばしで駆け上がり、そのまま勢いを殺さずに部屋まで駆ける。
「ただいま!」
「早かったな。何買ったんだ?あとその靴誰のだよ」
「Lサイズのパンツ!その靴は千秋の!」
「は?」
リビングから顔を出した諒先輩を無視して風呂場に直行。流石にこの短時間でのぼせてはいないだろうけど、心配だ。だって千秋ってなんかこう、ばぶちゃんっぽいとこあるから…
買ったばかりのパンツの封を破いてカゴの中に突っ込んでおく。よしよし、あとはズボンだ。
脱衣所から出て自室にいく道中、リビングのソファーに座って面白くなさそうな顔をしている諒先輩と目があった。何か言おうとした瞬間にへらりと笑ってとっとと自室に引っ込む。ごめんなさい諒先輩、制裁の件はもうちょい待って
いつもパジャマをしまっている収納部分を漁る。ニィさんからもらった黒いサテン生地のパジャマは上下セットでボトムスも持ってきていたのをさっき思い出した。上と同じくサテン生地で出来た黒いボトムスを引っ張り出してまた脱衣所へ
出る前と違ってシャワー音が聞こえないから、湯船に浸かっているんだろう。お風呂場に置いてるアヒルのおもちゃ浮かべても良いよって言っとこ
「着替え用意できたよ。あと5分位したら上がるんだよ?今度はのぼせちゃうから」
「…あぁ」
「アヒルのおもちゃで遊んでも良いからね~」
「遊ばねェよ」
脱衣所から出てすぐに諒先輩の所へ行く。元々諒先輩とお勉強会の約束をしていたのに千秋を優先しちゃったのが少し申し訳ない。リビングで待っていた先輩はどこか苛立っているように見える。顔が見えないのにわかるのは、背中が物語っているからだ。カッコヨ…
冗談はさておき、これ以上怒らせたくないので、すぐさま彼の隣に座り顔を覗き込んだ。
「あの~、先輩?怒ってます…?約束してたのに、諒先輩の事放ってたから…」
「…怒ってる、つーか…」
居心地が悪そうに頭をガシガシと掻いた後大きめのため息を付いた諒先輩。怒ってるわけじゃないの?不機嫌そうに見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。そう思い首を傾げればじっと俺を見つめたあと不思議そうに眉を顰めた。
「なんで久道がいんだ?」
「寮に着いた時に丁度ずぶ濡れの千秋が玄関とこにいて…そのまま拭いて着替えて終わらしそうだったんでお風呂に入れたんですよ」
「…世話焼きだな、お前…そこまで世話焼かなくても大丈夫だろ。アイツだって高校生だぞ?」
「でも…千秋、多分無痛無汗症だから…心配なんです。変に風邪こじらしたら、死んじゃうかもって…」
「いや、そう簡単に死なないだろ…」
「そんなの、わかんないじゃん」
あの子だってそうだったんだ。死なない確証なんてない
「あ、俺ズボン濡れてるんだった!とりあえず着替えてくるんで、そしたらお勉強会しましょーね!」
視界に映った自分のズボンが濡れているのに気が付いてスッと立ち上がる。諒先輩に笑いかけた後、彼の表情を見る事もなく部屋に引っ込んだ。
大きく息を吸って、吐き出して。目を閉じ動き続けている心臓に手を当てる。脳裏を走った記憶にまた苛まれる。最近はてんでダメだ。こんなにも調子がガタ落ちするなんて思っていなかった。
鬱陶しい制服を脱いでいつもの部屋着に着替える。俺は大丈夫という言葉を口の中で呟いて暗示をかけてから笑って扉を開けた。
「諒先輩お待たせしました~!あ、千秋、服のサイズ大丈夫そう?」
リビングにいたのは諒先輩だけでなく、頭にタオルを被ったお風呂上がりの千秋だった。へらりと笑って見せれば、諒先輩も合わせるように笑ってくれた。さっきの俺を無かったことにしてくれたようで、心底安心した。土足でズカズカと踏みこまれるのは苦手なんだ。
「別に構わねーって。可愛い後輩のためならいくらでも待つぜ?あ、勿論千秋くんも可愛い後輩だからな、拗ねんなよ♡」
「気色悪りぃンだよテメェは…」
「あははっ、千秋照れちゃってんの?さすがツンデレだにゃあ~♡」
「テメェも茶化すンじゃねェ…」
ずっしりと重くのしかかっていた記憶が、2人のおかげで薄れていく。それが酷く嬉しくて、俺はただただ笑顔を浮かべる事しかできなかった。
「びっくりしたけど、大丈夫です」
エレベーターに飛び込んで一階のボタンを押す。降りようとしていたであろう諒先輩はそのままエレベーターに残り、閉じるボタンを押した。
「コンビニか?」
「はい。てか何気に先輩もついてくる気ですか?ちょー目立つ」
「流れで乗っちまったから仕方ねぇだろ。そんな嫌がんなよ」
「んも~…ただでさえ最近騒がしいのに俺と一緒にいたらさらに仕事増えますよ?ま、八つ当たりするみたいに制裁のお誘いが増えるからいいかな~とか思い始めちゃってるんですけどね~」
「あ?ちょっと待て、制裁のお誘いってなんだ」
やべ
「んぁ~っ…あっ、ほらもう着いちゃいますよ。んじゃあコンビニ行ってくるので先部屋にいてくださいね」
「…わかった。後でじっくり聞かせろ?」
エレベーターから颯爽と降りてコンビニまで歩いていく。日用品のコーナーに置いてあった下着、Lサイズを手にとってささっと財布に入れていたカードでお会計を済ませる。
エレベーターより階段の方が早いので2段飛ばしで駆け上がり、そのまま勢いを殺さずに部屋まで駆ける。
「ただいま!」
「早かったな。何買ったんだ?あとその靴誰のだよ」
「Lサイズのパンツ!その靴は千秋の!」
「は?」
リビングから顔を出した諒先輩を無視して風呂場に直行。流石にこの短時間でのぼせてはいないだろうけど、心配だ。だって千秋ってなんかこう、ばぶちゃんっぽいとこあるから…
買ったばかりのパンツの封を破いてカゴの中に突っ込んでおく。よしよし、あとはズボンだ。
脱衣所から出て自室にいく道中、リビングのソファーに座って面白くなさそうな顔をしている諒先輩と目があった。何か言おうとした瞬間にへらりと笑ってとっとと自室に引っ込む。ごめんなさい諒先輩、制裁の件はもうちょい待って
いつもパジャマをしまっている収納部分を漁る。ニィさんからもらった黒いサテン生地のパジャマは上下セットでボトムスも持ってきていたのをさっき思い出した。上と同じくサテン生地で出来た黒いボトムスを引っ張り出してまた脱衣所へ
出る前と違ってシャワー音が聞こえないから、湯船に浸かっているんだろう。お風呂場に置いてるアヒルのおもちゃ浮かべても良いよって言っとこ
「着替え用意できたよ。あと5分位したら上がるんだよ?今度はのぼせちゃうから」
「…あぁ」
「アヒルのおもちゃで遊んでも良いからね~」
「遊ばねェよ」
脱衣所から出てすぐに諒先輩の所へ行く。元々諒先輩とお勉強会の約束をしていたのに千秋を優先しちゃったのが少し申し訳ない。リビングで待っていた先輩はどこか苛立っているように見える。顔が見えないのにわかるのは、背中が物語っているからだ。カッコヨ…
冗談はさておき、これ以上怒らせたくないので、すぐさま彼の隣に座り顔を覗き込んだ。
「あの~、先輩?怒ってます…?約束してたのに、諒先輩の事放ってたから…」
「…怒ってる、つーか…」
居心地が悪そうに頭をガシガシと掻いた後大きめのため息を付いた諒先輩。怒ってるわけじゃないの?不機嫌そうに見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。そう思い首を傾げればじっと俺を見つめたあと不思議そうに眉を顰めた。
「なんで久道がいんだ?」
「寮に着いた時に丁度ずぶ濡れの千秋が玄関とこにいて…そのまま拭いて着替えて終わらしそうだったんでお風呂に入れたんですよ」
「…世話焼きだな、お前…そこまで世話焼かなくても大丈夫だろ。アイツだって高校生だぞ?」
「でも…千秋、多分無痛無汗症だから…心配なんです。変に風邪こじらしたら、死んじゃうかもって…」
「いや、そう簡単に死なないだろ…」
「そんなの、わかんないじゃん」
あの子だってそうだったんだ。死なない確証なんてない
「あ、俺ズボン濡れてるんだった!とりあえず着替えてくるんで、そしたらお勉強会しましょーね!」
視界に映った自分のズボンが濡れているのに気が付いてスッと立ち上がる。諒先輩に笑いかけた後、彼の表情を見る事もなく部屋に引っ込んだ。
大きく息を吸って、吐き出して。目を閉じ動き続けている心臓に手を当てる。脳裏を走った記憶にまた苛まれる。最近はてんでダメだ。こんなにも調子がガタ落ちするなんて思っていなかった。
鬱陶しい制服を脱いでいつもの部屋着に着替える。俺は大丈夫という言葉を口の中で呟いて暗示をかけてから笑って扉を開けた。
「諒先輩お待たせしました~!あ、千秋、服のサイズ大丈夫そう?」
リビングにいたのは諒先輩だけでなく、頭にタオルを被ったお風呂上がりの千秋だった。へらりと笑って見せれば、諒先輩も合わせるように笑ってくれた。さっきの俺を無かったことにしてくれたようで、心底安心した。土足でズカズカと踏みこまれるのは苦手なんだ。
「別に構わねーって。可愛い後輩のためならいくらでも待つぜ?あ、勿論千秋くんも可愛い後輩だからな、拗ねんなよ♡」
「気色悪りぃンだよテメェは…」
「あははっ、千秋照れちゃってんの?さすがツンデレだにゃあ~♡」
「テメェも茶化すンじゃねェ…」
ずっしりと重くのしかかっていた記憶が、2人のおかげで薄れていく。それが酷く嬉しくて、俺はただただ笑顔を浮かべる事しかできなかった。
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