5 / 5
カナとソール
しおりを挟む
ヴィネの恋人のとんでもない情報を明かし、レオンは生徒会室へ帰っていった。
再び二人だけの時間が訪れる。
「ねぇ、ソール」
「何?」
「私たち、婚約者としてうまくやっていけそうだね」
デートのスケジュールを考えるのが楽しい。
会話が弾む。
一緒にいるのが自然だ。
共にいて居心地がいいのが、共に歩む上で一番大切なことだとカナは考える。
この心地よさはヴィネが隣にいた時にはなかったものだ。
「うん」
カナの言葉にソールも頷く。
未来のことは誰にもわからない。
けれど、上手くやっていきたい。
せっかく結ばれた縁なのだから。
特にカナは二度目の婚約ということもあり、同じ轍を踏みたくないというのもある。
二人にはわかっていた。
まだ互いに対する想いは成熟していない。今は言わば、やっと色づき始めた蕾くらいの段階だ。
けれど、カナはソールといて楽しいし、ソールもまたそうだった。
これから胸に撒かれた小さな種は、婚約者という関係に相応しい花を咲かせる。
そんな予感があった。
◆
次の休日。
ソールとカナはデートらしく待ち合わせをし、美術館へ向かう途中に異様な光景を見た。
それはあのヴィネが少女に追い縋っている姿だった。
「な、なぁ、俺たちは恋人だよな?」
「ええ、もちろん」
「だよな。そうだよな!」
「ヴィネは大切な三番目の恋人よ」
「・・・・・・!」
ミラが笑顔で繰り出した攻撃に、ヴィネは沈んだ。当然、見てないふりをした。
「見て見て。切り絵のランプ作りだって。やってこーよ」
「荷物が嵩張るぞ」
「平気平気。いざとなれば駅のコインロッカーに預ければオーケーでしょ。ね? やってこ?」
わざとらしく可愛いおねだりをすれば、ソールほ折れる。もちろんソールにもカナが狙ってやっていることはわかっていたが、反論するつもりはハナからなかった。
「午後の演奏会も楽しみだねぇ。私シンバルのジャーンって音が好きー」
「シンバルめっちゃ連打する曲あるぞ。今日のリストにもある」
「何それー! めっちゃ気になる!」
「試聴聞く?」
「んー、せっかくだしお楽しみにとっとく」
「そうか」
他愛ない楽しい話をして、二人は歩いていく。
空は晴天。
今日は絶好のデート日和だ。
再び二人だけの時間が訪れる。
「ねぇ、ソール」
「何?」
「私たち、婚約者としてうまくやっていけそうだね」
デートのスケジュールを考えるのが楽しい。
会話が弾む。
一緒にいるのが自然だ。
共にいて居心地がいいのが、共に歩む上で一番大切なことだとカナは考える。
この心地よさはヴィネが隣にいた時にはなかったものだ。
「うん」
カナの言葉にソールも頷く。
未来のことは誰にもわからない。
けれど、上手くやっていきたい。
せっかく結ばれた縁なのだから。
特にカナは二度目の婚約ということもあり、同じ轍を踏みたくないというのもある。
二人にはわかっていた。
まだ互いに対する想いは成熟していない。今は言わば、やっと色づき始めた蕾くらいの段階だ。
けれど、カナはソールといて楽しいし、ソールもまたそうだった。
これから胸に撒かれた小さな種は、婚約者という関係に相応しい花を咲かせる。
そんな予感があった。
◆
次の休日。
ソールとカナはデートらしく待ち合わせをし、美術館へ向かう途中に異様な光景を見た。
それはあのヴィネが少女に追い縋っている姿だった。
「な、なぁ、俺たちは恋人だよな?」
「ええ、もちろん」
「だよな。そうだよな!」
「ヴィネは大切な三番目の恋人よ」
「・・・・・・!」
ミラが笑顔で繰り出した攻撃に、ヴィネは沈んだ。当然、見てないふりをした。
「見て見て。切り絵のランプ作りだって。やってこーよ」
「荷物が嵩張るぞ」
「平気平気。いざとなれば駅のコインロッカーに預ければオーケーでしょ。ね? やってこ?」
わざとらしく可愛いおねだりをすれば、ソールほ折れる。もちろんソールにもカナが狙ってやっていることはわかっていたが、反論するつもりはハナからなかった。
「午後の演奏会も楽しみだねぇ。私シンバルのジャーンって音が好きー」
「シンバルめっちゃ連打する曲あるぞ。今日のリストにもある」
「何それー! めっちゃ気になる!」
「試聴聞く?」
「んー、せっかくだしお楽しみにとっとく」
「そうか」
他愛ない楽しい話をして、二人は歩いていく。
空は晴天。
今日は絶好のデート日和だ。
98
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
双子の妹は私から全てを奪う予定でいたらしい
佐倉ミズキ
恋愛
双子の妹リリアナは小さい頃から私のものを奪っていった。
お人形に靴、ドレスにアクセサリー、そして婚約者の侯爵家のエリオットまで…。
しかし、私がやっと結婚を決めたとき、リリアナは激怒した。
「どういうことなのこれは!」
そう、私の新しい婚約者は……。
妹は稀代の聖女と崇められているのだから、婚約者様のこともパパっと治してさしあげたらいいと思います
貝瀬汀
恋愛
一話完結。ショートショート。聖女様、都合のいいときだけ頼らないでくださいませ? わたくしを利用してくる妹にはうんざりです。
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
とっても短い婚約破棄
桧山 紗綺
恋愛
久しぶりに学園の門を潜ったらいきなり婚約破棄を切り出された。
「そもそも婚約ってなんのこと?」
***タイトル通りとても短いです。
※「小説を読もう」に載せていたものをこちらでも投稿始めました。
大公家を追放されて奈落に落とされたけど、以前よりずっと幸せだ。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
大公家を追放されて奈落に落とされたけど、奈落のモンスターの方が人間よりも優しくて、今の方がずっと幸せだ。
悪夢がやっと覚めた
下菊みこと
恋愛
毎晩見る悪夢に、精神を本気で病んでしまって逃げることを選んだお嬢様のお話。
最後はハッピーエンド、ご都合主義のSS。
主人公がいわゆるドアマット系ヒロイン。とても可哀想。
主人公の周りは婚約者以外総じてゴミクズ。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる