時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜

いろは

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136.3週間妻

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「アレク…そろそろ着くって」
「…」
「次過ごすのは王都の屋敷?」
「…」

間も無くオリタ領の港に着くが、アレックスはレベル5なの上に無言。

『超不機嫌なアレクは妻である私もちょと怖い…』

でもまだ落ち着かない領地のために頑張る夫を労る… いや昨晩散々労ったよ!

「アレク!離れるのが寂しいのは分かるけど、不機嫌なまま別れたくないよ!」

寂しいのは分かるけど、これ以上は怒ってもいいよね! 私が少し怒っているのを理解したアレックスはやっと下車の準備をする。ゆっくり馬車が止まるとアレックスは私を抱き寄せ

「次に迎えに行く時は春香の隣に居ても恥ずかしく無い男になっているよ」
「アレクは最高の旦那様だよ。忘れないで拗ねちゃうアレクも真面目過ぎアレクも大好きだよ」
「春香…愛してる」

こうして機嫌を直したアレックスにエスコートされミハイルの待つ船に移動。船の前には正装に身を包んだミハイルが。私に気付くと走ってくる。

『!』

一瞬強く私を抱きしめて口付けてから、走って来たミハイルに私の手を差し出した。私はそのままミハイルの腕の中に閉じ込められ視界ゼロに。

「遠くまで悪かったな」
「いや。妻の為なら何でもする。だろ?」
「あぁ…」

まるで古くからの友人の様に気取らず話をする夫達に頬が緩む。そして事務的な話をした後にやっと腕が緩む。久しぶりに見るミハイルは男前が増し気恥ずかしくなり直視できない。するとミハイルはアレックスばりに眉間に皺を寄せ

「やっと会えたのに目も合わせてくれないのか」
「えっと…」

慌てて言い訳しようとするとアレックスが

「春香は照れ屋だ。久しぶりの夫に照れているのさ」
「アレク…」

思わぬ助け舟に驚きつつ二人の夫とお互いの近況報告をし和やかな時間が過ぎる。そしてミハイルが

「今港に入港する国外の商人達がイーダン領主が代わるのを知っていて、今後のインクの流通が注目の的になっている」
「それは嬉しい。期待以上にしてみせるよ」

アレックスがそう言うと表情を引き締めたミハイルは

「これからも我がシュナイダー港を利用してくれ」
「勿論だ。身内とはいえ商いは別だからな」

アレックスがそう言うと二人はをし握手を交わしていた。そんな二人を見ていて

『アレクはもうミハイルやローランドと対等だよ』

そう心で呟いた。そして出航時間が近づき従僕達に急かされアレックスと別れ、シュナイダー家の中型客船に乗りシュナイダ港に向けて出航した。

こうしてまた私の【3週間妻】が始まり夫婦生活は順調進み…



「春香。大丈夫?もっとゆっくり走る様に言おうか?」
「ローランド心配しすぎだよ」

今王城に向かう馬車の中だ。陛下専用の馬車の乗り心地は最高!ローランド専用の馬車もお尻に優しいけど、それ以上で歓喜で叫びたい位た。

「さぁもう着くよ。起きれるかぃ?」
「うん…」

本当は後1週間はアレックスの屋敷だったが急遽ローランドの元に移動する事になった。
何故かって?

「母様…もう着いたの⁈」
「そうよおっき出来る⁈」
「僕は大丈夫。フレッド!おっきだよ!」

そう婚姻し2年後にアレックスとの間にショーンを儲けて年子でミハイルの子フレッドを産んだ。
そしてフレッド誕生から2年後今お腹にローランドの子を身籠っている。産月になり念の為に早目に王城に異動している。

経産婦だから恐らく陣痛が始まってから王城に移動していては間に合わない可能性がある為、医師の指示の元にローランドが迎えに来た訳だ。2人の出産も王城で産み今回も宮廷医が取り上げてくれる。
まだ寝ているフレッドをローランドが抱っこしてくれている。夫達は自分の子で無くても慈しみ世話をしてくれる。子供達も父親が3人と認識して甘えている。

二人の息子は父親似で遺伝子が偏り私の要素が全く無い。でも私はそれで良かったと思っている。
だって2人とも美形! 寧ろ私が入らなくて良かった… お腹の子も父親に似て欲しい。私に似たら罰ゲームだ。しかしローランドは私に似て欲しいと言うのだ。

そんな事を考えていたら馬車が停まり、まだ寝ているフレッドをローランドが抱っこし、私はショーンと手を繋ぎ馬車から降りる。ショーンは小さいのに紳士で降りる時に手を貸してくれる。
ショーンはアレックスに似て優しく心配性だ。小さな紳士の手を借り降りると陛下とアンヌ母様が待っていた。やっと起きたフレッドはアンヌ母様に笑顔で抱きつき母様は嬉しそうだ。

陛下の前に行きご挨拶しようとしたら… お腹が張り腰に鈍い痛みが!

「つっ!」

顔を歪めると気付いたショーンが慌てて

「父様!母様が!」
「春香!」

駆け寄ったローランドが私を抱き上げ城内に急ぐ。ローランドに多分陣痛が始まったと伝えると涙目で

「春香。頑張ってくれ… そして必ず私のところへ帰ってきてくれ!」
「元気な子を産んでくるわ。待っててね」

こうして医師と助産師さんと部屋に行き出産に挑む。3人目だから大丈夫だと思ったけど、今回は中々赤ちゃんが下りて来てくれない!
激痛とお腹の違和感に思う所があり医師に

「先生!やっぱり今回はおかしい!」
「妃殿下!落ち着いて気の所為ですから!ゆっくり呼吸して下さい!」
「ゔーん!」

絶対おかしいよ!初産なら分からないけど、2人の時と明らかに違うよ!痛いしお腹が変だ!!

「妃殿下!もう頭が出ます!最後いきんで!」
「…ゔ!」

「おぎゃ!」
「おめでとうございます!王子誕生でございます!」

はぁ… やっと生まれた… あれ⁈まだお腹が張るし痛い!

「先生!やっぱりお腹がへん!まだ陣痛が!」
「妃殿下!落ち着いてそれは後産ですから」
「違う!やっぱり双子だって!」
「そんな事今まであった事有りません。気の所為です!後産が終われば痛みは無くなりますから!」

妊娠中も胎動を2つ感じた事があり、何度も双子だって言ったのに先生は前例がないと、真面に取り合ってくれ無かった! 後産どころかやっぱり陣痛らしく腰の痛みが増す。

「春香!何故産声が聞こえたのに何故まだ苦しそうなんだ!春香に何か起こっているのか⁈誰か説明しろ!」

扉の外からローランドが叫んでいる。扉を蹴破りそうな勢いだ。

「だっ誰か殿下に説明を!そうじゃないと扉を蹴破り中に入ってきちゃう!絶対それは嫌だ!」

すると医師が説明に出ていった。すると助産師さんが来てお腹を触り目を見開き

「確かにもうお一人いらっしゃる様です。妃殿下の世界では多児を授かる事はあるのですか?」
「あっあるよー。双子どころか五つ子とかもあるから!」
「分かりました。もう1人頑張りましょう!」

それから助産師さんがお腹の確認をしながら、いきむタイミングを指示してくれ…

「おぎゃ!」

そこに丁度部屋に戻った医師が慌てて2人目を取り上げ

「なんと!奇跡だ!」
「だから双子だって言ったでしょ!」
「それもありますが千年ぶりです。女児が生まれるのは… 医師をして来て良かった。奇跡の瞬間に立ち合えた!」

そう!レイラの制約で女児が生まれなかったのに、千年ぶりに女の子が誕生したのだ。
感激して泣いている医師を放置して助産師さんが冷静に後産とガンガルケアーをしてくれる。1人目の男の子はローランドと同じ濃紺の髪に若草の瞳て、2人目の女の子は黒髪に黒目だ。これまた遺伝子が偏っている。

後産が終わり産湯が終わった王子に初乳を与え、続いて姫にも与え両サイドに2人を寝かしつけ、やっと一息ついた。

“ばん!” 
「「春香」」「ハル!」

夫達と義両親が入室して来た。もうボロ泣きのローランドは私にキスし双子を見て感動している。遅れて入ってきた陛下が姫を見てフリーズしている。

「きゃぁ!信じられ無い!レイシャルに女の子が生まれるなんて!女の子の孫なんて嬉しすぎる!」

アンヌ母様はハンカチで涙を拭って陛下が王子を抱き上げ、アンヌ母様が姫を抱く。ローランドは私に抱きつき号泣中だ。もー引くレベルだよ。
ミハイルとアレックスは不機嫌にローランドに代わる様に言い、ミハイルとアレックスが代わる代わるちゅーして労ってくれる。
遅れって侍女に連れられてショーンとフレッドがやって来た。

笑顔で抱きつく2人に出産の疲れが癒えていく。

「母様。弟と妹をありがとう⁉︎仲良くするね」
「母様。今日は一緒に寝れる?」
「フレッドは今日からお兄ちゃんだから、弟と妹に譲ってくれる?」
「フレッド…母様は疲れているから父と寝よう」

ミハイルがフレッドを抱っこしてそう言うと、フレッドは私を見て

「僕はだから父様と寝る」
「僕も父様と寝るから母様は赤ちゃんといていいよ。でもキスしてくれる」

にぃにぃの先輩であるショーンは我慢しているのが分かる。2人を呼んで抱きしめてキスをし

「ショーンもフレッドも大好きだよ。今日は無理だけど、また一緒に寝れるからね」
「「母様!」」

かわいい息子と夫達に囲まれて幸せだ。
この後領地からレイモンド父様とアビー母様が来てレイモンド父様が男泣きし、アビー母様が両手で双子を抱っこし食べそうな勢いにミハイルが焦っていた。
伝書鳥から知らせを受けたケイン父様とマニュラ母様が翌日来て、部屋に入って来た時から号泣のマニュラ母様に目に涙を溜めて双子を見つめるケイン父様。沢山の人に祝福され本当に幸せだ。

数日後、産後の日立ちも良くショーンとフレッドと一緒に生活を始め、双子の世話に毎日追われている。

「ローランド。不機嫌なのは勝手だけど子供の前ではやめて」
「しかし!生まれて10日程しかたってい無いのに、既に他国の王子からの縁組の申し込みが沢山届いている!腹が立つに決まっているだろう!」

そう千年ぶりにレイシャルに王女が生まれ、ヴェルディアやアフルガンにゴラスetc…10カ国余りから縁組の申し込みが来ている。
この世界初めての双子な上、異世界人の子だから注目を浴びている様だ。
ちなみに双子は兄はアルバート、妹はアリサと名付けた。

じぃじぃ&ばぁばぁ達は孫Loveになり、毎日登城し会いに来る。ショーンもフレッドも遊んでくれ人が沢山いて毎日機嫌がいい。機嫌が悪いのは夫達だけ。3人とも娘を嫁がせないと意気込んでいる。

レイシャルはアリサ誕生以降少しずつだが女児が生まれる様になった。出生男女比はまだ1%に満たないが、もしかしたら昔みたいに普通に女の子が生まれる様になるかもしれない。

そしてアリサ誕生後にゴラスでも千年ぶりに男児が生まれた。その男児はハンナ王女とジョシュさんの第二子で王子だ。レイシャルと同じ様にゴラスでも男児が生まれる様になった。近い将来付き合わせが無くなるかもしれないと期待されている。
私的にはテクルスとレイラの夫婦仲がいいのだと安心している。夫婦喧嘩の巻き添いは勘弁してほしいから”仲良くしてください”と祈っている。

お昼の中の子供達の寝顔を見つめながら幸せを噛み締めた。

私子育て奮闘中!
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