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7月 グロリオサ
第75話
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「んじゃあ話そ~~と思ったけど、その前に自己紹介しとくいた方良くネ?俺がどんな人間なのか知らなきゃ、イヨくんのオトモダチの2人が不安になっちゃうかもだシィ?」
ほんのり赤くなった頬を誤魔化すように、掌で顔へ風を送りながら、壱成先輩は明るい声で宣った。
不安か、なんて思いつつチラリと千秋の方を伺い見れば、どうでも良さげに聞き流しているようで、持っていたスマホを片手でスワイプしている。そのあまりにもな無関心っぷりに思わず感嘆。そのまま視線を外して対面を見れば呆れ果てた表情で丁度ため息をついた諒先輩が視界に入る。彼は恐らく壱成先輩と千秋、どちらに対しても呆れているんだろう。
不安とかは無さそうだけど?
そう問いかけるように首を傾げて壱成先輩を仰ぎ見れば、唇をとんがらせた後拗ねるように言葉を発した。
「ま、これら全部建前で、ほんとはイヨくんに俺のこともぉ~ッと知ってもらいたいだけだけどォ…さっきはちゃんと出来てねーもん…」
子供っぽい仕草にくすくすと笑いながら頭を撫でる。壱成先輩は感情表現が豊かで、話すのがとても楽しい。彼の言葉をもっと聞きたいと思っていたし、彼の名前と変態って事以外も知りたいので、納得を示すように首を縦に振った。
「さぁてっ、自己紹介なぁ!3年Aクラスの北条壱成で~す♡嫌いなものは調子乗ってる馬鹿とミミズ~。好きなものはカレーと喧嘩と気持ちいい事と調子乗ってる馬鹿を引き摺り下ろして踏み付けにする事ぉ!趣味は喧嘩で~好みのタイプはイヨくん♡」
嬉しそうに満面の笑みを浮かべながら、俺の目を見て自己PR。う~ん、ツッコミ所満載!いいね、そう言うの好き
「調子乗ってる馬鹿の具体例とかあるんです?」
「権力持ってるやつの取り巻きィ!特にたまたま気に入られたからって我が物顔で歩いてる奴ぅ?今だとほら!転校生とか!」
目を細め、口元に弧を描いて綺麗に笑っているものの、本当に嫌いらしい。その瞳の奥には嫌悪や侮蔑が多分に含まれていた。
彼は本当に雄弁だな。と、思考しながらも微笑みを絶やさずに次の質問を投げかける。
「じゃあ今回もその一環?」
数度瞬いた後悪びれる様子もなく笑いながら、壱成先輩は肩をすくめ「薬なんてもん使ったのはハジメテだけどねぇ~」と軽く言ってのける。
流石にこの発言には周りが敏感に反応し、多方面から視線が遠慮なく突き刺さる。勿論、俺に向けられたものではなく、隣にいる彼に向けられたものだと理解している、しているが、やはり居心地が悪く、眉尻が下がってしまう。
そんな俺に気が付いてか、それとも興味を無くしたのか、どちらかは分からないが彼の青い瞳はそっと逸らされた。
「んだそれ聞いてねぇぞ壱成」
「あ゛~?言ってねーから知らなくてとぉぜんジャネ?つか言うわけねぇーーーーーだろ?」
「てめぇ……」
壱成先輩の発言をきっかけに、2人の間で火花が散る。場所が場所ならおそらく喧嘩が始まるだろうと、倉沢先輩の額に浮いた青筋を見ながら苦笑を溢した。今そんなことをやられても困るので、あざとく壱成先輩の袖を摘んで数度引っ張る。視線をこちらへ向けた彼は、先程まで纏っていた不穏な雰囲気を引っ込め、心底嬉しそうに笑っている。なんと言う変わり身の速さ。
「誰からの依頼だったの?」
「え~、俺への質問はもう終わりィ?」
「不安にさせないためって建前があるんでしょ?ならちゃんとそれを遂行しなきゃ。それが終わったら後でじっくり聞かせてくださいよ。ね?」
「ん~~~~……そっかァ…」
「2人っきりでなら誰にも邪魔されないし、そっちの方が良くない?」
「2人っきり…2人っきりかぁ!!!うん、うんうん、いいねぇ、いいヨォ~~!!!」
壱成先輩に関する質問を早々に切り上げたせいで一度機嫌が落ちかけたが、2人っきりという単語を出しただけでたちまち急上昇したようで、子供のように目を輝かせてニコニコと笑っている。このまま鼻歌でも歌い始めちゃいそうだ。
「おい依夜食われんぞ」
「鏡宮、そいつと2人っきりになるのは危険だ」
「いいんちょもタッツンも俺の事獣か何かだと思ってンの?」
そこへ噛み付いたのは諒先輩と倉沢先輩。一度止めた喧嘩が再開されてしまうかとほんの少し焦ったがどうやらその心配はなさそうで、不穏な雰囲気はないようだ。それぞれ甘噛みで戯れあっているだけなら随分と微笑ましいし、あとちょっと、羨ましい。
けれどどうにも脱線しそうなので、俺は掌を軽く数回合わせて音を鳴らし、3人の注目を集めた。
「仲良しなのはいいですけど、脱線しちゃいますよ」
「仲良くねぇよ」
「仲良くない」
「仲良くね~よぉ?」
いややっぱ仲良しじゃん
────────────────────
お久しぶりです…!!とっても更新期間が空いてしまい申し訳ありません…😭
ストックが大分あるので、今日から2話ずつ、日付が変わった瞬間に更新していきます。
お待ちくださった皆様ありがとうございます!BIG LOVEです😭💖
ほんのり赤くなった頬を誤魔化すように、掌で顔へ風を送りながら、壱成先輩は明るい声で宣った。
不安か、なんて思いつつチラリと千秋の方を伺い見れば、どうでも良さげに聞き流しているようで、持っていたスマホを片手でスワイプしている。そのあまりにもな無関心っぷりに思わず感嘆。そのまま視線を外して対面を見れば呆れ果てた表情で丁度ため息をついた諒先輩が視界に入る。彼は恐らく壱成先輩と千秋、どちらに対しても呆れているんだろう。
不安とかは無さそうだけど?
そう問いかけるように首を傾げて壱成先輩を仰ぎ見れば、唇をとんがらせた後拗ねるように言葉を発した。
「ま、これら全部建前で、ほんとはイヨくんに俺のこともぉ~ッと知ってもらいたいだけだけどォ…さっきはちゃんと出来てねーもん…」
子供っぽい仕草にくすくすと笑いながら頭を撫でる。壱成先輩は感情表現が豊かで、話すのがとても楽しい。彼の言葉をもっと聞きたいと思っていたし、彼の名前と変態って事以外も知りたいので、納得を示すように首を縦に振った。
「さぁてっ、自己紹介なぁ!3年Aクラスの北条壱成で~す♡嫌いなものは調子乗ってる馬鹿とミミズ~。好きなものはカレーと喧嘩と気持ちいい事と調子乗ってる馬鹿を引き摺り下ろして踏み付けにする事ぉ!趣味は喧嘩で~好みのタイプはイヨくん♡」
嬉しそうに満面の笑みを浮かべながら、俺の目を見て自己PR。う~ん、ツッコミ所満載!いいね、そう言うの好き
「調子乗ってる馬鹿の具体例とかあるんです?」
「権力持ってるやつの取り巻きィ!特にたまたま気に入られたからって我が物顔で歩いてる奴ぅ?今だとほら!転校生とか!」
目を細め、口元に弧を描いて綺麗に笑っているものの、本当に嫌いらしい。その瞳の奥には嫌悪や侮蔑が多分に含まれていた。
彼は本当に雄弁だな。と、思考しながらも微笑みを絶やさずに次の質問を投げかける。
「じゃあ今回もその一環?」
数度瞬いた後悪びれる様子もなく笑いながら、壱成先輩は肩をすくめ「薬なんてもん使ったのはハジメテだけどねぇ~」と軽く言ってのける。
流石にこの発言には周りが敏感に反応し、多方面から視線が遠慮なく突き刺さる。勿論、俺に向けられたものではなく、隣にいる彼に向けられたものだと理解している、しているが、やはり居心地が悪く、眉尻が下がってしまう。
そんな俺に気が付いてか、それとも興味を無くしたのか、どちらかは分からないが彼の青い瞳はそっと逸らされた。
「んだそれ聞いてねぇぞ壱成」
「あ゛~?言ってねーから知らなくてとぉぜんジャネ?つか言うわけねぇーーーーーだろ?」
「てめぇ……」
壱成先輩の発言をきっかけに、2人の間で火花が散る。場所が場所ならおそらく喧嘩が始まるだろうと、倉沢先輩の額に浮いた青筋を見ながら苦笑を溢した。今そんなことをやられても困るので、あざとく壱成先輩の袖を摘んで数度引っ張る。視線をこちらへ向けた彼は、先程まで纏っていた不穏な雰囲気を引っ込め、心底嬉しそうに笑っている。なんと言う変わり身の速さ。
「誰からの依頼だったの?」
「え~、俺への質問はもう終わりィ?」
「不安にさせないためって建前があるんでしょ?ならちゃんとそれを遂行しなきゃ。それが終わったら後でじっくり聞かせてくださいよ。ね?」
「ん~~~~……そっかァ…」
「2人っきりでなら誰にも邪魔されないし、そっちの方が良くない?」
「2人っきり…2人っきりかぁ!!!うん、うんうん、いいねぇ、いいヨォ~~!!!」
壱成先輩に関する質問を早々に切り上げたせいで一度機嫌が落ちかけたが、2人っきりという単語を出しただけでたちまち急上昇したようで、子供のように目を輝かせてニコニコと笑っている。このまま鼻歌でも歌い始めちゃいそうだ。
「おい依夜食われんぞ」
「鏡宮、そいつと2人っきりになるのは危険だ」
「いいんちょもタッツンも俺の事獣か何かだと思ってンの?」
そこへ噛み付いたのは諒先輩と倉沢先輩。一度止めた喧嘩が再開されてしまうかとほんの少し焦ったがどうやらその心配はなさそうで、不穏な雰囲気はないようだ。それぞれ甘噛みで戯れあっているだけなら随分と微笑ましいし、あとちょっと、羨ましい。
けれどどうにも脱線しそうなので、俺は掌を軽く数回合わせて音を鳴らし、3人の注目を集めた。
「仲良しなのはいいですけど、脱線しちゃいますよ」
「仲良くねぇよ」
「仲良くない」
「仲良くね~よぉ?」
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