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72.ビンタ
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「ハルちゃん?若様は?」
「アリッサさん。お疲れ様です。ミハイルさんはトラブルが有ったらしくミックさんの所に行きましたよ」
「あらあら!もう日が暮れるのに婚約者をほっておくなんて」
「お仕事ですしテリーさん達がいてくれますから」
アリッサさんは仕事を終え帰る様だ。アリッサさんは気を使い話をしてくれる。ミハイルさん早く帰って来ないと私出発するんだけど…
アリッサさんと話をしながらぼんやり着いた馬車を見ていたら様子がおかしい。明らかに急いでいる。
不安に思いながら見ていたらアレックスさんが走ってくる。
「春香!」
アレックスさんは来るなり抱きつき頬や額に口付け私の顔を覗き込む。様子がおかしい…
「アレックスさん⁉︎何かありましたか?」
「春香…まだ慣れないのか?そうじゃないだろう!」
「えっと…アレク⁈」
「いい子だ!」
アレックスさんさ艶っぽく微笑みまた頬に口付ける。
「港に来る途中のシュナイダー領の林道で馬車の事故があり道を塞ぎ到着が遅れた。それに加えて風向きが変わり潮の流れが変わっているそうだ。航海士によると早く出航しないと危険な海域を通過する事になるらしい。今、積荷を急がせている。準備ができ次第出航するからそのつもりで。それとシュナイダー公爵様とアビー様は事故対応をされ、出航に間に合わない。公爵様が帰りを待っていると伝言を受けた」
「えっ!でもミハイルさんがトラブルを対応に行って戻っていません。挨拶もしないで出航は…」
レベル5のアレックスさんはテリーさんにミハイルさんの居場所が分かるか聞いた。
「春香。俺が呼びに行ってくるからここで待て。メリージェーン嬢を呼ぼう」
「はい。お願いします」
アレックスさんはテリーさんと走って行き途中でメリージェーンさんに声をかけてくれ、メリージェーンがこちらに駆けてくる。すると…
「ハルちゃん…若様と婚約したんだよね⁈」
「はい?」
アリッサさんを見たら表情が怖い。なんだろう不穏な空気が…
「じゃなんで!さっきの貴族様は何なの?まるでハルちゃんの恋人みたいだし、ハルちゃんは拒むどころか仲睦まじいし!」
「えっと…事情があって…」
「何?納得できる様に説明してよ!」
「・・・」
アリッサさんが疑問に思うのも理解出来る。だけど何処まで話していいか私には判断出来ない。言い及んでいる私をアリッサさん凄い形相で見ていて、走って来たメリージェーンさんに
「騎士さま。先程の貴族様とハルちゃんの関係をご存知ですか?」
「えっ?アレックス様ですか?春香さんの求婚者ですが…春香さんこの方は?」
”バチーン!”
頬が熱く耳鳴りがして耳が聞こえない!
「春香さんになんて事を!」
メリージェーンさんが剣に手をかけた!思わずメリージェーンさんの右腕にしがみつき抜刀を阻止する。そうアリッサさんに左頬をビンタされた!
人生初のビンタ。そんな経験するなんて思っていなかったよ… アリッサさんの手は大きく耳に当たり耳鳴りが酷く聞こえ難い
「若様にいいお嫁さんが来ると喜んだのに、こんな阿婆擦れだったなんて!若様が望んでも私達は認めないわ!」
「アリッサさん…」
頬が痛いけど剣を握るメリージェーンの力が抜けないから手を離せない。メリージェーンVSアリッサになっている。騎士さんがジョシュさんを呼びに行ってくれている。早く!誰か来て!
「ハル!」「春香!」
ミハイルさんとアレックスさんが戻ってきた!二人とも唖然としている。私の頬を見たアレックスさんが殺気出す。アレックスさんも剣に手をかけた!
『ヤダ!同時に2人は止めれない!』
ミハイルさんがアレックスさんを止めた。
「メリージェーン!状況説明を!」
「その女が春香さんをミハイルの婚約者と認めないと言い、春香さんに手をあげたんです!」
その言葉を聞いたアレックスさんが激怒し検知できないレベルになっている。
「ミハイル殿離せ!俺の春香を傷付けたこの女許せない!」
「落ち着け!この者はよく知っている。意味も無く手をあげる事はしない。それに抜刀しようとしているメリージェーンをハルが止めている。行き違いがあるはずだ!」
アリッサさんは怒りに震えながらミハイルさんに訴える。
「若様!ハルちゃんは若様以外に男がいる悪女だよ!どんなに若様がハルちゃんを好きでも、こんな性悪女を我々領民は認めない!」
「アリッサ!これには訳が…」
「お前!春香を罵倒したな!ミハイル殿離せ!許せん!」
「やめて!」涙が溢れてきた…
「みんな落ち着け!」
振り返るとジョシュさんとローランド殿下がいた。
ジョシュさんは険しい顔をして殿下の後ろに控えている。殿下は静かに話し出した。
「時間だ。これ以上出航は遅らせれない。ミハイル。ゆくゆく春香は公爵家にも嫁ぐ。誤解をされたままでは春香が可哀想だ。私が許可を出す。陛下と教会がお認めになったあの件をそのご夫人に話していい。貴族ならみんな知っている事だ。春香…おいで」
やっとメリージェーンさんの手から力が抜けたので手を離し殿下の元に。殿下は柔らかく抱きしめ愛おしそうに腫れた左頬を手で包み、右の頬に口付け私を抱き上げた。
殿下はそのままミハイルさんの元に行き、ミハイルさんに挨拶する様に促す。
「ミハイルさん。ごめんなさい。こんな事になって…アリッサさんを責めないで」
「あぁ…分かっているから泣くな…ハルが帰るのを待っているよ。いつも俺をハルの心に置いて欲しい」
「はい」
ジョシュさんに急かされ殿下は船に歩き出した。
切なそうなミハイルさん。駆け寄って抱きしめてあげたい…
「春香。搭乗したら先ずは医師に診てもらおう。恐らく腫れるだろうし、口の中も切れてるんじゃないか⁈」
「ん?あっ…」
確かに血の味がする。必死だったから気付かなかった。さすが殿下冷静に状況判断している。
どんどん小さくなっていくミハイルさんを見えなくなるまで見つめていた。
乗船した殿下は私を抱いたまま廊下を進む。ジョシュさんが扉を開け殿下は入って行き、ソファーに私を下ろした。どうやらここが私の部屋らしい。
キョロキョロしていたら白衣を着た医師が入ってきた。医師は私の頬を確認、次に口の中を診てガーゼに軟膏を塗って頬に貼り付けた。
医師はメリージェーンさんに軟膏とガーゼを渡し処置の説明をした。医師は殿下に
「口腔内の傷は出血は止まっております。頬の完治は2日程かかるかと…到着ギリギリになるでしょう」
「分かった。メリージェーン嬢。春香を頼む」
「御意」
殿下は隣に座り抱きしめ
「今日はゆっくりするといい。扉続きでメリージェーン嬢が側にいるから安心しなさい」
「はい。ありがとうございます」
殿下は微笑み部屋を出て行った。代わりに侍女さんが入ってきて湯浴みを促し浴室に連れて行かれる。
湯浴みをしてゆったりとした夜着に着替えるとベッドに入った。メリージェーンさんはずっと心配しているけど、心身ともに疲れて返事するのがやっとだ。
「本当に夕食は召し上がりませんか?食べたくなったらベルを鳴らして下さいね。深夜でも侍女が控えて居ますし私もいますから…」
「ごめんね。ありがとう…」
メリージェーンさんはベッドサイドに小さい光石をセットし部屋の明かりを落として退室して行った。
頬が思ったより酷くて熱を持っているせいか、体が熱い…体も重く動けない…
「あぁぁ…波の音が聞こえる。本当に海の上なんだ…アレックスさんが言ったみたいに揺れない…さすが王家の船だなぁ…」
そんな事を思いながら眠りについた。
結局、心労で熱を出しヴェルディアに着くまで寝込む事になった。はぁ…前途多難だぁ!
「アリッサさん。お疲れ様です。ミハイルさんはトラブルが有ったらしくミックさんの所に行きましたよ」
「あらあら!もう日が暮れるのに婚約者をほっておくなんて」
「お仕事ですしテリーさん達がいてくれますから」
アリッサさんは仕事を終え帰る様だ。アリッサさんは気を使い話をしてくれる。ミハイルさん早く帰って来ないと私出発するんだけど…
アリッサさんと話をしながらぼんやり着いた馬車を見ていたら様子がおかしい。明らかに急いでいる。
不安に思いながら見ていたらアレックスさんが走ってくる。
「春香!」
アレックスさんは来るなり抱きつき頬や額に口付け私の顔を覗き込む。様子がおかしい…
「アレックスさん⁉︎何かありましたか?」
「春香…まだ慣れないのか?そうじゃないだろう!」
「えっと…アレク⁈」
「いい子だ!」
アレックスさんさ艶っぽく微笑みまた頬に口付ける。
「港に来る途中のシュナイダー領の林道で馬車の事故があり道を塞ぎ到着が遅れた。それに加えて風向きが変わり潮の流れが変わっているそうだ。航海士によると早く出航しないと危険な海域を通過する事になるらしい。今、積荷を急がせている。準備ができ次第出航するからそのつもりで。それとシュナイダー公爵様とアビー様は事故対応をされ、出航に間に合わない。公爵様が帰りを待っていると伝言を受けた」
「えっ!でもミハイルさんがトラブルを対応に行って戻っていません。挨拶もしないで出航は…」
レベル5のアレックスさんはテリーさんにミハイルさんの居場所が分かるか聞いた。
「春香。俺が呼びに行ってくるからここで待て。メリージェーン嬢を呼ぼう」
「はい。お願いします」
アレックスさんはテリーさんと走って行き途中でメリージェーンさんに声をかけてくれ、メリージェーンがこちらに駆けてくる。すると…
「ハルちゃん…若様と婚約したんだよね⁈」
「はい?」
アリッサさんを見たら表情が怖い。なんだろう不穏な空気が…
「じゃなんで!さっきの貴族様は何なの?まるでハルちゃんの恋人みたいだし、ハルちゃんは拒むどころか仲睦まじいし!」
「えっと…事情があって…」
「何?納得できる様に説明してよ!」
「・・・」
アリッサさんが疑問に思うのも理解出来る。だけど何処まで話していいか私には判断出来ない。言い及んでいる私をアリッサさん凄い形相で見ていて、走って来たメリージェーンさんに
「騎士さま。先程の貴族様とハルちゃんの関係をご存知ですか?」
「えっ?アレックス様ですか?春香さんの求婚者ですが…春香さんこの方は?」
”バチーン!”
頬が熱く耳鳴りがして耳が聞こえない!
「春香さんになんて事を!」
メリージェーンさんが剣に手をかけた!思わずメリージェーンさんの右腕にしがみつき抜刀を阻止する。そうアリッサさんに左頬をビンタされた!
人生初のビンタ。そんな経験するなんて思っていなかったよ… アリッサさんの手は大きく耳に当たり耳鳴りが酷く聞こえ難い
「若様にいいお嫁さんが来ると喜んだのに、こんな阿婆擦れだったなんて!若様が望んでも私達は認めないわ!」
「アリッサさん…」
頬が痛いけど剣を握るメリージェーンの力が抜けないから手を離せない。メリージェーンVSアリッサになっている。騎士さんがジョシュさんを呼びに行ってくれている。早く!誰か来て!
「ハル!」「春香!」
ミハイルさんとアレックスさんが戻ってきた!二人とも唖然としている。私の頬を見たアレックスさんが殺気出す。アレックスさんも剣に手をかけた!
『ヤダ!同時に2人は止めれない!』
ミハイルさんがアレックスさんを止めた。
「メリージェーン!状況説明を!」
「その女が春香さんをミハイルの婚約者と認めないと言い、春香さんに手をあげたんです!」
その言葉を聞いたアレックスさんが激怒し検知できないレベルになっている。
「ミハイル殿離せ!俺の春香を傷付けたこの女許せない!」
「落ち着け!この者はよく知っている。意味も無く手をあげる事はしない。それに抜刀しようとしているメリージェーンをハルが止めている。行き違いがあるはずだ!」
アリッサさんは怒りに震えながらミハイルさんに訴える。
「若様!ハルちゃんは若様以外に男がいる悪女だよ!どんなに若様がハルちゃんを好きでも、こんな性悪女を我々領民は認めない!」
「アリッサ!これには訳が…」
「お前!春香を罵倒したな!ミハイル殿離せ!許せん!」
「やめて!」涙が溢れてきた…
「みんな落ち着け!」
振り返るとジョシュさんとローランド殿下がいた。
ジョシュさんは険しい顔をして殿下の後ろに控えている。殿下は静かに話し出した。
「時間だ。これ以上出航は遅らせれない。ミハイル。ゆくゆく春香は公爵家にも嫁ぐ。誤解をされたままでは春香が可哀想だ。私が許可を出す。陛下と教会がお認めになったあの件をそのご夫人に話していい。貴族ならみんな知っている事だ。春香…おいで」
やっとメリージェーンさんの手から力が抜けたので手を離し殿下の元に。殿下は柔らかく抱きしめ愛おしそうに腫れた左頬を手で包み、右の頬に口付け私を抱き上げた。
殿下はそのままミハイルさんの元に行き、ミハイルさんに挨拶する様に促す。
「ミハイルさん。ごめんなさい。こんな事になって…アリッサさんを責めないで」
「あぁ…分かっているから泣くな…ハルが帰るのを待っているよ。いつも俺をハルの心に置いて欲しい」
「はい」
ジョシュさんに急かされ殿下は船に歩き出した。
切なそうなミハイルさん。駆け寄って抱きしめてあげたい…
「春香。搭乗したら先ずは医師に診てもらおう。恐らく腫れるだろうし、口の中も切れてるんじゃないか⁈」
「ん?あっ…」
確かに血の味がする。必死だったから気付かなかった。さすが殿下冷静に状況判断している。
どんどん小さくなっていくミハイルさんを見えなくなるまで見つめていた。
乗船した殿下は私を抱いたまま廊下を進む。ジョシュさんが扉を開け殿下は入って行き、ソファーに私を下ろした。どうやらここが私の部屋らしい。
キョロキョロしていたら白衣を着た医師が入ってきた。医師は私の頬を確認、次に口の中を診てガーゼに軟膏を塗って頬に貼り付けた。
医師はメリージェーンさんに軟膏とガーゼを渡し処置の説明をした。医師は殿下に
「口腔内の傷は出血は止まっております。頬の完治は2日程かかるかと…到着ギリギリになるでしょう」
「分かった。メリージェーン嬢。春香を頼む」
「御意」
殿下は隣に座り抱きしめ
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「はい。ありがとうございます」
殿下は微笑み部屋を出て行った。代わりに侍女さんが入ってきて湯浴みを促し浴室に連れて行かれる。
湯浴みをしてゆったりとした夜着に着替えるとベッドに入った。メリージェーンさんはずっと心配しているけど、心身ともに疲れて返事するのがやっとだ。
「本当に夕食は召し上がりませんか?食べたくなったらベルを鳴らして下さいね。深夜でも侍女が控えて居ますし私もいますから…」
「ごめんね。ありがとう…」
メリージェーンさんはベッドサイドに小さい光石をセットし部屋の明かりを落として退室して行った。
頬が思ったより酷くて熱を持っているせいか、体が熱い…体も重く動けない…
「あぁぁ…波の音が聞こえる。本当に海の上なんだ…アレックスさんが言ったみたいに揺れない…さすが王家の船だなぁ…」
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