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9月 コルチカム
第126話
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重たい瞼を持ち上げて、暗闇の中から意識が這い出ると、靄がかかっている頭が徐々に回っていく。
ぼやける視界が不快で何度か瞬きを繰り返せば、捉えられなかった輪郭が冴えていった。それでもまだ違和感があって、ごしごしと指先で目を擦ってしまう。漸く晴れた視界に口元を緩めながら起きあがろうと体をほんの少し動かした、のだが…
「…わぁ…」
なんて声が、思わず漏れた。
だってだって!!俺の胸元で!千秋が!あの、千秋さんが!!スヤスヤとお眠り遊ばせているんですのよ~~~~ッ!?!?
一体どういう事ですの~~~~~ッ!!!??
目を伏せている千秋は規則正しい吐息を吐いているし、眉間の皺も綺麗に消えていて、更には俺の体に回された腕の力もかなり弱い。これは、確実に眠っているだろう。第一、俺が目を擦る為に腕を動かした時点で、いつもの千秋なら目を開けているはずだしね。
あんなにも他人を警戒している千秋が、今や無防備に寝顔を晒している事実に口元が歪んでしまう。俺の作戦が功を制したのか、それとも雀の涙程と思っていた好感度が一木一草ほどになったのだろうか?どちらかはわからないが、どちらにしても嬉しいことに変わりはなく、だらしなく表情筋を緩めながら優しく千秋の頭を撫でた。
胸元に擦り寄ってくる千秋が可愛くて、ついつい長い時間頭を撫でていた気がする。それでも尚千秋は目を覚さないのだから、相当寝不足だったのだろう。まだまだ撫でていたい気持ちもあるけれど、俺は朝食を作る為にもそろそろ起きないと。
ゆっくりと体を起こして、回されていた腕を外す。一度体をグッと伸ばしてから後ろへ体を捻り、眠っている千秋の顔を覗き見る。いつも刻まれている眉間の皺もなく、あげている前髪が降りているからか、どこか幼なげだ。ふわふわと腹の中で舞う蝶を宥めるように、頭へおいた掌をそのまま頬まで下ろしてから、手の甲でするりと撫であげる。
すると微かに、まつ毛が揺れた。
深い青が俺を捉える。キラキラと眩いそれを見つめながら、俺はふっと顔を綻ばせた。
「おはよう、千秋」
未だ夢現な千秋はぼんやりとした眼差しでこちらを見つめる。そっと頭を撫でてやれば眠たげな瞳をゆっくりと落とした。その幼い仕草にくすりと笑いながら、小声で囁く。
「朝ごはん、フレンチトーストにしようね。とびっきり甘いの」
「…ん…」
掠れた低い声で返事をした千秋の頬をもう一度だけ撫でれば、頬に添えた手をそっと掴まれた。捕まえたと言わんばかりにそのまま手を緩く握られ思わず笑みをこぼす。『寝起きの千秋はいつもより幼くなる』という意外な一面を発見出来たことを喜びつつ、四つ這いになって千秋の頬へ口付けを落とす。ちゅ、と軽いリップ音を鳴らしてから顔を離して、俺は上機嫌でリビングへと向かった。
トントントン、と軽快なノックが鳴ったのは、丁度千秋と共にフレンチトーストを食べ終えた頃だった。いつもは音にすぐさま反応する千秋は、未だはっきりと目が覚めていないのか、それとも何事かを考え込んでいるのか、どこかぼんやりと遠くを見つめている。心ここに在らずな千秋を横目に、俺は忙しなく扉へと向かい、ノックを鳴らした人物を確認しに行く。とはいえドアスコープなんてものはついていないので、扉を軽く開いて確認するしかないのだけども…
ほんの少し隙間を開けて外をチラリと覗き見る。白の清潔なシャツに淡いグリーンのカーディガン、シャツに合わせるように真っ白なパンツがスラリとした足を包んでいる。手入れの行き届いた黒の革靴に吸い込まれた視線をゆっくりと上にあげれば、美しい金糸がサラリと流れ水色の瞳がゆらゆらと揺れていた。すぐさま扉を全開に開けば、彼は俺をきつく抱きしめる。
「っ、イヨ…ッ!」
震える声音で俺の名前を囁いたアレクシスは、それ以上言葉を綴ることすら出来ずに、ただただ俺の肩に顔を埋めた。アルには随分と心配をかけたみたい。そう言えば、アルと出会ってからは誘拐まがいな事はされていても拉致される事はめっきり無くなっていた気がする。ならこんなにも動揺するのは当然か。
「アル、アール。アレクシス」
「イヨ……」
「心配してくれてありがとう。俺はなんともない。平気だよ」
「…ぅん、うん…」
「ただいま、アレクシス」
縋りついてくるアレクシスの頭を撫でて、こちらを向かせる。ゆらゆらと不安に揺れる水色の瞳を見つめながら安心させるように微笑めば、苦しげに歪んでいた表情が和らいだ。頬を撫でながら名前を呼ぶと、甘えるように手のひらに擦り寄るアレクシス。その仕草がまるで子犬のようで、心底愛おしい。
諭すように、宥めるように言葉を紡いで、瞳を見つめながら額と額をくっつける。大丈夫だと瞳だけで伝えれば、漸く彼は安堵したように瞳をうるませた。本当に、とっても心配かけたみたい。こんなふうに俺を心配してくれるアレクシスの存在って、とってもありがたいものだなぁ、なんて呑気に考えながら、ゆるりと口元を緩ませた。
「……どうして君がいるのかな?」
「…あ゛?るせェよ。テメェには関係ねェだろうが」
落ち着いたアレクシスを部屋に招き入れたはいいものの、お互いの姿を視界に入れた瞬間、一触即発の雰囲気が漂い始める。2人とも割と仲良くなったと思ってたのに!
乱雑に頭を掻いた千秋は大きなため息を一つ付くと、「帰る」とだけ呟いて立ち上がる。元々荷物も何もないのでそのままスタスタと玄関へと向かおうとするので、すぐさま両手をどーんと広げて通せんぼ。行かせるか!!ここを通りたくば俺を倒すんだな!!グワーッハッハッハッ!!!
「邪魔だ、退け」
「やだ!アル!!アルも俺にギュッてして!!」
「勿論!!」
「…………クソうぜェ…」
「そんなこと言うなって~!」
「クッソ…!テメェッ…マジで離せ…!」
俺の手を退けて進んだ千秋の腰に、背後からギュッと抱きついて、手が外れてしまわないように硬く繋ぐ。アルも呼んで、俺の事を抱きしめるようにお願いしたので全力で体重をかければいくら千秋でも進めないだろう。
「千秋もアルも帰っちゃダメなんだってば!」
「もちろん!僕は帰らないよ」
「テメェの、おねがいを、叶えるわけ、ねェだろうが」
「えー!?気にならないの!?俺を拉致った犯人の処遇とか、裏から糸引いてる黒幕の正体とか」
挑発するように、楽しげに呟くと、俺の頭に頬を擦り寄せていたアレクシスも、懸命に俺の手を外そうとしていた千秋も、ぴたりと動きを止める。その様子が面白おかしくて、くふくふと笑い声を上げてしまった。
「黒幕が分かったのかい?」
「まーね!あ、これ以上の質問はなしだよ?」
背後から問いかけるアルにドヤ顔で答えると褒めるように頭を撫でられた。ふふん!もっと撫でて
「で、それでも帰っちゃうの?ち~あ~き♡」
目を細めながら小首を傾げれば、千秋は心底嫌そうにため息をついて後ろを向いた。苦虫を潰したような表情で口元を引き結んでいる彼は、背後に引っ付いた俺とアルを携えて方向転換。リビングへと戻ってくれたので、俺はニッコニコだ!
ソファーの奥側に座った千秋の隣に腰を下ろして、2人に挟まれながら膝を抱える。さっきまでニッコニコだったのに一瞬で萎れた俺を千秋は怪訝な目で、アルは心配そうな目で見つめた。なんで突然こうなったのかって?そんなの、今回の依夜くん拉致事件の詳細を話す為に関係者各位をこの部屋に呼ばないといけないからに決まってんじゃーーーん!!
「昨日の夜に帰ってきてたのに、ただいまもなしなんだァ~」
「そうだよなぁ、俺らは心配してたっつーのに…」
俺は今、部屋に来るなり笑顔で圧をかけてきた先輩2人と対峙している。どうやら帰ったよ!のメッセージが来なかった事と、先に千秋とアルがいたのが部屋にいたのが相当気に入らないらしく、リビングに来るなり仁王立ちし始めた2人の目の前で正座させられてるのだ。アルと千秋に視線だけで助けを求めたものの、大きな掌で視界を遮られ、そのまま頬を掴まれ正面を向かされる。仁王立ちだった2人がしゃがみ込み、ヤンキー座りになった。おあ~!ヤカラ感すッッげ!!
「おい聞いてんのか?ん?」
「ひぇ…」
「メッセージ届いてサァ~…イヨくんのことだから帰ってきたよ~!ただいま!とか言ってくれると思ってたのにサァ~~~??」
「すぃやせん…すぃやせん…」
「話したいことあるから部屋に来てって…なぁ?そりゃねーだろ。なぁ?」
「ふぇぇ……」
ニッコニコ笑顔のままで詰るように言葉を連ねる2人に思わず情けない声が出てしまう。
アッアッ…すぃやせん…すぃやせん…アッアウッ…ほっぺ…ほっぺぺちぺちしないで…アッアッアッ…むにむにもしないでくださぃ…すぃやせん……すぃやせん……
ほっぺたをぺちぺちなでなですりすりむにむにされながら萎びたまま正座を保つ。足が痺れない座り方を教えてくれた八剣に感謝しつつ、抵抗もせずされるがままに身を縮こませた。側から見た俺はきっと、いたずらをして主人に叱られてるワンちゃんだろうな…
「んで?なんでそんなに不安そうなんだ?」
「えっ」
「不安と怯えが五分五分って感じィ~~?なんか怖い事あったノ?俺らでは力になれない?」
「えっえっ」
頬を弄んでいた手が、突然慰めるような手つきへと変わる。驚いて二人を見つめれば、困ったように眉を下げながら心配の言葉をかけられた。どうやら相当顔に出ていたらしい。まったく、俺らしくないなぁ…
ここまでバレてしまってるんだから、言い訳した所で納得はしてくれないだろう。
決意を胸に抱きながら、俺は問いに答えを返した。
「えっ、と…ニィさんに会ったって…聞いて。…ほら、俺とニィさん、どこをどう見ても似てないでしょ?…血が繋がってないんだよね。ほんの少しも…」
電話口でのやり取りは、樹先生とニィさんしかいないと思っていたのだが、どうやらあの場には親しい人の殆どが集まっていたらしい。迎えにきてくれた八剣に、自宅へ帰る道中の車内で教えてもらったのだ。
ボソボソと呟きながら耳の縁をいじる。今日もつけている軟骨ピアスを少し引っ張ると、ほんの少しだけ刺すような痛みを感じた。
「……血の繋がりのない兄弟なんておかしいって、思われたらどうしようって、考えちゃって…」
それ以上は言えなかった。これっておかしいよね?なんて聞くような情けないことを、したくはなかったから。
カリカリと爪で耳を引っ掻いた。ほんの少しだけ、ツキツキとした痛みが走る。
諒先輩の掌が、耳を触っていた片手を軽く覆う。やわやわと揉み込むように握られながら、ピアスを弄っていた指をそっと外して、片手は指を握り込んだまま、もう片方の手は俺の頭をくしゃりと撫でる。壱成先輩もまた俺の頬に手を伸ばして、親指で目尻をさするように撫でた。甘やかすような優しい瞳と手つきに、戸惑いを隠せない。
「依夜は?思ってんのか?」
「え?」
「イヨくん自身は、おかしいなーって思ってんノ~?」
2人の問いに、咄嗟に視線を落としてしまう。思っていない、と、即答することが出来ない自分に歯噛みしながらも、ゆるりと首を横に振った。
……おかしいとは思っている。歪だとも。“普通”から逸脱しているのもわかっている。
でも、間違った事だとは、思いたくない、認めたくない。だってそれは、全部を否定することになる。
「ならいいんじゃね?無理に周りの常識に合わせる必要はねぇだろ。依夜の思うままでいいって」
「そーそー!誰が決めたかもわかんネ~常識より、イヨくんの心のままに決めちゃえばいいヨ♡おかしいも、おかしくないも、全部、イヨくんが決めていいんだよ」
酷く優しい言葉だと思う。
思うままでいい、心のままに決めていい、だなんて。
耳触りが良くて、身を委ねてしまいたくなるような魅力を孕んだ、怖いくらいに甘い言葉だ。
戸惑いがとまらない。どうしてそんな事を言うんだろう?そんなわけがない、そんな資格なんてないのに。彼らは俺達の関係の歪さを、本当の意味では知らないのに。でも、でも、それでも。彼らは知らないからこそ、言えるんだ。無知な彼らに責任を押し付けてしまっても、いいんだろうか?全てを委ねてしまっても。俺の心のままに、思うままに決めしまっても、いいの?本当に?
いや、いや。ちがう、ちがうだろ。
俺の醜さが招いた歪な関係なくせに、それを正当化する事が、本当に許されるんだろうか?彼らが許してくれても、俺自身は許せるのだろうか?流されて、楽な方へ堕ちて、俺は、俺でいられるのだろうか?けど、でも、堕ちたいと、思ってしまうのは、
「ぅわっ!?」
突然うなじに鋭い冷たさが伝わり、思考が止まる。驚いて声を上げながら、うなじに手を添えて後ろを振り返った。
苛立ちを隠さずに顔を顰めている千秋が、氷水の入ったグラスを片手に持ちながらこちら…というよりも、俺のさらに奥、多分諒先輩と壱成先輩を見つめている。うなじに伝わった冷たさは持っているグラスを押し付けられたせいだろうけど、睨んでいる相手にやるんじゃなくて、俺にやったのはなんで?マジで…え?な、なんで…???
「それを決めンのもコイツ自身だろうが」
困惑したまま仁王立ちの千秋を見つめていると、それだけ言って口を引き結び、視線を彷徨わせてから持っていたグラスを俺の手に握らせた。
え?な、なに?この水…え?なに?え??
「…口はつけてねェよ」
え!?そこ!?!?
「っあ~~~~…依夜、ごめんな。ほんっとすまん…デリケートな問題なのに、無責任なこと言った。本当にすまん…」
「俺もごめんね…イヨくんにとって凄く大事なことなのに、ただ楽になって欲しいって理由だけで強制するようなこと言っちゃった…本当にごめん」
事態についていけない俺を置き去りに、今度は2人が謝り始める。柄の悪いヤンキーのようにしゃがんでいた2人は居住まいを正して、俺へ深々と頭を下げた。ちょっと待ってくれ。未だに頭が追いついていないのに、追い打ちをかけないでくれ。俺を置き去りにして反省モードに入らないでほしい
まぁ……とりあえず水でも飲むか………
「…お前も大概マイペースだよな…」
なんか聞こえた気がするけど、きっと気のせい!なんて誤魔化しながら思い切りコップを傾け水を煽る。いつのまにかかなり喉が渇いていたようで、冷たい水がじわじわと体を潤わせた。氷だけになったコップを両手で持ちながら、濡れた唇をペロリと舐める。靄がかかったようにぼやけていた脳が、冷たい水のおかげで輪郭が定まった。
千秋は自分自身の感情には疎いが他人の感情の揺らぎにはとても敏感だから、俺がぐるぐる考え込んでしまっていたのも肌でわかったのだろう。だからこそ、一度冷静になれとわざわざ氷水を渡してくれたのだ。
優しいなぁ…なんて心の中で呟きながら、眉を下げる。申し訳なさそうに正座をしている2人に微笑みを浮かべた。さっきとは、立場が真逆になってしまったや。
「2人とも、謝らなくても大丈夫ですよ?2人の言葉に戸惑ったのは事実だけど、俺の為を思って言ってくれたんでしょ?だから、大丈夫。嬉しかったのも事実だし。…壱成先輩も、諒先輩も、ありがとうございます」
かけられた優しすぎる言葉に恐ろしくなって混乱してしまったけれど、落ち着いてしまえばどうと言う事もない。彼らはただ、考え方によって違う道があるのだと教えてくれただけであって、強制もされていなければ、糸を垂らした訳でもないのだ。俺が、勘違いしてしまっただけのこと。
「千秋もありがとう」
深い青の瞳を一度だけこちらに向け、すぐさま伏せられる。興味がなくなった時の俺の愛犬にそっくりで、思わずくすくすと笑ってしまった。
「イヨ、そこにずっと座っていると足が冷えてしまうよ。お二人も、座るならクッションを敷いてください」
「アルが俺より家主…部屋主してる…」
「ふふふ、僕もここに住んじゃおうかな?」
「おっけー!俺は居候ね」
ふざけながらソファーへと移動し、正座をしていた2人も座布団を敷いて楽な体勢に。さてさて、そろそろいい加減本題へと移らねば。体感としては結構時間が経ってしまっているしね!
「よーし、じゃあ早速本題に…」
「おい待て依夜」
じゃあ本題に!って所で、身を乗り出した諒先輩に静止される。んも~なに?また大事件ですか?でももう箸はちゃんと食器棚に閉まってんですけど~??
むっつりとしながら先輩へと視線を移すと、思いの外真剣な眼差しを向けられる。思わず背筋を伸ばしてから続きを促す。
「名和は?」
「…………あっ!」
いっけね!!連絡するの忘れてた!!!!!
ぼやける視界が不快で何度か瞬きを繰り返せば、捉えられなかった輪郭が冴えていった。それでもまだ違和感があって、ごしごしと指先で目を擦ってしまう。漸く晴れた視界に口元を緩めながら起きあがろうと体をほんの少し動かした、のだが…
「…わぁ…」
なんて声が、思わず漏れた。
だってだって!!俺の胸元で!千秋が!あの、千秋さんが!!スヤスヤとお眠り遊ばせているんですのよ~~~~ッ!?!?
一体どういう事ですの~~~~~ッ!!!??
目を伏せている千秋は規則正しい吐息を吐いているし、眉間の皺も綺麗に消えていて、更には俺の体に回された腕の力もかなり弱い。これは、確実に眠っているだろう。第一、俺が目を擦る為に腕を動かした時点で、いつもの千秋なら目を開けているはずだしね。
あんなにも他人を警戒している千秋が、今や無防備に寝顔を晒している事実に口元が歪んでしまう。俺の作戦が功を制したのか、それとも雀の涙程と思っていた好感度が一木一草ほどになったのだろうか?どちらかはわからないが、どちらにしても嬉しいことに変わりはなく、だらしなく表情筋を緩めながら優しく千秋の頭を撫でた。
胸元に擦り寄ってくる千秋が可愛くて、ついつい長い時間頭を撫でていた気がする。それでも尚千秋は目を覚さないのだから、相当寝不足だったのだろう。まだまだ撫でていたい気持ちもあるけれど、俺は朝食を作る為にもそろそろ起きないと。
ゆっくりと体を起こして、回されていた腕を外す。一度体をグッと伸ばしてから後ろへ体を捻り、眠っている千秋の顔を覗き見る。いつも刻まれている眉間の皺もなく、あげている前髪が降りているからか、どこか幼なげだ。ふわふわと腹の中で舞う蝶を宥めるように、頭へおいた掌をそのまま頬まで下ろしてから、手の甲でするりと撫であげる。
すると微かに、まつ毛が揺れた。
深い青が俺を捉える。キラキラと眩いそれを見つめながら、俺はふっと顔を綻ばせた。
「おはよう、千秋」
未だ夢現な千秋はぼんやりとした眼差しでこちらを見つめる。そっと頭を撫でてやれば眠たげな瞳をゆっくりと落とした。その幼い仕草にくすりと笑いながら、小声で囁く。
「朝ごはん、フレンチトーストにしようね。とびっきり甘いの」
「…ん…」
掠れた低い声で返事をした千秋の頬をもう一度だけ撫でれば、頬に添えた手をそっと掴まれた。捕まえたと言わんばかりにそのまま手を緩く握られ思わず笑みをこぼす。『寝起きの千秋はいつもより幼くなる』という意外な一面を発見出来たことを喜びつつ、四つ這いになって千秋の頬へ口付けを落とす。ちゅ、と軽いリップ音を鳴らしてから顔を離して、俺は上機嫌でリビングへと向かった。
トントントン、と軽快なノックが鳴ったのは、丁度千秋と共にフレンチトーストを食べ終えた頃だった。いつもは音にすぐさま反応する千秋は、未だはっきりと目が覚めていないのか、それとも何事かを考え込んでいるのか、どこかぼんやりと遠くを見つめている。心ここに在らずな千秋を横目に、俺は忙しなく扉へと向かい、ノックを鳴らした人物を確認しに行く。とはいえドアスコープなんてものはついていないので、扉を軽く開いて確認するしかないのだけども…
ほんの少し隙間を開けて外をチラリと覗き見る。白の清潔なシャツに淡いグリーンのカーディガン、シャツに合わせるように真っ白なパンツがスラリとした足を包んでいる。手入れの行き届いた黒の革靴に吸い込まれた視線をゆっくりと上にあげれば、美しい金糸がサラリと流れ水色の瞳がゆらゆらと揺れていた。すぐさま扉を全開に開けば、彼は俺をきつく抱きしめる。
「っ、イヨ…ッ!」
震える声音で俺の名前を囁いたアレクシスは、それ以上言葉を綴ることすら出来ずに、ただただ俺の肩に顔を埋めた。アルには随分と心配をかけたみたい。そう言えば、アルと出会ってからは誘拐まがいな事はされていても拉致される事はめっきり無くなっていた気がする。ならこんなにも動揺するのは当然か。
「アル、アール。アレクシス」
「イヨ……」
「心配してくれてありがとう。俺はなんともない。平気だよ」
「…ぅん、うん…」
「ただいま、アレクシス」
縋りついてくるアレクシスの頭を撫でて、こちらを向かせる。ゆらゆらと不安に揺れる水色の瞳を見つめながら安心させるように微笑めば、苦しげに歪んでいた表情が和らいだ。頬を撫でながら名前を呼ぶと、甘えるように手のひらに擦り寄るアレクシス。その仕草がまるで子犬のようで、心底愛おしい。
諭すように、宥めるように言葉を紡いで、瞳を見つめながら額と額をくっつける。大丈夫だと瞳だけで伝えれば、漸く彼は安堵したように瞳をうるませた。本当に、とっても心配かけたみたい。こんなふうに俺を心配してくれるアレクシスの存在って、とってもありがたいものだなぁ、なんて呑気に考えながら、ゆるりと口元を緩ませた。
「……どうして君がいるのかな?」
「…あ゛?るせェよ。テメェには関係ねェだろうが」
落ち着いたアレクシスを部屋に招き入れたはいいものの、お互いの姿を視界に入れた瞬間、一触即発の雰囲気が漂い始める。2人とも割と仲良くなったと思ってたのに!
乱雑に頭を掻いた千秋は大きなため息を一つ付くと、「帰る」とだけ呟いて立ち上がる。元々荷物も何もないのでそのままスタスタと玄関へと向かおうとするので、すぐさま両手をどーんと広げて通せんぼ。行かせるか!!ここを通りたくば俺を倒すんだな!!グワーッハッハッハッ!!!
「邪魔だ、退け」
「やだ!アル!!アルも俺にギュッてして!!」
「勿論!!」
「…………クソうぜェ…」
「そんなこと言うなって~!」
「クッソ…!テメェッ…マジで離せ…!」
俺の手を退けて進んだ千秋の腰に、背後からギュッと抱きついて、手が外れてしまわないように硬く繋ぐ。アルも呼んで、俺の事を抱きしめるようにお願いしたので全力で体重をかければいくら千秋でも進めないだろう。
「千秋もアルも帰っちゃダメなんだってば!」
「もちろん!僕は帰らないよ」
「テメェの、おねがいを、叶えるわけ、ねェだろうが」
「えー!?気にならないの!?俺を拉致った犯人の処遇とか、裏から糸引いてる黒幕の正体とか」
挑発するように、楽しげに呟くと、俺の頭に頬を擦り寄せていたアレクシスも、懸命に俺の手を外そうとしていた千秋も、ぴたりと動きを止める。その様子が面白おかしくて、くふくふと笑い声を上げてしまった。
「黒幕が分かったのかい?」
「まーね!あ、これ以上の質問はなしだよ?」
背後から問いかけるアルにドヤ顔で答えると褒めるように頭を撫でられた。ふふん!もっと撫でて
「で、それでも帰っちゃうの?ち~あ~き♡」
目を細めながら小首を傾げれば、千秋は心底嫌そうにため息をついて後ろを向いた。苦虫を潰したような表情で口元を引き結んでいる彼は、背後に引っ付いた俺とアルを携えて方向転換。リビングへと戻ってくれたので、俺はニッコニコだ!
ソファーの奥側に座った千秋の隣に腰を下ろして、2人に挟まれながら膝を抱える。さっきまでニッコニコだったのに一瞬で萎れた俺を千秋は怪訝な目で、アルは心配そうな目で見つめた。なんで突然こうなったのかって?そんなの、今回の依夜くん拉致事件の詳細を話す為に関係者各位をこの部屋に呼ばないといけないからに決まってんじゃーーーん!!
「昨日の夜に帰ってきてたのに、ただいまもなしなんだァ~」
「そうだよなぁ、俺らは心配してたっつーのに…」
俺は今、部屋に来るなり笑顔で圧をかけてきた先輩2人と対峙している。どうやら帰ったよ!のメッセージが来なかった事と、先に千秋とアルがいたのが部屋にいたのが相当気に入らないらしく、リビングに来るなり仁王立ちし始めた2人の目の前で正座させられてるのだ。アルと千秋に視線だけで助けを求めたものの、大きな掌で視界を遮られ、そのまま頬を掴まれ正面を向かされる。仁王立ちだった2人がしゃがみ込み、ヤンキー座りになった。おあ~!ヤカラ感すッッげ!!
「おい聞いてんのか?ん?」
「ひぇ…」
「メッセージ届いてサァ~…イヨくんのことだから帰ってきたよ~!ただいま!とか言ってくれると思ってたのにサァ~~~??」
「すぃやせん…すぃやせん…」
「話したいことあるから部屋に来てって…なぁ?そりゃねーだろ。なぁ?」
「ふぇぇ……」
ニッコニコ笑顔のままで詰るように言葉を連ねる2人に思わず情けない声が出てしまう。
アッアッ…すぃやせん…すぃやせん…アッアウッ…ほっぺ…ほっぺぺちぺちしないで…アッアッアッ…むにむにもしないでくださぃ…すぃやせん……すぃやせん……
ほっぺたをぺちぺちなでなですりすりむにむにされながら萎びたまま正座を保つ。足が痺れない座り方を教えてくれた八剣に感謝しつつ、抵抗もせずされるがままに身を縮こませた。側から見た俺はきっと、いたずらをして主人に叱られてるワンちゃんだろうな…
「んで?なんでそんなに不安そうなんだ?」
「えっ」
「不安と怯えが五分五分って感じィ~~?なんか怖い事あったノ?俺らでは力になれない?」
「えっえっ」
頬を弄んでいた手が、突然慰めるような手つきへと変わる。驚いて二人を見つめれば、困ったように眉を下げながら心配の言葉をかけられた。どうやら相当顔に出ていたらしい。まったく、俺らしくないなぁ…
ここまでバレてしまってるんだから、言い訳した所で納得はしてくれないだろう。
決意を胸に抱きながら、俺は問いに答えを返した。
「えっ、と…ニィさんに会ったって…聞いて。…ほら、俺とニィさん、どこをどう見ても似てないでしょ?…血が繋がってないんだよね。ほんの少しも…」
電話口でのやり取りは、樹先生とニィさんしかいないと思っていたのだが、どうやらあの場には親しい人の殆どが集まっていたらしい。迎えにきてくれた八剣に、自宅へ帰る道中の車内で教えてもらったのだ。
ボソボソと呟きながら耳の縁をいじる。今日もつけている軟骨ピアスを少し引っ張ると、ほんの少しだけ刺すような痛みを感じた。
「……血の繋がりのない兄弟なんておかしいって、思われたらどうしようって、考えちゃって…」
それ以上は言えなかった。これっておかしいよね?なんて聞くような情けないことを、したくはなかったから。
カリカリと爪で耳を引っ掻いた。ほんの少しだけ、ツキツキとした痛みが走る。
諒先輩の掌が、耳を触っていた片手を軽く覆う。やわやわと揉み込むように握られながら、ピアスを弄っていた指をそっと外して、片手は指を握り込んだまま、もう片方の手は俺の頭をくしゃりと撫でる。壱成先輩もまた俺の頬に手を伸ばして、親指で目尻をさするように撫でた。甘やかすような優しい瞳と手つきに、戸惑いを隠せない。
「依夜は?思ってんのか?」
「え?」
「イヨくん自身は、おかしいなーって思ってんノ~?」
2人の問いに、咄嗟に視線を落としてしまう。思っていない、と、即答することが出来ない自分に歯噛みしながらも、ゆるりと首を横に振った。
……おかしいとは思っている。歪だとも。“普通”から逸脱しているのもわかっている。
でも、間違った事だとは、思いたくない、認めたくない。だってそれは、全部を否定することになる。
「ならいいんじゃね?無理に周りの常識に合わせる必要はねぇだろ。依夜の思うままでいいって」
「そーそー!誰が決めたかもわかんネ~常識より、イヨくんの心のままに決めちゃえばいいヨ♡おかしいも、おかしくないも、全部、イヨくんが決めていいんだよ」
酷く優しい言葉だと思う。
思うままでいい、心のままに決めていい、だなんて。
耳触りが良くて、身を委ねてしまいたくなるような魅力を孕んだ、怖いくらいに甘い言葉だ。
戸惑いがとまらない。どうしてそんな事を言うんだろう?そんなわけがない、そんな資格なんてないのに。彼らは俺達の関係の歪さを、本当の意味では知らないのに。でも、でも、それでも。彼らは知らないからこそ、言えるんだ。無知な彼らに責任を押し付けてしまっても、いいんだろうか?全てを委ねてしまっても。俺の心のままに、思うままに決めしまっても、いいの?本当に?
いや、いや。ちがう、ちがうだろ。
俺の醜さが招いた歪な関係なくせに、それを正当化する事が、本当に許されるんだろうか?彼らが許してくれても、俺自身は許せるのだろうか?流されて、楽な方へ堕ちて、俺は、俺でいられるのだろうか?けど、でも、堕ちたいと、思ってしまうのは、
「ぅわっ!?」
突然うなじに鋭い冷たさが伝わり、思考が止まる。驚いて声を上げながら、うなじに手を添えて後ろを振り返った。
苛立ちを隠さずに顔を顰めている千秋が、氷水の入ったグラスを片手に持ちながらこちら…というよりも、俺のさらに奥、多分諒先輩と壱成先輩を見つめている。うなじに伝わった冷たさは持っているグラスを押し付けられたせいだろうけど、睨んでいる相手にやるんじゃなくて、俺にやったのはなんで?マジで…え?な、なんで…???
「それを決めンのもコイツ自身だろうが」
困惑したまま仁王立ちの千秋を見つめていると、それだけ言って口を引き結び、視線を彷徨わせてから持っていたグラスを俺の手に握らせた。
え?な、なに?この水…え?なに?え??
「…口はつけてねェよ」
え!?そこ!?!?
「っあ~~~~…依夜、ごめんな。ほんっとすまん…デリケートな問題なのに、無責任なこと言った。本当にすまん…」
「俺もごめんね…イヨくんにとって凄く大事なことなのに、ただ楽になって欲しいって理由だけで強制するようなこと言っちゃった…本当にごめん」
事態についていけない俺を置き去りに、今度は2人が謝り始める。柄の悪いヤンキーのようにしゃがんでいた2人は居住まいを正して、俺へ深々と頭を下げた。ちょっと待ってくれ。未だに頭が追いついていないのに、追い打ちをかけないでくれ。俺を置き去りにして反省モードに入らないでほしい
まぁ……とりあえず水でも飲むか………
「…お前も大概マイペースだよな…」
なんか聞こえた気がするけど、きっと気のせい!なんて誤魔化しながら思い切りコップを傾け水を煽る。いつのまにかかなり喉が渇いていたようで、冷たい水がじわじわと体を潤わせた。氷だけになったコップを両手で持ちながら、濡れた唇をペロリと舐める。靄がかかったようにぼやけていた脳が、冷たい水のおかげで輪郭が定まった。
千秋は自分自身の感情には疎いが他人の感情の揺らぎにはとても敏感だから、俺がぐるぐる考え込んでしまっていたのも肌でわかったのだろう。だからこそ、一度冷静になれとわざわざ氷水を渡してくれたのだ。
優しいなぁ…なんて心の中で呟きながら、眉を下げる。申し訳なさそうに正座をしている2人に微笑みを浮かべた。さっきとは、立場が真逆になってしまったや。
「2人とも、謝らなくても大丈夫ですよ?2人の言葉に戸惑ったのは事実だけど、俺の為を思って言ってくれたんでしょ?だから、大丈夫。嬉しかったのも事実だし。…壱成先輩も、諒先輩も、ありがとうございます」
かけられた優しすぎる言葉に恐ろしくなって混乱してしまったけれど、落ち着いてしまえばどうと言う事もない。彼らはただ、考え方によって違う道があるのだと教えてくれただけであって、強制もされていなければ、糸を垂らした訳でもないのだ。俺が、勘違いしてしまっただけのこと。
「千秋もありがとう」
深い青の瞳を一度だけこちらに向け、すぐさま伏せられる。興味がなくなった時の俺の愛犬にそっくりで、思わずくすくすと笑ってしまった。
「イヨ、そこにずっと座っていると足が冷えてしまうよ。お二人も、座るならクッションを敷いてください」
「アルが俺より家主…部屋主してる…」
「ふふふ、僕もここに住んじゃおうかな?」
「おっけー!俺は居候ね」
ふざけながらソファーへと移動し、正座をしていた2人も座布団を敷いて楽な体勢に。さてさて、そろそろいい加減本題へと移らねば。体感としては結構時間が経ってしまっているしね!
「よーし、じゃあ早速本題に…」
「おい待て依夜」
じゃあ本題に!って所で、身を乗り出した諒先輩に静止される。んも~なに?また大事件ですか?でももう箸はちゃんと食器棚に閉まってんですけど~??
むっつりとしながら先輩へと視線を移すと、思いの外真剣な眼差しを向けられる。思わず背筋を伸ばしてから続きを促す。
「名和は?」
「…………あっ!」
いっけね!!連絡するの忘れてた!!!!!
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